August 02 2011, No.470
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(24)
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.198>
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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先週末は東京に出張しました。
今月末にリヴァプールで開催される<インターナショナル・ビートル・ウィーク>
にエントリーしたバンドのひとつ、<The Clover>の初ライヴを観るためです。

…と書くと、「??」と思われるかもしれませんね。書いた本人の僕も、「なんか
へんだなやっぱり」と思います。
なぜなら、ビートル・ウィークは、世界から選りすぐりのベスト・バンドが集ま
るフェスティヴァルだからです。それに出場するバンドが、本番まで1ヶ月を
切ったこの時期にバンドとして初めてのステージに立つなんて、どう考えてもあ
り得ないことですよね。
そのへんの詳しいいきさつは何号か前のこの欄に書いてますので、憶えておられ
るかたもいらっしゃるかと思います。

はたから見ると無謀なチャレンジではありますが、バンド結成以来この2ヶ月間、
クローバーのメンバーたちは、とにかくひたむきに、がむしゃらに取り組んでき
ました。「死ぬ気でやろうぜ」とエラそうに言っていた僕でさえ、「そこまでや
るか?」とたじろいでしまったほどです。がんばったね、よしよし。

とはいえ、まだまだ完成の域には届いていないのは確かです。
ではどれくらい届いていないものなのか、ここらでいっぺんステージに立ってみ
て、あらためてリヴァプールに向けての戦略を考えよう、というのが今回の目的
でした。本番に勝る練習なし、ですね。

幅広いレパートリーを持つグレイトなロック・バンド<Mario Company>さんがメ
インアクトで、クローバーはゲスト扱いでしたが、むさくるしいおじさんたち
(…すみませんマリオカンパニーさん)とは天と地あるいは月とスッポンほども
対照的な(…またまたすみませんマリオカンパニーさん)かわいらしさは、多く
のお客さんの心をつかんだようでした。予想以上に盛り上がりました。

肝心の演奏は、あえて苦手なレパートリーに挑戦したこともあり、さすがにまだ
まだ発展途上な印象はぬぐえません。課題は山のようにあります。
でも、わずか2ヶ月でここまで来たんです。
そう考えれば、伸びしろははるか太平洋の向こうまで、いや、その先のアメリカ
大陸を超えて大西洋の向こうまで広がっているような気がします(…はい、その
先はイギリスです)。

実際、このバンドの進化のスピードには驚かされました。
ライヴだけでなくスタジオでの練習にも立ち会ったのですが、やればやるほど成
長するんです。にょきにょきという音が聞こえてきそうなほどでした。
「こりゃしんどいなー。やめといたら?」と僕がダメ出しした曲が、そのたった
10分後に「わお、サイコーじゃん!」になってしまうんですから、まったくたい
したものです。
これならきっと、リヴァプールはだいじょうぶでしょう(期待してるよ!)。

書き忘れてましたが、クローバーは、女性3人のビートルズ・バンドです。
次のライヴは今度の日曜日です。場所は新宿にある「レノンハウス
( http://lennonhouse.com/ )」で、今度はいよいよメインアクトだそうです。
たくさんのかたに応援していただけるとうれしいです(さすがに僕は行けません
が…)。

今回のライヴの写真は、「今週のフォト・アルバム」ページに掲載しています。
このNLWのために撮影してくださったChikakoさん、ありがとうございました!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo470.html

                          ― Kaz(02/08/2011)


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▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(24)
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「日々の暮らしが変わる旅もある!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo470.html ≫

■第77話《そろそろホテルに戻って午後の予定です》■

アムステルダムアレナは充実ツアーでした! オフィシャルショップはいつも通
り隅々までチェック!
でも今日はこれで終わりではありません。まだまだこれから!
それにダッチウェザーと言っても傘が必要ない程の雨が時々降るだけです。
「来た道を戻るぞーd=(^o^)=b! 午後からまた叶えたい予定があるもの!」

オフィシャルショップの後って両手にお土産。だから一旦ホテルに戻ります。
それからあらためて、かなり楽しみにしているハイネケンエクスペリエンスに向
かいますよ!
トラムは別の番号に乗り換えが必要だから、ホテルに戻ったとしてもあまりロス
はないしね。
こんなフットワークの良さもOV-chipkaartのお蔭ですね。手軽にトラムや地下
鉄に乗車出来ちゃう!

地下鉄の駅に戻ると、ここにもコロッケの自動販売機があることに気が付きまし
た!
「そろそろお昼だ! お腹が空いてきたなあ(^^;)ゞ」
この自動販売機は本当に便利です。駅の構内にも街の通りにもあるんですよ!
温かいところがまた嬉しいですよね。
思わずチーズコロッケを購入! ほおばりながらトラムの停留所へ。
「ちょっとお行儀が悪いかなρ(°o°)ゝ?」
「でもこんな食べ方が美味しいんですよね!」
私もアムステルダムの交通に慣れてきたし、コロッケを食べながらなんて!
「アムスっ子みたいヽ(^。^)丿」

ホテルに戻ったらアムステルダムアレナのお土産を整理。
「さあハイネケンエクスペリエンスに向かいま〜す!」
今回も乗車するトラムの番号が違うから初めての景色。
「と言うことは?」
路線図と付き合わせながら、慎重に下車する停留所をチェック。
これが英語よりちょっと苦労するところかな。発音出来ない分、記憶し辛くて少
し慎重になってしまいます。

ハイネケンエクスペリエンスも、ホテルからは路線は違うものの4つ目の停留所。
「近いですねえ!」
Stadhounderskadeで下車します。
「ね! 読めないでしょ_(^^;)ゞ?」
トラムの停留所を数えながら「ここだ〜!」って下車! 停留所前にそれらしい
ビルを発見!
「あれっ? 入口はどこ?」
「おー! たくさんのパブが並んでる!」
「入口は違うみたいだよね(~へ~)」

辺りを見回してこんどは運河のある側に移動。
「あったよ〜!」
あの見覚えのあるグリーンの星のシンボルがありました\(^o^)/
さあ、この旅で予定していた最後の目的の場所です!
「最後ですからねー! ゆっくりここを楽しみましょ」
「それに日頃から大好きなハイネケンだもの(*^¬^*)うぃー!」
「チャンピオンズリーグのスポンサーでもあるね!」

入口でチケットを購入。
「あら! グリーンのブレスレットをくれたよ!」
入場券と一緒にブレスレットを頂きました。そのブレスレットにはハイネケンの
シンボルの星マークのボタンが2つ。
「これは何?」
もちろん説明しながら渡してくれたんですけど、私には聞き取れないんです。
すぐに思い出しました!
「そうだ! 2つのボタンってビールを2杯頂けること?」
見学するとビールを2杯頂けるってガイドブックで調査済です。
ボタンは簡単に取り外せるようになってるいからビールとの引き換えに利用だよ
ね。
「ピンときちゃいました! 私の閃きも絶好調o(^-^o)(o^-^)o」

ビールだと勝手に解釈! 期待を一杯に入口で立っているスタッフにチケットを
渡します。
スタッフの方が突然質問をしてきました。
「君は中国人?」
海外でアジア人顔だと「Chinese?」って聞かれることは多いですね。中国人は世
界中でお仕事してますからね。
「Japanese」
そう答えると、彼はちょっとガッカリした表情。
「何故(゜-゜)?」
ガッカリな表情の意味が分からない。

「オー! すぐに分りましたよ!」
中国語のパンフレットはあるけれど日本語のパンフレットはない。
「そうだったんですねえ」
彼は私に英語のパンフレットを渡してくれました。
中国語のパンフレットじゃ英語以上にわからないよね。
「日本語がなくてちょっと残念(゜_゜;)」
でも「ダンキュウェル!」ってオランダ語でお礼を言って、さあいよいよハイネ
ケンエクスペリエンスの見学の始まりです。


■第78話《ビール作りに歴史をかんじますね〜》■

パンフレットを受け取った通路には世界地図。こんなに世界中でハイネケンは楽
しまれているんだね。
改めてその人気に驚き! 進んで行くと前方は暗い入口。
バーカウンターのような作りの部屋で動画が流れているよ。アムステルダムでハ
イネケンが生まれたお話らしい。
カウンターで真剣に動画を見てる人たち。私もちょっと見てました。
「全然どんなお話なのか分らない(/。\)」
こういう時はちょっと残念。でもここを体感することが喜びだもの。
「たとえ分からなくてもワクワク(^_^ ) ( ^_^)」

それから階段を上がって進んで行くとビールの原材料のホップが飾られてます。
手に取って見せてくれて説明をしてくれてます。
「こんなにじっくり見るのは初めて! 毎晩頂いているのにね」
そしてその先に進んで行くと巨大な宇宙船みたいなものが並んでいるよー!
「何なの? この大きなのはw(゜o゜)w」
ここの部屋こそがビールの醸造所。この中でビールが出来るんだね。
スタッフがいろいろとビールが出来るまでを説明してくれているよ!

「製造途中のビールかな?」
「『今、出来たて!』みたいなのをテイスティングしちゃったよ!」
説明なんて分からないのにテイスティングだけはちゃんとしちゃう。
私ってちゃっかりしてる。
「何だかまだビールの苦みが少なくてあんまり美味しくない」
「でもちゃんとアルコールだね!」
この感動を伝えたくて写メールでこの凄い醸造所の光景を送信( ^^)/~~~~~~~~~
「あらっ? すぐに返信メール!」
何も説明しなくてもここがどこだかすぐに分っちゃったみたい。
「やっぱり分っちゃうよね!」
一人旅でも今って世界がこうして繋がってるから寂しくないよね。

次の進路に沿って進んで行くと、
「えっ? どうしてこんなに人が並んでいるの?」
列が出来る程にみんな順番待ちしています。
「ここは遊園地のアトラクションじゃないんだけどなあ」
順路は決まっているから並んで待つしかないみたいです。
「急いでいるわけじゃないし待ってみましょ!」
20人位ずつまとめて案内されて中に入って行きます! 
「ますます謎だなあ(。o゜)」
「私の番が近づいて来たよ!」
「一体この中はなんだろう(°σ °)・・・」
ちょっぴり不安もよぎってきます。

順番がきたみたい!
前の人に続いて中に入ってみると、手摺りつきの段差のある床に見学の人達が
立っているよ。
みんな水槽の方を向いている!
「えっ! 何が始まるの?」
「手摺りがあるって? つまり動くんだよね」
「まさか上下するの(゜゜)(。 。 )(゜゜)(。 。 )?」
ちょっと不安になって来ちゃうよね。
「だってジェットコースターみたいなアトラクションはあんまり得意じゃないん
だもの」
「激しいのはダメだからねー( ̄□ ̄;)!!」

すると水槽だと思っていたスクリーンに男性が映って楽しそうに話し始めました。
「もちろん分かりません!」
なんか「一緒に行こう!」って誘っているみたい。
さすがに動画が進んでいくうちに何となく何を意味してるのか分かって来ました
よ!
「これからみんなで醸造所のビールを体感するんだ〜! 私達はビールなん
だ〜!」

「ビールの私たちはどこまで泳いで行くの?」
「ビールのプールなんて何か楽しい!」
瓶詰めにされて箱に収まっちゃった!
みんなの笑い顔(^▽^ 喜ぶ声Ю―(^O^ )

言葉は分らないけれど、案内役の楽しいトークの雰囲気が伝わってきて一緒に
笑っています。
彼と一緒にビールの中を泳いだ後は、ガタガタとコンベアーで運ばれちゃう。
「キャー(^o^)/楽しい!」
このあとハイネケンは世界中に飛んで行くのね。

楽しいアトラクションが終わって次の部屋へ移動。
「オー! ビールが用意されてます!」
プロが注いでくれたビールをティスティングらしい。
「すぐに飲ませてはくれないんですよ(-_ゞ)」
美味しいグラスへの注ぎ方を教えてくれているみたいです。
そして美味しい飲み方の説明をすべて聞き終わったらやっと飲める!

「まだ? もう飲もうよー(^v^")」
だって意味が分らないから聞いたって聞かなくたって同じだもの。
「すみません。自分が分からないのに!」
やっとお話が終わって、グラスにビールを注いでくれて頂けることに!!!
「わあ〜! これって無料で頂ける2杯とは別?」
「合計3杯頂けちゃうの?」

この見学は午後にくることをお薦めです。午前中だと酔っちゃって午後からのプラ
ンが大幅に狂っちゃることもあり得るからね。
「午後に来てよかったヾ(´▽`;)ゝうへへ!」

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo470.html ≫ 


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第198号 / Happy Birthday Museum of Liverpool
                      & Royal Liver Building ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish198_photo.html ≫

こんにちは。
7月19日、待望の<Museum of Liverpool(ミュージアム・オブ・リヴァプー
ル)>がオープンしました。
その前日にスニークプレビューに行ってきたのですが、その時はまだ展示物の設
置作業だけでなく、博物館周辺の舗装作業までもがフル回転で行われていて、本
当に開館式に間に合うのかと、見ているほうがハラハラしてしまうほどでした。
でも翌日には何事もなかったのごとく、めでたく開館を迎えました。

7月19日の午前10時、ミュージアム・オブ・リヴァプールの入口前には大勢の
一般客が詰め掛け、リヴァプール国立博物館(National Museums of Liverpool)
ダイレクターのデヴィッド・フレミングと会長のフィル・レッドモンドが大きな
ピンク色のリボンを手に持ち、6歳のフィン・オヘア君が巨大なはさみを抱えて
登場し、テープカットを行いました。

フィン君は、昨年の秋にデヴィッド・フレミング宛に「ボク、何でも開ける
(オープン)のが得意なんです。ボクに博物館をオープンさせてくれませんか?」
と手紙を書いたことがきっかけで、開館式の主役として抜擢されました。
何とも「人々の人々による人々のためのミュージアム」のオープニングにふさわ
しい人選です。

フィン君から正式に開館宣言がなされた後、群集の流れに交じって館内に入ると、
2羽のライヴァーバードに扮したパフォーマー達がお客さんにちょっかいを出し
ています。
実はこの日は<ロイヤル・ライヴァー・ビルディング>の100周年記念に当る日で
もありました。
ピアヘッドをはさんで両端に建つこの2つのラディカルな建築物が、100年の月
日を経て同じ7月19日にオープンしたことになります。
お客さんがライヴァーバード達に「ハッピーバースデー」を歌っている光景も見
られました。

お年寄りから子供達まで、本当に幅広い層の人達が博物館を見学しています。
今回は第一段階のオープニングで、地上階と最上階のスペースが開放されました。
地上階には、エレガントな白い螺旋階段がフィーチャーされた吹き抜けロビーと、
ショップ、カフェ、6歳以下の子供達を対象にした「リトル・リヴァプール」、
リヴァプールの多国籍なルーツを物語る「グローバル・シティ」のセクションが
あります。

「グローバルシティー」は定期的に展示が入れ替わる企画展で、今回はリヴァ
プールと上海をテーマとした「イースト・ミーツ・ウェスト」展が開催されてい
ます。

「リトル・リヴァプール」には、リヴァプール国立博物館の所蔵品のA-Zが壁に
展示されていて、中央には「リヴァーパドルズ」と名づけられたマージー川と川
岸の建築物の模型があります。
実際に水が張られた川の底には海底トンネルの覗き窓があり、ハンドルを回すと
自動車や電車がトンネルを走るようになっていて、大人も子供心に戻って楽しめ
ます。こちらは時間制になっていて、セッションが終わると、4匹のビートルズ
(カブトムシ)の人形達が、さよならを告げる歌を披露してくれます。

螺旋階段で最上階まで上がると、階段を取り巻くエリアが「スカイライト・ギャ
ラリー」と名づけられています。
ここにはアーティストのベン・ジョンソンがウォーカー美術館で2008年に制作し
た大型の絵画「リヴァプール・シティースケープ」と、マイク・マッカートニー
の写真展が見られます。

この階にある二つの主な展示スペース「ザ・ピープルズ・リパブリック」と「ワ
ンダラス・プレイス」には、右にも左にも上にも見どころがぎっしり詰まってい
ます。

「ザ・ピープルズ・リパブリック」は、過去200年におよぶリヴァプールの街に
おける暮らしの変化に焦点を当てたセクションです。
住宅、福祉、雇用、失業率、労働運動などについても触れています。
ヴィクトリア時代のリヴァプールの繁栄の陰で、過密化した貧窮地区のひとつ
だったリヴァプール北部のスコットランド・ロード地区の「コート」と呼ばれる
集合住宅、26コート、バーリントン・ストリートの一部を再現したライフサイズ
の模型があります。
1870年のリヴァプールの庶民達が、衛生状態の悪い小さな住宅で大人数で暮らし、
トイレも「プリヴィー」と呼ばれる屋外トイレを数世帯で共用していたことが伺
われます。
プリヴィーの模型の前で年配のご夫婦が、「私達も昔はこういうところに住んで
いて、お風呂もこんなブリキの風呂を使っていたんだよ」と懐かしみながら語っ
ていました。

そことは対照的に、綿花の輸入で富を築いた当時の国会議員ジョージ・メリーが
妻子と召使と共に暮らしていた90チャッサム・ストリートの部屋の様子も垣間
見ることができます。
展示されている豪華な調度品も同じく1870年のもので、ヴィクトリア時代がい
かに貧富の激しい時代だったかが伺えます。

写真や人々の思い出で綴られる「シークレット・ライフ・オブ・スミスダウン・
ロード」、そしてかつては小さな農村だったエヴァートン地区が200年のあいだ
にどのように発展して行ったかを辿る「エコーズ・オブ・エヴァートン・ヴィ
レッジ」といった特定のコミュニティにフォーカスを置いたコーナーもあります。

窓際の壁には、ライヴァービルディングのてっぺんにあるライヴァーバードの等
身大のレリーフが飾られていて、窓から望める現物のライヴァービルと見比べな
がら、その大きさが実感できます。

また、当初建てられるはずだったサー・エドウィン・ルーティエンスが設計した
メトロポリタン大聖堂の「夢の設計模型」が展示されています。
実際に建てられたものとは全く異なり、模型を見ているだけでもその壮大さが伝
わってきます。これが建てられていたら、きっとホープストリートの風景もまた
違ったものとなっていたことで
しょう。

南リヴァプールのへールウッドにあるフォードの自動車工場で最初に造られた
1963年製のフォードアングリアの実物がディスプレイケースの上に置かれていま
す。

もちろんスカウス・コーナーもあり、リヴァプール特有のフレーズも学べます。
「ワンダラス・プレイス」のセクションでは、リヴァプールの音楽、文学、コメ
ディ、アート、テレビ番組、スポーツがフィーチャーされています。

ハイライトの一つに、ビートルズコーナーのミニシアターには、ジョン・レノン
とポール・マッカートニーが初めて出会ったセント・ピーターズ教会のホールの
ステージの実物があります。
ここでは、「イン・ザ・タウン・ホエア・アイ・ウォズ・ボーン」と題した、映
像とビートルズのメンバーそれぞれが自分立ちの生い立ちからバンドキャリアに
ついて語る音声が織り成すショーが鑑賞できます。

フットボールのコーナーでも「キッキング・アンド・スクリーミング」と題した
映像ショーが上映されるミニシアターがあり、ともに無料ですが、時間制になっ
ていますので、事前にチケットが必要です。

ビートルズ関連のメモラビリアは他にも、ビートルズ4人の衣装、ジョン・レノ
ンとオノ・ヨーコが1969年にモントリオールのベッドインで使用したオリジナ
ルのベッドカバー、プラスティックのギターやロシアンドールといった当時のプ
ロモーショナルグッズなどが見られます。
埼玉のジョン・レノン・ミュージアムにあったメンディップスの模型も現在ここ
で展示されています。

ビートルズ以外の音楽コーナーでは、ビートルズ前から、パンク・ニューウェー
ブを経て最近のバンドのメモラビリアが展示されている他、ポップクイズのゲー
ムで知識を試してみたり、カラオケ・ブースで歌って楽しむこともできます。

スポーツのコーナーでは、フットボール、ボクシング、競馬、競輪などがカバー
されています。
エヴァートンFCの経営陣のあいだでの話し合いが決裂し、リヴァプールFCが誕
生する舞台となったサンドン・パブのレプリカ。リヴァプールのイベントカレン
ダーの中で重要なグランド・ナショナルにちなんで、ジャンプする競走馬の模型
の下には、1900年に優勝したアンブッシュIIのスケルトンの実物が展示されて
います。

博物館の内外では、オープニングを祝ってブルーハーハに参加している世界各国
のパフォーマー達がサンバドラムやダンスを披露し、盛り上がりました。

今年末には、1階のリヴァプール高架鉄道(Liverpool Overhead Railway)、シ
ティー・ソルジャーズ、ヒストリー・ディテクティブ、グラウンドフロアのグ
レート・ポートのセクションを含む、第二段階のオープンが予定されています。

<ミュージアム・オブ・リヴァプール>
 住所:Pier Head, Liverpool L3 1DG
 電話:0151 478 4545
 オープン:毎日午前10時〜午後5時 入場無料。
 ウェブサイト: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/mol/

♪ ♪ ♪

同じ週の週末(7月22日〜24日)には、《オン・ザ・ウォーターフロント》イ
ベントの第二弾、《リフレクション・オン・ザ・ウォーターフロント》がピア
ヘッドで行われました。
私は木曜日のプレヴューと土曜日の回を観にいきました。カール・デイヴィス指
揮によるロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラの野外コンサートが開か
れ、ビートルズやクラッシックのお馴染みのナンバーを披露し、くつろいだ夕暮
れを楽しみました。

ようやく日が暮れた夜10時過ぎに、100周年を迎えたロイヤル・ライヴァー・ビ
ルディングと新たに誕生したミュージアム・オブ・リヴァプールを祝い、この二
つの建物の外壁には迫力ある音響とともに見事な3Dプロジェクションマッピン
グが披露されました。

仕掛け人は、チェコのアーティスト集団ザ・マキュラ(The Macula)で、プラハ
の天文時計600周年記念を手掛けた作品がリヴァプール市の文化事業担当者の目
に留まり、今回英国でのデビューを果たしました。

ライヴァー・ビルディングの建築的な特徴を細部まで余すことなく活かしたこの
アニメーションは、リヴァプールの歴史からイメージを得たストーリー仕立てに
なっていて、建物は様々な表情を見せました。

プロジェクションの模様は、Vimeoから見られます。このビデオをパソコンで見
ていると、普通の画面で見るアニメーションかと錯覚してしまうほどクリアで精
巧です。
http://vimeo.com/26827092

ライヴァー・ビルディングのプロジェクションに続いて、ミュージアム・オブ・
リヴァプールに映像が映し出され、音楽とともに建物に美しい躍動感を与えまし
た。
http://vimeo.com/26884619 

The Macula: http://themacula.com/

オン・ザ・ウォーター・フロントの第三弾は、海洋をテーマとし、9月8日〜15
日に開催されます。
http://www.liverpoolonthewaterfront.co.uk/8-15-sept/

♪ ♪ ♪

夏のカーニバルはまだまだ続きます。8月6日(土)、LGBTカルチャーを讃える
<リヴァプール・プライド>のパレードが午前11時にセント・ジョージズ・ホー
ル前の広場から出発します。
またピアヘッドでは、《サマー・オブ・ラヴ@ピア・ヘッド》というテーマで、
ヒッピー色に染まります。音楽ステージやストールが建ち並びます。
http://www.liverpoolpride.co.uk/  

8月末には、恒例の《ビートル・ウィーク》と《マシューストリート・フェス
ティヴァル》に加えて、一年のブランクを経て《シェイクスピア・フェスティ
ヴァル》が帰ってきます。
8月25日から9月10日まで、セント・ジョージズ・ホールにて「ロミオとジュ
リエット」が上演されます。
http://www.liverpoolshakespearefestival.com/

それではまた!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish198_photo.html ≫


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▼スカウスハウス・ニュース
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*** ガイドツアー「ロンドン特別編」 ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
実施しています。シャーロック・ホームズゆかりのスポットを案内する「ホーム
ズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」。ディープなロンド
ン体験をぜひ!
http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html 


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index3.htm 


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧
ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週のフォト・アルバム ******

先日行われた女性ビートルズ・バンド<クローバー>のライヴと、連載「日々の暮
らしが変わる旅もある!」に関連した写真を掲載しています。
ぜひご覧ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo470.html 


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□■ 第470号 ■□

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 ◇編集 山本 和雄&ミナコ・ジャクソン
 ◆Eメール info@scousehouse.net
 ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/
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