September 13 2011, No.474
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「Footballの旅」(25)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.474です。
今週は久しぶりに、下村えりさんの「Footballの旅」をお届けします。前回が3
月初めですから、なんと半年ぶりの掲載です。フットボール・ファン、それから
えりさんファンのみなさん、お待たせしました!

今回は8月27日に行われたプレミアリーグ<リヴァプールvsボルトン>のマッチ・
レヴューなのですが、この試合、本当は僕が観に行くつもりだったんです。
ちょうど<International Beatle Week>の期間中で、せっかくリヴァプールにい
るんだから、こりゃあ行かなくちゃ、と思ってチケットを取ったのでした。
しかし運悪く、試合の時間とフェスティヴァル出場バンドのギグが重なってしま
い(クローバ〜! 君たちのギグだよ!!)、泣く泣くあきらめてえりさんにチ
ケットを譲ったのです。

そのときのえりさんのうれしそうな顔といったら…。昼間だというのに、まるで
フラッシュがバチバチとたかれたように輝いていました。まわりに花やら星とか
もひらひらしていたような気がします。えりさんって、ほんっとうに心底フット
ボールが好きなんだなあと、ちょっと感動してしまいました。

実際に、僕の何倍も楽しんでもらえたし、おまけにこうやってNLW用に原稿や写
真まで提供してもらえたのですから、結果的にはよかったと思ってます。僕も本
望です。
…とは言いながら、やっぱり僕も行きたかったなあ、アンフィールド…。

                          ― Kaz(13/09/2011)


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▼寄稿:「Footballの旅」
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「Footballの旅」 / 下村 えり(Eri Shimomura)

 〜 Vol.25 Premiership - Liverpool VS Bolton, 27 August 2011 〜

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo474.html ≫

【Introduction:はじめに】
NLW読者のみなさまこんにちは!
2011年プレミアリーグの開幕から早くも数週間が過ぎました。私にとっては久し
ぶりのレビューになります。どうぞしばらくの間お付き合い下さい。

【Anfield :アンフィールド】
イングランド北西部に位置するリバプールは、8月の後半ともなると初秋を思わ
せるような肌寒さである。この日も例外ではなく、18度から20度前後のクール
な気温と変化に富んだお天気。
Anfieldに着いたのは試合開始2時間前であったが、すでに驚くほどの人混みと
熱気である。このスタジアムと周辺の気温や気圧は、ほかよりも高くなっている
に違いない。Anfieldマジックである。

時間はまだ余裕がある。Anfieldの目の前のサポーターPub“The Park”で飲んで
行こう。しかしそこは人であふれている。店内に入るにも列に並ばなくてはなら
ない。そのための係員まで用意されている始末。やっとの思いで中に入るが、
入ったところで身動きができず、バーのカウンターまでの道のりの遠いこと、遠
いこと。ようやく辿り着いたと思っても、なかなか順番が回って来ない。サーブ
されるまでじっと待つことおよそ10分。1パイントのビールにありつくのにこ
れほど苦労したことはないかもしれない。

LiverpoolサポーターのPubだけあって、応援歌が絶えずバックグランドで鳴り
響く。しかも当然ながらLiveである。噂には聞いていたが、結構Powerful!!!
私は実はMan Uサポーターであるが、応援歌に誘われて自然と身体が動き出す。
Man UファンならLiverpoolを憎むのが当然というステレオタイプな観念は私に
は全く無い。リバプールに住むようになってからは特に、EvertonとLiverpool
の両フットボールチームに対しては愛着を感じている。

ほろ酔い気分でPubを出て、スタジアムの中に入る。

【New Players update:新移籍情報】
ホーム側Liverpoolは、8月31日の移籍マーケット最終日に面白いニュースが
バタバタと飛び込んできた。
まずArsenalやSpursが目を付けていたMF Joe Coleだが、フランスのリールと
1年のローン契約を結んだ。そしてFW David NgogはBoltonへ移籍。
一番面白いのは、FW Craig Bellamyがフリー移籍でリバプールへ戻ってきたこと
だ。Kenny Dalglishを見て育ったベラミーが、彼からのラブコールを受けて
Anfieldに戻ってきた。彼自身最高に嬉しかったようで、喜びのコメントをいく
つも残している。その一部を紹介しよう。

ベラミー:今季獲得した選手たちの多くが英国人で、リバプールのファンになっ
た頃を思い出した。懐かしい感じがするし、そんなチームの一員になれるなんて
本当にすごく光栄だよ。ケニーといえばおそらくクラブ史上最高の選手。そして
彼は選手としてだけではなく、監督としても成功した。彼が去ってからあの頃の
ような偉大さがなくなってしまっていたと思う。だから彼が戻ってきた時代の
一員になれるなんて本当に嬉しいんだ。

彼は使い方によっては魔法に変わるトリッキーな選手でもあるが、ケニー自身
「彼の才能を信じてる」とコメントし、リバプールの新たな即戦力と期待されて
いる。

その他では、ウルグアイ代表DF Sebastian Coatesを獲得し、Sunderladから
£16mでMF Jordan Hendersonを、そしてAston VillaからMF Stewart Downing
を£20mで獲得した。
これによって、前監督のHodgsonの時代に加入したプレイヤーのほとんどが姿を
消すことになった。

ミッドフィールドからディフェンスにかけての高年齢化が進み、新旧交代を余儀
なくされつつあったリバプールだが、Kennyも少ないバジェットから必要充分な
Playerを獲得した様にうかがえる。今後、彼が新旧のプレイヤーをどの様にブレ
ンドしていくのか楽しみである。

一方のOwen Coyle監督率いるBolton Wanderersであるが、リバプールから俊足
FWのNgogを得て、肉弾戦に強い選手DF Gary CahillやキャプテンのFW Kevin
Davisに加え更に戦力強化。Cahillの移籍も随分騒がれていたようだが、最終的
にBoltonに留まったようだ。

【Bolton Wanderes FC】
ここで今日のアウェイチーム、Boltonについて簡単に紹介したい。Boltonは地
理的にいうとManchesterの北部に位置し、イングランド北東部にあたる。
フットボール史では、1888年に始まった世界最古のフットボールリーグ12チー
ムのうちの1つであり、歴史は古い。
1874年にChrist Church FCの名でスタートし、現在の名Bolton Wanderersに改
名したのは1877年である。

昨シーズンの途中に就任した監督のCoyleは、現役時代はBoltonのプレイヤー
でもあった。彼はスコットランド人でグラスゴー出身。プレミアリーグの中にグ
ラスゴー出身の監督がなんと6人もいるのは驚きである。
ちなみに6監督の中にはリバプールのDalglishやエバトンのDavid Moyes、マン
UのAlex Fergusonも含まれている。

Boltonと言えばロングボールとフィジカルフットボールが代名詞となっているが、
Coyleにより流麗なパスワークとポゼションフットボールを融合、厚みのある
チームが出来上がって来ている。
特に、何処からも攻撃が仕掛けられるミッドフィルダー陣の充実や、安定した
ゴールキーパーJussi Jaaskelainenは注目すべきポイントだ。先シーズン10位
とリーグテーブル真ん中に付けたが、今シーズンは少しでも上位に躍進出来るの
か楽しみである。

【Kick Off:試合開始】
リバプールは開幕戦でサンダーランドと引き分けたものの、その後は連勝で快適
な滑り出しをみせている。キャプテンでありチームの切り札でもあるMF Steven
Gerrardは怪我で長期離脱中であるが、絶対的なファンの支持を得ている
Dalglishは、昨シーズン途中にHodgsonから受け継いだチームを、確実に自分の
カラーに変えて行っている。効率的であり、攻撃的なフットボールだ。      
              
<前半>
ホイッスルと同時にFW Luis SuarezからFW Dirk Kuytにボールが渡り、試合が
始まった。リバプールはボールをホールドし、前方へと時間を掛けて丁寧にボー
ルを廻す。ボールを奪われても、すぐに取り返す。
そして早くも開始15分、ホーム陣営に歓声が上がった。
左サイドのタッチライン際からSuarezが右足アウトサイドでクロスを入れると、
Downingがボレーでシュート。これは惜しくもGK Jaaskelainenに止められるが、
Kuytがこぼれ球を拾いHendersonへとパス。新入りHendersonが見事にリバプー
ルでの初のゴールを決めた。1−0!

その後はBoltonが積極的に反撃に出る。
17分、ゴール横右サイドからのクロスを、左サイドで待ち構えるブルガリア代
表MF Martin Petrovが利き足の左で鋭いボレーシュート。しかしGK Pepe
Reinaの強力なハンドで跳ね返される。グレイトショット&グレイトセイブ!

危機を乗り越えたリバプールは再度主導権を握り、Suarez、Kuytのコンビで前へ
前へと出る。
そして24分、ピッチ中央でHendersonがオフサイドラインを警戒するSuarezに
ボールを上手くリリース、SuarezとJaaskelainenは1対1となる。ペナル
ティーボックス右前でSuarezはループシュートを放つが、僅かにゴールの上を
掠った。会場からは一斉にため息が漏れる。

<後半>
1−0で迎えた後半、追加点の欲しいリバプールと同点に追いつきたいボルトン
であったが、主導権は完全にホームのリバプールが握る。
50分にはこぼれ球をしっかりと掴んだMF Charlie Adamが左足でシュートを放つ
がゴール右に逸れる。
しかし続く52分には、Adamからのコーナーキックをゴール前でSkrtelが上手く
あわせて、ゴールが決まった。2−0! ホーム待望の追加点にAnfieldは大き
く揺れる。

更にその1分後、Kuytからのパスが先ほどのゴールをアシストしたAdamに渡る
と、効き足とは反対の右足であっさりゴールを決める。3−0!

そしてリバプール圧勝と見えた後半ロスタイムの92分、ボルトンからのロング
ボールを阻止しようとしたDF Jamie Carragherがミスタッチ。ボールはPetrov
に渡る。PetrovがFW Ivan Klasnicにパス。そしてボールはネットに収まった。
3−1!

【Ending:試合終了】
結果、ロスタイムの集中力欠如はややあったものの、Boltonのオープン過ぎる守
りにも助けられて、リバプールの圧勝ゲームだった。
新加入のDowningとHendersonの働きが前線のKuytとSuarezに幅のある攻撃オ
プションを与えていた。本日の彼らのパスワークに特別な美しさを感じたのは私
だけではあるまい。これに怪我から戻ったキャプテンGerrardが加わると、どん
な素晴らしいフットボールが完成するのだろうか。早く見てみたいものだ。

Fin

≪マッチ・データ≫
 Premiership 11-12
 LIVERPOOL 3 - 1 BOLTON WANDERERS
 Anfield Stadium, Saturday 27 August 2011 17:30
           
            リバプール        ボルトン
 ゴール          3            1
        (Henderson15 Skrtel52 Adam53)  (Klasnic90)
 ターゲットショット    9            4
 コーナーキック      12            6
 ファウル         5            7
 オフサイド        3            0
 イエローカード      0             2
                    (Steinsson43 Klasnic49)
 レッドカード       0             0
 ポゼッション       60%           40%
 
 Team Line-ups
 Liverpool: Reina, Jose Enrique, Agger, Carragher, Kelly(Skrtel 30),
       Henderson(Maxi 76), Downing, Lucas, Adam,
       Suarez(Carroll 76), Kuyt.
 Subs Not Used: Doni, Robinson, Spearing, Shelvey.
 Goals: Henderson, Skrtel, Adam.

 Bolton: Jaaskelainen, Steinsson, Robinson, Cahill, Knight,
      Muamba(M Davies 26), Eagles(Tuncay 56), Petrov, Reo-Coker,
      Davies(Pratley 71), Klasnic.
 Subs Not Used: Bogdan, Wheater, Riley, Blake.
 Booked: Steinsson, Klasnic.
 Goal: Klasnic.

 Attendance(観客数): 44,725

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo474.html ≫


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