January 17 2012, No.490
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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 ▽フロム・エディター
 ▼「利物浦日記2010」(9)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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1月17日です。
阪神淡路の大震災からちょうど17年となりました。
あれから17年も経ったなんて、なんだか不思議な気がします。その時のことは
記憶力の貧弱な僕でもわりと生々しく憶えていて、とくに昨年の東日本の大震災
が起きてからは、折に触れて思い出します。そうやって思い出すことが大事なん
だなあ、と思います。

阪神淡路の震災のことは、前にも何度かこの欄で書いています。
今日も何か書くつもりで、さきほど2年前に書いたものを読み返してみたら、自
分で言うのもヘンですけど、「なかなかいいなあ」と思ってしまいました。せっ
かくなので(なにがせっかくなのかよくわかりませんが)、ここに紹介しておき
ましょう。手抜きだなあ…すみません。
 http://scousehouse.net/magazine/magazine402.html 

僕にとって1月17日は、鎮魂の日であると同時に、希望の日であり、初心に帰
る日でもあります。1日1日を大切に、しっかり生きて行こう、という気持ちに
なります。

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フィンランド出張のため、来週のNLWはお休みとさせていただきます。
次号(No.491)は、1月31日の発行予定です。

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                          ― Kaz(17/01/2012)


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▼「利物浦日記2010」9
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「利物浦日記2010」9 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo490.html ≫

【8月28日(土)】

6時10分。
ビートライブスの5人+コーラス参加のピーコさん、そして僕の7人が、アデル
フィ・ホテルからタクシー2台に分乗した。
リヴァプール大聖堂には6時15分ごろに到着。めずらしく余裕だなあと思った
のもつかの間、忘れ物をしたメンバーがそのままタクシーでホテルへ引き返し、
結局全員がそろって入場したのは40分ごろだった。

コンサートの幕が開くのは7時15分。まだ30分近くあるが、3,000はあろうか
という客席はほとんど埋まっている。このチャリティ・コンサートは、巨大で壮
麗なリヴァプール大聖堂で行われることと、ビートルズの名前が冠せられたこと
で、単なる《ビートル・ウィーク》のイヴェント以上の意味を持つことになった。

我々はパフォーマー用のパスを提示し、スタッフに先導されて客席の横を抜け、
メインステージの裏手に用意された楽屋に辿り着いた。
この楽屋はビートライブスのほかに、アルゼンチンの<NUBE 9>とスウェーデンの
<Pepperland>が使うことになっていた。どちらのバンドも先に到着していて、
我々を気さくに迎えてくれた。
両バンドとも世界的なビッグネームであり、《ビートル・ウィーク》では野外ス
テージや大ホールに登場する。もちろん今日のコンサートではメインアクトだ。
つまり知名度や実績からすれば、ビートル・ウィーク初出場でまったくの無名の
ビートライブスよりもはるかに格上なのだけれど、どのメンバーもまったくえら
ぶったところがなく、非常にフレンドリーなのである。

まるで経済学者のような知的な風貌をしたペパーランドのマイケルは、「日本を
ツアーしたことがあるんだよ」と嬉しそうに僕に話しかけてきた。前身バンドの
<Lenny Pane>の時代だそうで、声も話し方も表情もやっぱり知的な感じがした。

ヌーブ9では、フェルナンドという兄ちゃんが僕の話し相手をしてくれた。ぽっ
ちゃりとした愛嬌のある顔で、いつもニコニコ。さっきのマイケルとは対照的だ。
とてもスターバンドのメンバーとは思えない。
フロント・ウーマンのルクレシア嬢とも挨拶したけど、あまりの美しさにそれ以
上は話しかけられなかった。ほんとにきれいなんだもん…あの大きな瞳でじっと
見つめられると、吸い込まれてしまいそうな感覚になった。

コンサートがスタートして、バックヤードにあるこの部屋にも音が聞こえてくる。
ビートライブスの出番は9時26分。15分前にステージ横に行くとして、9時過
ぎまではここにいなくてはならない。このなんにもない殺風景な部屋であと2時
間…。
この2時間が、実に長かった。とてつもなく長かった。

ここでコンサートのプログラムを紹介しよう。
関係者用に配られた進行表をそのまま写している。MAINとあるのはメインのエレ
クトリック・ステージで、WELLがアコースティック・ステージ。PULPITはメイ
ンステージ横の説教壇で、挨拶やスピーチ、詩の朗読が行われた。
進行表だから当たり前なのだが、各パフォーマーの出演時間が分単位で細かく設
定されている。しかし当然ながらこのとおりに進行するわけもなく、ビートライ
ブスの出番までに20分、最終的には30分以上の遅れが出た。これだけのスケー
ルのイヴェントだからまあ仕方ないけれど…。

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THE BEATLES − PEACE, LOVE & UNDERSTANDING − The Concert
@ THE ANGLICAN CATHEDRAL

First Half

1. 06.45−07.00 Cathedral bell ringers
− Across the Universe & Let it Be − ARRIVAL
2. 07.00−07.15 Ecce Cor Meum − CD playback − ARRIVAL
3. 07.15 Bishop James − Introduction − PULPIT
4. 07.17 Jon Keats − Welcome from Cavern City Tours
5. 07.20 Love & Joy Gospel Choir
− The Word/Give Peace A Chance − MAIN
6. 07.25 Victoria Sharpe − Heaven On A Sunday − WELL
7. 07.29 Victoria Sharpe & Victoria McDermott − Two Of Us − WELL
8. 07.33 Jon Keats − Oh My Love/Love WELL
9. 07.39 Marcus Cahill (& Dovedale School Choir)
− Happy Xmas War Is Over − MAIN
10. 07.43 Julia Baird − Jai Guru Deva Om − PULPIT
11. 07.45 Contemporary Urban Choir − Across The Universe − MAIN
12. 07.50 Hal Bruce − I Will/Your Love is Forever − WELL
13. 07.56 Peter Santora − Within You Without You − WELL
14. 08.00 Mark McGann − Spoken Word (John in Liverpool) − PULPIT
15. 08.02 Mark McGann − In My Life(with Pepperland) MAIN
16. 08.05 Pepperland − Beatles Set (running order) MAIN
Because, Something, And I Love Her, Michelle,
I Want to Hold Your Hand, Don't Let Me Down, Real Love,
Soldier Of Love, PS I Love You, Eight Days A Week,
Ballad of John & Yoko, Her Majesty

08.40 INTERVAL

Second Half

17. 08.55 Joe Riley − Let It Be & Imagine − ORGAN
18. 09.00 Charlie Guitar − Here Comes The Sun − WELL
19. 09.04 David Bedford − Cathedral links & Blackbird Singing − PULPIT
20. 09.09 String Quartet − My Love, Maybe I'm Amazed − MAIN
21. 09.15 Bob Bartey
− Lovely Linda, Warm and Beautiful & Here Today − WELL
22. 09.23 Julia Baird − Antartica − 7 Continents PULPIT
23. 09.26 The Beatribes − You Are Here WELL
24. 09.30 Nube 9 − MAIN
Give Me Love, Oh Yoko, That Was Me, All Things Must Pass,
Choose Love, Mind Games, Ebony & Ivory, Jealous Guy,
Blow Away (with Rick Alan), Woman (with Marcus Cahill),
Pipes Of Peace, For Love, Brainwashed,
My Sweet Lord (with Contemporary Urban Choir)
25. 10.19 Marcus Cahill − Gimme Some Truth − WELL
26. 10.21 Bishop James − PULPIT
27. 10.26 All You Need Is Love − Starbucks − SCREEN
28. 10.26 NUBE 9 & All Performers − All You Need is Love − MAIN
29. 10.35 "Peace" from Oratorio EXIT
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プログラムを見て感じるのは、選曲の素晴らしさだ。ありきたりの曲がほとんど
ない。ビートルズ解散後に各メンバーが発表した、ソロでの「隠れた名曲」がた
くさん、絶妙に配置されている。
そして何より、コンサートの趣旨である「平和と愛と相互理解」が見事に、しか
し決して押しつけがましくなく表現されている。

<Peace, Love And Understanding>というフレーズは、ニック・ロウが書いて自
分のバンド<ブリンズレー・シュワルツ>で録音した曲のタイトルがオリジナルだ
と思う。僕の大好きなナンバーだ。正式なタイトルはあたまにカッコがついて、
<(What's So Funny 'bout) Peace, Love And Understanding>となる。ジョン・
レノンが死の数日前のインタヴューで、このタイトルをそのまま口にしたことが
とても印象に残っている。きっと共感していたのだろう。たしかに歌詞を読むと、
まるでジョンのことを歌っているんじゃないかという気がする。
こんな歌詞だ。

 おれは歩いている
 悪意に満ちたこの世界を
 狂気の暗闇の中で光を探しながら

 おれは自問する
 すべての希望はついえてしまったのか?
 残っているのは痛みと憎しみとみじめさだけなのか?

 そんな気分になるときはいつも
 このことだけが知りたいと思う
 平和と愛と理解しあうこと、これのどこがそんなに可笑しいんだ?
 平和と愛と理解じゃないか、そんなにかっこわるいことか?

 おれは歩きつづける
 厳しい時代だ
 ときどきひどく落ち込んでしまう
 強さはどこにいった?
 誰を信じればいい?
 ハーモニーはどこだ?
 あのスウィートなハーモニーは

 あきらめてしまいそうになるたびに
 おれはこうわめきたくなる
 平和と愛と理解しあうこと、これのどこがそんなに可笑しいんだ?
 平和と愛と理解じゃないか、そんなにかっこわるいことか?

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo490.html ≫


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