January 31 2012, No.491
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」(10)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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フィンランドから帰ってきました!
《タンペレ・ビートルズ・ハプニング》フェスティヴァルは今年も大盛況。1月
20&21日の2日間合計でおよそ3,000人(推定)のファンがつめかけ、会場は
いっぱいになりました。

去年に続いての招待となったブルーマーガレッツのライヴも大、大、大成功でし
た。
彼女たちを目当てにやって来た人たちのなんと多かったことか。会場内のパブ
リック・スペースに顔を出そうものなら、すぐにファンに取り囲まれてしまいま
す。今年のフェスティヴァルには15組のバンドがエントリーしたそうですが、ブ
ルーマーガレッツが「最も愛されたバンド」であることは間違いないでしょう。

もちろんパフォーマンスも素晴らしかったです。クラシックの公演も行われる大
ホールでのライヴは、立派すぎるし空間が広いし客席との距離もあるしで、彼女
たちにとってはかなり不利な条件のように思われましたが、まったくの杞憂でし
た。客席の全員がブルーマーガレッツのファンだったからです。かしこまった雰
囲気はみじんもなく、最初から最後まで親密で暖かい空気に包まれ、感動的な
ライヴコンサートとなりました(もちろんブルーマーガレッツならではの爆笑
シーンもいくつかありましたが)。今思い出しても、じ〜んとしてしまうほどで
す。

この旅の面白いエピソードはたくさんあって、それをどうしたものかと、いま考
えています。
「たんぺれたろう日記」のパート2を書こうかな…。う〜んどうしよう…。

ひとつだけ紹介しておきましょう。
前々号のこの欄で、僕はこんなことを書いています。「トニーさん」とは、ビー
トルズのヒストリーには必ず登場するミュージシャン、トニー・シェリダンのこ
とです。

 ブルーマーガレッツには、トニーさんに失礼のないように、頼むから機嫌を
 損ねるようなことだけはしないように、とお願いをしました。
 …というのはまるっきりのウソで、なんにも気にせず思いっきりパフォーム
 して目立ってハジけて大ウケしてほしいです。トニーさんが「すんません参
 りました」と脱帽して、そのはげ頭をなでなでしてあげるくらいに。
 みんな、がんばろうね。でもなでなではほんとうにやるなよ。

さすがになでなではしなかったのですが、かなり失礼なことをやらかしてしまっ
たのです、彼女たちは。

初日の金曜日、ホテルのエレベーターに乗っていたら、途中でギターケースを
持ったおじいさんが乗ってきたのだそうです。それが伝説のトニー・シェリダン
だったのですが、彼女たちには誰だかわからず、つい、「あなたもバンドの人?」
と訊ねてしまいました。
おじいさんの口から「おれ、トニー・シェリダンだけど」という言葉が発せられ
た瞬間、全員が「ひええぇっ」とエレベーターの壁に張り付いたのだそうです。
まるで磁石のスイッチが入ったみたいに、背中から。ばちっと一斉に。

まるで漫画です。実に実にブルーマーガレッツらしい話で、僕はその場にいたわ
けでもないのに、今でも思い出し笑いをしてしまいます。

ついでに書くと、そのトニーさんのライヴコンサートは、個人的にはあまり楽し
めなくて、ほとんど寝てしまいました。はい、僕もかなり失礼なやつです。人の
ことは言えません。でもあとから聞いた話では、「入場料を返してほしい」と主
催者にクレームをつけた人もいたそうです。つまらないと思ったのは僕だけでは
なかったということですね。実際、演奏中はあちこちから野次が飛んでいて、ど
うひいき目に見ても盛り上がったとは言いがたいライヴでした。その前に演奏し
たブルーマーガレッツとはまるで雲泥の差です。客席にいる彼女たちのところに
来て記念撮影をせがむ人も出る始末…(こらこら、トニーさん演奏中だってば。
せめてフラッシュはやめろぉー)。

ついでのついでに書くと、フェスティヴァルが終わった翌朝、今度は僕がエレ
ベーターの中でトニーさんに遭遇することになりました。
何か言わないわけにはいきません。「トニーさん、昨日のあんたのステージ、な
んだあれ? たいくつで寝ちゃったぜぇ〜」という言葉が一瞬出かかったのです
が、さすがにそれは思いとどまり、「とてもよかったです。ありがとう」と笑顔
で話しかけました。僕も少しオトナになりました。
するとトニーさん、まんざらでもない様子で、「うん、ありがとう。そうだな、
なんといってもオーディエンスが素晴らしかったからな」と真顔で答えたのです。
…んん、いったいいつどこのライヴの話をしてるんだろう? と、頭をひねって
いるうちにエレベーターは1階に着きました。

さらに付け加えるなら、2003年にリヴァプールで観たトニー・シェリダンはシビ
レるほど素晴らしかったです。今回はバンドも急造だったし、いろんな条件が悪
いほうの目に出て、たまたまああいうステージになったのではないか…と、フォ
ローしておきますね、いちおう。

えーと、そういうわけで、今回もハプニングいっぱい、楽しさいっぱい、感動
いっぱいの「ブルーマーガレッツinフィンランド」の旅となりました。
ブルーマーガレッツのみなさん、ユーハさん、ノアさん、《タンペレ・ビートル
ズ・ハプニング》主催者のみなさん、バンドのみなさん、会場であったみなさん、
そしてタンペレの街に、最上級のありがとうを。 

Kiitos so much!!

                         ― Kaz(31/01/2012)


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▼寄稿:「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」(10)
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「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」(10) / ちかこ

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■ツアー最終日■

いよいよ今日は各バンドのラストギグです。
The Cloverさんが12時からCavern Back、Now Hereさんが14時からCavern Pub、
そしてThe Beatribesさんが17時からCavern Pubでの演奏です。
そのあと、18時過ぎからスカウスハウスツアーの全員揃ってのフェアウェル
パーティーがあります。

今日の私の予定は、えりさんと一緒に10時からの「Mendips & 20 Forthlin
Road Tour」に参加するThe Beatribesさんに同行、その後はフェアウェルパー
ティーまでフリーです。
昨日も行った「Mendips & 20 Forthlin Road Tour」は、事前にカズさんから、
「ちかこさん、ほんとに悪いけれど2日とも同行して欲しいんだけど…」
と言われ、
「2回も行っていいの?! やったー!!」
と大喜びして、カズさんに苦笑されたのでした。

参加者は9時25分にアデルフィのロビーに集合です。The Beatribesさんのメン
バーのヒッキーさんとビリーさん、ニッキーさんの奥様のピーコさん、同行者の
Tさん、Aさんご夫妻、そしてえりさんと私の8人が集まりました。ニッキーさん
も参加予定だったのですが、のどの調子が悪く、ギグに備えてホテルの部屋で
休養することにしたとのことでした。

アデルフィ前からタクシー2台に分乗、行き先はえりさんがドライヴァーに伝え
てくれて、ツアーのピックアップ場所であるジュリーズインに向けて出発です。
車中でドライヴァーのおじさんが話しかけてきました。ところがこのおじさん、
リヴァプール訛りがきつくて何を言っているのかさっぱりわかりません。やっと
聞き取れたのは「The Beatles Story」という単語だけ(汗)。
「The Beatles Storyに行くか?」って聞かれているのかなぁ…? 「いえいえ、
ジュリーズインに行きたいんです〜」と、こちらも訛っている英語で必死に伝え
ます。隣の車線にはえりさん達が乗ったタクシーがいます。そのタクシーと同じ
道を進み、無事ジュリーズインに着いて一安心。

9時45分に昨日と同じツアードライヴァーが点呼を取りに現れ、しばらくしてから
ミニバスに乗り込みました。カズさんからはツアーの参加者は私達だけだと聞
いていましたが、バスに乗ってみるともう一人、男性のお客さんがいました。お
話してみるとアイルランドから観光にいらしたとのこと。昨日のツアーにお兄さ
んが参加したそうで「とにかくお前も行って見てこい!」と言われ、今日来てみ
たのだそうです。
そういえば昨日のツアーに「アイルランドから来た」と言っているおじさんがい
たっけ。バスの中で隣の席になったシェリーちゃんとお話していたなぁ。
そしてそれがきっかけで、おじさん兄弟は昨日The Cloverさんのギグを見てくれ
たのだそうです。ありがとう!

私達を乗せたバスは、Mendipsに到着。早速家の前で記念撮影です。そしてコ
リンさんの案内で家の中に入ります。今日はえりさんが同行しているので、えり
さんの通訳付きです。キッチンやリヴィングを案内してもらって、その後各自自
由に家の中を見学してまわります。その時、コリンさんがえりさんと私を呼びま
した。通訳が入る分、時間がかかるので、普段より大分説明を短くしたとのこと。
いつもと同じ説明をしていたら自由に見てまわる時間がなくなってしまうのです。
参加した方にもそのことをお伝えしましたが「大丈夫。全然問題ないです」と
言って頂き、一安心です。

その後再びバスに乗り、20 Forthlin Roadに移動。ここでもまずは家の前で記
念撮影。中に入って案内を聞きながら部屋をみてまわります。ここをガイドして
くれるのはコリンさんの奥様です。
ポールの部屋にいた時に聞いたお話では、最近ポールの弟さんのマイクから
連絡があり、ポールが婚約者(当時)のナンシーさんにこの家を見せたがって
いるとのこと。それから5カ月経っていますから、もしかしたら既にご夫妻でこ
の家を訪れたかもしれませんね。

ツアーを終えてバスは12時40分頃ジュリーズインに戻り、そこで解散です。
The Beatribesさんご一行はそのままジュリーズインでお茶(食事?)していく
とのこと。アイルランドからのおじさんは、すぐにJohn Lennon Airportに向か
い、16時の飛行機で帰国するとのことでした。
えりさんはシティセンターに戻り、カズさんと合流です。ちょうどThe Cloverさ
んのギグが終わった頃かな?


■フリータイムに■

私は一度ホテルに戻ることにしました。
途中マークス&スペンサーに立ち寄り、昼食を買って部屋に戻りました。そして
再び友人に電話をしてみましたが、留守電になってしまっています。私の明日の
出発は朝7時。今日都合が合わなければせっかくリヴァプールにいるのに今回会
うチャンスはありません。どうなることやら…。

何度か電話をかけて、夕方にやっと話すことができ、20時に友人宅の最寄り駅で
待ち合わせをすることになりました。
フェアウェルパーティーは18時15分頃から19時45分頃までの予定です。皆さんに
は申し訳ないのですが、私だけ少し早めにパーティーを抜けることになりそうで
す。カズさんにも連絡して早めに抜けることを伝えると、快くOKを頂きました。

この日は月曜日でしたがBank Holidayという休日でマシューストリートフェス
ティヴァルが開催されているため、電車の運行が通常の月曜日とは異なっていま
す。念のため、前もって運行状況を調べにLime Street駅へ向かいました。
フェスティヴァル終了後には駅も混雑して切符売り場には行列が出来るかもしれ
ないので、切符も今のうちに買っておいたほうがいいかも…。

窓口に行き往復の切符を購入。ついでに窓口のお姉さんに帰りの最終電車の時間
を聞いてみましたが、お姉さんが何と言っているのか、さっぱりわかりません。
同じことを何度か繰り返し言ってくれましたが、全然わかりません。ここではな
く改札の中にいる人に聞くように言っているような…。しまいには「あなた、英
語わからないのね」と言いたげな無愛想な顔で思いっきりため息をつかれてしま
い、これにはかなり落ち込みました…。

問題なのはリヴァプール訛りか、私の英語力か、はたまたその両方か?? よく
よく見るとカウンターの上に「マシューストリートフェスティヴァル期間中の電
車運行案内」のような題名の時刻表があり、それを貰って一件落着したのでした。


■ギグが…■

そうこうしていて、気付いた時にはもうThe Beatribesさんのギグが始まる時間
になっていました。どうしよう…。急げば間に合うかも…。でも会場はきっと入
場制限されていて、行ってもすぐには入れないだろうし、まだ出掛ける用意も出
来ていません。結局ギグを見るのは諦めて、18時の集合時間に合わせて行くこと
にしました。

なんということか、ギグ最終日に私はどのバンドのギグも見なかったのです!
後から聞いたところによると、特にThe Beatribesさんのギグは観客と一体とな
り、メンバーも涙、涙でとっても感動的だったとのこと。
このBeatle Week期間中ほど、身体が2つ欲しい!(あと体力も!)と思ったこ
とはありません。

18時にCavern前に集合し、えりさんの案内でフェアウェルパーティーの会場であ
るスポーツパブに移動します。ギグを終えたばかりのThe Beatribesさんは一度
ホテルに戻って着替えてくるとのことで、先にNow Hereさんご一行と、買い物
を終えてやってきたThe Cloverさんとで飲み物を注文して歓談しながら待つこと
にしました。その間にカズさんはNow Hereさんに明朝のロンドン行き電車の案内
などをしています。

19時過ぎにThe Beatribesさんご一行と一緒にYさんも到着。全員が揃ったところ
で乾杯です。
「かんぱ〜い!! お疲れ様〜!」
みんな充実感いっぱいの笑顔でした。

(つづく)

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ださい)。折り返し、在庫の有無やチケット代金をお知らせいたします。
どのマッチも確保枚数はとても少ないです。お早めに!
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NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週のフォト・アルバム ******

連載「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」の写真を掲載して
います。ぜひご覧ください!
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