April 03 2012, No.499
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「ノア姉さんのブルマ追っかけ大作戦〜フィンランド編」(2)
 ▽寄稿:「ハプニングもレベルアップな旅って!」(6)
 ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.205>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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2週間ぶりのNLWです。
今週は久しぶりに、ミナコさんの特派員レポート「ゴールドフィッシュだより」
を掲載しています。
ピアヘッド、郊外の湿原「パークゲート」、そして地域住民の手で見事に再生さ
れた「ザ・フロリー」のお話です。本文と一緒に写真もじっくりご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish205_photo.html

最後のフロリー、僕自身は何も貢献していないのですが、それでも言いようのな
い感慨を覚えました。たまたま知人がこの再生プロジェクトの中心人物で、ス
タート当初から話だけは聞いていたのです。
そのあとでミナコさんを介して知り合ったトミーさんがこれまた目標に向かって
アグレッシヴに一直線なナイスガイで、話を聞くたびに「今基金がこれだけ集
まって、あと何年でこれだけ集める」と力強く、おそろしいほどのパッションで
進捗状況を語ってくれていました。

最初はほとんど夢のように思えた計画がどんどん実現に近づいていく様子には、
ただただ驚くばかりでした。そしてそれが、ついに現実になったのです。
ミナコさんが「不可能を可能にしたサクセス・ストーリー」と書いているのはま
さにその通りで、オーバーな表現でも何でもありません。

ディングルやトクステスというと荒っぽいイメージがありますが、実はとても人
情味があって、住民同士の結びつきの強い地域です。再生プロジェクトが見事に
実を結んだのは、やはり「次世代のためにこの地域をより良くしたい」という住
民たちの意思や決意が、大きなファクターとなったに違いありません。この新し
いフロリーが、地元の人々にとっての新しい希望になるように願っています。

トミーさん、ほんとうにおつかれさま、チアーズ! そして3年前に亡くなった
知人、ジム・ブレイドの魂にも乾杯を!

● ● ●

先週末、東京に行ってきました。
今年の夏にリヴァプールで演奏する3バンドに集まってもらって、「スカウスハ
ウス・Beatle Week東京ミーティング」を開催したのです。
ライヴハウス「レノンハウス」を借り切って行ったミーティングは大成功。頼み
もしないのに(といっても実は期待していましたが)順番に演奏を聴かせてくれ
たりして、予想以上に盛り上がりました。

ミーティングといっても、会議とか集会とか決闘とかではなくて、「顔合わせ飲
み会」のつもりで企画したのですが、3バンドともそのへんはきちんと理解して
くれていたようで、とても頼もしかったです。
本番までまだ5ヶ月近くありますが、早くも夏のリヴァプールが楽しみになって
きました。バンドのみなさん、がんばりましょう!

Beatle Week観賞パッケージ「スカウスハウス・ツアー」は、まだまだ参加者募
集中です。あなたもぜひ!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2012.html

● ● ●

リヴァプールの春の風物詩、セフトン・パークの水仙の写真が、下村えりさんか
ら届きました。毎年恒例ですね。えりさんいつもありがとう!
「今週のフォト・アルバム」ページに掲載しています。どうぞご覧ください(前
述の東京ミーティングの写真も紹介しています)。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo499.html

                         ― Kaz(03/04/2012)


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▼寄稿:「ノア姉さんのブルマ追っかけ大作戦〜フィンランド編」(2)
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「ノア姉さんのブルマ追っかけ大作戦〜フィンランド編」 / ノア

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo499.html ≫ 

●運命の出会い?

そうそう・・2009年のリバプール、ブルマのギグについて回って付いている
時に、いつも赤い顔をした不審な酔っ払いおじさんがいました。
ブルマのギグには必ず現れるのです。ギグが終わると、真っ赤な顔でメンバーに
つきまとい、いつも決まってカズさんに追い払われてたっけ(笑)
ブルマのメンバーとも「変なおじさんいるよね〜」と話していました。

そうです。それがユーハさんだったのです。
あとからカズさんに聞いた話では、このときのユーハさんは人生の転機に立って
いて、「自分のために生きよう。自分の好きなことをやろう」と一大決心。昔か
ら憧れていたリバプールに来ていたのだそうです。
そして生まれて初めてキャヴァーンに入ったときに、そこで演奏していたのが、
なんとブルマ!
まさか日本人の、女の子のバンドに遭遇するとは夢にも思ってなかったユーハさ
ん、まるで神の啓示を受けたようなショックを覚えたのだとか・・

「・・とゆーよりはあれだな、鳥のヒナが初めて見た動くものを親だと思っちゃ
うのと一緒なんじゃない?」
とカズさんはひどいことを言ってたけど。
私にはユーハさんの気持ちがよ〜〜くわかる。

ユーハさんはこのときに「ブルマを追いかけよう」と決めたそう・・
まさに運命の出会い!

「運命ねえ、そうだねえ、幸運だったんだか不運だったんだか・・」
と、カズさんはいつも憎まれ口。

初めてのリバプール、初めてのキャヴァーン、初めてのブルマ。
私とユーハさんは、まったく同じときにブルマと運命の出会いを果たしていたの
だ!
でもそのときはお互いぜんぜん知らなかった。
それどころか第一印象はとても悪かった。
けれど、その酔っぱらいおじさんが実は慈悲深い男性で・・最後には涙で抱擁す
る関係になろうとは・・


●タンペレ・ビートルズ・ハプニング

その後ユーハさんとブルマはメールで親交を深めて、なんと翌2010年には東
京で再会!
ユーハさんはご家族を連れての来日でした。
(というか、家族を巻き込んでのブルマ追っかけツアー?)

その年、2010年の1月にフィンランドのタンペレで初めて開催されたのが
『Tampere Beatles Happening』でした。
そのフェスティバルの責任者イモさんと親しかったユーハさんは、2011年に
招待するバンドとして、ブルマを強烈にアピール。
日本から呼ぶには経費もかなりかかるし実力もだいじょうぶなのかと尻込みする
主催側を強引に説き伏せて、ついにそれを実現させてしまったのでした。
愛の力ってやっぱりすごい・・

その2011年のフェスティバルは、私は日本でお留守番。
カズさんとプロカメラマン森田さんが同行したので安心して送り出しました(本
当は心配だったけど・・完全に母だ・・私は・・笑)。
そうそう、タンペレでのライブ中さとみちゃんが、
「今、ノアさんがいた気がする〜」
と、感じてくれたそう。
はい、幽体離脱してました・・確かに・・(笑)

以前のカズさんのレポート『たんぺれたろう日記』にも書いてあったように、ラ
イブは大成功。
リバプールと同じくらい・・いやそれ以上に熱狂的に盛り上がったそう。
ブルマもがんばったけど、ユーハさんはマネージャー兼広報担当として八面六臂
の大活躍。まさに二人三脚でした。

空港での別れの際には、ユーハさんとはもう二度と逢えないかも・・と、今生の
別れのような雰囲気だったらしくメンバー全員が大号泣したそうです(あとで
私も聞いてもらい泣きしました。ダメだこりゃ・・)。
それくらいの気持ちを抱かせてくれた男性であります。
(もう酔っ払いの・・なんて言いません・・言えません・・でもやっぱりお酒好
きな人だ・・笑)

そんな切ない別れを知ってか知らずか、私は仕事を休んで、メンバーをビックリ
させようと成田に迎えに行っていました。

そうとは知らないメンバー、私を見るなり母を見るような眼で「え〜! どうし
て〜?!!」と涙ぐみ、抱きついてきました。
無事に帰ってこれて良かったと、母のように安堵した私でした。


●なぜフィンランドへ?

そして・・今回もユーハさん熱烈オファーの『Tampere Beatles Happening
2012』(やっぱりマネージャーなのか? 笑)。
昨年の大成功のおかげでタンペレ側は問題なしだったけれど、東日本の大震災や、
メンバーの交代があったりして、ブルマのほうがなかなか決断できず、とても悩
んでいました。
でも最終的には、去年あたたかい拍手や声援をくれた人たちに元気な姿を見せた
い、日本のことを心配してサポートしてくれた人たちにありがとうと言いたい、
と出場を決心したのだそうです。

そして私。
昨年は涙を飲んでメンバーを送り出した訳ですが、今年はすっかりブルマ好きが
知れ渡ってしまっていて(笑)、いろんな人から、
「ノアさんは行かないの〜?」

最初は今年も行けないな〜と思っていました。
同行者は、通訳としてカズさんは決まっていました。
でも、昨年同行したカメラマン森田さんは行かないとの事。
これを聞いた瞬間、
「じゃあ私がカメラマンとして行けばいいんだ!!」
と、勝手に盛り上がってしまった(笑)。

会社や家族の了解もとれて、もちろんブルマのメンバーも喜んでくれた。
でも、心配なことがあった。
一緒に行けるといっても、ただのツアー参加者。
出演者とお客さんは一緒にいられるわけじゃない。
飛行機やバスやホテルでは一緒でも、フェスティバル中は客席から観てるだけで
一緒に行動できないんだ、どうしよう・・
メンバーにもかえって迷惑がかかるかも・・
さとみちゃんも「ノアさん一人にさせちゃうかも?」と気にしてくれていた。

そんな悩みをカズさんには話していないのにある日メールが届いた。
ユーハさんにあることを頼んでくれていた。
ノアはブルマの公式カメラマンだからプレスパスを発行してくれ、って!
そしてユーハさんは二つ返事でOK!!
すご〜い!!!
これでずっと一緒にいられる。ブルマに迷惑かけなくて済む。

そしてそして・・・
公式カメラマンとして行くんだったらいいもの撮らなきゃ!
な、なんと一眼レフカメラまで買ってしまったのです!
メンバーには秘密。空港でこのカメラを見せたらびっくりするだろうな〜♪

カズさん、ユーハさんの心遣いがなかったらここまで気持ちが盛り上がらなかっ
たし、最終的には行かなかったかもしれません。
本当にありがとうございました。
(・・・だってノアさん別行動だったら僕が写真撮らなきゃいけなくなるじゃ
ん・・と、内心カズさんは思ってたそうです・・おいおい・・笑)

さあ、いよいよフィンランド。またまた夢が現実に・・
あっ、その前にカメラの勉強もしなきゃ!!(笑)

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo499.html ≫


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▽寄稿:「ハプニングもレベルアップな旅って!」(6)
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「ハプニングもレベルアップな旅って!」 / Anne

■第19話《さすがトルコ人だった》■

何とか入国!
入国審査だけでへとへとな私( ̄□ ̄;)!!
前回来たとき、タクシーでシティセンターまでは£15程だったよね。
「またタクシーを使っちゃおう!」
「だって円高だもん!」
早速タクシー乗り場へ直行。
「あっ! コンビニに寄ってお水の購入は忘れませんよ( ̄^ ̄)!」
お札を崩して、タクシーのドライバーさんに渡すチップ、£1コインを用意して
おきます。

タクシー乗り場で順番に乗車。
「何だかスーツケースの積み方が雑だなあ・・・」
内心思ったのは正しかったんです。
「運転もw(゜o゜)w!!!」
「凄いスピード〜!」
「体が左右に振られる!」
ドライバーさんは確かにイギリス人て感じじゃなかった。
イギリスのタクシードライバーって他の国に比べたら「信頼出来る」イメージ
だったのになあ。
「事故だけは勘弁してくださいよ!」
心の中で祈っていると突然ドライバーさんが話しかけてきました。
「もちろん英語!」

すぐに「英語は苦手!」と答えます!
だから優しいシンプルな英語です。
「リヴァプールには観光?」
「リヴァプールに友達はいるの?」
「何日滞在するの?」

英語で言える範囲で答えていると質問がだんだんあれ(゜o゜)?
「年はいくつなの?」
「結婚しているの?」
「リヴァプールにはボーイフレンドはいるの?」

何だか質問がおかしな方向だよねー(゜゜;)
「リヴァプールにボーイフレンドが欲しくない?」
「僕がボーイフレンドってどう?」

イギリスに来てこんな風に声をかけられるのは初めてだから驚き。
女性をすぐに誘うのはイタリアとかトルコやギリシャってイメージ!
「そういうのはよく聞くよね!」
「女性を見たら誘うのが挨拶のようなものらしいよね!」

「やっぱり(´▽`;)!」
ドライバーさんはトルコ人でした!
リヴァプールFCファンだって話してみます。
彼はガラタサライのサポーターだそうです。
ガラタサライのサポーターってかなり熱いんですよね。
それにしてもやっぱりトルコ人だった。
トルコへの旅行の時には普通にこんなお誘いがあるのね。
トルコやイタリアやギリシャへ旅行するときの勉強になったかも(´-`)


■第19話《お部屋でネットを使いたい!》■

ホテルに到着。リヴァプールでは初めて宿泊するホテルです。
チェックインでインターネットを使いたいことを伝えなきゃ。
無事にセキュリティコードを聞くことが出来るかなあ。
「ちょっと不安!」
「チェックインは何度も経験しているから何とかなると思うけど(゜□゜)」

フロントでエクスペディアの予約表を渡したらチェックインはすぐに終了です。
前回エクスペディアの予約を利用したのはバレンシアのホテル。
その時にはこの印刷物は必要なかったんですよ。
パスポートを見せると予約されていることが分かってチェックイン終了。
今回は予約の時にパスポートの情報を伝えませんでした。
予約方法が変更されたんですね。

さあチェックインしたところでここからが肝心( ̄ο ̄)
「Can I use 〜」
インターネットを使いたいことを伝えます。
「何台?」って聞かれました。
「パソコンとスマートフォン・・・二台」

すると2枚の紙を渡されました!
「こちらがPC、こちらが携帯電話」
急いでカウンターにあるペンをお借りして、それぞれの用紙にPCとTELの文字
を書き込んでみます。
フロントの方もそれを見て頷いてくれて何とかうまくいったみたい。
このホテルは台数ごとのIDが必要みたいです。
「想定外だ('〜`;)┌!」

セキュリティコードじゃなかったのがちょっと不安。
日本では無線LANを使わせて頂くときに教えて頂いたのは無線の電波のセキュリ
ティコードだったんだもの。
今回ホテルで教えてくれたのは「ユーザー名とID」
パソコンのこともあまり詳しくない私には意味が分からない。
「英語で尋ねる訳にもいかないし!」
「部屋でセッティングしてから考えたらいいか!」
「きっと何とかなるよね(*^^)v」


■第20話《無線LANの状態が!》■

今回も早めに予約したから部屋に入って感激です。
大きなダブルベッドが部屋の中央にドカーンヽ(^○^)/!
割と広めの部屋で落ち着いた感じです。
早速パソコンをセットしてみなきゃ。
「電源、電源」
デスクの横に1つ見つけたよ!
「えっ(゜O゜)? 1つだけ?」
考えてみてくださいよ。
携帯の充電、デジカメの充電、パソコンの充電。
「今どきの旅では3つは欲しいですよね!」

「仕方ない(-_-;)」
「1つを順番で使うしかないか!」
そして電源を入れて電波を確認!
「ホテル名の電波がFREE?」
「何だあ?」
電波はフリーだからここにセキュリティコードを入れる必要はないよね。
こんどはインターネットをクリック!
「あ〜(゜ο゜)! これなんだあ。」
インターネットをクリックしたらホテルのホームページだよ。
いつもの自分のパソコンに設定されているホームのサイトじゃない!

「ありました〜(^o^)!」
ホテルのホームページ画面の中央にIDを入れるところ!
「IDを入れて、パスワードを入れてEnter!」
「いつものホームページだ!」
「やったー!」
「これでペットシッターさんからのメールが読めるよ!」
「それにブログの更新も出来るはず!」
でもすぐに電波の弱さに気が付きました。
「電波状態表示の棒が1本とか2本しかない(―_―)!!」
自宅だったらこの表示は5本とも立っているのにです。

「どうしよう(°.°;)どうしたらアップロード出来るの?」
「もしかしたら画像のデータが小さかったら出来るの?」
「それなら出来るかも!」

まずはブログのために画像サイズを小さくして撮影!
パソコンが苦手な私にはこれ位しか思い浮かばない。
小さなサイズなら何とかアップロードが出来ました!
「一つ解決してまた一つ難問(´へ`;)」
「スマートフォンのIDを入れる場所が分からない!」
「あまりにも旅行寸前に買い替えたのがまずかった!」
「スマートフォン自体が分からないことだらけなんだものo(><;)(;><)o」

(つづく)


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第205号 / Pier Head & Parkgate and The Florrie Re-opened! ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish205_photo.html ≫

こんにちは。
3月の後半は、春を通り越して初夏のような温暖で晴れた日々が一週間以上続き
ました。
北部のスコットランドでは23度というこの時期としては記録的な気温となり、
リヴァプールでも連日18度くらいまで気温が上がりました。
晴れているだけで、街や人々の様子が見違えるものです。私達も晴れた日に散歩
がてらピアヘッドや隣接するマンアイランドを歩いたり、川向こうのパークゲー
トまで足を伸ばしてみました。

ミュージアム・オブ・リヴァプールへ行った際は、ちょうどビートルズの《サー
ジェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド》のアルバムカバーを
手掛けたピーター・ブレイクのアートバスが来ていました。
このダブルデッカーバスの中では、ピーター・ブレイクの作品のプリントやマイ
ク・マッカートニーの写真が展示されています。上の階のデッキからのスリー・
グレイシズ(ライヴァー・ビルディング、キュナード・ビルディング、ポート・
オブ・リヴァプール・ビルディング)の眺めも抜群でした。
CCA Art Bus: http://www.ccaartbus.co.uk/

ピーター・ブレイク氏といえば、現代版のサージェント・ペパーズをお披露目し
たばかりです。なかなかの面白いメンツ揃いです!
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-17582676

♪ ♪ ♪

パークゲートは、マージー川の向こう側のウィラルとチェシャーの境に位置しま
す。
見どころは、ディー川に向ってどこまでも広がる湿原です。河口という土地柄、
潮汐の影響でときどき満潮時に冠水するのですが、最満潮を記録する3月初旬に
は、多くの珍しい野鳥が観察できることから、バードウォッチャーが集まる場所
としても知られています。

そして湿原と並んで有名なのが、創業1973年の老舗のアイスクリームショップ
「ニコルズ(Nicholls Famous Ice-Cream Shop)」で、カラフルなホームメイド
のアイスクリームがずらりと並んでいます。
乳製品がダメな人でも、シャーベットがあります。私達は、ジューシーでフレッ
シュな期間限定の<スーパー・スペシャル・ブラッド・オレンジ・シャーベット>
を堪能しました。
http://www.visitparkgate.co.uk/#/famous-ice-cream/4552888575

湿原が見渡せるプロムナード沿いには、ニコルズのほかにも複数のレストランや
パブ、フィッシュ&チップのテイクアウェイがあります。

パークゲートの北側にあるボートハウス・パブの向こう側には、「ウィラル・カ
ントリーパーク」の入口となります。
1973年にイギリスで初めてカントリーパークの指定を受けたことで知られる公園
で、土手沿いを歩きながら、左手には湿原が、右手にはゴルフコースという珍し
い景観が楽しめます。

途中、ゴルフ場の真ん中を横切る公共の歩道を通って、旧バーケンヘッド鉄道跡
のウィラルウェイというハイキング・サイクリングコースまで行き、そこから
ウィラル半島の北端のウェストカービーまで足を伸ばすことも可能です。
さすがにそこまでは歩きませんでしたが、私達はヘズウォールまで歩いてパーク
ゲートまで戻りました。ラッパ水仙やハリエニシダの黄色い花々が咲いていて、
春も本番といった感じでした。

パークゲート
http://www.visitparkgate.co.uk/

ウィラル・カントリーパーク
http://www.visitwirral.com/attractions-and-activities/country-attractions/wirral-country-park

<リヴァプールからパークゲートまでのアクセス>
マージーレイルのウィラルラインでリヴァプール・ジェームズ・ストリート駅か
らチェスター方面のフートン(Hooton)駅まで乗り、272番バスに乗り換え、終
点のパークゲート・ザ・パレード・シップ・ホテル(Parkgate, The Parade,
Ship Hotel)前で下車。

時刻および乗換え情報はこちらから。
http://www.traveline-northwest.co.uk/journeyplanner/enterJourneyPlan.do?hss=0YajT66791660

♪ ♪ ♪

エイプリルフールの日曜日、リヴァプールのディングルでは、市民団体の長年の
努力と情熱と夢が崩壊寸前の建物を救い、息を吹き込みました。
「フロリー」ことザ・フローレンス・インスティチュートが修復され、コミュニ
ティーセンターとしてオープンしました。

フローレンス・インスティチュートは、ヴィクトリア朝時代の裕福な商人でリ
ヴァプール市長でもあったバーナード・ホールが、22歳という若さで他界した娘
のフローレンスを偲び、
1889年に建てた地元青少年育成のためのクラブです。
ユースクラブを目的として建てられた英国初の建築物として、国の第二級指定建
造物に登録されています。

しかしフロリーは、80年代には財政上の理由から閉鎖となり、廃墟と化します。
さらに1999年には、火災により内装や屋根が焼かれ、この建物の再生は不可能
だと思われていたといいます。

そんななか、2000年代初頭に入って地元の有志が集まり、フロリー再生に向けた
動きが加速、2005年には「ザ・フローレンス・インスティチュート・トラスト・
リミテッド」を結成し、再生実現に向けた資金調達や関係各団体との交渉、修
復・改装計画の立案などを開始しました。
最終的には630万ポンド(現在のレートで約8億6,300万円)の助成金を獲得し、
2年前から工事が着工、今回のオープンにこぎ付けました。
地元住民が揺ぎ無いビジョンを貫き、不可能を可能にしたサクセス・ストーリー
です。

生まれ変わった建物の中には、グランド・ホールという多目的ホール、カフェ、
歴史資料室、図書館、スポーツジム、そしてホロックス・タワーと名づけられた
展望台があります。

歴史資料室には、フローレンス・インスティチュートと修復過程の記録だけでな
く、ディングル・トクステス地区の歴史に関する展示物があり、ちょっとした
ミュージアムになっています。
この地区が輩出した著名人は、リンゴ・スターとフロリーのOBでもあるジェ
リー&ザ・ペースメーカーズのジェリー・マーズデンだけではありません。ロッ
クンローラーのビリー・フューリー、フットボーラーのロビー・ファウラーとイ
アン・キャラガン、ボクシングの元世界チャンピオンのジョン・コンテ、詩人・
歴史家・植物学者・国会議員・奴隷貿易廃止運動家だったウィリアム・ロスコー、
そして1600年代に金星の日面通過の最初の観測者として歴史に足跡を残したエ
レミア・ホロックス(こちらではジェレマイアと発音します)もこの地区出身で
す。

また、フロリーが建てられる以前のはるか昔の1207年には、このエリアは貴族
や地主層が鹿、狼、猪などの狩猟を楽しむためのロイヤル・パークで、庶民は立
ち入ることはできませんでした。密猟者には、かなり過酷な罰が待っていたよう
です。

上の階からさらに螺旋階段を上ると、ホロックスにちなんで名づけられた展望台
があり、マージー川や大聖堂などがぐるりと見渡せます。ここには望遠鏡も設置
される予定です。

ジムのエリアはまだ完成していませんでしたが、この地区のボクシングとの深い
関わりが表れた壁画が見られました。この多目的ジムのスペースでは、スポーツ
各種やダンス教室が行われ、その他月一回ファーマーズマーケットも開かれる予
定です。

2008年のゴールドフィッシュだよりで、日本人アーティストの中村政人さんによ
る「Zプロジェクト/セイヴ・ザ・フロリー」
( http://scousehouse.net/goldfish/goldfish139.html )
( http://scousehouse.net/goldfish/goldfish139_photo.html )
のイベントをご紹介しましたが、あの時はまだ資金調達の真っ只中でした。そし
てグランドホールのあるエリアは、屋根が焼け崩れて空が見えて、中には雑草が
生えている状態でした。

今回この建物に入ったとき、地元民でない私でもとてつもない感動を覚えました。
屋根やタワー部分のドームなど建物が単に修復されただけでなく、バーナード・
ホール氏の遺志が現代の住民にしっかりと受け継がれているのがひしひしと伝
わってきます。
しかも新生フロリーは、青少年はもちろん、赤ちゃんからお年寄りまでがスポー
ツ、文化、社交イベントやプロジェクトを通じて楽しめる21世紀のコミュニ
ティーセンターです。
家族連れ向けのアクティビティや、ティーン向けのレクリエーション活動、年配
に人気のビンゴなどが定期的に行われます。
また貸しスペースとしてイベントや結婚式場としても使われます。

スカウスハウスでも何度も登場している友人のトミーさんは、セイヴ・ザ・フロ
リー運動を精力的に行ってきた人物です。
オープンの当日、「スティーヴィー・ワンダーの曲じゃないけど、イズント・
シー・ラヴリーだろ?」と満面の笑みを浮かべてました。

<ザ・フロリー(The Florrie)>
 住所:377-401 Mill Street, L8 4RB Liverpool
 ウェブサイト: http://www.theflorrie.org/

♪ ♪ ♪

【4月のイベント告知】

タイタニック沈没100周年記念イベントが現在リヴァプール各地で行われます。
目玉イベントとなっているのが、4月20日から22日まで行われる『シー・オ
デッセイ(Sea Odyssey)』。リヴァプール市内に巨大な女の子が出現し繰り広げ
るストリートシアター・ショウです。
http://www.giantspectacular.com/

マージーサイド海事博物館では特別展《Titanic and Liverpool: the untold
story》が始まりました。
http://www.liverpoolmuseums.org.uk/maritime/exhibitions/titanic/index.aspx

またタイタニックのスモーキングルームのレプリカとして有名な、アデルフィ・
ホテル内のセフトンスイートでも、4月9日から15日まで展示やイベントが行
われます。

リヴァプールでのタイタニック関連のイベント情報はこちらから。
http://titaniccities.org.uk/liverpool/events/

それではまた!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish205_photo.html ≫


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▽スカウスハウス・ニュース
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*** ロンドン・ビートルズ・ツアー ******

ウェブサイトの「ガイド・ツアー/ロンドン」ページを更新しました。注目は
「ビートルズ・フィルム・ツアー」。ビートルズの映画にちなんだマニアックか
つ面白スポットを、車を使って効率よくご案内。ゆかりのパブでのランチも好評
です。さらに、ジョージの街「ヘンリー・オン・テムズ」を訪ねるツアーもオプ
ションとしてアレンジ可能。もちろん通常の「ロンドン・ビートルズ・ツアー」
も大好評実施中です!
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** LFCグッズ通販:Carling Cup優勝記念 ******

リヴァプールFCのカーリング・カップ優勝記念グッズが入荷しました! 記念
マガジン、オフィシャル・プログラム、Tシャツ、そしてスカウスハウスならで
はの、優勝翌日の地元紙<リヴァプール・エコー>などなど。オーダーをいただけ
るとうれしいです。
http://scousehouse.net/shop/carlingcupfinal2012_2.html 


*** Beatle Week 2012:ツアー参加者募集中! ******

毎年恒例、International Beatle Week鑑賞パッケージ「スカウスハウス・ツ
アー2012」の参加者を募集中です。今年はビートルズ・デビュー50周年。記念イ
ヴェントが目白押し。この夏、ぜひぜひリヴァプールでお会いしましょう!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2012.html


*** LFCチケットあります ******

スカウス・ハウスでは、以下のLFCマッチ・チケットをキープしています。
購入ご希望の方は、こちらまでお問い合わせください(件名は「LFCチケット希
望」とし、本文に「お名前」「ご住所」「希望マッチ」「希望枚数」をお書きく
ださい)。折り返し、在庫の有無やチケット代金をお知らせいたします。
確保枚数はとても少ないです。お早めに!

 LFC VS Chelsea (5月5日・アンフィールド)


*** ガイドツアー「ロンドン特別編」 ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
実施しています。シャーロック・ホームズゆかりのスポットを案内する「ホーム
ズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」。ディープなロンド
ン体験をぜひ!
http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index3.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧
ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▼今週のフォト
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

ミナコさん撮影による写真を掲載しています。ぜひご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish205_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

今週は写真がいっぱいです!
「フロム・エディター」で紹介した「スカウスハウス・Beatle Week東京ミー
ティング」と「セフトン・パークの水仙」の写真、そして「ノア姉さんのブルマ
追っかけ大作戦〜フィンランド編」との写真を掲載しています(ノアさん、ユー
ハさん、えりさん、ちかこさん、ご提供ありがとうございました!)。ぜひご覧
ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo499.html


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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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       *** 毎週火曜日発行 ***


□■ 第499号 ■□

◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
◇編集 山本 和雄&ミナコ・ジャクソン
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◇ウェブサイト http://scousehouse.net/
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