October 09 2012, No.524
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「BW2012 おぼえがき」(1)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.524です。
今週から、新連載「BW2012 おぼえがき」のはじまりです。僕が書いています。

これは旅行記でもレポートでもエッセイでもなくて、えーとなんだろう(?)、
今年の《インターナショナル・ビートル・ウィーク》期間中の僕の行動記録、
です。
リヴァプール滞在中に記した簡単なメモをベースにして、なにしろ「おぼえがき」
なので、細かいことは気にせずに、さささっと書きました。
固有名詞や登場人物について、説明らしい説明はほとんど省いているので、不親
切というか、決してリーダー・フレンドリーな文章にはなっていないと思いま
す…すみません。でも、「フェスティヴァルに興味をお持ちのかたには、それな
りに面白く読んでもらえるのでは…」と勝手に期待しています。
これからしばらくお付き合いください。

実はこの連載、今日思いついて、今日書いたものです。
今週号は寄稿もなく、ミナコさんの「ゴールドフィッシュ・ミニだより」もお休
みで、コンテンツがひとつもない状態になってしまったので、「これはなんとか
しなければ!?」と追い込まれての苦肉の策です。
来週以降も掲載できるようがんばります。どうぞお楽しみに!

● ● ●

先週の金曜日10月5日は、ビートルズのデビューからちょうど50年でした。
1962年のこの日に、ファースト・シングル<ラヴ・ミー・ドゥ>がイギリスでリ
リースされたのです。

Facebookを眺めていたら、いろんなひとがお祝いをしていて、なるほどなあと思
いました。
それで、「じゃあ僕も何かしようかな」と考えて、スカウスハウスのFacebook
ページに、<ラヴ・ミー・ドゥ>のシングル盤の画像をアップすることにしました。
英国オリジナル盤です。レコードをしまってある棚をひっかき回してやっと見つ
けて(見つかってよかった!)、スキャンしました。

とりあえずそれで満足していたのですが、夜になってもうひとつアイデアが浮か
びました。
今年のリヴァプールのビートル・ウィークで、日本代表バンドのMizuuriとThe
Cloverが、ジョイントでこの曲を演奏したのです。キャヴァーン・クラブの
バック・ステージでした。
そのパフォーマンスの映像を、両バンドに断ったうえでYouTubeにアップするこ
とにしました。

この1曲だけのジョイント・ライヴは、実は英国BBC放送からのオファーを受け
てのものでした。僕のケータイにBBCの取材担当者から電話が入ったのです(な
んの前触れもなしにいきなり「BBCです」と言われても最初は「?」でした)。

「ビートルズのデビュー50周年を記念するために、<ラヴ・ミー・ドゥ>をクロー
バーの演奏で収録したい」というオファーだったのですが、彼女たちのレパー
トリーにはない曲なので、返事を翌日まで待ってもらうことにしました。
それで結局、「演奏はミズウリにお願いしてそれにクローバーがジョイントする」
ということにしたのですが、どこかで行き違いがあったのか、本番には肝心の
BBC取材チームは現れず、ちょっとがっかりでした…。

ですがパフォーマンス自体は素晴らしかったです。実はミズウリのレパートリー
にも入っていなかったそうですが、彼らは完璧な演奏をしてくれました。もちろ
んクローバーのかわいらしい歌とルックスも、オーディエンスを喜ばせました。

シングル盤の画像も、YouTubeの映像も、スカウスハウスのFacebookページでご
覧いただけます。まだのかたはぜひ!
(ついでに「いいいね!」を押してスカウスハウスの「ファン」になってくださ
いね)
 http://www.facebook.com/scousehouse.net 

あ、そうそう、ミズウリ&クローバーのジョイント・パフォーマンスは、NHKの
番組の取材チームがばっちり(…かどうかはわかりませんが)収録しています。
いつか、何かの番組で使われるといいなあ。

                         ― Kaz(09/10/2012)


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▼連載:「BW2012 おぼえがき」(1)
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「BW2012 おぼえがき」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo524.html ≫

<8月22日(水)>

05:00 起床。メール仕事。BW出張中は基本的に「スカウスハウスの業務はお休
み」なのだが、なぜか毎年この期間には次から次へと問い合わせが入る。
スカウスハウス・ツアーの準備もあるので頭はパニックになりそうだが、ありが
たいことだと思ってひとつひとつに対応。

07:15 ホテルの朝食。おなかいっぱい。

09:20 ホテルのラウンジで、懇意にしているレコードディーラーと会う。スカ
ウスハウス通販用の仕入れ。いつものことだけど、予算として考えていた額の倍
くらい使ってしまった。これでもたくさん我慢したんだけど…。

11:50 えりさんと一緒に、リンゴの家に住むマーガレットさんを訪ねる。1年
ぶりの再会だが、顔を見るなり怒られた。

「なんで昨日来ないのよ。私はね、あなたからもらった葉書に火曜日か水曜日に
来るって書いてあったから、ずっと待ってたのよ。どこにも行けなかったじゃな
いの」

…ご、ごめんなさい。でも相変わらずだな、マーガレットさん。元気そうでよ
かった。
この家には毎年ツアーのお客さんを連れて来る。でも今年は人数が多い上にスケ
ジュールの都合で朝が早くなる。なので訪問はやめておこうと思っていた。
「何人? ぜんぜんいいわよ。朝早いって、何時? とっくに起きてるわよ。い
いから連れてらっしゃい」
…はい、わかりました。

13:00 えりさんとフィルハーモニック・パブ。お昼ごはんのついでに、来週月
曜日の打ち上げパーティーの予約。メニューを見せてもらって、ミナコさんにも
来てもらって、相談しながらオーダー。
今日食べたのはヴェジタリアン・ソーセージ。美味しかったけど、多くて食べ切
れなかった。ごめんなさい。リアルエールも美味しかった。

16:30 えりさんとバスに乗ってカスバ・クラブへ。あさってのツアーの打ち合
わせ。ピート・ベストの弟、ローグが応対してくれた。無茶苦茶ハイテンション。
当日もローグが案内してくれるとのこと。楽しみだ! 以下はその帰りがけの
ちょっとしたエピソード。門まで送ってくれたローグとの会話だ。

「や、今日はどうもありがとう、ローグ。あさってよろしく…あそうだ、これ。
これあげるよ。うちのバンドのフライヤー。クローバーっていうんだ。あさって
のツアーにも来るよ」
「(フライヤーを手にとって)…ん? クローバー? んん??」
「うん。知ってる?」
「(それまでニコニコしていたのに急に真顔になって)あのなカズ、おれはビー
トルズバンドのギグには行かないことにしてるんだ」
「……(まずかったかな?)」
「興味ないんだよ、ぜんぜん。でもな、去年友だちにしつこく誘われてな、『来
いよ、来いったら! ぜったい楽しいから来い!』って。で、しぶしぶ行ったん
だ。アデルフィのメインステージに」
「コンヴェンションの日だね?」
「そうそう。で、どっかのビートルズバンドが演奏してた。それがぜんっぜん面
白くなくてね。で、やっと終わって次のバンドが出てきた。さっきのとおんなじ
ような恰好で、さっきとおんなじような曲をおんなじように演奏していた。なん
だこりゃって思ったよ。で、それが終わるとまたおんなじような別のバンド。ほ
とほとうんざりだったね」

「そうかあ。でもコンヴェンションのメインステージっていいバンドばかりのは
ずだけど」
「そうか? つまんなかったぞ。友だちは横でむちゃくちゃ盛り上がってたけど
な。おれに『どうだ、いいだろ〜?』なんて言って」
「…ははは」
「あんまり退屈だからおれはそいつに『ちょっとほかのステージも見てみるよ』
って言ってそこを出て、となりの会場に入ってみた」
「お? てことは…」
「そうだ。そこで演奏していたのがこの娘たちだった。(フライヤーを見ながら)
…うん、たしかにそうだな。そうそう」

「で、どうだった?」
「(とびきりの笑顔で)むちゃくちゃ良かった!」
「(ズッコケそうになりながら)ほ、ほんまかいな??」
「ほんまほんま! こんなになったよおれ(…と、目を見開いて口をあんぐり開
けてみせる)。見た目もサウンドもアレンジも何もかもがオリジナルで新鮮だっ
たな。サイコーだった。ステージの終わりまで観たよ。それで、会場を後にする
彼女たちのところに行って声をかけたんだ。『君たち良かったぞ』って。伝えず
にはいられなかったんだよ。彼女たちはおれが誰かってことはわかんなかっただ
ろうけど。ポカンとしてたな」

「へえ〜、うれしいなあ〜。どんな曲が良かった?」
「(即答)スロウ・ダウンだな。あれはカッコよかった。イントロがスロウで何
の曲かわかんなくて、歌が始まって『ははぁ〜、スロウ・ダウンだな』ってなっ
て、途中から一気にロックンロールになるんだよな。サイコーだった」
「ローグ」
「なに?」
「そのアレンジは僕のアイデアだったんだよ」
「そうか、カズ、おまえはえらい!」
「へへ。僕もあのスロウ・ダウンが大好きなんだ。サイコーにカッコいいと思う。
でもねローグ、彼女たち今はもうあのアレンジでは演ってないんだよ」
「ん?」
「ノーマルなヴァージョンで演ってる。ばかだよね〜」
「そうか、そりゃ残念だな」
「でしょ? でもまあ、ノーマルヴァージョンもいいけどね」
「いやとにかくクローバーは良かったよ。彼女たちだけだな。ほかのバンドはみ
んなゴミ」
「いやローグ、そこまで言わんでも…」

18:00 アデルフィでリヴァプール在住のよしえさんとミーティング。スタッフ
の手が足りなくなるかもしれないので、バックアップ的にサポートをお願いする。

19:00 そのままアデルフィで日本のTV取材スタッフとミーティング。インタ
ビューまで収録されてしまった。べらべらとしゃべり過ぎた気がして、「勝手に
放送に使っちゃだめですよ」とお願いする。

20:00 その取材スタッフとパブで晩ごはん。まるでインタビューの続きみたい
にいっぱいしゃべってしまう。「しまった、カメラ回しておくんだった」と悔し
がられた。もうカメラの前ではしゃべらないよ!

21:30 ライム・ストリート駅。ミナコさん&イアンさんと合流。これから1年
間留学するさおりさんのお迎え。ホテルに送って、明日からの予定を相談。さお
りさんはスカウスハウス・ツアーにも参加してくれる。

23:00 ホテルに帰る。長い一日だったけど、これで準備はすべてオッケー。明
日からスカウスハウス・ツアーが始まる!

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▽スカウスハウス・ニュース
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*** フットボール・チケットのお知らせ ******

スカウスハウスでは、以下のマッチチケットを確保しています。
ご希望のかたは、info@scousehouse.net までお問い合わせください(件名は
「フットボールチケット希望」とし、本文に「お名前」「ご住所」「希望マッチ」
「希望枚数」をお知らせください)。
下記以外のマッチも受け付け可能です。お早めにどうぞ!

 LFC vs Anzhi (25 Oct) 1枚のみ!
 LFC vs Newcastle (04 Nov)
 LFC vs Young Boys (22 Nov)
 LFC vs Fulham (22 Dec)

フットボール・チケットに関する詳細はこちら:
 http://scousehouse.net/football/stadium2012-13.html 


*** スカウスハウス通販:UK盤レコード ******

ウェブサイトの「英国盤レコード」通販ページです。オーダーをいただけるとう
れしいです!
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*** ガイドツアー「ロンドン特別編」 ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
実施しています。ホームズゆかりのスポットを案内する「シャーロック・ホーム
ズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」。ディープなロンド
ン体験をぜひ!
http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index3.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧
ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週のフォト・アルバム ******

連載「BW2012 おぼえがき」で登場した<カスバ・コーヒー・クラブ>の写真を掲
載しています。
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