December 18 2012, No.534
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** □■ INDEX ■□ ▽フロム・エディター ▼連載:「BW2012 おぼえがき」(9) ▽「ゴールドフィッシュ・ミニだより」 ▼スカウスハウス・ニュース ▽今週のフォト ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▽フロム・エディター ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ 今日の晩、というか、つい先ほどなのですが、この「フロム・エディター」に何 を書こうかなあ、何かネタはないかなあと思いながら夕刊を手にとった瞬間、 「ええ〜〜っっ!」と、膝に丸まっていたネコが飛び上るほどの大声でびっくり してしまいました。 米長邦雄さんが亡くなりました。 僕は将棋にはまったく疎いのですが、もう30年近く前から米長さんのファンで、 著書のうちのいくつかは僕の愛読書で、その生き方や勝負哲学には少なくない… じゃなくて、かなり…じゃなくて、すっごく、という言葉でも足りないくらいに 影響を受けています。 いわば師匠のような存在なので、いきなり死去のニュースを聞かされても、はい そうですかと簡単に認めたくはありません。だからなんなんだといわれても困る んですけど…。 とにかく、とにかく、米長邦雄さん、ありがとうございました。 ― Kaz(18/12/2012) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▼連載:「BW2012 おぼえがき」(9) ――――――――――――――――――――――――――――――――― NLW □ 「BW2012 おぼえがき」 / Kaz ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo534.html ≫ <8月26日(日)> 15:55 時間通りにリヴァプール・ボーイズのギグがスタート。<Nowhere Man>で 始まり、<Drive My Car><Revolution>と続く。さらに<Got To Get You Into My Life><In My Life><I Me Mine><I Am The Warlus><Yesterday><For Your Blue> <One After 909><A Day In The Life><Hey Jude>。今回もまた実にゴージャスな セットリストである。素晴らしい! 最後の「ヘイ・ジュード」は一段と盛り上 がったけれど、おかげで少しだけ予定時間をオーバーしてしまった。ごめんねビ ル。 しかしビルは少しも気にしていない…というか、MCの仕事をほとんど忘れかけて いた。 このギグのスタートとほぼ同時に、アンフィールドでは「リヴァプールvsマン・ シティ」がキックオフ。ビルはPAスタッフと一緒にそのTV中継に夢中だったの だ。会場の後方にあるPA卓でモバイルフォンの画面に一喜一憂している。あの お、こっちは一所懸命演奏してるんですけど…。しかし僕もすっかりサポーター 仲間と認められてしまったため、ちょっと文句も言いづらい。ビルはときどき 僕のところに来て、「まだニルニル(0−0)だ。でも悪くないぜ」などと報告 してくれた。 「ヘイ・ジュード」が始まったころだろうか、PA卓から雄叫びが上がった。ビ ルがステージの袖にいる僕に向かってガッツポーズ。リヴァプールが先制したの だ。こっちもガッツポーズで応える。 16:38 リヴァプール・ボーイズのギグが終了。ビルに訊く。 「誰がスコアしたの?」 「スカーテルだ」 「へえ、てことはアタマ?」 「そうだよ。今日は勝てるぜ」 「とーぜん! じゃ、あとでね」 16:40 アデルフィを出てキャヴァーンに向かう。5時からクローバーのギグが あるのだ。街は人でいっぱいで、マシュー・ストリートに走る途中、何人もの見 知らぬ人から声をかけられる。 「今どうなってる?」 僕がレッズのシャツを着ているからだ。得意げに教えてあげる。 「ワンニル(1−0)。リヴァプールだよ!」 「イエイッ!」 16:45 キャヴァーン到着。フロントステージの楽屋に飛び込むと、クローバー の3人のほかに、なぜかおじさんがひとり。デイヴィッドというクローバーの ファンで、ビールを片手に彼女たちにしつこく話しかけている。言うまでもない が、ここは関係者以外立ち入り禁止である。「こらこら、あんたここで何しとん ねん。さっさと出てけ〜!」と言ってつまみだす。 17:02 ほぼ時間通りにクローバーのギグがスタート。彼女たち5本目のギグは、 なんと<Shout>でスタート。続けざまに<Rock And Roll Music>、そして<Can't Buy Me Love>。さっきのアデルフィのステージとはうって変わって、イケイケな オーダーだ。そういえば衣装もワイルドになって、革ジャンにTシャツである。 お客さんもぎっしり満員。ノリノリでいい感じだ。しかし僕はこの3曲でキャ ヴァーンを後にしてアデルフィへ。5時35分からミズウリのギグがあるのだ。 ちかこさん、あとはよろしく! 17:20 アデルフィのダービー・スイート到着。少しして前のバンドが終わって、 ミズウリがスタンバイ。ビルに訊く。 「どうなってる?」 「カズ、トゥワンだ。取られたけど取り返した」 「わあ。誰?」 「スアレスだ」 「よっしゃ!」 しかしミズウリのステージが始まる前に同点に追い付かれてしまったらしい。ビ ルとPAスタッフが頭を抱えている。僕にトゥトゥ、と指でサイン。 17:40 予定より5分遅れでミズウリのギグがスタート。1曲目は<All I've Got To Do>、続いて<Till There Was You>。またずいぶんとシブい立ち上がりである。 この間にアンフィールドでの試合 が終了。ビルがこっちを向いて首を振る。「トゥトゥか?」と指で訊くと、そう だという返事。引き分け。う〜ん残念…。 しかしこれでギグに集中できる。いつものことだが、ミズウリのセットリストは 実に地味なナンバーやマイナーなナンバーがこれでもかというくらいに続く。彼 らは、ギグを盛り上げれば勝ちだとは思ってないのだ。オーディエンスを煽るこ とよりも、じっくり聴かせることにウエイトがおかれている。ちゃんと聴けば自 分たちのクォリティがわかってもらえるという自負があるのだろう。実際そのと おりで、耳の肥えたコンヴェンションのファンたちをぐいぐいと引き込むような ステージになった。 18:15 ミズウリのギグ終了。ビルとまたアツい抱擁を交わす。どうもありがと う。また来年だね、よろしく! 18:20 よしえさんとキャヴァーンへ歩く。次のギグは…7時からリヴァプール・ ボーイズだ! (つづく) ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo534.html ≫ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▽「ゴールドフィッシュ・ミニだより」 ――――――――――――――――――――――――――――――――― NLW □ 「ゴールドフィッシュ・ミニだより」 / ミナコ・ジャクソン ≪ http://www.facebook.com/scousehouse.net ≫ 【Week 32 (18 December 2012); Remembering the 96】 クリスマスまであと一週間となりました。 リヴァプールのシティ・センターではクリスマスマーケットが軒を連ね買い物客 で賑わいを見せていますが、そのなかにウィリアムソン・スクエアの片隅に佇む 「ヒルズボロ・マーケットストール」があります。 1989年にシェフィールドのヒルズボロ・スタジアムで行われたFAカップ準決勝、 リヴァプール対ノッティンガム・フォレスト戦で立ち見席スタンドに観客が殺到 し、人波やフェンスに圧迫されリヴァプールサポーター96人が命を落とし、その 他にも多数の負傷者が出るという大惨事が起こりました。 当時地元の警察当局が自らの責任を逃れるために事実の隠滅と歪曲を図り、リ ヴァプールサポーター達が警察やメディアから不当に罪を被せられました。これ を不服とし、長年にわたって犠牲者の遺族が愛する人達の真実と正義を求めて訴 訟を起こし戦い続けています。 その後の再調査により、今年に入って新事実が次々に明るみに出たことで晴れて 無実が証明されて、首相から公式な謝罪が得られるまでに進展を見せ、終結に向 かっています。 このマーケットストールは、この活動の中心となるヒルズボロ・ファミリー・サ ポート・グループが立ち上げたもので、ここではカレンダーやリストバンド、 バッジ、自作の詩などのグッズが販売され、その収益金はすべて訴訟費用および 活動資金に寄付されます。 カレンダーは1000部印刷されたそうですが、4〜5部まとめ買いをしていく人 も多く、あれよあれよという間に売り切れてしまったそうで、現在は入荷待ちだ そうです。 その一方で、リヴァプールでは市を挙げてヒルズボロの悲劇の犠牲者遺族の訴訟 費用を支援するチャリティシングルを今年のクリスマスNo.1シングルにしよう という動きで盛り上がっています。 リヴァプールのウォルトン地区の国会議員で、自らも惨事の起きたヒルズボロ・ スタジアムの観客の一人だったスティーヴ・ロザラムの呼びかけにより、著名な ミュージシャン、コメディアンやフットボール関係者が無償で参加し、「ザ・ ジャスティス・コレクティヴ」というグループ名でザ・ホリーズの1969年の ヒット曲“He Ain't Heavy, He's My Brother”(兄弟の誓い)のリメイク版が 12月17日(月)にリリースされました。 ザ・ジャスティス・コレクティヴは、錚々たるメンバーで構成されています。 プロデューサーにガイ・チェインバーズを迎え、ミュージシャンではポール・ マッカートニー、ロビー・ウィリアムズ、メラニーC(スパイス・ガールズ)、ホ リー・ジョンソン(フランキー・ゴーズ・トゥー・ハリウッド)、ピーター・ フートン(ファーム)、ミック・ジョーンズ(クラッシュ)、ジョン・パワー (ラーズ/キャスト)、ピート・ワイリー(マイティ・ワー!)、アンディ・ブラ ウン(ローソン)、デイヴ・マッケイブ(ズートンズ)、シェイン・マガウアン (ポーグス)、ジェリー・マースデン(ジェリー&ザ・ペースメイカーズ)、ポー ル・ヒートン(ハウスマーティンズ/ビューティフル・サウス)、グレン・ティル ブルック(スクイーズ)、クリス・シャロック(ビーディー・アイ)、パロマ・ フェイス、イライザ・ドゥーリトル、レベッカ・ファーガソン、ビバリー・ナイ ト、リチャード・ホーリー、ホリー・クック&ホーリー・クックジョン・マク ルーア (レヴァランド・アンド・ザ・メイカーズ)、 レン・ハーヴュー、チー フ・コンダクターのヴァシリー・ペトレンコ率いるロイヤル・リヴァプール・ フィルハーモニックオーケストラが、コメディ界からはジョン・ビショップ、 ニール・フィッツモリスが、フットボール業界からはケニー・ダルグリッシュ、 アラン・ハンセン、ピーター・リード、そして国会議員のスティーヴ・ロザラム が参加しています。 この歌は、ヒルズボロ・ファミリー・サポート・グループの会長を務めるマーガ レット・アスピノールにとって特別な曲で、この惨事により18歳の若さで帰ら ぬ人となった息子のジェームズが生前にプレゼントしてくれた最後のレコードが ホリーズのこのシングルだったそうです。 これまであまりにも悲しくてこのレコードをかけることができなかったマーガ レットさんですが、今回のリメイク版のリリースにより新たな気持ちでこの曲に 向き合うことができるとのことです。 ザ・ジャスティス・コレクティヴによるこのシングルですが、ダウンロード版は iTunes、アマゾンUK、携帯電話を通じて購入可能で、CD版はHMVの各店舗でお 求めになれます。 この曲が今年のクリスマスNo.1シングルの座に輝くことを祈ってます。 メリー・クリスマス、そして良い新年をお迎えください。 The Justice Collective "He Ain't Heavy, He's My Brother" http://www.youtube.com/watch?v=2h8loYnNlZA (ミナコ・ジャクソン) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▼スカウスハウス・ニュース ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ *** フットボール・チケットのお知らせ ****** スカウスハウスでは、以下のマッチチケットを確保しています。 ご希望のかたは、info@scousehouse.net までお問い合わせください(件名は 「フットボールチケット希望」とし、本文に「お名前」「ご住所」「希望マッチ」 「希望枚数」をお知らせください)。 下記以外のマッチも受け付け可能です。お早めにどうぞ! LFC vs Fulham (22 Dec) LFC vs Chelsea (20 Apr 2013) フットボール・チケットに関する詳細はこちら: http://scousehouse.net/football/stadium2012-13.html *** ガイドツアー「ロンドン特別編」 ****** 好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、 実施しています。ホームズゆかりのスポットを案内する「シャーロック・ホーム ズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」。ディープなロンド ン体験をぜひ! http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html *** リヴァプール語学留学 ****** スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。 公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学 スクールLILAとも提携しています。 長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間 を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。 スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後 のサポートについても安心してお任せください。 http://scousehouse.net/study/index3.htm *** ビートルズ・ガイドツアー ****** リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧 ください。 http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm *** 原稿募集中 ****** NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。 旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英 国に関するものなら何でも歓迎です。 お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▽今週のフォト ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ *** 今週のフォト・アルバム ****** 連載「BW2012 おぼえがき」で登場したシーンの写真をいくつか掲載しています。 ちかこさん、提供どうもありがとう!! http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo534.html ■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *** 毎週火曜日発行 *** □■ 第534号 ■□ ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス) ◇編集 山本 和雄 ◆Eメール info@scousehouse.net ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/ ◆Facebook http://www.facebook.com/scousehouse.net ◇お問い合わせフォーム http://scousehouse.net/liverpool/form.html ご意見・ご感想・ご質問など、お気軽にお聞かせください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメールマガジンは、以下の配信サーヴィスを利用して発行しています。配信 の解除やメールアドレスの変更は、それぞれのウェブサイトからどうぞ。 ◆まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000065878.htm ◇めろんぱん http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000917 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2012 Scouse House |