Jul 02 2013, No.559
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「憧れのアパルトマン生活の旅!」(13)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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どうもこの頃、ネコに縁があるみたいです。
今ぼくは、1匹の仔ネコの世話をしています。
世話といっても、朝と晩にごはんをあげるだけで、さわったこともなければ僕に
なついているわけでもありません。話しかけても返事はなし。相手は野良ネコな
のです。
生後およそ4ヶ月。全身まっくろで、ちっちゃくてガリガリに痩せていて見るか
らに弱っちいんだけど、おそろしくガンコなネコです。

つい1週間前までは、お母さんネコと、仔ネコが4匹、一緒にいました。
うちの近所の一軒家の屋根裏が寝床で、その屋根瓦の上が遊び場でした。4匹の
仔ネコが日向ぼっこをしたり、じゃれ合ったりしている様子は、見ていて心が和
みました。毎日のささやかな楽しみでした。

ところが、なのです。
1週間前くらいから、屋根の上の5人家族が2人家族になりました。仔ネコが2
匹だけ残されたのです。
あれ? お母さんは? あと2匹は?
生後3〜4ヶ月ではひとり立ちさせるには早いんじゃないかな、どうしたのかな
あ……と思っているうちに、気がつけばこの黒ネコ1匹だけになっていました。
5日前のことです。

そしてひとりになったその日から、このネコちゃんはずっと鳴き続けていました。
家族で暮らしていた屋根瓦の上にじっとうずくまって、ひたすら、一心不乱に。
体に似合わずよく響く大きな声で、朝も昼も夜も。
きっとお母さんを呼んでいるのでしょう。ときどき、ありったけの感情を込めて、
まさに「泣き叫ぶ」ような声を出すことがあって、それを耳にしてしまったらも
うたまりません。夜中であろうが昼間であろうが、何も手につかなくなってしま
います。

最初の眠れない夜を過ごした次の日、その家のご主人のところに行って訴えてみ
ました。でも、「ああ鳴いとんなあ。そのうち親も帰って来よるやろ」と、全く
気にしていない様子。
「ひとりで下に降りれないみたいです。親が帰って来なかったら死んでしまいま
すよ」と言っても、「自然の摂理やからしゃあないやろ」のひとことで終わりで
した。

自然の摂理?
たぶん、このおじさんの言うことは正しいのでしょう。野良猫なのだから、自力
で生きて行けなければそれまで。そう割り切るべきなのでしょう。
でも、僕には割り切ることができません。どんなにちいさい命でも、命そのもの
が奇蹟なんだと、僕は思います。

というわけでその日から、内緒でごはんをあげています。この仔がひとりで生き
て行く決心をして、自分の力で屋根から降りれるようになるまでは……と。
ただ、ネコがいるのは余所のお宅の屋根の上。僕は敷地に入るわけにはいかない
し、ネコは屋根からは降りてきません。となると道から塀越しにぽーんとごはん
を放り投げるしかないのですが、これがけっこう難しい。普通の固形のキャット
フードでは軽すぎて届かないし、届いたとしても、瓦屋根の斜面をころころと転
がり落ちてしまうだけです。
いろいろ試行錯誤して工夫して、特製フードをこしらえました。適度な重みが
あって投げやすくて、転がりにくいネコごはん。それを早朝と夜、ご主人に見つ
からないようにこっそり投げています(ときどき失敗して冷や汗をかくこともあ
ります)。

黒ネコちゃんはいつも美味しそうに食べてくれています。
ごはんをあげ始めて3日目に、悲痛な鳴き声はぴたりと止みました。きっと、お
母さんは戻って来ないのだ、自分で生きて行くしかないのだ、と悟ったのでしょ
う。
そして昨日あたりからは、姿を見せることがめっきり少なくなりました。昼間は
屋根裏でお昼寝をしているようですが(ごはんをやるとすぐに出てきます)、夜
はそろそろ冒険を始めているのかもしれません。

人間もそうだけど、ネコだって、ひとりぼっちで生きて行くのはたいへんだし、
厳しいですよね。
厳しいけれども、たいへんだけれども、生きてさえいれば、楽しいことも幸せな
こともあるはず。素敵なパートナーも見つかるはず。とにかくがんばって生き延
びてほしいです。
そのうち立派にひとり立ちして、路地を元気に走りまわる彼(彼女?)に出会え
るといいなあ、と思っています。僕のほうで見分けがつくかどうかはわからない
けれど。

● ● ●

今週の「Photo of the Week」は、水〜金のあいだにアップします。お楽しみに!
(先週はキャヴァーンにあるボブ・ウーラー記念プラークの写真でした)

「Photo of the Week」は、スカウスハウスのFacebookページ、またはウェブサ
イトのトップページでご覧いただけます。
 Facebookページ: http://www.facebook.com/scousehouse.net

                         ― Kaz(28/06/2013)


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▼寄稿:「憧れのアパルトマン生活の旅!」(13)
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「憧れのアパルトマン生活の旅!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo559.html ≫

■第37話《小旅行のスタートは相変わらずハプニングから!》■

「キャー! 起きなきゃ(;゜〇゜)!」
小旅行に出発の朝です。
小さな手荷物に洗面用具を入れて1泊2日の旅。
スーツケースもパソコンもアパルトマンに置いて行きますよ。
「目覚ましで起きるのって緊張するなあ (-_ゞムニャムニャ」
早起きが苦手だから旅の計画は時間で縛られないようにしているんです。
窓からまだ暗いパリの街に目を移してお天気を確認。
「小雨が降っているの?」
パリを離れる日はなんとパリが雨。
「昨日まで雨の心配がなかったのに不思議〜 (°.°!」

「手荷物にはツアーの予約確認書を入れたし!」
「忘れ物ないよね!」
「アパルトマンにはしっかり鍵を掛けて鍵を無くさないようにしなきゃ!」
まだ暗いけれど地下鉄の駅は近いから安心です。
ホームに降りるとこんなに早い時間なのに、日本人の女性達の姿がありました。
「彼女たちもツアーかなあ (°o°)?」
ちょっと衣類が入る位の手荷物にカメラを持っています。
パリからは多くのツアーが出ているからきっとどこかに小旅行なのかもしれない
ですね!
「どこに観光に行くんだろう・・・」
「ボーッ (゜。゜)!」
「あっ! 私ったらカメラを持ってない (""0"")!」

まだマドレーヌの駅のホームです!
「たいへんなことに気が付いた ;_;)(>0<)!」
日本人の女性達の姿を見ていて自分がカメラのないことに気が付いたんです。
「モンサンミッシェルに行くのにカメラがないなんて!」
「あり得ない〜 ヾ(。><)!」
ツアーだから集合時間に間に合わなかったらモンサンミッシェルに行けません。
でもこれからモンサンミッシェルやロワール地方の美しいお城を訪ねるんです。
「カメラが無いのもあり得ない (◎o◎)」
「迷う! どうしよう (O.O;)(o。o;)」
「アパルトマンは駅からすぐ近くだし間に合うかも!」
「少し早目に出たから大丈夫だよ (;`-´)o!」
ここはカメラを取りに戻ることに決めました。

駅からすぐと言ってもこうなると遠いのが地下鉄の駅。
「地上に上がるまで時間がかかる (×_×;)!」
カルネを一枚無駄にしたなんて気が付かないくらい慌てて改札から出ました。
「道路までまた階段だあ!」
アパルトマンまでは緩やかな坂道って気が付きました。
「ハァッ (°o°)! ハァッ (°o°)!」
日頃の運動不足を反省しながらアパルトマンに到着。
ドアを開けるとすぐ脇の台にカメラが置いてあります。
「忘れないように出入り口のドアの脇に置いていたのに〜!」
同じ道をまた駅に戻って急いで地下鉄に乗車。
「何とか間に合いそうだよね!」
「駅に近いって本当に大切だよね (-_^;)!」

日曜日に下見したパレロワイヤル前の広場に向かえばいいから簡単ですね。
ツアーの集合は6時半。この時期のパリはまだ真っ暗です。
ピラミッド駅で下見の時のように地上に上がります。
「オペラ座を背中に歩いたらパレロワイヤルに向かっていることだったよね!」
「暗くてオペラ座が見えない (/°°)!」
「下見しておいて良かった〜 (^^;)」
一度歩いているお陰でオペラ座が見えなくても何となくどちらに歩いたら良いの
か分かります。
「想定外ってあるんだよね!」
「私の場合はあり過ぎかあ f(^^;)ボリボリ」
「朝から緊張したなあ!」


■第38話《シャルトルのノートルダム大聖堂!》■

何とか集合時間に広場に到着!
「どこ (。_。 ) ( 。_。)? どこに集合?」
キョロキョロしていると派手な上着の男性が声を掛けてきました。
「ごめんなさい!」
ツアー客に分かるように蛍光塗料で会社名が書かれている上着です。
「まだ暗いし、雨が降っていて傘も必要な旅行なんて (;-_-)!」
旅行会社の方は参加者を集めるのに必死なようです。雨に濡れながら広場を走り
回っています。
参加者は屋根のある場所に集められ点呼をしてバスを待ちます。
「パリの市街地だもんね。バスが先に待っているわけにはいかないよね!」
集まったところでバスがどこからか来て乗車が始まります。

雨のためか集合時間を少し過ぎてバスに乗車。
バスは雨のパリを後にします。
「これから行く先々は雨大丈夫かなあ・・・」
「私は晴れ女だもん! 頑張れ (`´)/!」
最初はもう一つのノートルダム大聖堂に向かいます。
「シャルトル大聖堂と呼ばれていて、世界遺産になっているノートルダム大聖堂
なんだよね!」
パリから南西方向のユール川のたもとにある街シャルトル。
ノートルダム大聖堂はこの街のシンボルなのだそうです。
「ノートルダム大聖堂って世界各地にあるって知らなかった (。。)(゜゜)!」
聖母マリアに捧げられ名付けられたフランス語圏には各地にある教会。
「ベルギーやカナダ! ルクセンブルグにも?」
「へえ! そうなんだあ (°◇°)!」

「昨日はシテ島のノートルダム大聖堂を見学したばかり!」
ノートルダムとは「私達の貴婦人」の意味で聖母マリアのこと。
「だからノートルダムと呼ばれる大聖堂や教会や寺院ってたくさんあるの
(..)(^^)?」
「勉強になるなあ (^。^)(*^o^)!」
シテ島のノートルダム大聖堂ももちろん世界遺産です。
シャルトルのノートルダム大聖堂は世界で一番ステンドグラスが美しい大聖堂。
「すごい楽しみ!」

最初の世界遺産の見学シャルトル大聖堂では到着した時には小雨。
「パリで雨だったのが小雨になって来たよ!」
ちょっと気持ちも晴れてこれからシャルトルの大聖堂を見学します。
大聖堂の前に到着しました。
「シテ島のノートルダム大聖堂とそっくり!」
『上へ上へ! 天へ天へ! と見る者を引き上げる不思議な力!』
ノートルダムと呼ばれた大聖堂は各地で高さを競っていたそうです。
「当時の技術を考えたら凄いよね w(゜o゜)w!」

ツアーガイドさんに連れられて大聖堂の中に入ります。
「光を集めたゴシック建築なんだって!」
前日の大聖堂以上に素晴らしいステンドグラスが目を奪います。
「シャルトルブルー???」
シャルトルのノートルダム大聖堂は世界一と言われるほどのステンドグラスの美
しさ!
「薔薇窓は太陽の位置によって表情が変化?」
この美しいステンドグラスの窓は一日中ここで過ごしていて全く退屈することは
ないほどって聞いても納得です。

ステンドグラスの柄には一つ一つ意味があって当時の暮らしを垣間見ることが出
来るそうです。
「ガイドさんが一緒だとポイントが分かっていいなあ (^o^)!」
礼拝の時に大司教さんが座るらしい場所には見事な彫刻!
これから外側の彫刻も見学です。
「わあ (*^_^*)! 傘が要らなくなった!」
シテ島の大聖堂のように扉の周辺は見事な彫刻です。
「ガイドさんがその意味を説明してくれるのはとても嬉しい!」
説明を聞きながら彫刻をじっくり見学します。
『色々なちょっと変わった動物たちや馴染みのある動物!』
『当時の生活を伺える道具を持った人々や天使!』
「面白いですねえ (^o^ )彡」

大聖堂の外観は凹凸も多くて美しかったステンドグラスの窓も多くて驚き。
「それもそのはず ヽ( ^^)〆」
シャルトル大聖堂ほど古い時代のステンドグラスが大量に残っている教会は他に
はないらしいです。
そのため『シャルトル大聖堂は大きな美術館 ☆彡』と呼ばれるほどのステンド
グラスだそうです。
『シャルトルのステンドグラスを見てしまった後では、他のどの教会のステンド
グラスを見てもさほど感動しなくなってしまう』
そんな風に言われるのも見学した後では納得です。
「パリからさほど遠くないシャルトルのノートルダム大聖堂!」
「ステンドグラスを楽しむためには『晴れた日』に訪ねてくださいね
(o^^o) (o^^)o」

このシャルトル大聖堂のすぐ横にはステンドグラスの専門学校もあります。
現代でもインテリアや建築物にステンドグラスを取り入れることも多いそうです。
「留学生も多いんだあ!」
こんな素晴らしいステンドグラスを毎日見られて制作の勉強も出来る学校。
「夢も膨らむよね!」
大聖堂の見学が終えるころには青空も見えるようになりました。
「もしかしてやっぱり私って晴れ女 ((o(^-^)o))?」

(つづく)

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提供ありがとうございました!
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