April 15 2014, No.579
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2014年4月15日>
 ▽寄稿:「Footballの旅」(29)(再録)
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 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.579は、4月15日の発行となりました。
「今日は何の日?」と訊けば、アメリカではきっと、「ジャッキー・ロビンソン・
デイ!」という答えが多いはずです。そう、黒人初のメジャーリーガー、ジャッ
キー・ロビンソンがブルックリン・ドジャースのユニフォームを着て、本拠地エ
ベッツ・フィールドでデビューした日であり、MLBによって2004年に記念日に制
定されました。
現在この日には、メジャーリーグの全試合の全選手が彼の背番号「42」をつけて
プレイします。

イギリスではどうでしょう?
「タイタニック号が沈んだ日」と答える人はいるかもしれません。でもたぶん、
「ヒルズバラの悲劇」という回答が圧倒的なんじゃないでしょうか。
1989年のこの日、女性や子供を含むリヴァプールFCのサポーター96人がスタジ
アムで命を落とすという大惨事が起きました。
長い間この事件は、過激なサポーターの自業自得であるかのような扱いを受けて
きましたが、2012年の10月になってようやく、その無実が証明されました。
(1年半前にNLWに掲載した「Footballの旅」で下村えりさんが詳しく書いてい
るので、今号に再録します。ぜひご覧ください)

「ヒルズバラの悲劇」からはや25年が経ちました。
1970〜1980年代は世界最強と言えるほどの圧倒的な強さを誇った「マイティ・
レッズ」は、「ヒルズバラの悲劇」を境に低迷することになりました。1992年に
スタートしたプレミアリーグではまだ一度も優勝したことがありません。
しかしいまリヴァプールは、悲願のリーグ優勝に向けてスパートをかけています。
2日前のマンチェスター・シティ戦はまさに天王山でしたが、見事に激戦を制し
て栄冠をぐっとたぐり寄せました。

「ヒルズバラの悲劇」がなければ、フーリガニズムへの対応やスタジアム設備の
近代化、プレミアリーグの創設は、もっと遅れていたことでしょう。今現在の
我々がエンターテイメントとしてサッカーを楽しむことができるのは、そういっ
た積み重ねの結果なのです。
25年の節目である今年、もしこのままリヴァプールがトップでゴールすることが
できれば、大きな大きな意味を持つ優勝となることでしょう。

日曜日のマン・シティ戦、試合終了後にキャプテンのスティーヴン・ジェラード
が感情を爆発させている姿は強烈でした。
後にインタビューで語った言葉には、じ〜んとしてしまいます。
「あんなに感情的になってしまったのは、この時期に行われたゲームだったから
なんだ」
「シーズンの行方を占うビッグ・マッチだったってこともあるけど、それだけ
じゃないってこと。リヴァプールに関わる人たちにとってはフットボール以上の
意味があるんだよ、この週は。ほんとにたくさんの人にとって、平静でいられな
い時期なんだ」
「みんなを代表して言わせてもらいたい。この勝利はヒルズバラで犠牲になった
人やそのファミリーに捧げる」
「式典には、うちの選手みんなが参加する。出来る限りの追悼の気持ちを表すつ
もりだよ」

「ヒルズバラの悲劇」の犠牲者の中には、ジェラードの従兄(当時10歳)がい
たのだそうです。

今この原稿を書いているのは4月15日の午後10時20分。25分後に、アン
フィールド・スタジアムで追悼式典がスタートします。
たぶん初めてだと思うのですが、エヴァトンのホーム、グッディソン・パーク・
スタジアムでも式典がライヴ中継されることになっています。
25年前に事故によりリヴァプール対ノッティンガム・フォレストの試合が中断さ
れた午後3時6分(日本時間午後11時6分)には、リヴァプールのシティ・セ
ンターでは教会の鐘が96回鳴らされ、黙とうが行われるそうです。

                         ― Kaz(15/04/2014)


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▼リヴァプール・ニュース <2014年4月15日>
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*** 4月15日(火) ***************************************************

【プレミアシップ2013-2014:リヴァプールvsマン・シティ】
4月13日、首位リヴァプールはホーム・アンフィールドでプレミアリーグ第34
節を行いました。対戦相手は3位マンチェスター・シティ。ポイント差はわずか
4しかなく、消化試合が2つ少ないシティのほうがタイトル争いには優位と見ら
れています。ただし、この試合にリヴァプールが勝てば差は7に広がり、シティ
との立場は逆転します。

リヴァプールは開始6分にラヒーム・スターリングのゴールで先制、さらに26
分にマルティン・スクルテルが追加点を決め、前半で2点をリード。しかし後半
はシティが反撃し、57分にダビド・シルバがゴール、そしてその5分後にはシ
ルバのクロスをブロックしようとしたジョンソンによる不運なオウン・ゴールが
入って、ついに同点に追いつきます。

決勝点を巡る激しい攻防の中の78分、相手ディフェンダーのクリアミスを拾っ
たコウチーニョがゴール右隅にシュートを突き刺し、リヴァプールが再びリード。
そのまま1点を守り切り、24年ぶりのリーグ制覇に大きく前進しました。

大一番を制したリヴァプールのブレンダン・ロジャース監督の試合後のコメント
です。
「後半にシティが立て直して来ることは予想していた。素晴らしいチームだし、
監督も非凡な監督だからね」
「最初のゴールが彼らを勢いづかせて、そのうちにオウンゴールという不運な2
点目を奪われてしまった。2−2になって、向こうはさらに勢いが出て、活き活
きとプレイしだしだ」
「そこでこちらはシステムを変えることにした。中盤のダイヤモンドを崩して、
4−3−3の布陣を採った。使うスペースを少し広げるためにね。もちろんディ
フェンスはしっかり固めたうえで」
「おかげで主導権はいくらか取り戻せたし、それがあの勝ち越しゴールを呼ぶこ
とになった。素晴らしいフィニッシュだったね。うちのチームの対応能力がいか
に優れているかを証明できたと思う」

「(ロスタイムでのヘンダーソンの退場劇について)この試合で唯一残念な出来
事だった。それまで素晴らしかっただけに余計にね。誰もが知っているように、
ジョーダン・ヘンダーソンは最も真面目な選手のひとりだし、人間的にも好青年
だ。おそらく疲れがあって、ああいうプレイになったんだろう」
「スローで観ると確かにひどいプレイに見える。ただ、彼はボールに行っていた。
伸ばした足の裏は確かにボールに触っていた。個人的には、厳しい判定かなとも
思う。ツイてなかったね。それまではほんとうにブリリアントだったんだが」

「これでリーグ戦10連勝。誰も予想しなかったような破竹の快進撃かもしれな
い。だが我々の戦いはまだ続いている」
「何も変える必要はない。我々には恐れるものはない。これまで通りにやるだけ
だ。相手がマンチェスター・シティのような強敵であろうが、来週のノーウィッ
チであろうが」
「恐れずにプレイする。ボールをキープして、ハードに働くだけだよ。あまり先
のことを考えない。それが私の方針だ。これまでも、これからもね」
「残り4試合になったが、まだまだポイントは必要だ。しかもマンチェスター・
シティは2つ試合が少ない。我々は自分たちのことに集中して、やるべきことを
やって行く」
「来週(連勝の)10を11に増やせるように。今は次のゲームに集中するだけだ」

キャプテンのスティーヴン・ジェラードのコメントです。
「このシーズンでベストのパフォーマンスだったんじゃないかな。最初の30〜
35分、うちはリーグでベストと言われるチームを翻弄してたよね。3,4点入っ
ててもおかしくなかった」
「でもリーグのトップチーム相手に2−0じゃじゅうぶんではないってことだ。
どんな形であろうが勝たなくちゃいけなかったから、最終的に目的を果たせてよ
かったよ」
「僕自身楽しめたよ。たくさんのトッププレイヤーとプレイするのはグレイトだ。
シーズンが始まって、ここまでほんとに山あり谷ありだった。でも今は1分1分
がすごく楽しい」
「21に戻ったみたいな気持だな。一緒にプレイするトッププレイヤーたちのおか
げでね。僕自身のキャリアで最も重要な1ヶ月を今送っているわけだけど、自分
が持っているすべてを捧げるつもりだ」

「(シティに同点に追い付かれたとき)最悪の展開も想像しないわけじゃなかっ
たけど、とにかく何とかしようと。常に前を向いて、最後の最後まで戦い続ける
のがうちのチームだから」
「向うは強豪で、ワールドクラスのプレイヤーを揃えていて、おまけに3,4千
万ポンドプレイヤーが何人もベンチに控えている。前半に全力を出したあとでう
ちにちょっと疲れが出たら、向うにペースを持って行かれてしまった。でもあり
がたいことに何とかゲームに踏みとどまって、あのリトル・マジシャンがピュッ
と飛び出して点を取った。彼の人生最大のゴールじゃないかな。おめでとう」
「今シーズン最大の山を越えたと言えるかもしれない。でもこれに浮かれずに進
み続けることが大事だ。まだカップ・ファイナルが4つも残ってるんだから」

「(サポーターたちの大声援について)試合が始まる前からだったね。10分か15
分くらい早く戦闘態勢に入れたよ。幸せだと思う。こういうのは前にもあったね。
2005年とか2006年にね」
「よそから来た選手たちは明らかに奮い立っていたよ。あと2つホームでの試合
が残っている。また今日みたいなサポートをお願いしたいね」

(2014年4月15日)


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▼寄稿:「Footballの旅」(29)(再録)
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「Footballの旅」 / 下村 えり(Eri Shimomura)

 〜 Vol.29 Premiership - Liverpool VS Man Utd, 23 September 2012 〜

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo523.html ≫

【Introduction:はじめに】

皆さんこんにちは。
夏のLiverpoolは、バンクホリデー(国の祝日)を挟んで行われた恒例のビート
ルウイーク(今年はビートルズ誕生50週記念) &マシューストリート祭りに今年
も大賑わいでした。
すでに暦は10月。リバプールは嵐が去ったかの様に元の姿に戻って、日没も早く
なりました。つくづく秋を実感する今日この頃です。

今日は信じられない事実が。
この『Footballの旅』は、2005年から不定期連載をスタートしたのですが、なん
と7年目にして初めての、Anfiledでの「Liverpool vs Manchester Utd」観戦記
であります!

しかし「ヒルズバラの悲劇」の真実が23年目にして明らかにされた直後という
タイミングで、リバプールFCは再び喪に服し、静粛な雰囲気の中にあります。
私もこの試合を観戦できる喜びと緊張感とが複雑に交差しながらのAnfiled入り
となりました。どうぞ、最後までお付き合い下さい。


【Hillsborough Disaster:ヒルズバラの悲劇】

今日のアンフィールドは賑やかな中にも幾分何時もとは違った雰囲気が漂う。そ
れは無論、23年前に起きた惨事「ヒルズバラの悲劇」の真実が裁判で明らかにさ
れたばかりだからだ。
ここで、読者の方々に判り易く、簡単に23年前の悲劇をご説明したい。

1989年4月15日、FA Cupの準決勝「リバプール対ノッティンガムフォレスト」
がイングランドのSheffield Wednesday FCのホーム、ヒルズバラ・スタジアム
で行われた。
その際、ゴール裏の立見席(テラス)に収容人数を上回る大勢のサポーターが押
し寄せ、将棋倒しになった結果、死者96人、重軽傷者766人を出す大惨事となっ
たのがこの事件である。
この事件は、国際的にもスポーツ史上最悪の事故とされたばかりでなく、イング
ランドのフーリガニズムにも結びつけられて解釈され、犠牲となったファンらに
責任が押し付けられる状態になった。

そして23年後の今年9月12日、独立調査委員会による再調査報告書が公表され、
ヒルズバラの悲劇の秘匿文書が初めて公開された。
それにより、悲劇が発生した直接の原因および発生後の措置の両方において、ス
タジアム警備に重大な瑕疵があった事、また、主任警視の虚偽の証言、警察の隠
ぺい、などを含め、体制側にとっての「不都合な真実」が暴露されることとなっ
た。

英国の全ての朝刊紙はヘッドラインでこのニュースを取り上げ、その日のうちに、
英国首相、サウスヨークシャー警察、FAオフィシャルによる、ヒルズバラ遺族グ
ループへの謝罪が続いた。
デビッド・キャメロン首相の謝罪は、「ヒルズバラの過ちに関して心から謝罪し
ます。1989年4月15日にリバプール・ファンは全く非がなかったことを確信し
ました。ヒルズバラ遺族は、警察の不当な捜査や不当な報道により、二重の不当
な苦しみを受け、被害者なのに逆に不当な疑いをかけられたこと等全てを含めて、
英国の首相として、正式に、心からヒルズバラ遺族の方々に謝罪したい。政府を
代表して、そして国を代表して、心からお詫びします」というものだった。

この当時英国のスタジアムは殆ど全てのスタジアムに置いて立見席があった。そ
こは大抵KOPみたいな熱狂的なファンが陣取る傾向があったのも事実である。
私も何度か立見席でフットボールを観戦した事があったが、背の低い日本人に
とっては非常に苦痛である(笑)。しかし寒さの厳しい冬には、そこには熱狂と
一体感があって、暖かく観戦出来るのはよかった。
またその頃のフットボールクラブにとっては、立見席は椅子席よりもり多くの観
客を収容することができるため、大きな収入源となっていたのは確かである。
だが、ヒルズバラの惨事があったことをきっかけにイギリス政府は法律を改正、
すべてのフットボールクラブはスタジアムの立見席を椅子席に改修することを義
務付けられた。それは1994年までに達成され、現在は立見席はどこに行っても
みられない。


【マッチ・レヴュー:Match Review】

今日のアンフィールドは独特な雰囲気が漂う。
緊張感や高揚感もあるが、どこか感傷的で厳かなムードも満員御礼のアンフィー
ルドの中にミックスしていて、本当に不思議な趣である。

メディアのもう一つの話題は、リバプールのSuarezとユナイテッドのEvraであ
る。彼らが握手を交わすかどうかに注目が集まっていた。
Suarezは昨シーズン、Evraに対して人種差別的な発言をしたとして8試合の出
場停止を受け、その復帰後の試合でEvraとの握手を拒否していた為である。
人種差別はフットボール界に限らず許せないことであり、取り上げるべき事柄だ
と思う。しかし選手が握手をするかどうかといったどうでもいいことが、最近の
メディアではフットボールの内容より大事に扱われて本当に馬鹿馬鹿しくも感じ
られる。

さてその結果はというと…。
彼らも成長したのか、ヒルズバラのジャスティスのためか、普通に握手を交わし
た。めでたし、めでたし、である。
(まあ私もこうして取り上げて書いてるってことは、やはり、世の中の人間はど
うでもいいことがとても気になっているという事なのだろうか…)

恒例の儀式“You'll Never Walk Alone”は、ヒルズバラの「Justice」「The
Truth」「96」の紅白の人文字がスタンドに美しく描かれる中、いつにも増して高
らかな声で合唱される。
またもやAnfield全体が感傷的な雰囲気に飲み込まれる。マンUを代表してSir
Bobby Charltonが96本の真紅の薔薇の花束をリバプールレジェンドIan Rush
へと手渡し、宿命のライバルとしての哀悼の気持ちが示された。

<前半>

試合は定刻13時半にユナイテッドのキックで始まった。開始直後からリバプー
ルは今日のAnfiledを味方につけたかの様に積極的に前へ出る。
ミッドフィールド・エリアでの鋭いタックルにボールも弾け飛ぶ。
ナショナル・ダービーとでも言えそうな、永遠のライバル対決。両チームとも最
初から本気モードだ。

Gerrardの正確なパスが前方を走るSuarezに渡るが、彼は上手くコントロールす
ることが出来なかった。ボールはターゲットを大きく外し、観客のため息を誘う。
ユナイテッドサイドも中盤から前線のVan Persieに繋げようとするものの、な
かなか良いボールが行き渡らない。

そして前半も終わりに近い39分、試合をコントロールしながらも決定的チャン
スを作れなかったLiverpoolに最初の危機が訪れる。
ShelveyがEvansにスライディング・タックル。Evansは倒れ、両チームの選手
に囲まれる中で主審がポケットから取り出したカードの色はレッド。Shelveyは
退場を命じられた。
試合後TVで確認したところ、両者とも片足は確かにボールにフィットしていて、
Shelveyの足は最終的にはEvansに達しているが、レッドカードに相当するもの
ではなかったと思われる。ただしこれは、スローモーションで確認しての見解で
あるので、主審の判断を一概に否定することはできないのだが。

41分にはお返しのようにユナイテッドDF Ferdinandが空中戦でSuarezと衝突。
Suarezは肘鉄を喰らったかのように(しかしいつものように)、ドラマチックに
地に伏せる。
スタジアムのリバプールファンの野次が爆発する中、レフリーはファールを取っ
たものの、カードは出さない。益々ファンの不満を募らせることとなった。
Suarezがフリーキックを蹴るが、マンUキーパーLindegaardによってセーブさ
れる。

前半は0−0で終了。レッドカードはあったもののホストが完璧に主導権を握り、
ユナイテッドの攻撃も硬い守りで封じ込めた印象。


<後半>

両チームとも後半のスタートに選手を代えてきた。
リバプールはフォワードをBoriniからSusoに、マンUは中盤をNaniから
Scholesにチェンジ。どちらも攻撃のギアを入れたということだろう。

10人になったリバプールは、後半に入っても前がかりにゲームを進める。
その勢いのまま、開始直後にゴール左端のJohnsonからボールを受けた主将
Gerrardが胸で合わせて、抜群のボレーシュート。先制点が決まった。1−0。
Anfieldが大揺れに揺れる。

しかしマンUも負けていない。Ferguson監督の思惑通り、サブの起用は魔法のよ
うに作用した。
リバプールの先制から5分も経たない51分、右サイドValenciaからのパスを新
人香川が胸で受け、Rafaelへパス。Rafaelの左足が起用にボールをカーブさせ
ゴールネットへ! 1−1。
私の着席シートより左斜め下のアウェー席では全員が総立ちで喝采を送る。

後半に入っていきなり双方連打、1得点ずつ。

58分にはリバプールボックス内でEvansのタックルを受けた役者Suarezが倒れ
こむと同時に、こちらも典型的ともいえるScholesのミスタックルがリバプール
Sterlingを襲い、イエローカードがScholesに。

61分にはSuarezがゴール前20ヤードからの低いシュートを放つが、本日好調の
キーパーLindegaardの素晴らしい守りで得点に結びつかない。

そして試合開始75分、ゲームは大きく動いた。Valenciaの右サイドからのドリ
ブル単独突破を阻止しようとJohnsonがペナルティー内でタックル。Valenciaは
倒れこむ。Johnsonのチャレンジを主審はペナルティーと判断、Anfieldは騒然
となる。

このところマンUは、Nani、Herandez、Van Persieと連続でPKを外しており、
異様な緊張感が漂う。蹴るのはエースVan Persie。
右ゴールを狙ったシュートはReinaの指先を掠ったものの、ネットを揺らした。
Reinaは地面を叩いて悔しがる。
ゲームを支配していたホームのリバプールが、逆に1−2とユナイテッドにリー
ドを許してしまった。

その後5分のロスタイムが追加されるが、リバプールの反撃もさることながらユ
ナイテッドの守りも堅く、アンフィールドには徐々に絶望的なムードが漂う。


【Ending : 試合終了】

結果はそのまま1−2。どう見ても、リバプールが圧倒した試合であったが、審
判の不運な(不当な?)判定によって、ユナイテッドが逃げ切る結果となった。
ユナイテッドにとっては2007年以来、なんと5年ぶりとなるアンフィールドで
の勝利である。
私自身にとっても、レビューを書き始めて初のAnfieldでのユナイテッド戦を観
戦出来た喜びは大きいのだが、ビデオでファールを確認した後ではやはり後味が
悪い。ギルティーな気持ちである。
しかしながら、審判は肉眼であのスピードと戦い、瞬時にジャッジしなければな
らないわけで、完璧を求めるのは無理というものだろう。まあ、どっちに転ぶも
運の内。最近のユナイテッドはやはりツイている。決して良いパフォーマンスと
は言えない試合が多い中でも、ソコソコの成績を残せているのには、ビックリす
る。これもSir Alex Ferguson のダークフォースなのだろうか。

(Fin)


≪マッチ・データ≫
 Premiership 12-13
 LIVERPOOL 1 - 2 MANCHESTER UNITED
 Anfield Stadium, Sunday 23 September 2012 13:30
                 
           リバプール     マンチェスター・ユナイテッド
 ゴール         1(Gerrard46) 2(Rafael51, Van Persie(Pen)81)
 ターゲットショット   6            3
 コーナーキック     7            3
 ファウル        14            7
 オフサイド       0            1
 イエローカード     1(Reina 77)   2(Scholes58 Van Persie84)
 レッドカード      1(Shelvey39)       0
 ポゼッション      52%           48%

 Team Line-ups
 Liverpool: Reina, Johnson, Skrtel, Kelly, Agger(Carragher80),
    Gerrard, Sterling(Henderson66), Shelvey, Suarez, Borini(Suso45).
 Subs Not Used: Jones, Enrique, Sahin,Assaidi.
 Booked: Reina.
Sent Off: Shelvey.
 Goal: Gerrard.

 Man Utd: Lindegaard, Rafael(Welbeck89), Evra, Ferdinand, Evans,
    Valencia, Giggs, Carrick, Nani(Scholes46), Kagawa(Hernandez81),
    Van Persie.
 Subs Not Used: De Gea, Buttner, Anderson, Cleverley.
 Booked: Scholes, Van Persie.
 Goals: Rafael, Van Persie(Pen).

 Attendance(観客数): 44,263

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo523.html ≫

              <NLW No.523(2012年10月2日発行)に掲載>


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にと思っているうちに時期を逸してしまったり、通販ページのカテゴリーに入り
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アンフィールド・スタジアムにある<Hillsborough Memorial>の写真を掲載しています。
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