June 10 2014, No.583
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2014年6月10日>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.583です。
今週はひさしぶりに「リヴァプール・ニュース」をお届します。リヴァプールの
ローカル・ペーパー<Liverpool Echo>に掲載された記事で、なんと、ジョン・レ
ノンが息を引き取る場に居合わせた人のお話です。
個人的にいろんなことを考えさせられたので、この欄で紹介することにしました。

1980年の12月9日は、きっと多くの人にとって忘れられない日となっているこ
とでしょう。
ジョン・レノンの死をいつ・どこで・どうやって知ったか、そしてそのときに自
分がどんな状態になったか、僕もよく憶えています。33年以上も前のことなのに、
かなりはっきりと。
あんなことは2度と経験したくないです。ほんとに。

なので、先日のポール・マッカートニーの急病〜公演キャンセル事件は、かなり
心配してしまいました。
リリースされる情報が少なかったので、余計にいろいろ考えてしまうんですよね。
でもまあ、無事に回復に向かっているようで何よりです。ポールさん、くれぐれ
もお大事に。

● ● ●

「今週のフォト・アルバム」では、ニューヨーク、セントラル・パークの「スト
ロベリー・フィールズ」や、ジョンが住んでいた「ダコタ・ハウス」の写真を紹
介します。今年2月に撮影したものです。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo583.html

                         ― Kaz(10/06/2014)


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▼リヴァプール・ニュース <2014年6月10日>
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*** 6月10日(火) ***************************************************

【ジーザス、ジョン・レノンだ】
TV番組用の取材のためにリヴァプールを訪れた63歳のアメリカのTVプロデュー
サー、アラン・ワイスが、「ジョン・レノンの最後の瞬間に立ち会う」という稀
有な体験について地元紙「リヴァプール・エコー」に語りました。以下に抜粋・
翻訳してお届けします。

I watched as doctors battled to save John Lennon's life
By Janet Tansley, Liverpool Echo, May 29 2014

アメリカのTVプロデューサー、アラン・ワイスが生まれて初めてスカウスの土
を踏んだ。目的は、彼が愛して止まないビートルズだった。
アルバート・ドックの「ビートルズ・ストーリー」ミュージアムを観賞したあと、
ジョン・レノンが少年時代を過ごした家や、ストロベリー・フィールドも訪問し
た。

「ここに来てみて、よくわかったよ。4人のワーキングクラスの若者がスーパー
スターダムにのぼりつめた。それがどんなすごいことかってね」
「ビートルズをただのグレイト・ロック・バンドとして語るのは簡単だし、あり
ふれている。グレイテストかどうかは別にしてもね。でもリヴァプールを訪れて
みて、彼らはそれぞれパーソナルなヒストリーを持った個人こじんなんだってこ
とがよく理解できたよ」

アランは自分が制作するTV番組のためにファブ・フォーの足跡をフィルムに収
めた。しかし彼自身はすでに、このバンドのメンバーのひとりと、奇妙な縁で結
ばれていた。
30年以上前のニューヨーク、バイク事故で運ばれた病院でアランは、銃撃を受け
たジョン・レノンの命をつなぎとめようする場面に居合わせることになった。

「私はストレッチャーに乗せられていた。ルーズベルト病院の救急外来で」
「ドクターが診てくれていたんだけど、そこに誰かが『ガンショットだ』って言
いながら飛び込んで来た」

アランは当時、WABC-TVのチャンネル7で、「アイウィットネス・ニュース」とい
う番組のシニア・プログラム・プロデューサーを務めていた。

「頭をそっちに向けると、警察官がその人を運び込んで来るのが見えた。そして
私のドクターは、『アラン、私はこっちを診なければ』と言った」
「仕切りのつい立て越しに見ていた。私のストレッチャーのすぐ横に警察官が2
人立っていた。そのうちのひとりがこうつぶやいた。『ジーザス、信じられるか? 
ジョン・レノンだ』」

アランは警察官にいくつか質問を試みたが、誰も何も教えてくれなかった。
「偶然そこに、床掃除の人が私に近づいて来た。私は彼に自分のプレスカードと
20ドル札を渡して、うちの報道局に電話をかけてくれと頼んだ。ジョン・レノ
ンが撃たれたかもしれないと伝えてほしいと。でも5分後に警備員がプレスカー
ドを返しに来た。電話はかけられないって」
「誰も何も教えてくれなくて、私はどうしていいかわからなかった。そこにアジ
アン女性が入ってきた。警察官に抱えられて、泣いていた。それで、やっぱり
ジョン・レノンだったんだと思ったんだ」

アランは、何が起こったのかを伝えなければと思った。報道局に、そして世界に。
彼は警察官をなんとか説得して、病院の電話を借りることができた。1980年12
月8日の午後11時だった。そして彼の局の担当エディターに頼んで、レノンの
住所で発砲があったことを確認してもらった。
「全部のピースがあてはまったって感じだった。私は自分のストレッチャーに
戻って、彼らがジョン・レノンの命を救おうと必死に働く姿を眺めた。ドクター
が心臓マッサージを施しているときに、奇妙なことが起きた。病院のBGMが突然、
ビートルズの『オール・マイ・ラヴィング』になったんだ」
「その曲が終わったあとで、ヨーコ・オノが『ノー、ノー、ノー…』と叫びなが
ら出て行った」
「私を診るために来た女性のドクターに、彼は死んだのかと訊いた。彼女はそれ
には答えられないと言った。私は質問を替えてみた。『誰かが銃で撃たれてここ
に運ばれて、まだ15分しか経ってないとする。もし彼がまだ生きていたら、あ
なたにすることがないものだろうか」
「彼女はあるはずだと答えた。私は起き上がって、また報道局に電話をかけに
行った」

「あの晩、私は2人の人間になったように感じていた。まず私は完全なプロ
フェッショナルだった。常に冷静だった。すべてのディテイルを記憶にとどめよ
うとした。とてつもなく重要なことだとわかっていたから」
「しかし私はビートルズ・ファンでもあった。悲しみで気が遠くなりそうだった
し、ものすごく動揺していた。彼は私の家族ではないが、家族のような存在だっ
た。彼があんなことにならずに済むのなら、何だってしただろう」

アランは翌日、怪我をおして仕事に復帰し、レノンの死を伝える番組の制作に関
わった。それはエミー賞に輝くことになった。
現在のアランは、自身のテレビ番組制作会社を持ち、『ティーン・キッズ・
ニュース』という全米200以上のテレビ局で放映される番組を制作している。

「私の娘のふたりとも、この番組のために働いている。子供たちは当然ビートル
ズのことは知っている。私がビートルズ・ファンだから。同じ世代のたいていの
家庭と同じだよ。親のおかげで小さいころからビートルズを聴いて育っている」
「ビートルズは、今の若者たちのトップ・テン・ミュージックとは言えないだろ
う。でも彼らに知っているかと問えば、答えは『イエス』だよきっと」

I watched as doctors battled to save John Lennon's life
By Janet Tansley, Liverpool Echo, May 29 2014


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▽スカウスハウス・ニュース
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ウェブサイトの「英国盤レコード」通販ページでは、昨年の夏にリヴァプールで
仕入れてきたアイテムを追加しています。
ビートルズのオリジナル・アルバムはかなり売れてしまいましたが、まだまだレ
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「ガイドツアー/リヴァプール」のラインナップに、新しくカスバクラブ・ツ
アーが加わりました。カスバはビートルズがクォリーメン時代から演奏していた
伝説のクラブです。今現在もほとんど当時のままの状態で、まるで50年前にタ
イムスリップしたよう。若き日のジョンやポールやジョージがふと顔を出しそう
な空気があります。
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スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
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リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
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NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週のフォト・アルバム ******

ジョン・レノンが住んでいた家やセントラル・パークなど、今年2月にニュー
ヨークで撮影した写真を掲載しています。
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