August 18 2015, No.620
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼「利物浦日記2001」(2)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.620です。
お盆も過ぎて、ツクツクボウシの鳴き声も増えてきました。甲子園の高校野球も
セミファイナルとファイナルを残すのみですね。そしていよいよ来週から、「イ
ンターナショナル・ビートルウィーク」です。

毎年のことながら、直前のこの時期は、主催側に連絡したり、お客さんやバンド
に案内を出したり、移動のアレンジをしたりの毎日なのですが、今年は特にス
ムーズなような気がします。今のところ問題はまったくありません。まあ、今年
は2バンドだけだし、ツアー参加のお客さんも少ないので……うう、さみしいな
あ…。

でも、来年はかなりにぎやかなことになりそうです。
ご存じのように2016年はビートルズ来日50周年。それを記念して、ビートル
ウィークでも何かスペシャルなイヴェントを考えてみようかという話が出ている
のです。これはぜひぜひ実現させたいなあ。

…なんてことを言う前に、まずは今年のビートルウィークをしっかり成功させな
ければ!
日本代表のThe CloverとThe BlueMargaretsがどんな活躍をしてくれるのか、
とても楽しみです。ちょびっと心配もあるけど…僕も精いっぱいサポートします!

そうそう、今年はビートルウィークのあとのリヴァプールで、日本からのソロ・
アーティストのコーディネートをすることになっています。
9月の初めに、キャヴァーンで3回、ジャカランダとカスバで各1回のステージ
をブッキングしました。こちらも楽しみです。また詳しく報告しますね!

というわけで、このNLWはしばらくお休みとなります。
次号・NLW No.621は、9月8日または15日の発行です。
みなさんどうぞお元気で!

                         ― Kaz(18/08/2015)


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▼「利物浦日記2001」(2)
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「利物浦日記2001~インターナショナル・ビートル・ウィーク2001/Kazのリ
ヴァプール滞在記」(再録)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo620.html ≫

【8月24日(金)】~マリオットの朝ご飯、ジュリアの墓、そしてマンダリン~

曇り。
「スカウスハウス・ツアー」は、「ツアー」とは名ばかりの個人旅行パッケージ
なので、基本的にはそれぞれ各自で楽しんでいただくということになっている。
つまり、僕が現地であれこれ世話をする義務はない。ないのだけれど、「あとは
勝手に楽しんでくださいね。じゃ」というわけにもやっぱりいかない。
フェスティバルを有意義に楽しんでいただけるよう、少しでも役に立ちたいと思
うからだ。余計なお世話だという人もいるかもしれないけれど。
というわけで、「ガイド・ツアー」や「ランチョン」などのスカウスハウス独自イ
ヴェント(自由参加)の他に、個々の質問や相談にも対応できるようにと「スカ
ウスハウス臨時ご相談窓口」を開設することにした。
いや、「臨時ご相談窓口」といっても、ただ毎朝30分間「マリオット・ホテル」
ロビーのソファに座っているだけなんだけど。

で、今日はその「臨時ご相談窓口」の初日。少し寝坊をしてしまったが、なんと
か予定の9時半ギリギリに間に合った。
走って回転ドアをくぐると、NくんとEちゃんはすでにソファで待っていた。さ
すがに早い。
しかし聞いてみると、朝ご飯を食べていないとのこと。どうも勝手がわからな
かったらしい。初めての海外旅行だから、無理もないな。
というわけで、僕も朝ご飯に付き合うことになった。寝坊して何も食べてなかっ
たからちょうどいい(ちなみにカセドラル・パークの宿泊には朝食はついていな
い)。

明るいダイニング・ルームでの、豪華な朝ご飯。さすがはマリオット、とでも
言ったらいいのか、なんとなくちょっとエライ人になったような気分だ。ちょっ
と場違いと言えなくもないけれど。
しかし値段の方もたいしたもので、14.45ポンドも払うはめになった。4.45ポン
ドの間違いじゃないかと思わず訊きかえしてみたが、やはり「フォーティーン・
フォーティファイヴ」という答えだった。
(14.45? …ほとんど僕の宿の1泊分じゃないか)
そう思うと、なんだかクラクラした。

満腹状態でブルーコートで行われている恒例のレコード・フェアへ行き、そこで
仕入れた重たいレコードを持って宿に帰ると、もう昼だった。
レコードも重かったが、僕のお腹もかなり重い。かなりモタレている。昼ご飯は
必要はなさそうだが、ビターの1杯くらいは呑みたいもんだ。

というわけで、イー・クラックへ。カウンターのポールがにこやかに迎えてくれ
た。ケインズを注文したついでに、うちのクライアントのために「スカウス」を
作ってくれないかと訊ねてみた。
「スカウス」というのは、リヴァプールの伝統的料理で、まあ簡単な家庭煮込み
料理なのだが、それが素朴でなかなか美味しい。その料理を、ツアーに参加して
くれたみなさんにぜひ食べてもらいたくて、毎年「ランチョン」を企画している
のだ。
しかしそこで問題になってくるのが、その「スカウス」をメニューに載せている
レストランがほとんどないということだ。つまり、適当な店を探して特別にオー
ダーしなければならない。
(今年はどうしようかなあ…)と、出発前からあれこれ考えていたわけだが、も
し「ジョン・レノンのパブ」であるイー・クラックが作ってくれるのなら、こん
なに素晴らしいことはない。

僕:「…というわけで、作ってくれないかな、ポール?」
ポール:「ああいいよいいよ、作ったげるよ。日曜日かい? 何時? 何人? 
 ん、ん、よっしゃ、オーケーオーケー。どうもありがとう、カズ!」

おそろしく話の早いポールだった。

ケインズを飲み干して、ライム・ストリート駅へ。小雨が降りだしていた。
1時50分に、Cさん&Mさんが乗ったロンドンからの列車が到着することになっ
ている。
胃が重いせいか思うように走れず、数分遅れてしまったが、鉄道の方はもっと遅
れていた。
30分ほどホームで待つことになったのだが、そのおかげで、同じようにロンド
ンから来る息子さんを待っていたTさん夫妻と知り合いになった。

大学教授のTさんは、現在研修のためにリヴァプールに滞在中で、80年代以来、
数回リヴァプールに長期滞在しているということだった。そして、僕がリヴァ
プールを専門に仕事をしていることを聞いて、とても喜んでくれた。
Tさん夫妻に80年代のリヴァプールの様子などを話していただき、それを興味
深く聴いているうちに、列車が来た。
お互いに「じゃあまた」と言って、その場は別れた。特に約束なんてしなくても、
また会えるような気がした。リヴァプールって、そういうところだから。

Cさん&Mさんと再会。
このおふたりには、「スカウス・ハウス」を始めた頃から何かとお世話になって
いる。
何というか、それぞれの感性に通じるものがあって、ビートルズやリヴァプール
についてこれまでにずいぶん語り合ってきたのだが、リヴァプールでご一緒する
のはこれが初めてだ。

マリオットにチェック・インしてちょっとひと息ついたあと、Cさん&Mさんの
プライヴェート・ツアーを始めることにした。
今日・明日の2日間は、出来るだけこのおふたりのお世話をすることになってい
る。
いちおうそのためのガイド料はいただいている。でも、仕事としてとではなく、
親しい友人としてガイドをさせていただくつもりだ。

今日はあいにくの雨だけれど、ジョンのお母さん・ジュリアの墓参りをすること
にした。
Cさん&Mさんがセント・ジョンズ・マーケットでお供え用の花束を選んでいる
間、僕はアデルフィ・ホテルのCCTデスクへ。
例のマジカル・ミステリー・ツアーのチケットがOKかどうかを確認しなければ
ならない。
CCTデスクには、若い女性スタッフのサラがいた。

サラ:「Hi カズ」
僕:「Hi サラ。レイは?」
サラ:「今居ないわ。マジカル・ミステリー・ツアーのチケットのことでしょ?
 あれね、まだ返事もらってないみたいよ」
僕:「ああ、そう。仕方ないな。じゃあ明日また来るよ。レイによろしく言って
 おいて」
サラ:「ご苦労さま」

やれやれ。

CさんとMさんと3人で、62番のガーストン行きのバスに乗る。ポールやジョー
ジが「イニー」への通学に使っていた路線だ。ペニー・レーンも通る。
セメタリーの近くでバスを降りた時、ジュリアが住んでいた家がこの近くにあっ
たことを思い出したので、行ってみることにした。
ブロムフィールド・ロードの1番地。ジョンは、母に会うためにここに頻繁に
やって来たという。ジュリアがジョンにバンジョーの弾き方を教えたのもここだ。

写真を撮って、セメタリーへと歩く。
僕がスプリングウッド・セメタリーに来るのは、これで3回目になる。人を案内
するのは、きっとこれが最初で最後だろう。
ジュリアの墓には墓碑銘がない。数年前まであった墓番号も、今はなくなってし
まった。スタンレー家の人々は、一般の人が来ることを望んでいないのかもしれ
ない。
CさんとMさんが花束を供え、日本から持ってきた線香に火を点けて、順番に
しゃがんで手を合わせた。
不思議なことに、ずっと降り続いていた雨が、その間だけ止んでいた。

バス停近くのパブ「ジ・アラートン」で3人でギネスを飲んだ。
大きなパブだが、常連らしい数人の客がいるだけで、がらんとしていた。
ひと息ついて時計を見ると、もう7時だった。窓から薄暗くなった外を見る。雨
はさっきよりもひどくなっているようだった。

バスでシティ・センターへ戻って少し街をうろうろし、それから「そういえば、
今フェスティバルなんだよね」とか言いながら、ロイヤル・コート・シアターへ
行った。
今日のメインのバンド、「オーヴァーチュアーズ」が演奏していた。お客さんも
多い。
このバンドは僕の大好きなバンドだ。ビートルズにこだわらず、フーやキンクス
などの60年代ブリティッシュ・ビート・ナンバーを小気味良い演奏で聴かせて
くれる。
しかしCさん&Mさんにはあまり気に入ってもらえなかったようなので、数曲で
会場を後にすることにした。ちょっと残念。

晩ご飯には、ヴィクトリア・ストリートにあるチャイニーズ・レストラン「マン
ダリン」へ2人を案内した。相変わらず美味しかったが、食べきれないほど量が
多いのも相変わらずだった。
ここには愛想の良いちょっとホモっぽいマネージャーがいる。3年ぶりぐらい
だったのに、彼はちゃんと僕のことを憶えてくれていた。そして気を利かせて、
BGMを素早くビートルズに変えてくれた。なんだか嬉しかった。
向こうのテーブルでは、どこかのファミリーのお誕生日会が行われているよう
だった。
キッチンから四角い(!)デコレーション・ケーキが運ばれて来て、金髪の若い
娘さんがキャンドルの火を何度もふうふうと吹いて消していた。

3人で少しマシュー・ストリートを歩いた後、Cさん&Mさんをマリオットまで
送り、またロイヤル・コート・シアターを少し覗いて、宿に帰った。
カセドラルに続く坂道を歩いて登っている間も、ずっと小雨が降り続いていた。

(つづく)

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アルしました。15年目となった「リヴァプール・ビートルズ・ツアー」、名所観
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スカウスハウスでは、2015-2016シーズンも、リヴァプールFCおよびエヴァト
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画も登場。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧くだ
さい。
 http://scousehouse.net/beatles/beatlestour_liverpool01.html
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NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週のフォト・アルバム ******

「今週のフォト・アルバム」では、『利物浦日記2001』本文に対応した写真を掲
載しています。14年前の写真です。
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