November 03 2015, No.626
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼「利物浦日記2001」(7)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.626です。
今号も14年前に書いたビートル・ウィークのレポート「利物浦日記2001」を掲
載しています。
今回のお話は、ウールトンとペニー・レーンを訪ねるツアーです。「スカウスハ
ウス・ツアー」では毎年恒例、欠かすことのできないオプショナル・イヴェント
なのですが、この頃はバスツアーではなく、ウォークツアーでした。ガイドは昔
も今も、僕が務めています。

「ウォーク」ですから、もちろん歩くツアーです。ウールトンやペニー・レーン
はシティ・センターから離れたところにあるので、最初からぜんぶ歩くわけでは
ないものの、かなりのロング・ウォーキングになります。ほとんど3時間ぶっ続
けで歩きます。僕はこのツアーのためにゴールデン・ウィークが明けたあたりか
らジョギングで足腰を鍛えてばっちり準備をして臨んだものですが、お客さんの
ほうはまるで無防備だったはず。歩いても歩いても終わりの見えない耐久ツアー
に、軽い気持ちで参加してしまったことを後悔したかたもいたのでは……。
悪いいことをしたなあとちょっと申し訳ない気持ちになりますが(いまごろか
い!)、あれはあれで面白かったなあという感慨もあります。最後の案内スポッ
ト、ペニーレーン・ワインバー&ビストロでのビールの味は何しろ格別でした
(そっちかい!)。

このごろでは、というかもう10年以上になるのかな、このツアーはチャーター
バスで案内するようになってしまいました。さくさくと移動できて効率がいいし
楽ではあるのだけど、あののんびりゆったりまったりとしたツアーもいつかまた
やってみたいです。でも、誰か参加してくれる人はいるのかな??

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すでにお伝えしていますが、14年間配信をお願いしていた「よりすぐりメルマ
ガサイト めろんぱん」さんが、9月末でメールマガジンの配信サーヴィスを終
了しました。
「めろんぱん」でご購読いただいていたみなさん、お手数ですが「まぐまぐ」へ
の購読手続きをお願いいたします(もしこの記事を読んでいれば)。
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                         ― Kaz(03/11/2015)


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▼「利物浦日記2001」(7)
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「利物浦日記2001~インターナショナル・ビートル・ウィーク2001
/Kazのリヴァプール滞在記」(再録)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo626.html ≫

【8月26日(日)】~ぶらぶらウォーク、ランチョン、
                       そしてウールトン日和(3)

ジョージおじさん(ミミおばさんの夫)の墓とエリナー・リグビーの墓を見て、
少し離れたところにあるチャーチ・ホールへみなさんを案内した。
こちらは、「ジョンとポールが初めて会った場所」だ。ヴィレッジ・フェイトの
晩、ここでのクォリーメンの演奏が終わった後で2人の天才が初めて対面した。
16歳のジョン・ウィンストン・レノンと、15歳になったばかりのジェイムズ・
ポール・マッカートニー。
「じゃあ何かやってみなよ」と言ったジョンは、ポールがエディ・コクランの
「トゥエンティ・フライト・ロック」を演奏するのを見て、ショックを受けた
という。彼が歌詞やギターのコードをちゃんと覚えていたのと、ギターのチュー
ニングの仕方を知っていたからだった。

チャーチ・ホールのあとには、ウールトン・シネマや「ジョーのミルク・バー」、
ウールトン・スイミング・バス、ハリエットおばさんの家、そしてダービー・
アームズ・パブという具合に、ちょっとそのへんの本には載っていないような
マイナーなレノン・スポットを訪ねた。4年前にいちど来たきりだったハリエッ
トおばさんの家は、特定するのに少し戸惑ってしまった。

メンローヴ・アヴェニューへ出た。緑に囲まれた広い通りだ。この先にはジョン
が少年時代を過ごしたミミおばさんの家「メンディップス」がある。
去年12月に「イングリッシュ・ヘリテイジ」に指定されたその家を目指して、
みんなであれこれおしゃべりしながらゆっくりと歩く。
連休中のせいか、メンローヴ・アヴェニューはとても静かだった。車道はがらん
としていて、鳥の声がよく聴こえる。時おり、自家用車が大きなエンジン音を響
かせて猛スピードで走り去って行った。
道をはさんで向かい側のカルダーストーンズ・パークにはゴルフ・コースがあり、
2人のおじさんがゆったりとプレイしているのが見える。
傾きかけた太陽の柔らかな陽射しが正面から我々を照らし、穏かな風からは夏の
終わりの匂いがした。
ちょうど今ごろ、シティ・センターはコンヴェンションやライヴ・コンサートで
大いに盛り上がっている頃だ。だが、それは何だかずっと遠くで起きている出来
事のように感じられた。あるいは、とっくに過ぎてしまったことのように。
ゆったりとして、爽やかで、気持ちがよくて、そして少しばかり現実の輪郭がぼ
やけた、「ウールトン日和」。
並んで歩いていたCさんと、「なんかいい感じですよねえ」と何度もため息をつ
いた。

そのあと訪ねたスポットを簡単に記しておこう。
・メンディップス(幸運にも、中庭を見せてもらうことが出来た)
・ストロベリー・フィールド(みんななかなか離れようとしなかった)
・ジョンとポールがよく待ち合わせをしたバス停
~タクシーでペニー・レーンへ移動~
・ペニーレーン・ワインバー&ビストロ(ビールや紅茶で休憩)
・St バーナバス・チャーチ・ホール(クォリーメンが演奏したことのあるホー
 ル。今はパブ)
・「フリー・アズ・ア・バード」のフィルム撮影スポット(3ヶ所)
・ダブデイル・プライマリー・スクール(ジョンとジョージの母校)
・St バーナバス・チャーチ(ポールが聖歌隊に所属。ここで行われた弟マイク
 の結婚式に出席したこともある)
・ラウンドアバウト(バーバー、バンク、アルバート・マリオンのスタジオ)
・ウールワース(シンシアが学生時代にアルバイトをしていた店)
・ニューカッスル・ロード9番地(ジョンの最初の家)

結局、3時間以上のロング・ウォークツアーになってしまった。ペニー・レーン
のラウンドアバウトで解散した時には、辺りはずいぶん暗くなっていた。そして
肌寒い。
でも、みなさんには満足してもらえたようだ。ガイドとしても、とてもとてもや
りがいのある楽しいツアーだった。
自分で言うのも何だけど、これだけ詳しいウールトンとペニー・レーンのガイド・
ツアーというのもないんじゃないだろうか。時間の都合で何ヶ所かはパスしたの
だが、それでもかなり贅沢なツアーになったと思う。
午前の「シティ・センター編」と同様、参加者してくれた方たちのおかげだ。み
なさん熱心なうえにノリがいいので、ついつい調子に乗ってあっちもこっちも案
内することになってしまった。
それにしても、今日1日でかなりの距離を歩いた。
「1日で1年分歩いたわ」
Mさんの言葉がとても印象的だった。
ロング・ウォーク・ツアーが2本で合計6時間以上だから、確かに歩きすぎだ。
みなさん明日は筋肉痛かもしれないな。
まあでも歩くことで、リヴァプールを肌で感じてもらうことができたんじゃない
かと思う。

ペニー・レーンからバスに乗ってシティ・センターに戻った。
Cさん&Mさんにとっては、リヴァプール最後の夜だ。さあ、晩ご飯は何にしよ
う?
あれこれ相談した結果、「ライフ・カフェ」にしようということになった。
ポップ・アート作品が壁に並ぶおしゃれなレストランで、料理も充実していて、
おまけにビートルズ・スポットときている(ビートルズがよく打ち合わせに使っ
た「ライシアム・カフェ」が前身)。
前菜とメイン・ディッシュを食べた後で、デザートを取ろうということになった。
Mさんはケーキ、Cさんと僕はアイスクリームを頼んだ。
料理は食べ切れずに残してしまったけれどデザートは「別腹」だからね、という
ことで注文したのだが、運ばれてきたアイスクリームを見て我々はげらげら大笑
いすることになった。
まるでどんぶり鉢ほどもある大きなガラスの器に、チョコとバニラのアイスが目
一杯ぎっしりと詰まっていたからだ。どんなに立派な「別腹」を持っていたとこ
ろで、こんなの半分だって食べられやしない。見ただけで胸ヤケがしてきた。そ
もそもいったいこれは人間のデザートなのか? ひょっとして悪い冗談? …も
う笑うしかない。
まあ、Cさん&Mさんの最後の晩という、ちょっぴりしんみりしたムードを明る
くしてくれたのだけは確かだ。

Cさん&Mさんをマリオットに送ったあと、アデルフィに寄ってみた。ぎっしり
満員のメイン・ホールではちょうどオーヴァーチュアーズが演奏していた。お気
に入りのバンドだが、8秒ほど聴いて、会場を後にした。
もう今日はじゅうぶんだ。宿へ帰ろう。
実に実に長い1日だった。

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo626.html ≫


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