November 17 2015, No.627
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼「利物浦日記2001」(8)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.627です。
いまこれを書いているのが17日の23:28PM。発行~配信は確実に24時を回って
しまいそうですが、それはカンボジアのせいです。ロシアワールドカップの予選
でのカンボジア対日本戦。NLWの編集作業がまだぜんぜん進んでなくて観てる場
合じゃないというのに、カンボジアの選手が一所懸命にプレイして5万人の観衆
がそれを必死に応援する姿を目にしてしまうと、テレビのスイッチを切ることが
できませんでした。プノンペンのスタジアム全体が、ひたむきで全力で、そして
楽しんでましたね。ほんと、いい試合でした。
というわけで、このNLWの配信はたぶん25時半くらいになると思います。ごめ
んなさい。

さて、今回も僕の連載「利物浦日記2001」です。
なにしろ14年前に書いた原稿ですから自分でもほとんど憶えてなくて、読みな
がらときどき、「あれ? これほんとにおれが書いたんだっけ??」となってし
まうのが楽しいです。文章だけでなく、そこに書かれている自分の行動にも驚か
されることがちょくちょくあって、ますます自分の原稿かどうか確信が持てなく
なってしまったり……。

今週の掲載分では、宿を探すエピソードが出てきます。
あのころは僕は学生寮を普通に利用していて、そのことは憶えていたのですが、
場合によってはユースホステルにも泊まっていたなんてことはすっかり忘れてい
ました。今だったらちょっと無理だなあ…。YWCAってどこにあったんだっけ?

考えてみると、14年前と比べると、リヴァプールのホテル事情は飛躍的に良く
なりました。もうほんと、隔世の感というか、ほとんど別世界です。
2001年はとにかくホテルが少なかった。4ッ星のところは、ええと、アトラン
ティック・タワー、マリオット、モート・ハウス、クラウン・プラザの4ホテル
だけだったはずです。それ以外で大きなホテルというと、グラッドストーンとア
デルフィ、それからホリディ・インくらいしか思い浮かびません。ほかにあった
かな?

それがいまではどうでしょう。「ヨーロッパ文化首都」となった2008年を境に高
級ホテルが次から次へとオープンして、それが2015年の今でも続いています。
14年前にはなかった高級ホテルやおしゃれなブティック・ホテルが立ち並ぶ様
は、昔のリヴァプールを思えば「なんじゃこりゃ?」な違和感で気持ち悪くなり
そうなんだけど、思い入れを捨てて素直に見れば、意外にもきれいに整備された
ヒストリカルな街並みにすんなりと溶け込んでいるんですよね。
「おや? リヴァプールってこんなにスタイリッシュな街だったっけ??」と、
いちばん首をかしげているのは、実は地元の人たちなのかもしれません。

「こんなにばんばんホテルつくってだいじょうぶなのか?」という心配もないで
はないですが、ツーリズムはこの10~15年ずっと絶好調。ヴィジター数の都市
別ランキングは、英国では第6位です。イングランドに限れば第4位。リヴァ
プールの上には、ロンドン、マンチェスター、バーミンガムしかいません。こ
れってなかなかすごいことではないでしょうか。まあ、マンチェスターより下っ
てのは気に入らないけれど。

リヴァプールには、ビートルズをテーマにしたハード・デイズ・ナイト・ホテル
や、タイタニックをテーマにしたタイタニック・ホテル、そしてリヴァプール
FCの名監督にちなんだシャンクリー・ホテル(今夏オープン!)といった、実に
この街ならではのホテルがあります。
ほかにもユニークなホテルがいっぱいありますので、旅行でリヴァプールを訪ね
るかたは、1泊と言わずぜひ何泊かしてみてください。面白い体験になりますよ、
きっと。

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「今週のフォト・アルバム」には、今年の《International Beatleweek》の様子
を感じてもらえそうな写真をいくつか掲載します。これからぱぱっと選びます。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo627.html 

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すでにお伝えしていますが、14年間配信をお願いしていた「よりすぐりメルマ
ガサイト めろんぱん」さんが、9月末でメールマガジンの配信サーヴィスを終
了しました。
「めろんぱん」でご購読いただいていたみなさん、お手数ですが「まぐまぐ」へ
の購読手続きをお願いいたします(もしこの記事を読んでいれば)。
 http://www.mag2.com/m/0000065878.html 

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<スカウスハウス通販:UK盤レコード>
スカウスハウス通販の「英国盤レコード」ページを更新しました!
今夏、リヴァプールで仕入れた新入荷アイテムを追加掲載しています。在庫品の
いくつかはプライスダウン。オーダーをいただけるとうれしいです!
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「リヴァプールみやげ2015」通販もよろしくです。
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                         ― Kaz(17/11/2015)


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▼「利物浦日記2001」(8)
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「利物浦日記2001~インターナショナル・ビートル・ウィーク2001
/Kazのリヴァプール滞在記」(再録)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo627.html ≫

【8月27日(月)】  ミニツアー、洗濯、そして静かなフェスティバル

「インターナショナル・ビートル・ウィーク」の目玉は、日曜日に行われる「コ
ンヴェンション」と、翌月曜日(祭日)の「マシュー・ストリート・フェスティ
バル」(今年は土・日・月と3日間にわたって開催されることになったが、メイ
ンはもちろん最終日)だ。

そのフェスティバル・デイの今日も、空は朝からくっきりと晴れている。絶好の
お祭り日和。
朝8時、マリオットに到着。Cさん&Mさんとは今日でお別れなので、朝食をご
一緒することにしたのだ。
相変わらず豪華なラインナップが並ぶバイキングのビュッフェ。先日食べ過ぎて
つらい思いをしたので、今回は欲を出さないようにと注意しながら料理を取る。
3人で静かに食事をしていると、「スカウス・ハウス」でお世話をした人たちが
続々と登場。Nくん&Eちゃん、Oさん&Mさん、そして昨日の夕方に到着したY
さん夫妻。みなさん元気そうで、爽やかに挨拶してくれた。

食後、9時半からの「マジカル・ミステリー・ツアー」へ向かう6人のみなさん
(アデルフィに泊まっているTさん夫妻を含めると8人が参加)を見送り、さあ
これからどうしようとCさん&Mさんと相談した。鉄道の発車時刻までは2時間
ほど余裕がある。買い物をするのもいいし、リヴァーサイドを散歩するのもいい
…しかし我々が選んだのは、やっぱりビートルズだった。

昨日の「ぶらぶらウォーク~シティ・センター編」の時に時間の都合でこっそり
カットしたスポットが何ヶ所かあるので、そこを巡る臨時のミニ・ビートルズ・
ツアーに出発!
タクシーでカセドラルまで行き、そこから少し歩いて、アート・スクール時代の
ジョンのフラットと、スチュのフラットを訪ねた。
ガンビア・テラスのジョンのフラットで記念写真を撮っていると、ちょうど満員
のファンを乗せた「マジカル・ミステリー・ツアー」のバスが我々の目の前を通
りかかった。「行ってらっしゃ~い」と3人で手を振ると、多くの人が喜んで振
り返してくれた。その中には、Nくん&Eちゃんや、Tさん夫妻の姿も見えた。

ブルー・エンジェル・クラブを見てマリオットに帰り、少し早いが荷物を持って
ライム・ストリート駅へ行って、構内のカフェで出発までの時間を過ごすことに
した。
3人とも紅茶を注文した。お別れの時間が近づいているせいか、それとも楽し
かった3日間の余韻に浸っているのか、あるいは単に疲れが出たためか、みんな
あまりしゃべらなかった。
CさんとMさんは、これからロンドンを経由してそのまま日本に帰る。
お二人とも実際に来るまでは、「これが最後のリヴァプールになるかも知れない」
と話していた。去年も揃ってここに来ているし、それぞれに家庭の事情も抱えて
いる。だからこそ、「思い残すことのないように」とかなり無茶なスケジュール
を組んだわけなのだが、何のこっちゃというか案の定というか、この3日間口を
ついて出るのは、「今度来る時はああしよう、こうしよう」という話ばかりだっ
た。結局は、ますます深みにはまってしまっただけという感じだ。もちろんそれ
は僕のねらい通りだったから、とても嬉しい。
これからもずっと、このリヴァプールという街は、Cさん&Mさんにとっての特
別な場所でありつづけるのだと思う。
来年になるのか、もっと先になるのかはわからないけれど、きっとまたこの街を
一緒に歩くことができると信じている。

ロンドン行きのヴァージン・トレインは定刻に発車した。
ホームでCさん&Mさんを見送って引き返す途中、見覚えのある夫人がベンチに
座って本を読んでいた。3日前に同じ場所で出会った、大学教授Tさんのご夫人
だった。
挨拶をすると、Tさん夫人は再会を喜んでくれた。
先日の息子さんに続いて、今から親戚がやって来るそうだが、何時になるのかは
わからないからここで本を読みながら待っているということだった。
しばらくの間、楽しくおしゃべりをして、じゃあまた、と言って別れた。

今日はこれから、自分自身の用事をいくつか済ませなければならない。
1.日本に帰る日の、マンチェスター空港までのコーチを予約をする。
2.カセドラル・パークの宿泊は今日までしか取っていないので、明日から2泊
  分の宿を探す。今の宿よりもコーチ・ステーションに近くて、安いところが
  よい。
3.溜まりに溜まっている、洗濯。
それにフェスティバルも少しは見ておかんとなあ…ああ忙しい!

まず、ノートン・ストリートのコーチ・ステーションに行って30日朝06:45発
のコーチの予約をした。4.50ポンド。去年と同じだ。この時ふと気がついたの
だが、僕は3年連続で同じ便を利用することになるわけだ。ヘンなの。

さて、次は宿の手配だ。まず、第1希望であるライム・ストリート駅の隣にある
ノース・ウェスタンをあたってみたが、あいにく満室だった。「コンヴェンショ
ン」も「マシュー・ストリート・フェス」も終わった明日以降は空いているはず
だと思ったのになあ。がっかり。
仕方がない、次は元YWCA(今は名前が変わっているのだが忘れてしまった)をあ
たってみようと、ロドニー・ストリートとマウント・プレザントの横断歩道を
渡っていると、反対側から見覚えのある人が歩いて来た。なんと大学教授のTさ
んだった! びっくり。
Tさんは駅に行く途中だった。さっき駅で奥さんに会ったことと、宿探しの最中
であることを話すと、自分が今泊まっている学生寮はたぶん空いているはずだか
らもしよかったら、と場所を教えてくれた。ありがたい。

早速その学生寮(名前は忘れてしまったが、すぐ近くだった)に行って、レセプ
ションのおじさんに「部屋はありますか?」と尋ねた。
まず「学生か?」と訊かれ、「いえ、違います」と答えたら、「悪いね、今は満室
だ」とそっけない答えが返って来た。
なるほどね、学生専用で、一般人には貸さないというわけなんだな。どうりで
ツーリスト・ガイドには載っていないはずだ。Tさんは大学の研修で来ているか
らOKなんだろうな。
仕方ない、今度こそ元YWCAを訪ねよう。それでだめなら、あまり気は進まない
がYMCAだ。

元YWCAには、宿泊施設らしい看板は何ひとつ出ていなかった。おかしいなあ、
確かにここのはずなんだが、と思いながらベルを鳴らす。
インターフォンから、「ハロー?」と返答があったので、「ええとあのう、アコモ
デーションを探しているんですけど」と言ってみた。
「ああそう、じゃあ入ってらっしゃい」とおばちゃんの声。そしてがちゃんとい
う音がして、ドアのロックが解除された。
中では2人のおばちゃんがにこやかに僕を迎えてくれた。
明日・あさっての宿泊はOKだということだ。ラッキー! しかも、朝食は付い
ていないけれど、1泊12ポンドという超格安料金だった。思わず、ガッツポー
ズつきで大喜びしてしまった。おばちゃんたちはそれを見て苦笑していた。
オーケー、さあ、残るは洗濯だけだ。

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo627.html ≫


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旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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「今週のフォト・アルバム」では、《International Beatleweek 2015》の写真を
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