January 19 2016, No.631
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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1月10日、デイヴィッド・ボウイが亡くなりました。
僕がこのニュースを聴いたのは11日の夕方で、ちょうど兵庫・柳原の「えべっ
さん」の参道を、エビスビールを片手に歩いているときでした。露店がひしめく
長くて狭い参道はお参りの人でいっぱいで、それはもうカラフルでにぎやかだっ
たのですが、その喧騒がふっと一瞬、遠のいて行きました。

そのときまず思ったのは、「デイヴィッド・ボウイでも死んじゃうのか」という
ことでした。老いや死を超越したようなイメージを持っていたからです。ボウイ
もやっぱり人間だったんですね。あたりまえだけど。

熱心なファンではなかったけれどもうちにはボウイのアルバムが何枚かあって、
ここ数日、それをひっぱりだして聴いています。いやもうほんと、すみからすみ
まで、どこをどう切ってもカッコいいです。ボウイかっこよすぎ。

Liverpool ECHOのサイトを見てみると、巨星の死を悼む記事がいくつも掲載さ
れていました。
中でも目を引いたのが、エコーならではというか、リヴァプールの音楽関係者や
ミュージシャンのコメントを集めたページと、エコー紙の読者から思い出を募集
したページです。とても興味深く読みました。それぞれの記事から、ひとり分の
コメントを紹介しますね。

まずは音楽関係者のほうから。
Liverpool Sound City ( http://www.liverpoolsoundcity.co.uk/ ) のCEO、
David Pichilingiは、ボウイは自分の初恋だったと語っています。
「ボウイはわたしの初恋だった。うちのベビーシッターに紹介されたんだ。1973
年で、わたしはまだ13だった。彼はレコード盤の姿でうちにやって来た。そし
てうちのレイディオグラム(オーディオ)の中で歌った。そのときからわたしは
ボウイに首ったけになってしまった」
「ピストルズやらジャムやらヴェルヴェット・アンダーグラウンドやらトーキン
グヘッズやらよりも前だよ。ボウイが始まりで、彼を通してほかのいろんなもの
を学んでいったんだ。彼のライヴを追っかけてUKじゅうを旅したこともあった
よ。時にはヨーロッパにもね」

「よくマンチェスターのPipsっていうクラブに行った。父親にコーチの駅まで
送ってもらうんだが、おやじ、ビビってたな。だってわたしはいつもレオタード
はいて『アラジン・セイン』のメイキャップでキメてたから」
「あそこにはボウイ・ルームやロキシー・ルームがあってね。そこではイカレた
同類たちと知り合えるし、ボウイの音楽をオールナイトで聴けるんだ」

「あるときは母親をびっくりさせることになった。出かけてて戻って来たおふく
ろは、わたしの友達のアーティストと彼の作品に鉢合わせさ。その作品って、
『ダイアモンド・ドッグズ』のジャケットだよ。わたしのベッドルームの壁ぜん
ぶを使ってペイントしてもらったんだ」

「娘にはAmelie Bowieと名づけたしね。何から何まで影響を受けてるし、わた
しの人生はボウイでできてるようなものだ。今日は自分の一部分が無くなってし
まったような感じだ」

そして読者から寄せられたエピソード。こういうの、僕は大好きです。
ウォルトンに住むSimon Archerは、1972年にボウイに会ったときのことを
ECHO紙に語りました。それはボウイがリヴァプールのシティ・センターにあっ
たTop Rank Suiteでコンサートを行った1972年9月4日で、彼がジギー・ス
ターダストとして登場して7ヶ月後のことでした。サイモンの話です。
「僕はそのときデイヴィッド・ボウイのことはあんまり知らなくて。スペース・
オディティとスターマンくらい。ジギー・スターダストのツアーってこともよく
わかってなかった」
「でもあれはものすごいパフォーマンスだった。ボウイと、彼の最高のバンド、
スパイダーズのラインナップ。ギターにミック・ロンソン、ベースのトレ
ヴァー・ボールダー、そしてドラムのミック・ウッドマンシー。もうただただ
ぶっ飛んだよ」

「ショウのあとすぐ、母親に電話をかけたんだ。迎えに来てくれないかなって。
そしたら、なんていうグループを観に行ったのって訊かれて」
「そのときおふくろはマンチェスターにある有名な女性ファッション店のマネー
ジャーをやってたんだけど、僕がデイヴィッド・ボウイだよって答えると、こう
言ったんだ。『あら偶然ね。彼今日うちの店に来て女物のジャンパー買って行っ
たわよ』って。それだけじゃなくて、『あたしを待ってるあいだ、黒のメルセデ
スを探してみるといいわ。彼をお店に送り迎えした車がそうだったから』ってね」

「それならってことで、ベーニーと僕はトップ・ランクのバックドアまで行って
みた。そしたら黒のメルセがとまってて、ボウイがそれに乗り込んだんだよ。僕
らは彼に向って叫んだね思わず」
「何て叫んだのかは正直思いだせないんだけど、ボウイは僕らにおいでって手招
きしてくれて。僕らは車のシートに座って、ほかのクルーが来るまでおしゃべり
したんだ」
「彼はこれ以上ないくらいフレンドリーだった。コンサートでぶっ飛んだ~って
伝えたら、心の底から嬉しそうな顔をしてたなあ」
「あのとき、この人はとんでもないスターになるに違いないって思った。でも女
物のジャンパーのことはなんかひっかかってたかな。なにしろ今とはぜんぜん違
う時代だったからね」

以上です。
どちらもいい話ですよね。僕自身にはボウイについて語れるような思い出やエピ
ソードはないですけど、同時代に生きることができたことには感謝したいです。
いま僕のPCでは、93年のアルバム『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』が
鳴っています。「ジャンプ・ゼイ・セイ」、むちゃくちゃカッコいいっス。

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「今週のフォト・アルバム」には、昨年の《インターナショナル・ビートル
ウィーク》の写真をいくつか掲載します。みなさんお待ちかねの(?)今年のプ
ログラムは、もうすぐリリースです。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo631.html 

                         ― Kaz(19/01/2016)


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ウェブサイトの「リヴァプール・ビートルズ・ツアー」ページをプチ・リニュー
アルしました。15年目となった「リヴァプール・ビートルズ・ツアー」、名所観
光とランチがプラスされたお得な「ビートルズツアー+ランチ&名所観光」、
「伝説のカスバクラブ・ツアー」、そして2つの「現地英語ツアー(Magical
Mystery Tour, Mendips & 20 Forthlin Road Tour)」の、それぞれに案内ページ
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スカウスハウスでは、2015-2016シーズンも、リヴァプールFCおよびエヴァト
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もご用意。マニアックなフットボール・ファンはもちろん、初心者の方も大歓迎
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スカウス・ハウスでは、リヴァプールのキャヴァーン・クラブでのライヴをアレ
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覧ください。
ビートルズ・バンドのみなさん、「リヴァプールのキャヴァーン・クラブで演奏
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*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週のフォト・アルバム ******

「今週のフォト・アルバム」では、昨年の《インターナショナル・ビートル
ウィーク》の写真をいくつか掲載します。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo631.html 


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