September 06 2016, No.648
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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 ▽フロム・エディター
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▽フロム・エディター
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リヴァプールから帰ってきました!
今年・2016年の《International Beatleweek》も、すンばらしいフェスティヴァ
ルとなりました。規模や動員数もそうですが、やはり出場バンドのクォリティと
豪華な企画力がモノを言っています。毎年のことながら、つくづく感心してしま
います。
もちろんリヴァプールの街や人々も重要なファクターですし、さらに忘れてなら
ないのが、集まって来るビートルズファンたちの熱い想い、です。なんだかほん
とに絵に描いたようなシャングリラなんですよ。まだ未体験の(わざと重ねまし
た)ビートルズファンのみなさん、ぜひ一度ビートルウィークにいらしてくださ
い。ほんとにぜひ!

日本代表バンド、The Liverpool Guys, Fabric, The Hukusukeも大活躍でした。
3バンドとも金メダル級のパフォーマンスでオーディエンスを沸かしてくれまし
た。いやあほんと、盛り上がりましたよ!
3バンドあわせて22本(だったかな)のギグがあったわけですが(プライ
ヴェート・ギグをあわせるとプラス2本!)、そのどれもにストーリーがあって、
ドラマがあって、挑戦や葛藤や喜びがあって、横で観ている僕にとっても深く印
象に残るステージばかりでした。
日本代表バンドのみなさん、ありがとうございました。そして、お疲れさまでし
た。楽しかったね!

ビートルウィークに先駆けて敢行した、北海道のシンガー/ソングライター、
Graceの「リヴァプール3デイズ」も、大成功でした。
まず8月18日の木曜日夜にキャヴァーンのフロント・ステージに出演したあと、
翌19日には、昼に同じくキャヴァーンのフロント、夕方にカスバ・クラブ、そ
して夜にジャカランダのステージに立ちました。にゃんと1日で伝説のビートル
ズ・ステージ3つ全てを制覇するという、前代未聞かつ前人未到(たぶん)の
「グランド・スラム」達成です(アレンジしたのはオレおれ)! 最後の20日
土曜日は、夜にキャヴァーンのライヴ・ラウンジで、満員のオーディエンスを前
に堂々のパフォーマンス。大合唱で2度目のリヴァプール遠征を派手に締めくく
りました。
グレース、おつかれさま。どうもありがとう。またやろうぜ!

● ● ●

今年のビートルウィークで、個人的にもっとも感激したできごとを。

恒例の「ビートルズ・オークション」に、ウルトラ・スーパー・レアなアイテム
が出品されました。
ポール・マッカートニーが提供して1964年にシラ・ブラックがヒットさせた
「イッツ・フォー・ユー」という曲があります。シラは昨年8月に亡くなったの
ですが、今年はじめにシラの甥の家からその曲のデモ・ディスクが52年ぶりに
発見されて、オークションの主催者「ザ・ビートルズ・ショップ」に持ち込まれ
ました。デモ・レコード盤には曲のタイトルしか書かれておらず、レコードが収
められていた封筒には曲名とシラの名前が手書きで記されているだけだったので、
誰もがシラが吹き込んだデモだと思っていたのですが、ビートルズ・ショップの
マネージャー、スティーヴンが再生してみると……にゃんと歌っていたのはポー
ル本人だったのです!

「ビートルズの未発表レコーディングの発見」という、まるで夢の中の夢ような
瞬間に立ち会うことになったスティーヴンは、「興奮で体が震えた」と新聞記者
に語りました。ちなみに彼は推定体重150キロの巨漢です。相撲取り並みです。
彼の震えによる振動で、再生中だった世界遺産級の貴重なデモ・レコードが針
飛びを起こしてしまった…かどうかは確認できませんでした。気をつけようね。

で、えーと、なんだっけ。
そうそう、個人的にもっとも感激したできごとというのは、オークションの3日
前に、そのポールの演奏を聴かせてもらっちゃったのですよ。
たまたま店に顔をだしたら、ちょっとちょっとと手招きされて、ショップの狭い
倉庫スペースで(ビートルズファンでいっぱいの店頭で再生したらえらいことに
なるので)聴かせてくれました。「ほんとうに親しい人にだけ、あくまで個人的
に聴かせてあげている」のだそうで、今日でおしまい、僕は最後のひとりだとい
うことでした。ぎりぎり間に合ってよかった~(というか、特に用事もないの
にふらっと店に降りちゃったのはそういうことだったんだなとあとで納得)。

心の準備もなくいきなりで面くらったけど、こりゃまさに千載一遇、もう全身を
耳にして聴きましたよ。
1964年のポールの声は、最高に魅力的でした。のびやかで、艶があって、そして
やっぱり歌がうまい!
ピアノの弾き語りなのですが、デモなのでダイレクトにカッティングしているた
め、ピアノもヴォーカルも、実に生々しく収録されているのです。まるで目の前
でポールが歌っているみたい。アビーロードの第2スタジオなのでしょう、ふく
よかなリバーブがかかっています。間奏部分のスキャットや演奏が終わった後の
おふざけも、ま・さ・し・くポール。2分ほどの短い曲ではあるのですが、ほん
とうにあっという間に終わってしまいました。聴き終わったあとはボ~っとして、
しばらく声も言葉も出てきませんでした。ぼ、ぼ、ぼーぜんじしつ、です。僕に
聴かせてくれたショップのアシスタントのアン=マリーは、「聴いてもらった何
人かの中で、あなたのリアクションがいちばん好きよ」と優しく笑ってくれまし
た。ありがとう。でもね、みんなあれを聴いて平気でいられるのか?

僕は忙しくてオークションには行けませんでしたが(もう10年くらい行ってな
いなあ)、ポールの「イッツ・フォー・ユー」デモ・ディスクは、あとから聞く
と、18,000ポンドで落札されたそうです。
今はポンドが安いから、250万円弱、になるのかな。世界にたった1枚しかない
ビートルズの未発表曲のレコードにしては、意外にお手頃価格なような気がしな
いでもないです。もちろん、僕にとっては、という意味ではありませんよ。ス
ティーヴンに訊くと、落札したのは個人のコレクターだということでした。

せっかく幻からよみがえったのです。あのすばらしいトラックを、いつの日か
ビートルズファンみんなが聴ける時が来るようにと願わずにいられません。僕も
もう一回聴きたい!

● ● ●

「今週のフォト・アルバム」には、今年の《International Beatleweek》の様子
を感じてもらえそうな写真をいくつか掲載します。これからぱぱっと選びます。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo648.html 

                         ― Kaz(06/09/2016)


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スカウス・ハウスでは、ビートルズ・ファンの個人旅行をサポートしています。
15年目となったロンドンとリヴァプールの「ビートルズ・ツアー」はいずれも
大好評。
「リヴァプール・ビートルズ・ツアー」は、名所観光とランチをプラスして
「ビートルズツアー+ランチ&名所観光」にすることも可能です。また、「伝説
のカスバクラブ・ツアー」や、2つの「現地英語ツアー(Magical
Mystery Tour, Mendips & 20 Forthlin Road Tour)」など、旅行スケジュールや
マニア度に応じたオプションも用意しています。
詳しくはそれぞれの案内ページをご覧ください。

ロンドン・ビートルズ・ツアー
 http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm

リヴァプール・ビートルズ・ツアー
 http://scousehouse.net/beatles/beatlestour_liverpool01.html


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スカウスハウス通販に新コーナーができました。「リヴァプールみやげ2015」で
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昨年リヴァプールで仕入れてきたグッズを集めています(一部例外あり)。
Beatleweek関連商品やSteven Gerrard関連本など、ちょっとレアでマニアック
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スカウス・ハウスでは、リヴァプールのキャヴァーン・クラブでのライヴをアレ
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覧ください。
ビートルズ・バンドのみなさん、「リヴァプールのキャヴァーン・クラブで演奏
する」という夢をぜひかなえてください!
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リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
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画も登場。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧くだ
さい。
 http://scousehouse.net/beatles/beatlestour_liverpool01.html
 http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


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NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週のフォト・アルバム ******


「今週のフォト・アルバム」では、《International Beatleweek 2016》の写真を
紹介しています。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo648.html 


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