September 13 2016, No.649
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「おぼえがき:ビートルズ来日50周年inリヴァプール」(3)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.649です。
今週は連載「おぼえがき:ビートルズ来日50周年inリヴァプール」を。ちょっ
とブランクが空いてしまいました(「ブランクが空く」って、これも重ね言葉か
な?)。

今年6月30日と7月1日の2日間にリヴァプールで行われた、ビートルズ来日
50周年を記念するイヴェントの当事者レポートの第3回です。
すでにお伝えしているとおり、このイヴェントはキャヴァーンやビートルズ・
ストーリー、ハード・デイズ・ナイト・ホテルら、いわゆるリヴァプールの
「ビートルズ・インダストリー・グループ(BIG)」が企画し、スカウスハウスが
協力する形で実現しました。
なんといっても魅力的なビートルズ・バンドがいなければ話にならないというこ
とで、白羽の矢が刺さったのが、名古屋のビートルズ・バンド「The One After
909」でした。2年前に単独で渡英し、キャヴァーンでライヴを行った実力派バ
ンドであると同時に、メンバー5人のうち4人までもが「ビートルズ第一世代」。
つまり、1966年のビートルズの武道館公演を生で体験こそしていませんが、そ
の歴史的瞬間をファンとしてしっかりと記憶しているウィットネスたちでもあ
るのです。これほどうってつけのバンドは考えられません。彼らがスケジュー
ルをやりくりして参加してくれたことは、このイヴェントにとって最大のラッ
キー・ポイントでした。ほんとに感謝しています。僕だけじゃなくて、BIGのメ
ンバーたちも。

連載の第3回では、いよいよ彼らのライヴ・ステージの模様をお伝えします。
聖地キャヴァーンのフロント・ステージでの3回公演。午後10時半からの連続
3ステージでした。途中休憩が2回あるとはいえ、3時間の長丁場です。
ビートルズ・バンドにとってこれ以上ない栄誉ではありますが、60代半ばとい
う年齢で真夜中に3時間もロックン・ロールの演奏です。はたして最後までス
テージに立っていられたのか、演奏はどうだったのか、お客さんはちゃんと終わ
りまでいてくれたのか……ぜひ本文をご覧ください。

あ、写真もあります。「今週のフォト」で紹介します。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo649.html 

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終わったばかりの「インターナショナル・ビートルウィーク」ですが、明日・9
月14日から、2017年の出場バンドの募集をスタートします。
聖地リヴァプールで行われる「世界最大&最高のビートルズ・フェスティヴァル」
への出場は、すべてのビートルズ・バンドの夢であり、目標でもあると思います。
来年はどんなバンドが日の丸を背負って一緒に戦ってくれるのか、僕自身もワク
ワクしています。
すばらしい志を持ったバンドのみなさんからのコンタクトを期待しています。

<Beatleweek 2017:出場バンド募集!>
スカウス・ハウスでは、2017年のインターナショナル・ビートルウィークに、
日本代表として出場するビートルズ・トリビュート・バンドを募集します。
出場を希望されるバンドは、info@scousehouse.net までご連絡ください。メー
ル件名は「BW17バンドエントリー」とし、本文には、バンド名と簡単なプロ
フィール、代表者のお名前・住所・電話番号・PCメールアドレスをご記入くださ
い。
お問い合わせをいただいてから2日以内に、Eメールで募集要項を添付送信いた
します(募集要項の内容をご検討のうえ、あらためてお申込みください)。
※募集締め切りは10月6日(木)です。

● ● ●

もうひとつお知らせを。
にゃんと、僕が講師になります…。
神戸元町の南京町(チャイナタウンです)にある、「よみうり文化センター」で
カルチャー講座を持つことになりました。
テーマはもちろん、「ビートルズ」と「リヴァプール」です。なので、講座名は
「THE BEATLESと英国リヴァプールを知る」となりました。そのまんまだ。
アカデミックな講義はようやりませんけど、ビートルズの英国オリジナル盤レ
コードの音源や、リヴァプールで撮影した写真やヴィデオをたくさん使って、楽
しくにぎやかにすすめて行きたいと考えています。
10月5日、ビートルズのレコード・デビューの日にスタートする、第1&第3
水曜日・3ヶ月限定・全6回の特別講座。お近くのかたはぜひ!
 http://www.oybc.co.jp/event_kobe/detail_11519 

※受講申込みは、スカウスハウスでも受け付けます。info@scousehouse.net ま
でメールでご連絡ください(件名は「ビートルズ講座」としてください)。もし
かすると割引になる…かも?

よみうり神戸文化センター作成のチラシ画像はこちらから。
 http://scousehouse.net/ycc/2016autumn.html 

                         ― Kaz(13/09/2016)


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▼連載:「おぼえがき:ビートルズ来日50周年inリヴァプール」(3)
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「おぼえがき:ビートルズ来日50周年inリヴァプール」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo649.html ≫

<6月30日(木)>

ニールの「マジカル・ミステリー・ツアー」のあと、少し休憩をして、日本料
理店「Etsu」で夕食。キャヴァーンのヴィクトリアが我々グループ全員分のテー
ブルを予約をしておいてくれた。
なぜか僕はお腹が空かなくてぜんぜん食べられなかったのだが(ビールはもちろ
ん飲んだ)、ほかのみなさんは美味しい日本食をしっかり堪能されたようだった。

8時半。えりさんと一緒にキャヴァーンへ。
名古屋のビートルズ・バンドThe One After 909のライヴは店内にしっかりアナ
ウンスされている。PAエンジニアのトムに確認。909のギグの時間は10時半、
11時半、12時半。3本。すべてキャヴァーンのフロント・ステージで、本日の
メインアクトとしての登場である。
念のために言っておくと、キャヴァーン・クラブで、10時以降のゴールデン・
タイムに、フルサイズのステージを、3本、である。これはとんでもないことな
のだ。アマチュアのバンドではまずあり得ないし、プロアマ問わず日本のバンド
としては前代未聞、初の快挙である(はず)。2年前に909がこのステージに
立ったときは、人気バンドThe Mersey Beatlesの前座としての演奏だった。時
間は10時前から25分間ほど。それだって特別待遇と言っていい。だって、満員
のキャヴァーンで演奏できるなんて、ビートルズのコピーバンドにとってはまさ
に「一生の夢」なんだから。

9時20分。ハード・デイズ・ナイト・ホテルに集合して、キャヴァーンへ。
バンドと同行者あわせて20名ほど。夜のライヴハウスには子供は入れないので、
うちのチビは書家のKさんに預けることにした。ふたりでホテルで留守番である。
つまりKさんはきょうの909のライヴを観ることができない。Kさんだってお客
さんで、このライヴを楽しみにしていたはずなのに、快く子守りを引き受けてく
れた…すみません。

10時にヴェテランのソロ・パフォーマー、ロニー・ヒューズの演奏が終了。ト
ムがステージのセッティングをして、909のサウンドチェック。特に問題なくス
ムーズに準備が完了した。
しかしここで重要な問題が。
MCがいないのだ。ステージを仕切って、オーディエンスにバンドを紹介し、盛
り上げてくれるMCがいないと困る。しかもこれは記念イヴェントじゃないか。
トムに訊く。
「MCいないじゃん。君がやってくれるの?」
「いや、おれはちょっと…」とトム。
「どうする?」
「そうだな、オーケー、あそこにいるデイヴにやってもらうよ。あとで頼んどく」
「おっけ、ありがとう!」

ということで、MC問題はあっさり解決。筋肉モリモリのデイヴは実はキャ
ヴァーンのセキュリティ・スタッフなのだが、わりとノリノリで引き受けてくれ
た。イエイッ!

10時半。デイヴの司会で909のファースト・ギグがスタート。オープニングは
<Get Back>だ。2年前の7月にここで演奏しているので、「帰ってきたぞ~」と
いう挨拶代わりのナンバーである。全員緊張の様子はなく、わりとリラックスし
ている。オーディエンスのノリもすばらしい。ぎゅうぎゅう詰めとまでは行かな
いが、かなりたくさんのお客さんが入っている。ありがたい。

以下、セット・リストはこんな感じ。
Don't Let Me Down, This Boy, Drive My Car, Things We Said Today, We Can
Work It Out, Act Naturally, You're Going to Lose That Girl, Something,
Lady Madonna, Octopus's Garden, If I Needed Someone.

そしてアンコールに<One After 909>を演奏したのだが、本編終了時にデイヴの
姿が見当たらず、仕方なく僕がステージにあがって「ドュウォンモー?」とやっ
た。はずかしい。

ファースト・ステージ無事終了。楽屋に戻ったメンバーからは、やはり「あつ
い~!」の声が。ここはほんとうに暑いのだ。よくスーツ着て演奏できるなあと
いつも感心してしまう。
ドラマーのエマさんの言葉が印象に残っている。
「しんどかった。叩きながらこりゃあもたんぞと思ってリスト見たらまだ2曲目。
どうなることかと思った」

「確かにこれじゃ3つもたん」とほかのメンバーも同意。この日にそなえてハー
ドな練習を重ねてきた909だが、無理をして自爆してしまっては元も子もない。
とりあえず2ステージ目は数曲減らして体力温存、3ステージ目に勝負を賭ける
ことになった。

手元にセカンド・ステージのセット・リストがあるので、記しておこう。ここか
ら2~3曲カットしたのだが、それがどれだったかはよくおぼえていない。どれ
もカラフルなナンバーなので、少し減っても盛り上がりには影響はなかった。ほ
んとうに盛り上がった。

Back in The USSR, I Me Mine, A Hard Day's Night, You Like Me Too Much,
Tell Me Why, Nowhere Man, I Feel Fine, In My Life, Strawberry Fields
Forever, Penny Lane, I Want to Tell You, I Want to Hold Your Hand, Let
It Be.

不思議なことに、909のメンバーはステージがすすめばすすむほど、元気になっ
て行くように見えた。オーディエンスを含めた「場の力」が彼らに勇気と元気を
与えているのだろう。あるいは、ビートルズが降りて来た??

そしていよいよ勝負の3ステージ目。0時半スタートだというのに、まだ大勢の
お客さんでにぎわっている。セット・リストもノリノリのナンバーが並ぶ。

Day Tripper, Old Brown Shoe, All My Loving, I Don't Want to Spoil The
Party, Here Comes The Sun, Eleanor Rigby, Lovely Rita, Hold Me Tight, I
Saw Her Standing There.

こうしてみると、909のレパートリーはかなりの幅広さがある。ビートルズの初
期から後期まで満遍なくカヴァーしていて、それをひとつのステージでうまくブ
レンドして披露してみせてくれる。このサード・ステージはバンドもオーディエ
ンスもパワー全開で一気に駆け抜けた。
本編ラストの<I Saw Her Standing There>が始まるときにデイヴをつかまえて、
「これ最後だけど、アンコールやるぞ。君がワンモーやってくれ」と段取りを説
明。「よっしゃー、まかせんかい」と威勢のいいデイヴ。

オーディエンスからの「オーレーオレオレオレー、ジャ~パ~ン、ジャ~パ~~
ン!」コールの中、デイヴがステージに上がって909を再び紹介し、アンコール。
「最後にもう1曲ロックン・ロールを。みんなでブーギーだ」とバンドリーダー
のマサキさんがひとこと添えて始まったのは、<Twist And Shout>。たしか2年
前はドラムのエマさんがリードヴォーカルをとっていたはずだが、今回はマサキ
さん。ぶっつづけの3ステージ目で喉は限界にきているはずだが、ふりしぼるよ
うにシャウト。オーディエンスもそれに応えるかのように揺れる、ゆれる、ユレ
ル。若者も年配の人も、踊りながらジャンプしているのだ。踊るのは普通にある
光景だが、こんなにたくさんの人が楽しそうにジャンプしているのは初めて見た。
感動した。

見事なみごとな大団円。楽屋に帰ってきた909のメンバーの顔は、比喩ではなく、
ピッカピカに輝いていた。みんな10歳くらい若返っていた。なんなんだ、これ
はと思いながらカメラのシャッターを押した。これからもう2ステージくらい出
来そうである。イエイッ!

みんなで乾杯して部屋に帰りたかったが、もう午前2時に近い。キャヴァーンも
閉店だし、ハード・デイズ・ナイト・ホテルのバーももうクローズの時間だ…。
明日もライヴがあるので、909は体調管理が第一である。そのまま部屋に引き上
げることになった。ビールはルームサーヴィスで頼もうかな(やっぱり飲むんか
い)。

明日・7月1日はキャヴァーンのライヴ・ラウンジで2ステージだ!

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo649.html ≫


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▽スカウスハウス・ニュース
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