July 04 2017, No.671
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2016」(5)
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▽フロム・エディター
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NLW No.671です。

台風ですね。
朝は晴れていたので、自転車に乗って散髪に行ったのですが、終わって店の外に
出るとポツリポツリと降り始めていました。
そのあと郵便局に行って、ごはんを食べて、買い物をして・・・と予定を立てて
いたんだけど、ぜんぶあきらめてまっすぐ家に帰りました。洗濯物を干しっぱな
しだったのです。なんとかセーフでした。

「この時期に台風って珍しいねえ」と床屋(この言い方が僕は好きです)のご主
人としゃべっていて、ふと思い出しました。
51年前にビートルズが来日したときも、台風だったんだよなあ、と。あれは6月
29日で、台風は「4号」だったそうです。ちなみに今日本にいるのは台風3号。
通過するのを待って日本に上陸したので、ビートルズが台風を体験することはな
かったわけですが、もしも台風上陸が数日ずれていたら、どうなっていたんで
しょうか。

我々日本人は慣れっこだけど、イギリスには台風はないので(ないですよね?)、
免疫のないビートルたちが暴風雨をどう感じたか、興味のあるところではありま
す。

「おいおい、なんだこりゃ」
「地球の終わりか?」
「おれたちえらいところに来ちゃったなあ」

とか言い合ってたかも。必ず海岸の波打ち際に立ってレポートするTV番組を不
思議そうに眺めていたかもしれませんね。
もっとも、台風直下のなかではコンサートは実施できなかったかもしれないので、
ぎりぎりセーフのタイミングで通り過ぎてくれて、やっぱりよかったということ
になるんだけど……。

関係ないけど、イギリスのデイリー・ティーに、「タイフー(Typhoo)」というブ
ランドがあります。僕はこれ、長いあいだ「タイフーン」だと勘違いしていまし
た。あるとき最後に「n」がついていないのを発見して、びっくり仰天した憶え
があります。しかも自分が間違ってるのに、「あ、これミスプリントだ」って
思っちゃったのでした。思い込みとはおそろしいものですね・・・

どうでもいい話を書きすぎました。
今週は、連載「おぼえがき:ビートルウィーク2016」の第5回をお届けします。
リヴァプール・ガイズとファブリックのビートルウィーク初ステージです。どち
らもハイレヴェルなギグでした。写真と一緒にどうぞ。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo671.html

● ● ●

International Beatleweekオフィシャル・ウェブサイトのバンド紹介ページに、
日本代表バンドが掲載されました。
今のところ4バンドのうち3バンドですが、のこるクォリービートも近々アップ
されます。
紹介文は僕が書きました。ぜひご覧ください。

The Clover;
https://www.internationalbeatleweek.com/bands/the-clover/

The Reunions;
https://www.internationalbeatleweek.com/bands/the-reunions/

The Belittles;
https://www.internationalbeatleweek.com/bands/the-belittles/

日本代表4バンドのギグは、ほぼ決まっています。僕のところにはギグのリスト
があるのですが、若干修正の可能性があって、というか、追加のリクエストをし
ているところで、それが確定次第、公開します。もうちょっとお待ちください。

今のところ、ギグ総数は4バンドで32本。ビートルウィークとは別にジャカラ
ンダで各バンド1ステージ演奏するので、それもカウントすると36本。スカウ
ス・ハウスとして史上最多のヴォリュウムとなっております……うわあ。

● ● ●

<Beatleweek 2017 スカウスハウス・ツアー:締切間近!>

毎年恒例、インターナショナル・ビートルウィーク鑑賞パッケージ「スカウスハ
ウス・ツアー2017」の参加者を募集中です。聖地リヴァプールで開催される世界
最大のビートルズ・フェスティヴァル。今年も盛りだくさんのイヴェントが企画
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この夏、ぜひリヴァプールでお会いしましょう!!
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2017.html 

                         ― Kaz(04/07/2017)


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▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2016」(5)
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「おぼえがき:ビートルウィーク2016」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo671.html ≫

<8月26日(金)>

午後6時半。
「ウールトン&ペニー・レーン・ツアー」が無事に終わってやれやれだけど、
ゆっくり休む時間はあんまりない。
リヴァプール・ガイズのギグが8時からキャヴァーン・パブ、そのあと10時か
らキャヴァーン・フロントでファブリックだ。
7時半の集合まであと1時間だ。さて、どうしよう・・・。

考えてみれば、朝食のあとは何も食べていない。7時半以降は11時まではキャ
ヴァーンだから、今のうちに何かお腹に入れておかなくちゃ。
ヴィクトリア・ストリートの広東&ヴェトナム料理店「Mr Ho's」に入って、エ
ビとアスパラガスの炒め物を注文した。卵チャーハンつき。もちろんビールも
(2杯)。
このレストランにはもう20年くらい通っている。元々は「シャングリラ」とい
う広東料理店だったのだけど、3年前くらいに改名して、ヴェトナム料理も並べ
るようになった。
ヴェトナム料理はまだ食べたことはないけれど、広東料理は相変わらず美味しい。
お店のスタッフも変わっていないので、とても居心地がいい。

7時20分。マシュー・ストリート。
早めに着いたので、リヴァプール・ガイズを待たずにキャヴァーン・パブの中に
入る。
イタリアのバンド、Meat The Beatlesが演奏していた。狭いステージに大きな
男たちが窮屈そうに並んでいる。なんか人数が多いなと思いながら写真を撮ろう
と近寄ってみたら、キーボードを弾いているのは地元ミュージシャンのトニー・
クックだった。思わず「トニー、なにしとん?」と言うと、「いやちょっとヘル
プで…」と苦笑い。このひとってほんとによく働くのだ。ビートルウィークでの
MCもやってる。性格めちゃいいし。

リヴァプール・ガイズのBeatleweekファースト・ギグは、ほぼ定刻にスタート
した。キャヴァーン・パブは満員である。
セット・リストは以下のとおり。

<I Want to Hold Your Hand><Can't Buy Me Love><Please Please Me><A Hard
Day's Night><I'm Happy Just to Dance With You><Love Me Do><I'm A Loser>
<Matchbox><Something><Glass Onion~Why Don't We Do It In The Road><Back
In The U.S.S.R.><One After 909><Revolution>
Encore; <Slow Down><My Bonnie>

まずはコスチュームどおりにアーリー・ビートルズのナンバーを8曲。そしてレ
イト・ビートルズのナンバーを6曲。これが実によく考えられた選曲で、ドラ
マーのケンさんの歌う「マッチボックス」をど真ん中に持って来て前後半をきっ
ちり分けているだけでなく、前半で「起」と「承」、後半で「転」と「結」にな
るように構成されているのである。

ちなみに僕はケンさんの「マッチボックス」が大好きで、「ビートルズで最も不
人気な曲」と認定されたこの地味なロカビリー・ナンバーをこんなに盛り上げる
ことのできるリンゴ役はほかにいないと断言できる。いや、ほんとに盛り上がる
んだってば。おそらくビートルウィークでナンバー・ワンの「マッチボックス」
だと思う。

アンコールには「スロウ・ダウン」と意表をつく「マイ・ボニー」。最後までお
そろしくクォリティの高い演奏だった。リヴァプール・ガイズ、おそるべし。

● ● ●

リヴァプール・ガイズのギグの最中に、ファブリックのメンバー2人が僕のとこ
ろに来た。
楽器はまだホテルに届いてなくて(もちろん荷物も)、10時のギグには間に合わ
ないようだ。
「そこで、申し訳ないんですけど、リヴァプール・ガイズさんに楽器を貸してい
ただけたらと思うんです」
「そうですね、それしかないでしょうね」
「カズさんから頼んでいただけますか?」
「ん~、僕も一緒にお願いするけど、自分で頼むべきじゃないかなあ」
「そうですね、そうします」
「このギグ終わって外に出たところで頼んでみましょう。メンバー全員集めてお
いてください」
「え、全員ですか?」
「そりゃそうでしょう。全員そろって、ステージ衣装もばちっと着て(なぜかス
テージ衣装は手荷物に入ってたらしい)、お願いしないと。早くメンバー呼んで
きてください」
「はいっ!」

誰だって自分の楽器を他人に貸すのは嫌だ。とくに入念かつ万全の準備をして臨
んでいるビートルウィークである。しかもこれからまだ7本もステージが残って
いるのである。ひとつしかない楽器をいまここで人に貸して、もし何かトラブル
があったら……。
リヴァプール・ガイズだってきっとそう考えたはずだが、彼らは困っているファ
ブリックを見捨てなかった。快く楽器を差し出したのである。さすがである。ど
うもありがとう。

● ● ●

10時5分、キャヴァーン・フロントでのファブリックのギグがスタートした。
満員である。
セット・リストはかなりユニークだった。びっくりした。こんな感じだ。

<Come Together><Something><Oh! Darling><Octopus's Garden><Starting Over>
<Woman><Band On The Run><Jet><My Love><Live And Let Die><Golden Slumbers
~Carry That Weight~The End>
Encore; <My Bonnie>

それにしてもすごいセットリストである。
『アビー・ロード』のA面4曲を演奏したあといきなりジョンの1980年のナン
バー2曲に飛んで、そこからポールのライヴの定番メジャーナンバー4曲を披露。
そしてそして、そのあとでまた『アビー・ロード』に戻っちゃうのだ。このラス
トメドレーはポールのコンサートでもおなじみなので、流れとしてスムーズにつ
ながってしまうのが実に面白い。こういう組み立て方もあるんだなあと感心して
しまった。

いや、それ以上に感心したのは、ファブリックのパフォーマンスだ。
めちゃワイルドなのである。
いろいろあったから(ありすぎるくらいだ)、たまったフラストレーションを吹
き飛ばそうとしたのかな。まさに「ブロウイン・ザ・ブルーズ・アウェイ」(ホ
レス・シルバー1959年のこのジャンプ・ナンバーが僕は大好きなのだ。ビート
ルズとは関係ないけれど)である。少々ヤケ気味な感じもしないでもないが、と
んでもなくパワフルで、ぐいぐいと力技でオーディエンスを引っぱっていた。な
んちゅう迫力。さすが広島である。根性が違う。

「疲れちょろうが(かなり疲れているはずだ)、慣れない楽器じゃろうが(もう
ちょっ大事に使えよ)、初めてのビートルウィークじゃろう、関係ありゃあせん、
全力でぶつかっちゃる」

といったところか。広島弁、間違ってたらごめんなさい。
これだけ本気で演奏してもらえると、僕もうれしい。横で観ていて、実に爽快な
気分になった。

● ● ●

ファブリックのギグのあと、みんなでハード・デイズ・ナイト・ホテルの「バー・
フォー」で乾杯。
ファブリックは明日の朝の打ち合わせ。二手に分かれて、マンチェスター空港に
楽器と荷物を引き取りに行く組、リヴァプール・ガイズに楽器を返しに行く組と
でのマルチ作戦を展開する。

僕は適当なところで席を立って、外に出た。お腹が空いたのだ。
時刻はもう12時を回っている。近くで開いている美味しいレストランといえ
ば……。

というわけで、またミスター・ホーのお世話になった。マネージャーに「お帰り」
と言われてしまって、ちょっと苦笑い。
シンガポール・スタイルのチョウメン(ポーク抜き)とビール。ひとりで静かに
乾杯。
今日も長い1日だったなあ。おれ、おつかれさま。

(つづく)

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「今週のフォト・アルバム」では、連載「おぼえがき:ビートルウィーク2016」
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