July 18 2017, No.672
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2016」(6)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.672です。
このところなんやかんやあれやこれやそれやで余裕のない毎日でPCの前に座る
のも久しぶりだった今日、NLWの発行日であることはちゃんとおぼえていたので、
ババババっと一筆書きのように連載原稿を書きました。「おぼえがき:ビートル
ウィーク2016」です。

第6回となる今回は、去年のビートルウィークが佳境に入る8月27日土曜日の
エピソードを。
といっても長い長い1日の始まり部分で、あまりカラフルなストーリーにはなっ
てません。まあ、あったことを(できるだけ)あったままに書いているので、予
想外の展開、とか、華麗などんでん返し、とか、怒涛のクライマックス、なんて
ものは作ろうと思っても作れるわけではなく、かと言って面白くない話をグイグ
イ読ませるだけの文章力もなく、もしかしたらあんまり面白くない、「だからど
うした」と言われれば「はい、すみましぇん」とスゴスゴと巣穴に引き返すしか
ないような退屈な原稿になっているかもなのですが――思いっきりイイワケをし
てるな――、まあ、「ナメクジとレタス」とかのローカル・ネタも入っているこ
ともあるし、あまり期待せずに牛乳でも片手に(なんだそりゃ)気軽に読んでい
ただけるといいかな、と思います。

● ● ●

今年のビートルウィークの日本代表4バンドのギグは、もうちょっとで確定です。
これから数日のうちにはリリースできるはずなので、気になる方はスカウスハウ
スのウェブサイトをこまめにチェックしてくださいね。
あ、出場バンドのみなさんはチェックする必要はありません。直接リストを送り
ます。楽しみに待っていてくださいね。

ビートルウィーク観賞パッケージ「スカウスハウス・ツアー2017」は、締め切り
は過ぎていますが、しばらくは対応可能です。
参加ご希望のかたがおられましたら、お気軽にご連絡ください。
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2017.html 

● ● ●

International Beatleweekオフィシャル・ウェブサイトの、日本代表バンド紹
介ページを、もういちどあらためて紹介しておきます。
NLW前号発行時に未掲載だった「クォリービート」も無事アップされています。
紹介文はぜんぶ僕が書きました。ぜひご覧ください。

The Clover;
https://www.internationalbeatleweek.com/bands/the-clover/

The Reunions;
https://www.internationalbeatleweek.com/bands/the-reunions/

The Belittles;
https://www.internationalbeatleweek.com/bands/the-belittles/

THE QuarryBEAT
https://www.internationalbeatleweek.com/bands/the-quarrybeat/

● ● ●

来週の初めから月末まで、僕はリヴァプールです。
東京の書道教室「KEIBOKU」の書道展、プラス、北海道の歌姫「グレース」のリ
ヴァプール公演のためです。
このNLWの次号・No.673は、3週間後の8月8日の発行・配信とさせていただき
ます。
みなさんどうぞお元気で!

                         ― Kaz(18/07/2017)


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▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2016」(6)
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「おぼえがき:ビートルウィーク2016」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo672.html ≫

<8月27日(土)>

土曜日。今日から月曜日までの3日間がビートルウィークの本番というかキモと
いうか、こってりしたメインディッシュの部分である。とすると初日の水曜日は
ドリンク&おつまみ、木金はスターター、最終日の火曜日はデザート&コーヒー
ということになる、かな。まあともかく、バンドにとっては真剣勝負の3デイズ
のスタートである。

今日の僕の予定はかなりたくさん。午後1時から4時までの3時間のあいだに日
本バンドのギグが4本、そのあとは愛しのパティ・ボイドのサイン会もあるし、
セント・ジョージズ・ホールでの「コンサート・フォー・ジョージ」にも行かな
くちゃいけないし、夜にはジャカランダで日本のバンド総出演のライヴ・イヴェ
ントを主催するし、それが終わるのは夜11時ごろなんだけど、もう1本、アデル
フィでリヴァプール・ガイズのギグがある。たいへんだにゃ~。

● ● ●

寝たのは3時を回っていたが、7時には目が覚めた。朝ごはんを食べてメール仕
事をしていると、ファブリックのカンナウチさんから電話が入った。
「おはようございます。リヴァプール・ガイズさんに楽器を返しにホテルに来
たんですけど、そういう人は泊まっとられん言われまして・・・」
「ん? ホテルってアイヴィスですよね?」
「ええ、そうです」
「……あ!?」

ここで僕は気がついた。
リヴァプールにはアイヴィスは2つあって、昔からある「アイヴィス」と、わり
に最近できた「アイヴィス・スタイルズ」。リヴァプール・ガイズが泊まってい
るのはマシュー・ストリートから近い「スタイルズ」のほうだけど、昨晩、楽器
を受け渡す際には「アイヴィス」としか言ってなかったような・・・

「カンナウチさん、そこにはどうやって行ったんですか? タクシー?」
「いいや歩いてきました。地図みながら」
「結構遠かったでしょ? 港のあたりでしょ?」
「ええとよくはわからんのですが、そんな感じです」
「横にテスコはないですよね?」
「ないです」
「ああ、アイヴィス違いです。もうひとつアイヴィス・スタイルズっていうホテ
ルがあって、リヴァプール・ガイズはそっちなんですよ」
「・・・・・・」

僕もうっかりしていた。昨日のうちにちゃんと確認しておけば……。

● ● ●

10時半。
少し時間があるので、昨日ちょろっとのぞいたブルーコートのレコード・フェア
へダッシュ。
今日も30分くらいだったけど、なかなかの掘り出し物に出会えてポジポジ気分
でホテルに戻った。

11時30分。
さおりちゃんとランチ。今年のビートルウィークは、僕とさおりちゃんで日本代
表バンドのサポートをするのだ。
あまり時間がないので、マシュー・ストリートの近くにあるレストラン「スラッ
グ&レタス」に入った。「ナメクジとレタス」とは面白いネーミングである。こ
こはいつもお客さんでいっぱい。ちょっとおしゃれなファミレス、といったとこ
ろか。料金もリーズナブルだ。
僕もさおりちゃんも魚料理を注文。予想以上に美味しかった。ちなみにナメクジ
料理はメニューにはない。カタツムリも。

● ● ●

12時15分。
1時にギグのあるファブリックとハード・デイズ・ナイト・ホテルで待ち合わせ。
しかしメンバー5人のうち2人しかいない。
ほかの3人は朝マンチェスター空港に楽器と荷物を受け取りに行って、そのまま
まだ帰っていないとのこと。
「え? 楽器はまだ行方不明ですか?」
「ギターとベースは出て来たみたいです。あとはキーボード待ちで…」
「キーボードは会場にあるのを使えばいいでしょ。ギターとベースがあるなら
待ってないで戻って来るべきでしょうが」
「そうかもしれんですけど、リーダーが『どうしてもキーボードが要るから』
と…」
「・・・・・・」

とにかく、12時30分にキャヴァーン・パブへ。
ここのボス・エンジニアのアンディに事情を話す。渋い顔。とにかくミラクルが
起きて間に合うと信じるしかない。
その間に、「全部そろって今タクシーで向かっている」との一報。よっしゃ~!
しかしマンチェスターとリヴァプールは、普通に走って1時間近くかかる。はた
して間に合うか…。

12時50分。残りメンバーのうち2人が到着。急いでサウンドチェック。
そして最後の1人、ポール役のヒロさんが飛び込んで来たのは、なんと開演時
刻の1時ぴったり。わお、間に合った! とんでもミラクル!?

ファブリックのステージは、昨日とうってかわって、アーリー・ビートルズ1本
勝負のセットリストだった。

<It Won't Be Long><Hold Me Tight><Do You Want To Know A Secret?><P.S. I
Love You><Ask Me Why><You Really Got A Hold On Me><The Night Before><No
Reply><Boys><If I Fell><Till There Was You><Devil In Her Heart><Mr.
Moonlight><Tell Me Why><Kansas City - Hey, Hey, Hey, Hey>

これはかなりシブい選曲である。ノリノリのナンバーは最初の2曲と最後の2曲
のみ。しかもそれほどメジャーなナンバーではない。そしてよく見てほしいのだ
が、なんと、英国でのシングルヒット曲がひとつも入ってないのである。『ビー
トルズ1』はおろか、赤盤、青盤といった定番中の定番のベスト・アルバムから
外されたナンバーだけで構成されているのである。
狙ってのことか、単なる偶然かはわからないけど、ビートルウィークの新人バン
ドがこんなセットリストで2本目のギグに臨むなんて、ちょっと考えられない。

きっと相当な自信があるのだろう。実際、あれだけのドタバタを乗り越えた直後
とは思えないような落ち着いた演奏だったし、クォリティも申し分ない。まった
くなんちゅうバンドだ。
なにしろ昼間の1時だから満員とはいかなかったが、少なくないオーディエンス
はじっくりとライヴを味わっていた。

…といいながら、30分経ったところで僕はキャヴァーン・フロントへ移動。
2時からリヴァプール・ガイズのギグなのだ。
さおりちゃん、あとはよろしく。

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo672.html ≫


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