March 20 2018, No.687
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「SHODOでリヴァプール」(5)
 ▽「ビリ講」アーカイブ
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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佐野元春&ザ・コヨーテ・バンドのコンサートに行ってきました。
日は3月11日、場所は大阪フェスティバルホール。

ひさしぶりに見る佐野さんは、シルバー・ヘアに黒っぽいスーツ、顔も体型もず
いぶんシャープになって、10歳くらい若返ったかのよう。
ライヴの本編は、予想通り、コヨーテ・バンドの持ち歌オンリーで構成されてい
ました。この10年間に発表された、『COYOTE』『ZOOEY』『BLOOD MOON』『MANIJU』
の4枚のアルバムからの選曲です。『ZOOEY』以外は個人的には星3つ半くらいの
お気に入り度だったので、楽しめるかどうかちょっと心配だったんだけれど、
まったくだいじょうぶでした。好きでなかった曲は「あれ? めちゃカッコいい
じゃん!」と素直に思えたし、好きな曲にはもちろん大いに引き込まれました。
特に「ラ・ヴィータ・エ・ベラ」。3.11を受けてレコーディングされたこのナン
バーには、いつもじ~んとしてしまう。生きることの喜びや、この世界の美しさ、
それを信じることの尊さが、サウンドにも歌詞にも込められているのです。

アンコールは2回。3曲ずつ(だったと思う)。すべて80'sと90'sのナンバー
で、本編での緊張感から解放されたことも手伝ってか、会場はパーティーのよう
に盛り上がりました。昔のフェスティバルホールでは――20年くらい前かな、
会場全体がシェイクして2階席だと床が落ちるんじゃないかと心配になるくらい
ぐらんぐらん揺れたものだけど(いやほんとに)、今はホール自体が建て替えら
れてしまって、揺れを感じることなんてまったくなくて、いや、昔のホールだっ
たとしても揺れなかっただろうなってほど、落ち着いた、平和な盛り上がりで
した。みんな歳をとったね。ただ、若いジェネレーションのファンの姿もちら
ほらあったし(アンコールのナンバーはオールド・ファンではなく、会場の
ティーンエイジャーに向けて歌われた)、佐野さん自身もフケるどころか相変わ
らずトンガったアティテュードだし、昔からのファンもまだまだあきらめちゃ
いけません。みんな、もうひとツッパりしようぜ。
スウィート・ソウル、ブルー・ビート。

● ● ●

平賀敬子さんの連載「SHODOでリヴァプール」は、今週から、2016年夏の『ビー
トルズ来日50周年inリヴァプール』のお話です。
リヴァプールで「ビートルズの来日50周年のお祝いをする」という超スペシャ
ル企画だったわけですが、その企画が持ち上がって僕のところに連絡が来たのが
2016年の2月2日。そのちょっと前にけいこ先生からコンタクトをいただいたば
かりだったので、「書道」というものがなんとなく(なんとなくかよ)頭にあり、
それでふと、「日本がテーマなんだから、ビートルズバンドだけじゃなくて、ほ
かにも日本をアピールできたら面白いじゃん」と思いついたのでした。
それがああなってこうなって……というのは、連載の本文でどうぞ。

さて、今年・2018年の「KEIBOKU書道展ツアー」のご案内を。
第2回となるリヴァプールでの書道作品展は、8月18日の開催です!
書道展のあとそのままリヴァプールに残れば、ついでに(?)ビートルウィー
クも楽しめてしまいます。お時間に余裕のあるかたはどちらもぜひ!

案内リーフレットの画像はこちらです。
 http://scousehouse.net/keiboku2018flyer.html

お問い合わせはKEIBOKU書道教室まで。
 http://r.goope.jp/keiboku 

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「今週のフォト・アルバム」では、2017年のKEIBOKUツアーの際に撮影した写真
を紹介します。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo687.html 

                         ― Kaz(20/03/2018)


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▼寄稿:「SHODOでリヴァプール」(5)
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「SHODOでリヴァプール」 / 平賀敬子

<< episode 12: good news? >>

思いきって連絡してみたスカウス・ハウスさんから届いたのは、とっても嬉しい
お知らせでした。
それは、2016年2月初めのことでした。

> 今年の7月にリヴァプールで日本がらみのイヴェントの企画が持ち上がって
> います。詳しいことは決まってませんが、書道作品の展示も検討内容に入れて
> おきますね。

リヴァプールで日本がらみってなんだろう??
書道作品の展示??

何だかよく分からないけど、もしそんなチャンスがあるなら、是非、ゼヒ、ぜ
ひー!
9月に2回目の『Twopence To Cross The Mersey』を観にリヴァプールに行こう
と考えていたけど、変更してもいいかな。
ワクワクしてきたぞー!

このスカウス・ハウスさんからいただいたチャンスのおかげで、2度目のリヴァ
プール行きが決まり、これまたアメイジングな体験をすることになり、そこでた
くさんの新しい出会いがあり、リヴァプールでの書道作品展実現に近づいていく
ことになるのですが‥

その時は友達から、
「そんなうまい話ある??」
「騙されてるんじゃない??」
などと心配されたりして‥

私自身はもちろん疑いも何もなく、ただただ嬉しくて、早く具体的な連絡が来な
いかなぁと心待ちにして過ごしていたのですが‥
考えたみたらそうですよね。
書道しかやってなくて、なんのツテもない私が突然イギリスでのイヴェントに参
加???

確かにあやしく聞こえる‥


<< episode 13: surprise, surprise >>

そしてついに、スカウス・ハウスさんから次の連絡がありました。
なんとそのイヴェントというのは、「ビートルズの来日50周年をリヴァプールで
お祝いしよう」というもの。
ビートルズ関連団体と市の観光局にスカウス・ハウスさんが協力して、ビートル
ズが初めて武道館のステージに立った6月30日と7月1日に、リヴァプールで
記念セレモニーやタウン・ホール表敬訪問、記念ライブ・イヴェントを行うとい
うことが書かれてあって‥

そ、そ、そんなすごいイヴェントについて行ってもいいんですか??
いや、是非一緒に連れて行ってください!!
‥と、速攻で参加表明を出したのでありました。

その時、スカウス・ハウスさんではそのイヴェントの主役となるビートルズ・バ
ンドの募集を開始されていて、まもなく名古屋のバンド「The One After 909」
が日本代表として渡英されることが決まり、具体的にイヴェントが動き始めてい
ました。

そして、通常のビートルウィークでは絶対ないそうですが‥
今回はビートルズ来日というのがキーワードなので、日本の文化を紹介したりす
る場を設けてくださるとのことで、Kazさんの小学生の息子さんmoonyくんも少
林寺拳法の演武を披露されるかもしれないなどとお聞きし、図々しいけど、私も
書道で関わらせていただこうと決心し、そこから準備が始まりました。

もう出発まで2ヶ月ほどしかなく、またまた今回もバタバタすることに‥

イヴェントでは909さんの演奏されるキャバーンクラブの舞台でまさか書道パ
フォーマンス‥というわけにもいかないので、会場の中で場所をお借りして、
和紙のうちわに墨で文字を書くことを提案してみたところ、Kazさんから「ぜひ
それをオーディエンスのみなさんへの記念プレゼントにしましょう!」と快諾を
いただきました。

うちわの片面には筆で文字を書いて‥もう片面はどうしたものか‥
「イヴェントの記念になるようなステッカーを貼ってみてはどうですか?」と
Kazさんにまたまた提案。それも快諾をいただき、ステッカーは、「ザ・ビート
ルズ」と日本語で書いたものにしました。それを超特急で印刷してもらい、ひと
つひとつ貼り付けます。
また、タウン・ホール表敬訪問ではリヴァプール市長にも面会のチャンスがある
かもということだったので、プレゼントのための作品作りにもとりかかりました。
出発まで大忙しでしたが、教室のみんなも大協力してくれて、ギリギリでなんと
か準備が整いました。


<< episode 14: take off #2 >>

あわただしい毎日を過ごしながら、とにかく行ってみないことにはどうなること
か、何が起こるか全く予測できないし、運を天に任せるような‥自分が今乗って
る波にそのまま流されるような‥その時の私はそんな気分だったと思います。

ただ、前回のリヴァプールで立ち寄っただけでも泣いてしまうほど感動したあの
場所、聖地キャバーンクラブで、書道を披露することが出来るかもしれない‥
書道を通してリヴァプールの人たちと交流出来るかもしれない‥
そんなチャンスが自分にやってくるなんて‥
冷静を装っていましたが、中身はとんでもない興奮でぐるぐるぐるぐるしている
状態でした。

そしていよいよ出発当日。
フィンランド航空を使い、予定ではヘルシンキ空港で909のメンバーの方々と合
流。マンチェスター空港にはKazさんも迎えに来てくださるとのことで、前回の
リヴァプールのような緊張感はなく、ただワクワクしながらの出発。

予定通りフィンランドのヘルシンキ空港に到着し、フランクフルトよりは全然分
かりやすくてコンパクトな空港で迷うこともなく、マンチェスター行きのゲート
に行くと、ビートルズオーラがすでに出ている方々が‥
迷うことなく「909さんですよね??」と尋ねて自己紹介をさせていただき、も
うそこからは皆さんと一緒なので搭乗待ちから到着まで安心してリラックス。
マンチェスター空港に到着しても前回のようにドキドキ、ハラハラすることもな
くすごーい余裕でイミグレーションを出て、すでに別便で到着されていた909関
係者の方々とスカウス・ハウスのKazさんとmoonyくんにも初対面。

送迎の車にかなりぎゅうぎゅうな感じで乗り込んで、さあ2回目のリヴァプール
へ。

戻ってきたよーーー!
1年と3ヶ月ぶり!

ひとり旅ではなくスカウス・ハウスさんのイヴェントに参加という目的があって、
また大好きなリヴァプールに戻って来れたことがどれほど嬉しかったか‥

もし1月に勇気を振り絞ってスカウス・ハウスにさんに連絡してなければ、この
機会を逃してしまっていたかもしれないし‥
こういう巡り合わせにもなってなかったかもしれない‥

ほんとに人生って不思議です。

(つづく)


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▽「ビリ講」アーカイブ
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『ビートルズを愉しむ』講座・アーカイブ ------------

【第35回(2018.03.07)】
テーマ:「The Beatles at The Cavern + 55th Anniversary of "From Me to You”」

昨年リリースされた『REEL TO REEL』という4枚組のブートレグCDがあるので
すが、その4枚目のディスクまるごとが「1962年のビートルズのライヴ音源」に
なっています。しかも半分以上がキャヴァーンでの収録。繰り返すけれど、すべ
て1962年。デビューの年であり、ほぼ全部がデビュー前の演奏という、にわか
には信じられないような超レア音源のオンパレード。ほんまかいな。それならば
ということで、通しでリスニング。まずキャヴァーンでの10月のリハーサルが
3曲・5トラック(ポール作の未発表ナンバー「Catswalk」が2テイク!)、そ
してグラナダTVが8月22日に撮影した「Some Other Guy」、これは有名ですね。
次に9月5日、つまりロンドンでデビュー・シングルのレコーディングをした翌
日のキャヴァーンでのライヴが2曲、そして3月と6月のラジオ(「Teenager's
Turn」と「Here We Go」)からの音源(計6曲。にゃんとデビュー前にラジオで
「Ask Me Why」を演奏!)、最後にキャヴァーンで夏にジーン・ヴィンセントと
共演(!)したときのナンバーが1曲。おそろしく貴重な、歴史的なトラックば
かり。演奏もどれも素晴らしい。参りました。

そして、「From Me to You」の55周年を記念しての聴き比べ。ビートルズ3枚目
にして初の全英チャート完全制覇ナンバー(2枚目の「Please Please Me」は確
かにナンバー1になっているんだけど、英国の全部のチャートでの首位獲得は逃
している)となるこの曲がレコーディングされたのが、1963年3月5日のこと
でした。ちょうど55年。
先の『REEL TO REEL』にはこの曲およびB面「Thank You Girl」のアウトテイク
(リハーサル)が収録されているので、まずはこれを試聴(4テイク+3テイク)。
そして英国盤オリジナル・シングルと、これも英国盤のEP『The Beatles' Hits』
のA面を(A面にはこの2曲が収録)。さらに、英国盤LP『OLDIES』のステレオ
盤で「From Me to You」のステレオ・ヴァージョンを。「Thank You Girl」のス
テレオ・ヴァージョンが収録されている『RARITIES』はまあいいかと思って持っ
て行かなかったんだけど、受講生より「サンキューガールのステレオはハーモニ
カが余分に入っている」と指摘が。あれ? そうだっけ・・・。で、そのかたの
スマートフォンで聴かせていただくと、ああそうでした、確かに入っております。
しっかしこれ、あらためて聴いてみるとずいぶん間の抜けたフレーズ・・・ない
ほうがいいじゃん!


CD試聴:『REEL TO REEL』The Beatles (disc 4)
レコード試聴:「From Me To You」「Thank You Girl」The Beatles (UK original
       single, EP『The Beatles' Hits』, album『OLDIES』)
2次会:なし

<次回予告>
第36回講座(3月21日)は、ビートルズの1stアルバム『PLEASE PLEASE ME』
の55周年記念特集を予定しています。

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神戸元町・南京町の「よみうり文化センター」で、スカウスハウス代表・山本和
雄が講師を務める『ビートルズを愉しむ』講座(『THE BEATLESと英国リヴァプー
ルを愉しむ』から講座名を変更)が開講中です。
毎月第1・第3水曜日の午後7時からの90分。毎回テーマを決めて、ビリ講な
らではのユニークな視点で掘り下げます。蔵出し映像や貴重なレコード音源を楽
しんだり、本やインターネットでは知ることのできないディープな情報も。講座
のあとには二次会あり(ないこともあり)。

入会は随時受付中ですので、ご興味のあるかたはぜひお気軽にご参加ください。
お近くのかたも、お近くでないかたも、ぜひ!
 http://www.oybc.co.jp/event_kobe/detail_11519 


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▼スカウスハウス・ニュース
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***  Beatleweek 2018スカウスハウス・ツアー:参加者募集中! ******

毎年恒例、インターナショナル・ビートルウィーク鑑賞パッケージ「スカウスハ
ウス・ツアー2018」の参加者を募集中です。聖地リヴァプールで開催される世界
最大のビートルズ・フェスティヴァル。今年も盛りだくさんのイヴェントが企画
されています。毎年好評のオプショナル・ツアーももちろんやります。
この夏、ぜひリヴァプールでお会いしましょう!!
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2018.html 


*** 大好評! 現地ビートルズ・ツアー ******

スカウス・ハウスでは、ビートルズ・ファンの「聖地巡礼」の旅をサポートして
います。リヴァプールでは、17年目となった「リヴァプール・ビートルズ・ツ
アー」、名所観光とランチがプラスされたお得な「ビートルズツアー+ランチ&
名所観光」、「伝説のカスバクラブ・ツアー」をご用意。「現地英語ツアー
(Magical Mystery Tour, Mendips & 20 Forthlin Road Tour)」の代行予約も承
ります。
ロンドンのビートルズ名所を訪ねる「ロンドン・ビートルズ・ツアー」も大好評。
イギリス旅行の際にはぜひご利用ください。
 http://scousehouse.net/beatles/beatlestour_liverpool01.html
 http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


***  PLAY AT THE CAVERN! ******

スカウス・ハウスでは、リヴァプールのキャヴァーン・クラブでのライヴをアレ
ンジしています。もちろん現地コーディネートつきです。
ウェブサイトの「for ビートルズ・バンド - PLAY AT THE CAVERN!」ページをご
覧ください。
ビートルズ・バンドのみなさん、「リヴァプールのキャヴァーン・クラブで演奏
する」という夢をぜひかなえてください!
 http://scousehouse.net/beatles/playatthecavern.html


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週のフォト・アルバム ******

「今週のフォト・アルバム」では、2017年のKEIBOKUツアーの際に撮影した写真
を紹介します。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo687.html 


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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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       *** 隔週火曜日発行 ***


□■ 第687号 ■□

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