May 15 2018, No.691
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「SHODOでリヴァプール」(9)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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リヴァプールFCが、UEFAチャンピオンズ・リーグのファイナルへと駒を進めま
した。
5月3日のセミファイナル・セカンドレグ。終盤ASローマに怒涛の攻めを許し
て4-2(ローマが4、リヴァプールが2)となったところでタイムアップ。
ファーストレグを5-2で勝っていたリヴァプールは、なんとかぎりぎりのと
ころで逃げ切ることができました。あと2~3分あったら追いつかれてたか
も…ほんと心臓に悪いゲーム展開でした。まあ、ハラハラドキドキさせるのが
レッズなので、らしいといえばらしい勝ち上がりかた、なのかな。

あと11日後にウクライナのキエフで行われるファイナル。相手はスペインのレ
アル・マドリーです。現在チャンピオンズリーグ2連覇中で、通算でも12回優
勝というぶっちぎりの成績を残しているマドリーは、調べてみると、決勝で3回
も敗れています。というか、12回勝ってるんだから、3回「しか」負けていない、
というべきかな。で、その3回のうちの1回は、にゃんとリヴァプールなんです
よね。我がレッズが土をつけています。1981年のことでした。

リヴァプールはというと、チャンピオンズリーグの優勝回数は5回。決勝で負け
たのは2回。1985年と2007年です。今回のファイナルは2007年以来で、11年
ぶりとなります。

チャンピオンズ・リーグ(前身のヨーロピアン・カップを含む)での両チームの
対戦成績は、リヴァプールの3勝2敗。レッズが勝ち越しているとはいうものの、
いちばん最近の対戦である2014-15シーズンのグループリーグでのマッチアップ
では、ホームで0-3、アウェイで1-0と連敗しております。

イギリスのブックメーカー、ウィリアムズ・ヒルを見てみると、現時点での決勝
の勝敗オッズは、レッズの2.10に対しマドリーが1.73となっています。マド
リーが優勢なのは予想どおりですが、差はそれほどないと言っていいでしょう。

マドリーのジダン監督は(監督として)チャンピオンズ・リーグ決勝は2戦2勝
(うち1回は引き分けの末のPK勝利)で、対するリヴァプールのクロップ監督
は1戦0勝(ドイツ・ドルトムント時代)です。

けれども、クロップ監督はドルトムントの監督としてチャンピオンズ・リーグで
マドリーと6回対戦。3勝2敗1分と勝ち越しています(セミ・ファイナルでの
勝利を含む)。

・・・と、過去のデータやブックメーカーのオッズなどを書き連ねてみても、
どっちが有利なんだかさっぱりわかりませんよね。一般的には「マドリー有利」
になるんでしょうが、リヴァプールが残してきた歴史は無視できないし、今季
見せているイケイケフットボールにはどんなディフェンスも粉砕する破壊力が
あります。

かつてリヴァプールとマドリー両方のチームを率いたことのあるラファ・ベニテ
ス監督(現ニューカッスル・ユナイテッド)も、どっちが勝つか予測できないと
言っています。ESPNに掲載されたコメントを紹介しましょう。

「かなり面白いファイナルになるだろうね。マドリーとユヴェントス、バイエル
ンの試合(チャンピオンズリーグの準々決勝と準決勝)を観れば、彼らのクォリ
ティや経験値がわかるよね。ゲームで難しい局面におかれたとき、それをどうマ
ネージすればいいかをよく知っている。それは強みだ」
「リヴァプールは対照的だね。とにかく爆発力があるし、クォリティもリズムも。
プレミア・リーグのリズムはほかのリーグよりも上だから。ローマとの対戦でも
それがよく出ていたよね」
「どっちが勝ってもおかしくない。ファースト・ゴールがゲームの展開を決める
だろう。私は両方のチームにひとかたならぬ思い入れがある。どちらにも勝って
ほしい」

と、いうわけで、ファイナルは26日…というか、日本時間の27日の早朝に行わ
れます。

Come on you, Reds!

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今週のフォト・アルバムでは、リヴァプールにとっての前回のファイナルである、
2007年5月アテネで行われたチャンピオンズリーグ・ファイナルの写真を。僕が
撮ったものです。あれから11年も経つなんて信じられない思いですが、悔しさ
というかがっかり感はまだ残っています。理想的ではなかったけれど相手よりは
いいフットボールをしていたのに(※個人の感想です)ゴールが奪えず(という
か、シュートがことごとく入らず)、対照的に、ヘンテコなゴールが得意なイン
ザーギ(※これも個人の感想です)に、絵に描いたようなヘンテコなゴール(※
たぶん個人の感想じゃないと思う)を決められて、それからも攻めるんだけど流
れが来るようで来なくて、「あれ? あれ?」と言ってるうちにスキをつかれて
もう1点取られて、「なんとかしろよー!」と必死で応援するけれども時間だけ
が過ぎて行って、でも終盤に1点取り返して「よっしゃーっ!」と反撃態勢に
入ったところで無情のタイムアップ(審判の笛、早かったよね?)。リヴァプー
ルのサポーター席で僕は、しばらくボーゼンとして動けませんでした。となりに
いた老夫婦のうちのご主人が帰り際に僕の肩をポンとたたいて、「まあこんなこ
ともあるわな」と言ってほほ笑んだ、あの表情はよくおぼえています。さすがい
い時も悪い時も見てきた年季の入ったサポーターは違うなあと、妙に感心してし
まいました。「そうだ、リヴァプールの歴史はこれからもずっと続くのだ」と考
えれば、これも一歩の前進です。世界はまだ終わったわけじゃない。でも、決勝
の舞台に戻って来るのに11年もかかるとは……。

 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo691.html 

● ● ●

NLW No.299(2007年5月29日発行)で、チャンピオンズリーグ・ファイナルの
ことを書いています。「フォト・アルバム」ページとあわせて紹介しておきます
ね。

NLW No.299 http://scousehouse.net/magazine/magazine299.html
フォト・アルバム http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo299.html 


● ● ●

あっという間に5月も中旬となりました。
世界最大のビートルズ・フェスティヴァル「インターナショナル・ビートル
ウィーク」の観賞パッケージ「スカウスハウス・ツアー」は、まだまだ参加者募
集中です。
お申込みはお早めに。今年も景気良く盛り上がりましょう!
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2018.html 

                         ― Kaz(15/05/2018)


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▼寄稿:「SHODOでリヴァプール」(9)
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「SHODOでリヴァプール」 / 平賀敬子

<< episode 22: scouse house meeting >>

909の皆さんが日本に帰られてしまい、なんだかすっかり寂しくなってしまった
ように感じるリヴァプール‥

今日、私はKazさんがセッティングしてくださったミーティングに参加します。
スカウス・ハウスのえりさん、ミナコさん、さおりさん。
スカウス・ハウスさんのサイトでNLWを読んでいる私にとって憧れの方々。
そんな皆さんが集まってくださり、

「リヴァプールで書道の作品展をやりたい」

という何とも具体的でない‥
計画性のない‥
現実的でもない‥
まだぼんやりとしかイメージ出来ていない‥

無い無い尽くしの、そんな企画について一緒に考え、いろんな方向から意見を出
してくださり、おまけに会場探しまで付き合っていただけるという‥
これは本当に本当に贅沢なことです。

いくら日本で綿密な計画を立てたとしても、それが実際現地で現実的に可能かど
うかは分からないし、こちらに来てみたところで協力してくれる方がいないと、
どう動いてよいかも分からない。
こうやってリヴァプールに暮らして、現地の情報に詳しい方々に協力していただ
けるということがどれほど有り難いことか‥
そんなチャンスをいただくことができてどれほど嬉しいか‥
私はひしひしと感じていました。

展覧会の会場候補としてかなり良い感じのカフェにあるギャラリーも見せても
らったりして、具体的なイメージが湧いてきました。

「リヴァプールでの書道作品展がほんとうに開催できるかも!」

という確信のようなものも出てきました。

その後は皆さんと一緒に昼食へ。
ミナコさんのご主人やイギリス人ガイドの方も合流されて大勢での食事。
もちろん会話は英語でどんどん進んでいく‥

私は今までなんとなく、チンタラタラとしか英語の勉強をしてこなかったことを
猛反省。
あー、もっと勉強すればよかった‥

それでもmoonyくんが話し相手になってくれたので楽しい時間を過ごすことがで
きたし(いつもmoonyくんの存在に助けられてます‥)、何よりリヴァプールで、
スカウス・ハウス関係者の方々が揃っている席に、私も同席させてもらってるこ
と自体信じられない出来事なわけです。

あのドキドキしながら一人でリヴァプールまで「なんて遠いんだろう‥」と思い
ながらやって来たのがほんの一年ほど前のこととは思えない‥
あの時はこんな展開が待っているとは考えてもいなかったのに‥

出会いに恵まれて‥
チャンスを与えてもらって‥
それだけでなく‥
サポートまでしてもらい‥

これはもう来年リヴァプールで書道の作品展をやるしかない!
いや、絶対やろう!
そんな決意をすることができました。

本当に書道の作品展をリヴァプールでやれるという保証はどこにもないけど‥
もし何か問題が起こったり、スムーズに計画が進まないことがあったら、この日
を思い出してあきらめないで頑張ろう。

人生の転機のような大きな大きな体験ができたリヴァプール滞在がとうとう終
わってしまいました。


<< episode 23: iPnone gone >>

7月3日。今日から2泊3日で湖水地方への一人旅です。

リヴァプール滞在中はスカウス・ハウスの皆さんにお世話になりっぱなしで、自
分では何も考えずに行動していたので、ここからは気を引き締め、一人で頑張ら
なくちゃ!

って思った途端‥‥
最悪の事態‥

iPhone水没です。

よりによってリヴァプールのライム・ストリート駅で出発間際に‥
発火するのではないかと思うほど熱くなってきたiPhoneを握りしめて気が動転
したまま列車に飛び乗り、何度も何度もためしてみるけど、うんともすんとも言
わない‥

これから一体どーするのーー!

ホテルや航空会社の全てのインフォメーションはiPhoneの中に‥
プリントアウトして持ってこなかったことを後悔してももう遅い。
ガイドブックもスーツケースの奥にしまいこんでしまったので取り出せず‥
どこで降りて乗り換えればいいのかも分からず‥
ホテルの名前もうろ覚え‥

結構パニックで切羽詰まっていた私は隣に座っていた女の人に目的地ウィンダミ
アまでの行き方を聞いて、メモしたりしてる間に1回目の乗り換え駅に到着。
慌てて降りてキョロキョロしてる私のところに、一緒に降りた先程の女の人が
戻ってきて乗り換えホームまで案内してくれて、その次の乗り換え駅や時間まで
丁寧に教えてくれました。
少し落ち着きを取り戻しましたが、そこからは人に聞きまくりながらの旅を続け
ることになりました。

ウインダミアの駅に無事到着してからもホテルの名前をうろ覚えのため(リンデ
ス ハウ カントリー ハウス ホテルと長い名前だったんです‥)、タクシーのド
ライバーさんに説明して、他のホテルに泊まるお客さんと相乗りになりながらホ
テルまで。

だんだん林? 森? の中に入っていくタクシー。

だ、大丈夫だろうか‥
ちょっとこわい‥

などと考えてる間に無事ホテルにも到着。

ちょうどいい時間だったのでホテルの電話から日本に電話して、教室にいるス
タッフに「携帯使えなくなったからこれから連絡取れないよ~」と伝えると、

「だ、大丈夫ーー?!

とみんな心配してくれて、

「こっちは何とかするので、そちらもよろしくー!」とこたえたら‥
「こっちは大丈夫! そちらこそ頑張れー!」って応援されて‥

携帯があるといつでもどこでも、どんなに離れててもつながっている感じがして
安心だけど、過信してしまってはいけないなぁと今更ながら反省。

思えば去年iPhoneを初めて手にして「バスター」と検索してから突然いろんな
事が起こり始めました。

突き動かされるように初めてのリヴァプールにやって来て‥
大好きだったロブが脚本を書いた舞台を観て‥
本人にも会えて‥
スカウス・ハウスの存在を知って‥
ドキドキしながら連絡をしてみて‥
そしたら「ビートルズ来日50周年記念inリヴァプール」のイヴェントに同行さ
せてもらうことになって‥
909の皆さんやスカウス・ハウスの現地スタッフの方々とお知り合いになれて‥

あまりにもめまぐるしかったこの一年。
もしかしたら今ゆっくりと考えてみる時間を与えられているのかも‥
今にもピーターラビットが飛び出してきそうな景色を部屋から眺めながらそんな
ふうに考えていました。

その後は気持ちを切り替えて、湖水地方を2日間、自分のペースでまわったので
すが、計画もなにもないので、行き当たりばったりでバスに乗って同じところと
気付かずぐるぐるまわっていたり、歩いてるうちに道がなくなってしまったり、
目的地ではないところに船で到着したり、右往左往して結局あまりたくさんの場
所を訪れることはできませんでした。

でも情報から遮断されたおかげで、目の前にあるわけではない余計な心配をする
ことなく、今ここにいる自分を心からたのしむことができたような気がします。

その後マンチェスターに戻り、うろ覚えのホテルを探し出し1泊して、これまた
うろ覚えの飛行機で日本に戻ってくることができました。

「行ってみなければ何が起こるか分からない」そんな旅をしたことで、来年の書
道作品展への希望が見えてきました。

日本に帰ったら早速準備を始めなくちゃ!

(つづく)


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▽スカウスハウス・ニュース
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***  Beatleweek 2018スカウスハウス・ツアー:参加者募集中! ******

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ウス・ツアー2018」の参加者を募集中です。聖地リヴァプールで開催される世界
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この夏、ぜひリヴァプールでお会いしましょう!!
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 http://scousehouse.net/beatles/beatlestour_liverpool01.html
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***  PLAY AT THE CAVERN! ******

スカウス・ハウスでは、リヴァプールのキャヴァーン・クラブでのライヴをアレ
ンジしています。もちろん現地コーディネートつきです。
ウェブサイトの「for ビートルズ・バンド - PLAY AT THE CAVERN!」ページをご
覧ください。
ビートルズ・バンドのみなさん、「リヴァプールのキャヴァーン・クラブで演奏
する」という夢をぜひかなえてください!
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*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週のフォト・アルバム ******

「今週のフォト・アルバム」では、11年前のファイナル、2007年5月にアテネ
で行われたチャンピオンズリーグ決勝の写真を紹介します。レッズサポーター
だらけになった、前日や当日のアテネの様子も。ぜひご覧ください。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo691.html 


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□■ 第691号 ■□

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