October 16 2018, No.701
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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2年ぶりに神戸マラソンを走ります。
ず~っと体調が思わしくなくて、それを言い訳にまったくランニング練習をして
いなかったのですが、さすがにこのままではマズいと思って、1週間前からユル
く走っています。神戸マラソンは11月18日。気がつけばもう目の前。間に合う
かどうか微妙なタイミングですが、かといっていきなり本格的な練習をすること
はできません。まずはあせらず、ちょっとずつ、コンスタントに走って、なまり
切って使いものにならなくなっている足腰をランナー・モードにシェイプアップ
しなければ。レースを見据えたトレーニングはそれができてからの話。でも間に
合うかなあ……。

というわけで、今はほぼ毎日、4~6キロをゆっくり走っています。近所にある
貯水池の外周が1周2キロのコースになっていて、それを今日は2周で終わろう
か、3周がんばってみるか、などと自問しながら走るわけですが、もともと走る
こと自体が好きなわけではないし、いくら目標があってもシンドいものはシンド
いので、池のカメや鳥を眺めたりして気をまぎらわすことも多いです。カモの赤
ちゃん飛べるようになったかな、とか、カメちゃん日向ぼっこ気持ち良さそうだ
な、とか考えると、心がなごみます。

で、昨日のこと。
1周目の半分くらいで、池に丸くて白いものが浮かんでいるのに気がつきました。
ふわふわと揺れながらゆっくり流れています。よく見ると、2本の足が突き出す
ように真横に伸びています。カメがひっくり返っているのだと、その時わかりま
した。そのカメがもう生きていないことも。頭の部分は沈みがちで、シッポが見
え隠れしています。

この池には無数のカメが生息しているけれど、死んでいるのを見たのはまったく
初めてです。よく晴れて風もない絶好のランニング日和でしたが、そこからはも
う、気分はどんよりです。2周目、そのあたりに差しかかったところでアウト
コースに進路をとって、池には目をやらないようにしました。
でも3周目は、やっぱり気になってしまって、水面を見ながら走ることになりま
した。見つからないといいなあ、と思いながら。

でも、見つけてしまいました。さっきと違って、白いカメのおなかの周りに、
3匹のカメが集まっています。「も、もしかして食べようとしている??」と、
一瞬ゾワッとしたけれど、すぐにそうじゃないと気がつきました。3匹のカメは、
ひっくり返ったカメを起こそうとしているのです。元のように、背中が上でお腹
が下の、普通の状態にしようとしているのです。

3匹のうち、2匹は大人で、1匹は子供です。この4匹はファミリーなんだなと
わかりました。白いおなかのカメは子ガメと同じくらいの大きさです。親ガメに
とっては子供で、子ガメにとってはきょうだいなのでしょう。
もう、ランニングどころではなくなってしまいました。

両親は懸命に、死んでしまった我が子をなんとか起こそうとしています。あるい
は死んだことを認めていなくて、必死で助けようとしているのかもしれません。
子ガメはその様子をすぐそばで見守っています。
横から突き上げたり、水中に引っ張って向きを変えてみたり、3匹のカメはあの
手この手、一生懸命に救助を試みますが、どれもうまく行かず、おなかは上を向
いたままです。がんばれ……。

そういう状態が10分以上も続いたあと、とうとう、といった感じで、お父さん
ガメが、頭の部分をくわえて岸辺を離れ、水底へともぐって行きました。お母さ
んガメと子ガメもあとを追って行きます。
それを見て、僕もその場を離れました。もうランニングはする気になれず、残り
の1キロは歩きました。今見たカメや、この池のカメの世界のことを考えながら。

この広い池の底のどこかにカメの墓場があって、あのファミリーはそこに向かっ
たんだろうな、というのが僕のたどり着いた結論です。子ガメちゃん、安らかに。

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The Songbardsのセカンド・ミニアルバム『The Places』がリリースされました。
10月10日だからちょうど1週間になりますが、もう毎日、何回も何回もリピー
トしています。素晴らしすぎ!

全5曲。オープニングはブリティッシュ・テイストなヘヴィー・ロック「Time
or Money?」、続いてユウジ君らしいポップで懐かしくて可愛らしい「ローズ」
(ユウジ君のリード・ヴォーカルがエフェクトなしでナチュラルに収録されたの
はこれが初めてでは? ラストのInner Lightsでも聴けます)、そして雄大なス
ケールを感じさせる「斜陽」、ラウドでカラフルで美しい「21」と来て、最後の
「Inner Lights」はあまりにもビタースウィートで、せつなさに泣けてきます。

ファースト・ミニアルバム『Cages in the Room』から8ヶ月。あれもとんでも
なくよかったけど、これもおそろしくいい。でもサウンドの感触はかなり違う。
無理やり例えるなら、『ラバー・ソウル』と『リヴォルヴァー』みたい、かな?
いったいなんちゅうバンドなんだとあきれてしまいます。
次はいよいよフル・アルバムを期待しましょう。『サージェント・ペパー』?

歌の吟遊詩人らしく、今回も彼らの歌詞には文学的なラインが満載です。
ちょびっとだけ紹介しましょう(著作権だいじょうぶ…だよね?)。

「また初めからやれば/何もかも元どおりになるかな」
 (Time or Money? - words:上野皓平)

「海の底を覗くように 光を探したい」
 (ローズ - words:松原有志)

「信じていたその声が/聞こえなくなった時/目の前のその景色と/初めて出
会った気がした」
 (斜陽 - words:上野皓平)

「愛想良くやり過ごした 昨日の報いは/いつまでも繰り返す 痛みのない恥で」
 (21 - words:上野皓平 / 松原有志)

「不安な言葉に追いやられる暗闇など/思い出すための光のよう」
 (Inner Lights - words:上野皓平 / 松原有志)

このミニアルバムは、ビートルウィークの準備をしながら東京でレコーディング
をして、リヴァプール入りする前にロンドンに立ち寄って、ビートルズのリミッ
クス・アルバム『LOVE』を手がけた(それでグラミー賞獲得)エンジニアTim
Youngさんの手でマスタリングされたそうです(その際に追加のレコーディング
もあったはず)。
どっしりとした空気感を感じるのはそのせいか、あるいはソングバーズ自身が
どっしりしたバンドになっているのか・・・

超おすすめの、The Songbardsの『The Places』。
アマゾンとタワーレコードとHMVのリンクをつけておきますね。

https://www.amazon.co.jp/Places-Songbards/dp/B07GJJ17PZ/ref=sr_1_2?s=music&ie=UTF8&qid=1539668096&sr=1-2&keywords=songbards

https://tower.jp/item/4782508/The-Places

https://www.hmv.co.jp/artist_The-Songbards_000000000729407/item_The-Places_9100021

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「今週のフォト・アルバム」では、今年のビートルウィークでのThe Songbards
の写真を紹介します。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo701.html

                         ― Kaz(16/10/2018)


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旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週のフォト・アルバム ******

「今週のフォト・アルバム」では、今年のビートルウィークでのThe Songbards
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