December 11 2018, No.705
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼コラム:「虫暮らしロンドン」(1)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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こないだの日曜日、「TOEIC Listening & Reading Test」を受けました。
トーイックの試験は18年だか19年だか前に受けたことがあって、それ以来2度
目なんですけど、久しぶりの「受験体験」は、とても新鮮で楽しかったです。

そもそもなんで受けることになったかというとですね、10月の終わりごろかな、
義理の兄が発した「ボケ防止にええと思わへん?」という一言がきっかけです。
素直な僕は「にゃるほどー」と思って、その場でiPhoneで申し込みしました。
もちろんその場のノリだけで決めたわけではなくて、ここ数年は仕事でイギリス
に行ってもえりさんとかさおりちゃんという優秀な通訳にすっかり頼りっぱなし
で僕の英語力は下がりっぱなし。自分で笑ってしまうほどしゃべれなくなってし
まっていて、「こりゃあなんとかせんといかんにゃあ」という気持ちも持ってい
たからなのでした。

とは言っても試験に向けて熱心に勉強したりなんてことはなくて、本番想定の問
題集を1冊やってみただけです。2回分の問題が収録されていて、合計で4時間
半くらいで終わってしまいました…って、ぜんぜんダメじゃん。

ご存知のかたも多いでしょうけど、TOEICの試験は、ぜんぶで200問。リスニン
グが100問45分、リーディングが100問75分です。本番ではそれをノンストッ
プで解きます。ひたすら解きます。しゃかりきになって解きます(余裕ルンル
ンで解いてる人もいるでしょうけど…)。リスニングはすべて1度しかしゃべっ
てくれないので、聞き逃したらたいへんです。リーデイングは何しろ例文が尋常
ではないボリュームなので、トップスピードで読んで考えて答えて次に進まなけ
れば間に合いません。つまり、120分間、ずぅ~~~~っと集中して問題と格闘
しないといけない状態です。

で、本番の試験中に面白い体験をしました。
ふと我にかえって、「ん? あれ? これ何だっけ? いまここで何やってるん
だオレ?」な気持ちになったんですよ。2、3度あったかな。あまりにも集中し
すぎて、自分がいま何をしているのか忘れてしまったのです。TOEICの試験だと
いうことすら意識の外に飛んで行っちゃったわけで、思わず苦笑いしてしまった
けれど、それほどまでに集中できる能力がまだ自分にもあったということが発見
できて、ちょっとうれしかったです。なかなかやるじゃんオレ、と感心してし
まった。試験の途中だから感心してる場合じゃなかったんだけど。

時計を持って行くのを忘れてしまったので(忘れるなよ!)時間がまったく分か
らず、「はい終了です」という試験官の合図があった時点で10問が手付かずだっ
たのは残念でしたが、時間切れも実力のうちだし、まあ実力は出せたんじゃない
かなあと思います。というか、TOEICは実力をスコアで判定してくれるものなの
で、スコアが自分の実力です。言い訳無用で受け入れなくてはなりません。

結果がわかるのは3~4週間後だそうで、ということは年末から年始ですね、楽
しみに待ちたいと思います。そして結果が良くても良くなくても、また近いうち
に受けてみようと思っています。今回びっくりしたんだけど、TOEICのテストっ
て年に10回もあるんですよ。知ってました?

● ● ●

今週より、フロム・ロンドンの新コラムがスタートです。
ロンドン在住のプロフェッショナル・ツアーガイドで、今年からスカウスハウス
のロンドンチームに加わった「ちみら虫」さんに書いていただきます。
第1回のお題はタイムリーなお話で「本場のクリスマス」。
僕自身はイギリスでクリスマスを過ごしたことはなくて、「実際どんなんだろ
う?」という興味はずっとあったので、とても面白く読めたましたし、「にゃる
ほど~」という部分も多かったです。写真と一緒にご覧ください。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo705.html

コラム末尾の「ライター紹介」でも書いてますが、ちみら虫さんの専門はUK
ロックとキリスト教。僕は今年の夏にナショナル・ギャラリーの宗教画ツアー
をやってもらったのですが、とんでもなく面白かったです。あの、マジメでクラ
くてタイソウな名画たちが、ツッコみどころ満載のポップなマンガに見えてくる
という不思議な体験をしました。今回は僕の時間がなくてショート・ヴァージョ
ンだったけど、来年はフル・ヴァージョンでたっぷり楽しみたいです。スカウス
ハウス企画のガイドツアーでも、レギュラーコースにするべくただいま準備中。
今週か来週にウェブサイトにアップします。ロンドンに行かれるかたはぜひぜひ
ぜひ、ご利用ください。おすすめです!

● ● ●

「インターナショナル・ビートルウィーク2019」の詳細が発表になりました。
 https://www.internationalbeatleweek.com/

スカウス・ハウスでは、いつものように、ビートルウィーク観賞パッケージ「ス
カウスハウス・ツアー」を企画します。今週か来週にウェブサイトにアップしま
す。

                         ― Kaz(11/12/2018)


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▼コラム:「虫暮らしロンドン」(1)
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「虫暮らしロンドン」 / ちみら虫

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo705.html ≫

<第1回:本場のクリスマス!>

いよいよ12月。クリスマスがすぐそこに近づいてきました。
日本のクリスマス10年くらいやってませんが、相変わらず町じゅうキラキラな
んでしょうね~。

日本とイギリスのクリスマスってやっぱり結構違うんですよね。
イルミネーションなどの飾り付けの華やかさは日本がスゴイ。量質ともにイギリ
スのはるか上行きます。

イギリスの様にキリスト教が基礎になっている国にとってクリスマスと言うのは
一応まだ宗教行事…(たぶん)。確かに商業化してるけど日本に比べればまだま
だ伝統的宗教行事の色が残ります。ま、プレゼント合戦とパーティーで酔っ払い
が多くなるのはイギリスも一緒。でもそれもクリスマス数日前がピークで静か
になっていきます。

ロンドンに来る日本人ツーリストのお世話をして日が長いですが、本場でクリス
マスを過ごそうと12月25日を中心に日程を組む方がたまにいらっしゃる。日本
のクリスマスといえばイルミネーションや飾り付けが美しくイブの24日そして
25日各地でイベントが繰り広げられカップルでデート…と言うイメージでしょ
うか?

本場(?)では、クリスマス前夜の24日は会社は大抵半日か早めに終わります。
スーパーなども夕方に閉まります。そしてクリスマスを故郷の家族と過ごすため
に帰郷ラッシュが始まります。公共の交通機関も24日の夜は通常の終電より
ずっと早くに終わります。

24日の夜、町が静かになっていくのと反比例して教会に人が集まり出します。
たいていは夕方に子供向けのサービスがあり夜11時ごろから大人が教会に集ま
ります。0時過ぎに教会のサービス(いわゆるミサの事。プロテスタントでは
サービスと言う) が終わった時点でバスも電車もありませんから車がないと辛い
ことになります。ほとんどの人は家の近所の徒歩圏内の教会に行きますけどね。
最近は公共のレンタル自転車もありますが、寒いですよ…。

ちなみに皆さんはイギリス人の何%位が教会に通う習慣があると思いますか?
実は普段から教会に通う習慣のある人は、ほんの数%にしかなりません。イギリ
スの国教会であるチャーチオブイングランド(略してCOE)、これを「Christmas
or Easter」なんて茶化したりするのも納得。大抵の人は普段は教会に縁のない
生活をし、クリスマスもしくはイースターにだけ行くと言う意味です。この辺
日本の初詣と似た感じの習慣化しています。でも日本人ほとんどの人は遅かれ早
かれ初詣行くと思いますが、クリスマスですら教会に行くイギリス人は多くはあ
りません。おそらく地方はもっと行くかもしれませんが、ロンドンだと10%い
るかいないかな感じがします。

そして本番12月25日、イギリスはすべての公共の交通機関が止まります。バス
も地下鉄もナショナルレール(日本でいうJR) もありません。自家用車がなけれ
ば自転車かタクシーになります。20年位まえは開いてるお店など皆無でしたが今
はファーストフードなどは一部開いているところもあります。

気の毒なのは25日の壊滅を知らずに本場クリスマスを楽しもうとはるばるやっ
て来るツーリストです。私は以前、23日の夜にロンドンにつき24日は終日コッ
ツウォルズで、25, 26日でロンドン観光し27日朝帰国……という予定の方をお
迎えした事があります。

「25日に開いているのはごく一部のファーストフードか中華街と教会くらいです。
教会も10時ごろから1時ほどのサービスの後は閉まりますよ。博物館も美術館
も商店もスーパーも全て閉まります」
と伝えたら会話がいきなり重くなった。

26日はと言うとナショナルレールはまだ止まっており小さなお店はまだ開かな
い。美術館博物館アトラクションはほぼ全滅。大手のデパートが26日からバー
ゲンセールを開始するので若者が早朝から並んだりしますから、買い物は出来ま
すけどね。

ただ何しろこのプランではイギリス名物は何も見ることができません。おそらく
大英博物館もロンドン塔も何も見ることがなく27日の朝の飛行機で日本に帰ら
れたと思います。なのでヨーロッパで本場のクリスマスを味わいたい方は12月
20日くらいを中心に予定を組まれるのが良いかと思いますよ。

そして、交通機関が無くなるのは、どうやらイギリスくらいらしいのですが、街
が全部閉まっちゃうのはヨーロッパ共通の様です。
その分、大晦日と新年はドンチャン騒ぎ。
日本とイギリスの、クリスマスとお正月がひっくり返ってると思うと解りやすい
かも知れません。

こちらにいるとイギリス人から「クリスマスはどう過ごすの?」とよく聞かれま
す。ヨーロッパ人の場合、家族と過ごすために国に帰るのがスタンダードですが、
もちろん全員がそうできる訳でもありません。 日本人の私はクリスマスは特に
思い入れもないので、仕事があれば働いています(通常特別料金で割りが良い)
が、それをイギリス人に言うと「クリスマスに仕事しているなんて、なんてかわ
いそう~!」とものすごい勢いで同情されます。でも昨今は生活の多様化にした
がって、クリスマスに働くことがさほど「かわいそ~!」なことでもなくなって
きていると感じます。
「かわいそ~!」なことでなくなってしまうと、クリスマスの給料アップもなく
なってしまうと困るので、やはりここはクリスマスに働いている事は、とても
「かわいそ~!」であってもらいたいと思います。

それにしても、日本はクリスマスからお正月へ、全てが洋風から和風にかわりま
すよね。装飾から音楽からなにから、あの数日で大変身。
残念な事にここイギリスではお正月はあまり大きいイベントではなく(スコット
ランドではお祝いもっとハデらしいですが)、カウントダウンで花火飛ばして
酔っ払って終わります。クリスマスツリーが新年は明けてもまだあります。日本
人的にはこれものすごく違和感です。

クリスマス時期は教会のアルタ(前の方。牧師さんたちが色々するあたり)にネ
イティビティ(キリスト誕生劇)のお人形さんが置かれます。聖母マリア様、旦
那様のヨゼフ、救世主の誕生を告げる天使は大抵テーブルから吊るされています。
礼拝にくる羊飼いたち、馬だの羊だのが周りにいて、馬の餌箱で眠る生まれたて
のキリスト。礼拝に来たのは東方三博士もなのですが、彼らは星占いで救世主の
誕生を知り、星を追ってこの場所までくるので、天使に速攻お知らせをもらった
羊飼いたちより出遅れる…。なので、羊飼いたちに遅れる事約2週間、1月6日
にやっと到着いたします。三博士がやたら高価な貢物を持ってあまり裕福そうに
無いヨゼフ一家に生まれた救世主に無事御目通りして、降誕劇はひと段落。。。 
ってなわけで この1月6日にクリスマスツリーもしまわれます。

ひと段落ですが、鏡餅も御神籤も初詣もないので毎年日本が恋しい私です。
帰りたいけど、この時期って飛行機代高いんですよね…。

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo705.html ≫

【ライター紹介】
ちみら虫。大阪出身。ロンドン南西部に生息。帰国しそびれて在英歴22年越え。
UKロックとキリスト教のオーソリティ(?)として変わった分野(?)のガイ
ドが得意。スカウスハウス企画のマニアック・ツアーでも活躍。でも、コッツ
ウォルズやストーンヘンジなど一般ウケもそつなくこなす。ただしペットが病気
になると全ての仕事はキャンセルになると言う噂もある。イギリスを舞台にした
漫画のツアーが出来ないか考え中(意外に少ない?)。


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▽スカウスハウス・ニュース
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□■ 第705号 ■□

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