May 28 2019, No.717
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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 ▽フロム・エディター
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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いよいよ今週末です。UEFAチャンピオンズリーグのファイナル「トテナム・ホッ
トスパー vs リヴァプールFC」が、スペインのマドリードで行われます。
ヨーロッパのナンバーワン・クラブ決定戦ではありますが、実質的には世界ナン
バーワン・クラブ決定戦といっていいでしょう。
今回はイングランドのプレミアリーグのチーム同士の対戦となるわけですが、ス
パーズにとってはクラブ史上初、レッズにとっては2年連続、通算9度目のヨー
ロピアンカップ・ファイナルです。

例によって、ブックメーカーの数字を。ウィリアム・ヒルで見てみました。
トテナム勝利のオッズは4.20です。対してレッズは1.91。引き分けは3.50と
なっています。これは90分でのベットですね。ファイナルなので、90分で決着
がつかなければ延長戦、それでも同点ならPK戦で雌雄を決します。それぞれ
オッズが出ていますよ。
「延長戦になってスパーズ勝利」には15.00。「レッズ勝利」には11.00。
「PK戦にまでもつれた末にスパーズ勝利」には13.00。「レッズ勝利」も同じく
13.00です。同率なのは、まさに「PKは時の運」ということですね。

最もシンプルに、「どっちがトロフィーを掲げるか」というベットがあります。
こちらは、スパーズ2.62、レッズ1.50、となっています。これがいちばんわか
りやすいですね。
同じウィリアム・ヒルで、昨年のファイナル「レアル・マドリーvsリヴァプー
ル」の「どちらがトロフィー」オッズはどうだったかというと、レッズは2.10、
マドリーが1.73でした。
昨年のマドリーよりも、今年のレッズのほうがよりトロフィーに近い、というこ
とですね。というか、ほとんどトロフィーに手がかかっている感じ…とまでは言
いすぎかな。

両チームのリーグでの成績を比較すれば、ブックメーカーの数字もなるほどです。
2018-2019シーズンのプレミアリーグでは、リヴァプールはマンチェスター・シ
ティに次ぐ2位。獲得ポイントは97で、シティとはわずか1ポイント差、38試
合のうち敗戦はたったの1、という圧倒的な成績を残しました。ぶっちぎりで優
勝していてもおかしくない数字です。いやほんと。
対してトテナムは、前半戦は首位争いに加わっていたものの後半失速、4位フィ
ニッシュとなりました。最終戦の1ポイントで、なんとか来シーズンのチェンピ
オンズリーグ出場権を確保した格好です。獲得ポイントは71。負けた試合数は
13もあって、これでよくトップ4に残れたものだと感心してしまいます(決し
てイヤミでなく)。
レッズとスパーズのポイント差は26ありますが、直接の対戦結果はどうだった
かというと、ホームでもアウェイでも、レッズが2-1で勝っています。

というわけで、リーグ戦の成績を見る限り、レッズが余裕で6度目の優勝を決め
るのはほぼ確定と言いたくなりますが、なにしろチャンピオンズリーグのファイ
ナルです。フットボール界最高峰というスペシャルな舞台であり、ホームもア
ウェイもない、あらかじめ指定されたスタジアムでの一発勝負。どんな不可抗力
や番狂わせが起きても不思議ではないのです。
サラーもボビーもロバートソンもヘンダーソンも元気に出場できそうだし、昨年
の経験もあるし、今年は相手にプロレスラーはいないし…と、リヴァプールに
とってはプラスの材料がてんこ盛りではあるんだけど、それでもやはり、運命の
イタズラ、とか、神さまの気まぐれ、とか、まさかのアクシデント、とか、絶対
起こらないとは誰も保証できないのである。ああどうしよう…。

まるでその不安を上塗りするかのように、昨日の「リヴァプール・エコー」に、
「リーグでの成績はチャンピオンズリーグ決勝においては何の意味ももたない」
という記事が掲載されました。
それによると、チャンピオンズリーグのファイナルが同国対決になったケースは
過去に6回あり、ほとんどはリーグで下位だったチームが勝っているというので
す。その記事をもとに、表を作ってみました。ちょっと見てみてください。


シーズン      優勝            準優勝

1999-2000 レアル・マドリー(5位 62)   バレンシア(3位 64)
      ※リーグでの対戦…バレンシアの1勝1分

2002-2003 ACミラン(3位 61)       ユヴェントス(1位 72)
      ※リーグでの対戦…両チーム1勝1敗

2007-2008 マン・ユナイテッド(1位 87)  チェルシー(2位 85)
      ※リーグでの対戦…両チーム1勝1敗

2012-2013 バイエルン(1位 91)    ボルシア・ドルトムント(2位 66)
      ※リーグでの対戦…両チーム2分

2013-2014 レアル・マドリー(3位 87) アトレティコ・マドリー(1位 90)
      ※リーグでの対戦…アトレティコの1勝1分

2015-2016 レアル・マドリー(2位 90) アトレティコ・マドリー(3位 88)
      ※リーグでの対戦…アトレティコの1勝1分


という感じです。どう思います?
カッコの中は、リーグ順位と獲得ポイント数です。
リーグ順位どおりの結果になったのは、6回のうち3回。つまり半分、50%です。
リーグでの直接対決がイーヴンだったケースは3回、そのほかの3回はすべて、
勝ち越したチームが決勝で負けています。さらに、全対戦成績を優勝チームと準
優勝チームでカウントしてみると、優勝チームはリーグ戦ではわずか2勝なのに
対して、準優勝チームは5勝もしています。

…と書くと、なんだか「チャンピオンズリーグの同国対決では、えてしてリーグ
での弱者が優勝をさらってしまう」というジンクスがあるような気がしないでも
ないですね。下剋上っていうやつ?

しかし、です。
それぞれのリーグ戦でのポイント数に注目すると(これはエコーの記者は考慮に
入れていません)、過去6回のケースのうち3回がわずか2ポイント差で、3ポ
イント差も1回あります。1シーズン戦っての2ポイント差、3ポイント差で
すから、僅差も僅差。わずかもわずか。ということは、これらのファイナルはそ
もそもが実力の拮抗するチーム同士の対戦で、どちらが勝ってもおかしくない
マッチアップだったのである! そうですよね?
ポイント数に大差のある2例については、リーグ強者と弱者それぞれ1勝1敗で
はありますが、弱者が勝った「ミランvsユヴェントス」は、PK戦での決着でし
た。にらみ合いのような消極的サッカーをお互い120分続けたあげく0-0の引
き分けに終わって、「さすがイタリアン・ファイナル」と言われたものです(マ
ンチェスターで行われたこの試合、僕はちょうどポールのコンサートのためにリ
ヴァプールにいて、パブで観戦したことをおぼえています。試合の内容は、PK
戦になったこと以外は記憶にありません。どっちが勝ったかも忘れてた…)。

ていうか、20年間で同国対決が今回あわせて7度も起きるなんて、ちょっと多す
ぎのような…。ほぼ3年に1度って…??

というわけで、ジンクスはジンクスであって、というかジンクスと呼べるほどの
説得力もないような考察であると断言してもいいと思うのですが、この記事を書
いたエコーの記者の気持ちは痛いほどわかります。どんな不測の事態が起きるか
わからないファイナルに、自分たちが優勝候補であるという余裕を持って臨むと、
そこにスキが生まれて命取りになってしまうのです。
レッズ優勢は動かしようがない事実かもしれませんが、いくら優勢だといっても
勝負は下駄を履くまでわかりません。いや、下駄を履いてはサッカーはできませ
んが、とにかく油断大敵です。フンドシを締めてかからなければなりません。い
や、フンドシ締めてサッカーはできないんだけど…って、そんなことはどうでも
いい、とにかく今こそ一致団結です。スパーズは優勝した場合にそなえて翌日の
パレードのルートなどを発表しているようですが(おいおい)、我々はまったく
浮かれてなんていません。とにかく決戦に集中するのみです。パレードは勝って
から考えようね。

6月1日のチャンピオンズリーグ・ファイナル、日本では6月2日・日曜日早朝
のキックオフです。レッズ必勝の気合い200%で応援したいと思います。みなさ
んもぜひ!
決勝だからフジテレビで地上波放送がありますよ……と書きながら今調べたら! 
にゃ、にゃんと! 今年はDAZN独占配信のおかげでなくなっちゃったそうです。
ううむ……。

● ● ●

チャンピオンズリーグのファイナルは、いつも8万人くらい収容のスタジアムで
開催されます。ファイナリストのサポーターに提供されるシートは、僕の知る限
りですが(といっても今回で3度目)、それぞれ2万に満たない数です。だから
リヴァプールのサポーターはスタジアムの4分の1程度のはずなんだけど、2005
年、2007年、2018年のファイナルでは、スタジアムの7割くらいをレッズ応援
団が占めていたんですよね。これがとっても不思議で、そりゃまあ、70年代、
80年代の「マイティ・レッズ」の時代に世界最強を誇ったリヴァプールだから、
現在もサポータークラブがヨーロッパじゅうに存在しているわけですが、だから
といって入手が超絶に困難なファイナルのチケットの割り当てなどあるわけもな
く、地元でさえも「チケット割り当て少なすぎ!」と毎回シリアスな騒動になる
くらいなのに、いざフタを開けてみるとスタンドは当然のように真っ赤っ赤に染
まってるんですよね……。これのはいったいどういうことなんでしょう?? 

僕が観に行った2007年のファイナルもそうでした。アテネだから相手チームの
ミランのほうがずっと距離的に近いのに、ほっとんどがリヴァプール応援団。前
日のシンタグマ広場や、当日のスタジアムに掲げられた無数の応援バナーを見る
と、ヨーロッパじゅうからLFCサポーターが駆けつけていることがわかりました。
そのときは国内でもさほど強くなく、ヨーロッパの舞台でも永らく活躍できない
でいたのに(だからこそかもだけど)、いざ天王山となれば愛するレッズのため
にサポーターがヨーロッパじゅうから大集結したのでした…って、まあ僕も極東
から馳せ参じたわけですが。こんなチームって、リヴァプールだけじゃないのか
な。どうなんだろ??

● ● ●

「今週のフォト・アルバム」では、2007年5月にアテネで行われたチャンピオン
ズリーグ・ファイナルの写真を。といっても、試合の写真ではなく、前日と当日
のリヴァプール・サポーターの写真を中心に。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo717.html 

ちょうど1年前のファイナル前には、試合の写真をメインに掲載しています。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo691.html 

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今年8月にリヴァプールで行われる「インターナショナル・ビートルウィーク」
観賞パッケージ『スカウスハウス・ツアー2019』の参加者を募集しています。

聖地リヴァプールで開催される世界最大のビートルズ・フェスティヴァル「イン
ターナショナル・ビートルウィーク」。今年も盛りだくさんのイヴェントが企画
されています。
2019年は、カスバ・クラブの60周年やアルバム「アビー・ロード」50周年、
アップル・ビル屋上で行われたビートルズの「ルーフトップ・コンサート」50
周年などなど、例年以上のクォリティです!

今年の日本代表バンドは、Down Beat、B.B.Cats、Strawberry Twins & Friends。
ギグのスケジュールは現在調整中ですが、おそらく3バンドとも8本のステージ
になると思います。異常なくらいに盛り上がる深夜のギグもありますよ。

初めてのかたもリピーターも大歓迎! この夏、ぜひリヴァプールでお会いしま
しょう!

 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2019.html 


                        ― Kaz.(28/05/2019)


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▼スカウスハウス・ニュース
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***  Beatleweek 2019スカウスハウス・ツアー:参加者募集中! ******

今年8月にリヴァプールで行われる「インターナショナル・ビートルウィーク」
観賞パッケージ『スカウスハウス・ツアー2019』の参加者募集をスタートしまし
た。
聖地リヴァプールで開催される世界最大のビートルズ・フェスティヴァル「イン
ターナショナル・ビートルウィーク」。今年も盛りだくさんのイヴェントが企画
されています。
2019年は、カスバ・クラブの60周年やアルバム「アビー・ロード」50周年、
アップル・ビル屋上で行われたビートルズの「ルーフトップ・コンサート」50
周年などなど、例年以上のクォリティです!
そして日本代表として出場するバンドは、Down Beat、B.B.Cats、Strawberry
Twins & Friendsの3グループに決定!
初めてのかたもリピーターも大歓迎! この夏、ぜひリヴァプールでお会いしま
しょう!
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2019.html 


*** スカウスハウス通販 ******

ビートルズをはじめとする「英国盤レコード」の通販です。
リヴァプールで仕入れたレコードばかり。レア盤けっこうあります。
オーダーをいただけるとうれしいです!
 http://scousehouse.net/shop/records2018.html 


*** 大好評! 現地ビートルズ・ツアー ******

スカウス・ハウスでは、ビートルズ・ファンの「聖地巡礼」の旅をサポートして
います。リヴァプールでは、17年目となった「リヴァプール・ビートルズ・ツ
アー」、名所観光とランチがプラスされたお得な「ビートルズツアー+ランチ&
名所観光」、「伝説のカスバクラブ・ツアー」をご用意。「現地英語ツアー
(Magical Mystery Tour, Mendips & 20 Forthlin Road Tour)」の代行予約も承
ります。
ロンドンのビートルズ名所を訪ねる「ロンドン・ビートルズ・ツアー」も大好評。
イギリス旅行の際にはぜひご利用ください。
 http://scousehouse.net/beatles/beatlestour_liverpool01.html
 http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


***  PLAY AT THE CAVERN! ******

スカウス・ハウスでは、リヴァプールのキャヴァーン・クラブでのライヴをアレ
ンジしています。もちろん現地コーディネートつきです。
ウェブサイトの「for ビートルズ・バンド - PLAY AT THE CAVERN!」ページをご
覧ください。
ビートルズ・バンドのみなさん、「リヴァプールのキャヴァーン・クラブで演奏
する」という夢をぜひかなえてください!
 http://scousehouse.net/beatles/playatthecavern.html


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NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週のフォト・アルバム ******

「今週のフォト・アルバム」では、2007年5月にアテネで行われたチャンピオン
ズリーグ・ファイナルの写真を。といっても、試合の写真ではなく、前日と当日
のリヴァプール・サポーターの写真を中心に。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo717.html 


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□■ 第717号 ■□

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