April 14 2020, No.739
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(5)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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みなさん、ご無事でしょうか。
たまたまというかなんというか、きょう読み終わったクラウス・フォアマンの本
『ザ・ビートルズ/リメンバー』(プロデュース・センター出版局)のあとがき
に、素敵な言葉がありました。

(前略)人生のすべては魔法で、それがいったい何なのか、知りたいとも思わな
い。僕らに理解なんてできっこないさ。僕らを取り囲むものもすべて魔法。生き
ていることはすばらしい。(後略)

クラウスらしい言葉で、ほんとうにそのとおりだと思います。人生は魔法で、理
解不能で、生きていることはすばらしい。

緊急事態とか自粛とか三密とか休業要請とか、息苦しさを感じないで生活をする
ことが難しい昨今ですが、オフビートな日常の中にも、ビートはあります。耳を
よく澄ませば、たくさん聴こえるはず。美しい鳥の歌声や、陽光の眩しさ、雲の
流れ、草木の瑞々しさ、空気の美味しさ、風の香り、などなど、たくさんのもの
が息づいています。僕は毎日、自分もまたその「ビート」の一部なんだとあらた
めて感じながら、散歩やランニングをしています。

みなさんの生活にも「ビート」がありますように。
BEAT GOES ON!!

● ● ●

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                         ― Kaz(14/04/2020)


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▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(5)
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「おぼえがき:ビートルウィーク2019」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo739.html ≫

<8月23日(金)>

15時30分。ストロベリー・ツインズ&フレンズのファースト・ギグが無事終了
して、一旦解散。
えりさんはBBキャッツを迎えにマンチェスター空港へ。さおりちゃんはいった
ん帰宅。僕はホテルにチェックイン。今日は個人的な引っ越しだったのだ。大急
ぎで荷物を部屋に放り込んで、「アルマ・デ・キューバ」へ。何しろ暑い日で、
軽く走っただけで汗が噴き出てくる。

シール・ストリートにあるアルマ・デ・キューバは、古い教会(St Peter’s
Churchという)を改装したエキゾチックなレストランで、毎年ビートルウィーク
のイヴェントが開かれている。今年のテーマは「Peace, Love & Understanding」。
入り口でキャヴァーンのフィルとニックに挨拶。メイン・ステージではブラジル
のClube Big Beatlesが演奏していた。ここ20年くらい、毎年フェスティヴァル
に来ている、ビートルウィークの「ホール・オブ・フェイム」バンドだ。裏庭の
パティオではカナダのアコースティック・デュオThe Eggmenが演奏中。客席の
テーブルにはジョン・レノンの妹さんジュリアの姿が。スマートフォンを操作中
だったので声を掛けるのはやめておいた。
パパッと写真を撮って、すばやく撤退。滞在時間は3~4分くらいかな。何しろ
時間がないのだ。
ホテルへ戻る途中、チャーチ・ストリートでお気に入りのバンドKeywestが演奏
しているところに遭遇。素通りできず、足を止めてちょっと聴く。このバンドは
ほんっとうにスバラシイ!

● ● ●

17時。ハード・デイズ・ナイト・ホテル集合。スカウスハウスのオリジナル企画
「フェリー・クロス・ザ・マージー」ツアーだ。参加者17名。
フェリー・ターミナルまでの1.5キロほどの道を、街案内を兼ねて歩く。ショッ
ピング・センターの「リヴァプール・ワン」やチヴァッセ・パーク、アルバート・
ドック(名物パブや海事博物館やビリー・フューリーの銅像など)、ピア・ヘッ
ドの遠景など、「ミュージアム・オブ・リヴァプール」など、フォトジェニック
なポイントが満載で楽しいウォークツアーになると思っていたんだけど、参加者
のひとりが途中で「もう歩けない」とストップ。全員がしばらく止まって彼女の
回復を待つことになった。ハードなツアーにはならないように気をつけているつ
もりだけど、まあ確かに、みなさん昨日到着して夜にカスバクラブ・ツアーも
あったし、今日は朝からペニーレーン&ウールトン・ツアーがあったし、ギグで
は立ちっぱなしだし、ここは日本かというくらいの日差し&気温だし、そりゃま
あ疲れるのも無理はない、かな。ごめんなさい。

● ● ●

18時。ダイレクト・サービス最終便のフェリーに乗船。リヴァプールーウィラル
間単純往復なので、所要時間は30分。陽はまだ高く、気持ちのいい風に吹かれて、
いい気分転換になった。やっぱりマージフェリーはいいなあ……と和んだのもつ
かの間、僕のiPhoneがプルルと鳴る。コーチ・カンパニーからだった。
「マンチェスター空港でドライヴァーのテリーが待ちぼうけになっているので、
電話してみてほしい」
とのこと。あらら、ということはつまり、BBキャッツもお迎えのえりさんも、到
着時刻になってもそこにいない、ということだ。まずえりさんに電話すると、
「マンチェスター空港行きの鉄道が2本キャンセルになって、乗った列車も途中
で止まってしまって、これからタクシーをつかまえて空港へ向かう、必ず行くの
で、遅くなっても待っててもらうよう伝えてください」
ということだった。んー。で、BBキャッツのフライトはというと、オンラインで
調べてみると、とっくにマンチェスター空港に着いている。BBキャッツのムーミ
ンにメッセージを送ると、
「到着してるんですが、荷物が出てきません」
との返事。ありゃー。で、テリーに電話。
「悪いけどもうちょっと待ってて、お迎えのエリは鉄道トラブル、バンドはロス
トバゲージみたい」
気のいいおじさんテリーは、「ああそうか、いいよいいよー」と気楽に受けてく
れて、ありがたかった。えりさんにも電話して状況を伝える。そのことを周りの
17名、ダウン・ビート一行とストロベリー・ツインズ&フレンズ一行のみなさん
にも伝える。

マージ―フェリーを降りて、ピア・ヘッドでひとまず待機。何人かはビートルズ
の銅像と一緒に写真を撮っている。そうこうするうちに、ムーミンから電話。ど
うやら4人のスーツケース全部と、楽器もひとつ出て来ていない、とのこと。と
いうことは5つのロスト。むむー。ジョニーさんに相談する。出てこない楽器が
あるということは、ステージに穴をあけないよう、ほかの2バンドが協力して楽
器を融通しなければならないということだ。今晩、そして明日の3バンドのギグ・
スケジュールをチェックして、楽器のローテーションができるようババババッと
計算をして行く…僕じゃなくて、ジョニーさんが。そしてあっという間に、見通
しを立ててしまった。涼しい顔で「ん、なんとかなるな」。ジョニーさんおそる
べし。危機管理のプロである。ほかのバンドメンバーにも事情を説明。こんな大
きな舞台で自分の楽器を他人に貸すなんて、躊躇して当然だと思うんだけど、誰
もがふたつ返事で了解してくれた。みなさん素晴らしすぎる。そうこうするうち
にムーミンと連絡が取れて、ロストの楽器はドラムと判明。スネアドラムとス
ティック、そしてペダルがないわけだけど、スネアとペダルはギグ会場に備え付
けのものを使うことができるし、スティックも買うなり借りるなりで対応は難し
くない。ロストがギターやベースじゃなかったのは不幸中の幸いである。
とりあえずBBキャッツはこのまま学生寮に直行&チェックインして夜のギグに
備えてもらうことにした。もちろんえりさんに付き添ってもらって。

● ● ●

19時。フェリー・ターミナルのパン・アジアン・レストラン「マトウ」でスカウ
スハウス主催の「ウエルカム・パーティー」。マージ―河を眺めながら、美味し
い料理と美味しいお酒。えりさんとBBキャッツ、ごめんね…。

食事メニューは僕とさおりちゃんで選んで、ドリンクはそれぞれ好きなものを注
文してもらう。そこでジョニーさんの古くからの親友Oさんからリクエストが。
「このシャンパンを1本頼みたいんですけど、いいですか? お代は私が払いま
すから」
「な、75ポンドのシャンパン!? も、もちろんオッケーですよ」

その時はよほどシャンパンが好きなんだなあと思っただけだったのだが、Oさん
の意図は、いざ乾杯となったときに明らかになった。
「せっかくですからカズさん、シャンパンの栓を開けてください」
「え? 僕が??」
「ウエルカム・パーティー、キックオフですから、カズさんがやらないと」
「あ、にゃるほど」
と、お調子者の僕は躊躇なくボトルを受け取って、立ち上がる。
「行きま~す!」
「ポンッ!」
勢いよくハジけ飛んだコルクは、天井を直撃したあとテーブルの上を派手にバウ
ンドして、最後にエビセン用のプラム・ソースが入った小さなお皿にポチャン。
見事なホールインワン! 笑いの渦の中での乾杯となった。

あとで気がついたのだけど、こういう景気づけというか盛り上げ的な演出は、主
催者が気を利かせて企画するべきなんだよね。Oさんは別にシャンパンが飲みた
かったわけではないのだ。1杯か、飲んでも2杯だったと思う。みんなに分け与
えていたから(ヴーヴ・クリコ、さすがに美味しかった!)。Oさんに大切なこ
とを教えていただきました。シャンパン代、しっかり払ってもらったケド…。

(つづく)

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