June 09 2020, No.746
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(10)
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▽フロム・エディター
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ソフトボールをはじめました。
ふとした縁で、ソフトボールチームに混ぜてもらうことになったのです。
こないだの日曜日に試合があって、おそるおそる初参加。「遊びがてらのユルいリ
クリエーションだといいな」という期待はきっぱりと裏切られ、けっこうガチと
いうかマジというか、シリアス度もレベルもかなり高くてびっくり。ちょっとビ
ビッてしまいました。

この日は10チーム総当たりで行われるリーグ戦の開幕戦で、開会式まであったそ
うな。いま「そうな」と書いたのは、遅刻して見ていないからです(いきなり遅
刻かよ)。ま、まず監督に挨拶して、とりあえずキャッチボールを……わ、ソフト
ボールのボールってこんなにでっかいんだ……肩が回らない…投げるたびにバキ
バキ音がする…。バッティング練習でもほとんどバットにボールが当たらない…
あんなにでっかいボールになんで?? …と、なんだかサイアクです。

野球とかソフトボールの試合なんて30数年ぶりだから、まあそんなものなのかも
ですが、それなのに監督は僕を先発メンバーに選んでくれて、いきなり灼熱のグ
ラウンドに立つことに。案の定、1回表の守備だけで足がガクガクになるほど疲
れてしまい(セカンドを守ったので、1球1球、けっこう動くのです)、こりゃあ
1試合もたないんじゃないかとちょっと不安になりました。

なんとかフル出場して、守るほうは結局、あんなに動き回ったのに守備機会は1
度だけで、エラーはせずに済みました。打つほうは、2打席回って来て、最初は
ぶざまな空振り三振、でも次は美しい完璧なスイングで(自分で言うな)クリー
ンヒット! あの、バットの真芯でボールをとらえる感じ。久しぶりに体験しま
した。「スッコーン!」って。気持ちよかったにゃ~。

試合はサヨナラ勝ちで、チームとしては幸先のいスタートでした。今回の対戦は
両チームともリーグの中では弱いほうだったそうで(とても信じられない)、これ
からいくつも強敵と戦うことになるとのこと。強いチームっていったいどんなレ
ベルなのか、こわいけど、今から楽しみです。

それで、今回あらためて実感したのは、チームワークの気持ちよさ。みんなで盛
り上げて、誰かが失敗したら励まし、いいプレイをしたら絶賛し、ピンチの場面
では気合を入れあい、点を獲ったら派手に喜ぶ。いやほんとに気持ちよかったで
す。ひとつの目標に向かってみんなで力を合わせてがんばるのって、ほんとに楽
しい、幸せなことですね。普段はあまり…というかほとんどこういう機会がない
ので、なんだか特別にうれしい1日になりました(2日経った今もまだひどい筋
肉痛だけど)。

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                         ― Kaz(09/06/2020)


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▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(10)
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「おぼえがき:ビートルウィーク2019」 / Kaz

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<8月24日(土)>

21時45分。フィルハーモニック・ホール到着。
Mark McGann with Pepperlandのコンサートである。20時スタート、23時終了
予定だからちょうど後半が始まったあたりかナ…と予想しながらホールに入る。
ショウの途中なので、当たり前だがロビーはがらんとしている。ホールのスタッ
フにチケットを見せると、近くのドアまで案内してくれた。僕の座席エリアはグ
ランド・サークルで、ほぼ正面。にゃんとも贅沢なロケーションではあるんだけ
れど、思いっきり遅刻して来たくせに15分くらいで帰ってしまうという、周りの
人たちにとってはなんとも迷惑なオレ。ショウは2部構成(のはず)で、最初は
スウェーデンのペパーランド(ビートルウィークの殿堂入りバンドである)が
『Abbey Road』を全曲演奏、休憩をはさんで世界的なジョン・レノン・パフォー
マー、マーク・マッギャンがペパーランドをバックにジョンの生涯をレビューす
る、という段取り(のはず)。

僕が席についたときは、マークによる、ジョンに成り代わってのモノローグの最
中で、複雑に入り組んだジョンの生い立ちが紹介されていた。続いて「Mother」
の演奏。それが終わると再びモノローグ、そして歌、と交互に繰り返されて行っ
た。会場は水を打ったような静寂につつまれている。第2部がスタートしたばか
りというのに、すでに「マーク&ジョン」の世界に奥深く入り込んでいるみたい
だ。僕もそのまま深みに沈み込んで行きたいところだったが、後ろ髪を引かれる
思いで抜け出した。

● ● ●

22時40分。アデルフィ・ホテル到着。今日もこれから夜通しのライヴ・パー
ティーである。会場のひとつ、ウェイヴ・バーへ入る。23時15分からストロベ
リー・ツインズ&フレンズのギグなのだが、昨日と同じく、トップバッターなの
で30分前に集合してサウンドチェック。エンジニアはやはりこの週末のためのテ
ンポラリー・スタッフなんだけど、昨日よりはスムーズに進んだ。

バンドからセットリストをもらって、ひととおり目を通す……が、なんだか違和
感が。「Dear Prudence」が入っていない。
「あれ? ディア・プルーデンスは演らないの?」
「演ったほうがいいですか?」とリーダーのクルさん。
「あの曲だけは外したらダメですよ。ストロベリー・ツインズ&フレンズの看板
なんだから」
「でもまあ、たまにはいいかなと」とビーバーさん。
「いや、今日しか観られない人もいるし、外すべきじゃない」
「わかりました、演りましょう」とクルさん。ビーバーさんはまだ不満そうだっ
たけれど、バンド全員でどの曲とチェンジするかを相談。「In My Life」に代えて
「ディア・プルーデンス」を演奏することに決まった。
僕は普段はセットリストに口出しすることはない。そこは聖域のようなものであ
り、バンドが自分たち自身で決めるからこそ意味があると考えているからだ(だ
から、ビーバーさんが気を悪くするのは当然だと思うし、理解できる)。でも、
悪いけど今回ばかりは黙っていられなかった。ストロベリー・ツインズ&フレン
ズの「ディア・プルーデンス」は特別にオーラのあるナンバーで、ステージには
必要不可欠。この曲を体験しなければ、ストロベリー・ツインズ&フレンズを観
たことにはならない、と僕は思っている。

23時15分。定刻どおりにギグがスタート。ストロベリー・ツインズ&フレンズ
にとって通算4本目、今日2本目のギグなんだけど、今日の1本目の12時からの
キャヴァーン・フロントは、僕は観ていない。「カスバ/ウエスト・ダービー60
周年記念フェスティヴァル」とかぶっちゃったので、えりさん&さおりちゃんに
任せたのだ。
1曲目は「Got To Get You Into My Life」。昨日のファースト・ギグと同じである。
そういえば、ウイングスの1979年のツアーのオープニング・ナンバーもこの曲
だ。もしも中止にならなかったら、1980年1月の来日公演もそうだったかもしれ
ない。何年か前にポールの弟マイクに会ったとき、「あのときスーツケースを開け
たばっかりにねえ…」と、成田空港での兄の逮捕をギャグにしていたことを思い
出す。
…いや、そんなことを考えている場合じゃなくて、僕は客席でサウンドのチェッ
ク。どうもキーボードが弱いように感じたので、エンジニアに指示して、音を上
げてもらったりして微調整。次の「The Word」の途中くらいで、いい感じになっ
た。なにしろ楽器もマイクも多いので、バランスをとるのが難しい。

ウェイヴ・バーはほぼぎゅうぎゅうの超満員。ストロベリー・ツインズ&フレン
ズは絶好調。MCのスティーヴもゴキゲンである。
セットリストの続きを並べると、Wait, She Said She Said, My Sweet Lord, Two
Of Us, Something, Dear Prudence(やっぱりスバラシイ!), I've Got A Feeling,
One After 909, Ob-La-Di Ob-La Da。そしてアンコールに必殺の「Oh! Darling」。
1番をヨーコさんが歌い、2番をクルさんが歌う。どちらもパワフルなんだけど、
ヨーコさんはワイルド系、クルさんはエモーショナル系、という感じ。最初はお
となしく聴いていたオーディエンスも2人の迫力に感化されて一緒に歌い、踊り
だす。ドラマティックなエンディングに、横で観ていた僕もちょっとチキン肌に
なっちゃった。関西風に言うとサムイボ…って、どうでもいいか。

● ● ●

25時40分…って、午前1時40分なんだけど、アデルフィのクロスビー・スイー
ト。夜通しのライヴ・パーティーは朝4時まで続くので、ちょうど中盤である。
ステージではカナダのFab Foreverが演奏中。はっきり言って、超レベルが高い。
この会場での今夜のラインナップは、アメリカのメジャー・バンドThe
Tearaways(ドラマーは今年もBlondieのClem Burkeである)、スウェーデンの
ローリングストーンズ・バンドRocks Off、そして今演奏中のファブ・フォーエ
ヴァーと、ヘッドライナー級のスター・バンドが続いている。で、次はというと、
にゃんとBBキャッツである。これはすごい名誉…なのであるが、裏話をすると、
当初この枠はダウン・ビートに用意されていたもので、ジョニーさんが高齢者の
多いバンドメンバーの体調を考慮して辞退、それじゃあってことでBBキャッツ
にお鉢を回して、彼女たちも快諾。主催側も了承してくれたという経緯がある。
丑三つ時のギグなんてビートルウィークならでは。せっかくのチャンスだから
ねーという程度に軽く考えていたのだが、まさかこんなビッグネームたちに混
じっての登場になるとは……。

ギグは定刻の26時15分(2時15分)にスタート。MCはついさっきのファブ・
フォーエヴァーのステージでキーボードのヘルプに入っていたトニー・クック。
1曲目は4人が交互にヴォーカルをとる「Shout」。そのあとの全曲を書き出して
おくと、Keep Your Hands Off My Baby, Young Blood, Don't Ever Change,
Matchbox, Sheik Of Araby, Besame Mucho, Sweet Little Sixteen, Hippy Hippy
Shake, In Spite Of All The Danger, I'm Gonna Sit Right Down and Cry (Over
You), I'm Talking About You, My Bonnie, Twenty Flight Rock, Too Much Monkey
Business, Some Other Guy (Encore)。

昨日の夕方に到着してこれで4本目、しかも午前2時すぎてのスタートだという
のに、4人とも元気だ。というか、ステージが進むにつれてますます元気になっ
て行く。リラックスして演奏を楽しんでいる。昼のカスバ、夜のライヴ・ラウン
ジと連続でメジャーな舞台を踏んだあとのせいかもしれないし、夜更かしでハイ
になっているのかもしれない。お客さんは決して多くはなかったが、みんなあた
たかく見守ってくれた。

このバンドの面白いところは、セットリストの幅の広さである。1ステージで
16~17曲も演奏するというのに、ステージごとのダブりがほとんどない。今日の
3ステージすべてで演奏したのはMy Bonnie, Besame Mucho, Too Much
Monkey Businessの3曲のみというのは、ちょっと信じられない。あとの曲に
しても、2回演奏した曲よりも、1回だけのほうがずっと多い。最初期のナン
バー限定というニッチなレパートリーなのに、これほどのレンジの広さ。引き出
しの多さ。つくづく、あなどれないバンドである。

とぼとぼとホテルに戻ったのは3時半。今日も長い一日だった。

(つづく)

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