June 23 2020, No.748
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** □■ INDEX ■□ ▽フロム・エディター ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(11) ▽スカウスハウス・ニュース ▼今週のフォト ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▽フロム・エディター ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ NLW No.748です。 連載「おぼえがき:ビートルウィーク2019」の第11回を書きました。ビートル ウィークも佳境に入り、いよいよ日曜日のコンヴェンション・デイです。 この日、寝坊をしてホテルの朝ごはんが食べられなかったために、通りかかった マシュー・ストリートのパブ「フラナガンズ・アップル」にフラフラと入って食 事にしたのですが、にゃんと、そこはまさに「ビートルウィーク発祥の地」と言 える場所だったのです。その時はまったくそんなことに気づいてなくて、きょう、 原稿を書きながら「はっ!」となりました。 フラナガンズ・アップルの建物には、1981年から1984年まで、「キャヴァーン・ メッカ」というビートルズ・ミュージアム&インフォメーションセンターがあっ て、彼らが1981年に始めたビートルズ・フェスティヴァルが、今につながって いるのです。 今は街じゅうにビートルズがあふれているリヴァプールですが、1990年代に入 るまでは、あんまり…というかほとんど盛り上がってなかったようです。キャ ヴァーン・メッカは3年で閉館、入れ替わるようにしてシール・ストリートに オープンした博物館「ビートル・シティ」も2年しか持たず、1984年に再建さ れたキャヴァーン・クラブも1989年末にいったん閉鎖となってしまいます。 ビートルズはまったく商売にならない時代だったわけですね。 しかし1990年以降は一気に活気が出てきます。ざっと挙げると、こんな感じで す。 1990年5月1日 「ビートルズ・ストーリー」ミュージアムがアルバート・ドッ クにオープン 1990年5月5日 ピア・ヘッドでジョン・レノン生誕50周年コンサートが開催、 世界的なスターたちが出演 1990年6月28日 ポール・マッカートニーがキングズ・ドックでコンサート (11年ぶりのリヴァプール公演) 1991年7月11日 キャヴァーン・クラブが現オーナーのキャヴァーン・シティ・ ツアーズによって再々オープン、 1992年9月29日 リンゴ・スターがリヴァプール訪問 1993年8月28日 「マシュー・ストリート・フェスティヴァル」初開催 1994年8月11日 「キャヴァーン・パブ」がキャヴァーン・クラブの向かいに オープン そして1995年、「アンソロジー」プロジェクトが始動してビートルズ再評価に火 が付き、世界中からビートルズ・ファンがリヴァプールに押し寄せて来る時代に なります。それにあわせて「ビートルウィーク」も巨大なフェスティヴァルに成 長、ビートルズ・ストーリーはスペースを拡張、さらに別館までオープン、マ シュー・ストリートにはパブやクラブやライヴ・ヴェニューやミュージアムが 次々にオープン、すばりビートルズをテーマにした4ッ星の「ハード・デイズ・ ナイト・ホテル」までできて、リヴァプールは今やすっかり「ビートルズの街」 になりました。 そうした活況の中で迎えた2020年だったわけですが、予想もしなかったパンデ ミックによって、リヴァプールのビートルズ・インダストリーは沈黙を強いられ ることになってしまいました。ほんとうにたいへんだけど、なんとかここを乗り 切ってもらって、2021年には元気に復活してくれることを願うばかりです…って、 「人ごとちゃうやろ、おまえもがんばれよ」と言われそうですが…。 ● ● ● 先週にお伝えした、スカウスハウス通販オーダーフォームの不具合は、無事に解 決&復旧しました(Yさん、ありがとうございました!)。現在は問題なく作動し ています。 「スカウスハウス通販:英国盤レコード」では、4月より「全アイテム30%オフ」 のキャンペーンを開催中。オーダーをいただけるとうれしいです! http://scousehouse.net/shop/records2019.html (商品ページおよびオーダーフォームでは、割引前の価格が表示されていますが、 オーダーいただたあとの確認メールにて、セール適用価格をご案内いたします) ― Kaz(23/06/2020) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(11) ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ 「おぼえがき:ビートルウィーク2019」 / Kaz ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo748.html ≫ <8月25日(日)> 朝起きて時計を見てびっくりした。12時47分。もはや朝ではない。昨日…とい うか今日だが、ホテルに戻ったのは午前3時半。寝たのはたぶん4時半くらいだ から、8時間もこんこんと眠っていたのか…。ビートルウィーク中にこんなに寝 てしまうとは、まさかである。まあ、普段だと睡眠8時間はノーマルなんだけど。 今日は日曜日。アデルフィ・ホテルで朝から次の朝まで「ビートルズ・コンヴェ ンション」だし、もちろんキャヴァーン3会場でも昼前から深夜までライヴが続 く。 日本のバンドのギグは最初が17時。それまでは差し迫った仕事はないので、寝 坊しても支障がなかったのは助かった。でも今日はコンヴェンション・デイ。ぐ ずぐずしているのはもったいない。急いで着替えて、ホテルを出た。 マシュー・ストリートを歩いて通りかかったアイリッシュパブ「Flanagan's Apple」へ入る。実はこの建物の1st Floor(日本で言う2階)は、1981年から 1984年まで、「Cavern Mecca」というビートルズ・ミュージアム&インフォ メーションセンターだったのだ。まだキャヴァーン・クラブは再建されておらず、 リヴァプールですらビートルズは過去のものになりかけていた時代。そんなとき に世界のビートルズ・ファンとリヴァプールをつなげる存在だったのが、キャ ヴァーン・メッカなのである。 さらに重要なのは、現在の「International Beatleweek」は、このキャヴァーン・ メッカが1981年にスタートさせたイヴェント「Mersey Beatle Extravaganza」 が原型となっていることだ。当時から会場はアデルフィ・ホテルだった。現在の 主催者キャヴァーン・シティ・ツアーズがイヴェントを引き継いだのは1986年 で、以来今年で34年目になる。 というわけで、「ビートルズ・コンヴェンション」の日にここ「フラナガンズ・ アップル」を訪れるのは、実に意義のあることなのである……とエラそうに書 いてるけど、そのときはまったく意識してなくて、「おなかがすいたナ」と思っ てなんとなく入ってみただけだったんだけど。 ついでに書いておくと、キャヴァーン・メッカのスタッフだったエディ・“ウォ ルラス”・ポーターはその後キャヴァーンに就職。「マジカル・ミステリー・ツ アー」のツアー・ガイドになった。この人に出会ったおかげでいま僕はこんなこ とをやっているわけだ。 もひとつついでに書くと、現在キャヴァーン・ライヴ・ラウンジの入り口に飾っ てあるビートルズ4人の顔のレリーフは、もともとはキャヴァーン・メッカに展 示されていたものだ。 話を戻そう。 フラナガンズ・アップルの2階(まさにキャヴァーン・メッカがあった場所)は レストランになっている。そこで朝ごはん…じゃなくて昼ごはんか。ヴェジタリ アン・ソーセージとマッシュポテト、そしてパイントのPUNK IPA(スコットラ ンドのビールだそうだ)。どれも美味しかった。 ● ● ● 14時。アデルフィ・ホテル到着。 コンヴェンションの会場をひととおり見てまわって、スカウスハウス通販用のレ コードをバババっと20枚くらい購入。えりさん、さおりちゃんとも合流。 16時30分。アデルフィ内のクロンプトンズ・バー。17時からストロベリー・ツ インズ&フレンズの5本目のギグ。15分後の17時15分から、となりのウェイ ヴ・バーでB.B.キャッツの5本目のギグ。B.B.キャッツはえりさんに任せて、僕 はストロベリー・ツインズ&フレンズに。 クロンプトンズは入り口とステージの距離が長くて集客にはかなり不利な会場な のだけど、今日はかなり混んでいる。さすがコンヴェンション…いや、ストロベ リー・ツインズ&フレンズ目当てのファンも結構集まってきている。バンドメン バーのコンディションも良さそうである。 いつもニコニコのジョニー・パリ―のMCでギグスタート。1曲目はなんと 「The Word」。ちょっとびっくり。この曲は2曲目が定位置で独特のカッコよさ があったんだけど、オープニングに据えるのもアリだなあと深くナットク。コン ヴェンションにやって来るのは、ビートルズ・マニアや長年通っているファン、 耳の肥えたファンが多い。こんなマイナーかつファンキーな曲でステージを始め られると、みんな「おおっ」となってツカミはオッケー。最初からノリノリであ る。 2曲目は「If I Needed Someone」を持ってきてまた変化球…と思っていたら、 You Won't See Me, Wait, In My Lifeと、『ラバー・ソウル』乱れ打ち。しかも通 ウケしそうなナンバーばっかり。いいぞいいぞ。 ユージ・ハリスンがしっとりと歌う「Something」をはさんで、後半もやはり 「ストロベリー・ツインズ&フレンズならでは」なセットリスト。We Can Work It Out, She Said She Said, I've Got A Feeling, Dear Prudence, Got To Get You Into My Lifeでいったん締めて、アンコールにOne After 909。緩と急、ハードと ソフト、豪快と繊細。完璧と言っていいような流れで大団円。スバラシイ! ● ● ● 終演後、すぐにウェイヴ・バーへ移動。B.B.キャッツのギグもえらい盛り上がり ようだ。ザ・ブルーマーガレッツ、ザ・クローバーの根強いファンたちの姿も見 える。ジョン&オーレリア、デイヴ、タリー…レギュラーメンバーである。来る なと言っても絶対に来る人たちだ。次のギグはいつどこかとか、僕よりもよく 知ってたりするから面白い。ブルーマーガレッツが初めてビートルウィークに出 場したのが2009年で、クローバーは2011年。ありがたいことである。 …などと思っているうちに、本編ラスト「Too Much Monkey Business」になっ てしまった。時間を確認して、MCのスティーヴに「2モアで行こう」と提案。 もちろん快諾。 アンコールは「Money」と「Some Other Guy」。ストロベリー・ツインズ&フレ ンズ同様、B.B.キャッツも大盛況での終演となった。イエイ! (つづく) ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo748.html ≫ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▽スカウスハウス・ニュース ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ *** スカウスハウス通販 ****** 英国盤レコードの通販です。「ビートルズ」「ビートルズ(ソロ)」「ビートルズ関 連」「ブリティッシュ・ロック」「シングル&EP」の5カテゴリー。リヴァプール で仕入れたアイテムばかりです。オーダーいただけるとうれしいです! http://scousehouse.net/shop/records2019.html ※4月1日より、「全アイテム30%オフ」のキャンペーンを開催中です。 (商品ページおよびオーダーフォームでは、割引前の価格が表示されていますが、 オーダーいただたあとの確認メールにて、セール適用価格をご案内いたします) *** 原稿募集中 ****** NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。 旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英 国に関するものなら何でも歓迎です。 お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▼今週のフォト ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ *** 今週のフォト・アルバム ****** 「今週のフォト・アルバム」では、連載「おぼえがき:ビートルウィーク2019」 の写真を紹介しています。 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo748.html ■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *** 隔週火曜日発行 *** □■ 第748号 ■□ ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス) ◇編集 山本 和雄 ◆Eメール info@scousehouse.net ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/ ◆Facebook http://www.facebook.com/scousehouse.net ◇お問い合わせフォーム http://scousehouse.net/liverpool/form.html ご意見・ご感想・ご質問など、お気軽にお聞かせください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメールマガジンは、以下の配信サーヴィスを利用して発行しています。配信 の解除やメールアドレスの変更は、それぞれのウェブサイトからどうぞ。 ◆まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000065878.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2020 Scouse House |