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July 07 2020, No.750
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(12)
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▽フロム・エディター
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久しぶりに映画を観に行きました。
「カセットテープ・ダイアリーズ(原題:BLINDED BY THE LIGHT)」です。ブ
ルース・スプリングスティーンの楽曲が大フィーチャーされた英国映画なのです
が、「4.17」公開の予定が新型コロナ対応で延期になり、「7.3」にようやくロード
ショーとなりました。
(公式サイト→ http://cassette-diary.jp/ )

「ブルース・スプリングスティーンのロックに乗せて、僕は明日へ走り出す…」
「1987年イギリス。移民の少年の人生を変えたのは、彼との出会いだった。実
話から生まれた、爽快、感動の青春音楽ストーリー!」
「今年一番の青春音楽ストーリーが誕生!」

というのが、配給会社の作った宣伝コピーなのですが…。
いやいやいや、こんな生易しいもんじゃなかったです。今年一番どころか、僕が
これまで観た映画の中でも一番かも。スクリーンに対峙しながら、叫び出したい
衝動や走り出したい衝動が次から次に沸き起こってきて、それを抑えるのにとに
かく難儀しました。
自分の人生を生きるために必要なこと、大切にしないといけないこと、忘れては
いけないこと、を思い出させてくれる映画です。そして、自由とは決してあきら
めないで戦い続けて勝ち取る価値のあるもの、ということも。ザッツ・ザ・ミー
ニング・オブ・ライフ、なのである。

公開初日の初回上映、シネリーブル神戸の客席は15~20人程度とやや寂しい混
み具合(混んでないって)でしたが、この映画、たくさんの人に観てほしいなあ
と思います。ブルース・スプリングスティーンの音楽を聴いたことがなくてもぜ
んぜん問題ありません。というか、そのほうが主人公に同化できるし、自然にス
トーリーに入り込めるかもです(僕の友人は「何がなんだかわからない感動」状
態になったと言ってました)。

そして。
今の世の中で、不自由さと同調圧力に窮屈な思いをしている人には特におすすめ
です、と言っておこう。
魂のブレイクスルー、必要ではありませんか?

                         ― Kaz(07/07/2020)


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▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(12)
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「おぼえがき:ビートルウィーク2019」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo750.html ≫

<8月25日(日)>

19時20分。
えりさんと晩ごはんを食べて、アデルフィ・ホテルに戻る。ラウンジのマーケッ
ト・エリアに上がって、まだオープンしているレコードのストールを見て回って、
シングル盤を2枚サクッと購入。
コンヴェンションはまだまだ続いている。クロンプトンズ・バー、ウェイヴ・
バー、クロスビー・スイート、そしてアメリカン・バーで途切れなくライヴ演奏
が続いていて、夕方からはいよいよ巨大なボールルームでもライヴが始まった。
かと思えば静かなピアース・スイートでは御大マーク・ルーイスン先生の「マー
クに訊け」イヴェントが開催中だし、その向かいのエンパイア・スイートでは初
の試みとして演劇まで行われている。

● ● ●

19時30分。
たくさんのファンやミュージシャンでごった返しているロビーでダウン・ビート
と合流。これから彼らの4本目のギグなのだ。昨日の昼2時のステージ以来、と
いうことは24時間以上開いているので休養十分…と思いきや、みんなそんなに調
子良さそうには見えない。どうやら朝まで呑んでたらしい……。とにかくクロンプ
トンズ・バーへ移動。

20時。ジョニー・パリーのMCでギグがスタート。オープニングは「From Me
To You」。このバンドのサウンドはやはり素晴らしい。ステージが始まっちゃっ
たら体調なんて関係ない。声もがんがん出ている。さすがである。
場所的にマニアックなこの会場にしてはお客さんの入りは悪くない、というか、
かなり多い。毎年日本のバンドの演奏を観に来てくれるファンたちの顔もちらほ
ら。

All My Loving, Everybody's Trying To Be My Baby, We Can Work It Out...と来て、
ジョニーさんが「次はリヴァプールのトラディショナル・ソングを」と紹介、当
初は予定になかった「How Do You Do It」を披露。木曜日のカスバクラブでの内
輪のパーティーでは演奏していたけど、ビートルウィークのステージでは今回初
パフォームのはずだ。
このナンバーはビートルズのデビュー曲として録音されながらリリースには至ら
ず、代わりに仲間バンドのジェリー&ザ・ペースメイカーズのデビュー曲となり、
いきなり大ヒット。ビートルズに先んじて全英ナンバー・ワンを獲得したという
エピソードがある。ビートルズとジェリー&ザ・ペースメイカーズという当時の
リヴァプールの2大ビート・グループがレコーディングしたというのもユニーク
だが、「こんな曲でデビューするのはごめんだ」ときっぱり蹴ったビートルズも
ビートルズらしいし、「じゃあ喜んでいただきまーす!」とちゃっかりもらって
しまうジェリーもジェリーらしい。実際、この曲の持つチャーミングな魅力は
ジェリーにぴったりだ。ジョンのヴァージョンもいいけどね。

続いてフルノさんが歌う「Boys」、イトウさんの「Roll Over Beethoven」、そし
てシノさんの「I Saw Her Standing There」。ノリノリナンバー連発で会場のボル
テージもあがるあがるあがる。

● ● ●

後半はちょいとペースが変わった。こんな感じだ。
No Reply, I'll Follow The Sun, I Feel Fine, Day Tripper, Things We Said Today...
なんというか、「聴かせるコーナー」とでも呼びたいような構成である。実際僕
もステージの横からじっくり聴いた。そして、耳を疑った。ジョニーさんとシノ
さんのハーモニーが、ジョンとポールのハーモニーなのだ。「レ、レコードといっ
しょ!」と思わず声に出してしまう。今さらながらだけど、あらためて驚いてし
まった。似ている、んじゃなくて、そっくり、でもなくて、そのまんま。おんな
じ。「なんなんだ、この2人は…」と、ちょっと鳥肌が立った。

そして終盤。14曲目の「Eight Days A Week」でフィジカルな現実感を取り戻し
た僕は、ジョニー・パリーと打ち合わせ。「次でいったん締めて、アンコールを
1曲」と段取りをつけて、ジョニー黒田さんに伝える。

本編ラストはなんと、「A World Without Love」。「How Do You Do It」と同じく、
当初の予定になくて(つまりジョニーさんの思いつき)、しかもカスバのパー
ティーで演奏したナンバー。邦題「愛なき世界」。ポールがピーター&ゴードン
にプレゼントした1964年の全英&全米ナンバーワン・ソングである(クレジッ
トはレノン/マッカートニー)。「ここでこの曲!?」と誰もがびっくりな意表を
ついた選曲だったのはもちろんなんだけど、もっとびっくりだったのが、やはり、
ジョニーさんとシノさんのハーモニー。完璧にジョン&ポールなのだ。ビートル
ズがレコーディングしたことのないこの曲が、ビートルズ・ナンバーとしていま、
ここによみがえっているのである。なんとまあ。

アンコールは「With A Little Help From My Friends」。フルノさんが汗だくに
なって歌う。一所懸命な姿が失礼ながらとっても可愛らしい。最初よりもさらに
増えたオーディエンスも後押しして、実にハッピーなエンディングとなった。

ダウン・ビート4本目のギグ終了。残るはあと3本。次は3時間後、いよいよ
キャヴァーン・フロントだ。

(つづく)

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