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July 21 2020, No.752
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(13)
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▽フロム・エディター
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特発性前庭疾患。ご存知でしょうか。
前庭神経に異常が発生して、平衡感覚を失ってしまう病気です。先天的でないと
いうことで、突発性と言うのだそうです。
6月9日に発症して、まだ治りません。

おそらく末梢神経のある三半規管のほうに問題があるのだと思うのですが、最初、
顔が小刻みに左右にプルプルと揺れ出して、なんだなんだと思っているうちに頭
が左に傾き、最後に両目の眼球が左右に揺れ出しました。いつも目が回ったよう
な状態で、立っていても安定せず、もちろんまっすぐ歩くことはとっても難しい。
どうしてもナナメに進んでしまいます。

その日のうちに病院に行って、「おそらく特発性前庭疾患」と診断されたわけで
すが、原因が不明なため予防薬や特効薬のようなものはなく、ステロイドとビタ
ミン剤を一定期間摂取するくらいで、自然治癒を待つしかないということでした。
うまく行けば2~3週間で元どおりに治りますよ、と。うまく行かなければ、頭
の傾斜は残るし、もっとうまく行かなければ一生まっすぐ歩けないままだそうで
す。ああ。
でも、血液検査をしたうえで「おそらく前庭疾患」と判断されたのですが、前庭
疾患ではない可能性もあって、その場合はもっと絶望的なんだそうです…。

今日でちょうど6週間になりました。
前庭疾患に間違いなかったようで、顔や眼球の揺れは早い段階で止まりました。
頭はまだ傾いていますが、まっすぐには歩けるようになっています(ゆっくりだ
けど)。しかし体調は3~5週間目あたりがとにかくサイアクで、左耳にひどい
内耳炎が発生したうえに薬のせいか胃腸も働きをストップして食欲はまったくな
く、1日のほとんどをじっとうずくまって過ごしていました。
そういったツライ日々をなんとか耐えて、ようやく3日前くらいから徐々に元気
が戻ってきています。内耳炎はほぼ完治、胃腸もだいぶんと働きを取り戻し、歩
行距離も少しずつ長くなっています。頭は傾いたままだけど…。

「治ってこの状態と思ってください」
そう先生に言われました。
「まっすぐ歩けるんだからだいじょうぶ。自分でごはん食べられるしトイレにも
行ける。そうならない子もいるんだから」
とも。
まあ、仕方がないかな、と思います。よくここまでがんばってくれました。年齢
的にももう14歳で、人間で言えば70歳代だから…。

…と、ずっと主語ナシで書き進めてきましたが、病気になったのは我が家のネコ
なんです。14年前に道で保護して家族になったラテにゃん。
(ちょうど14年前のNLW No.259にそのいきさつが。ほかの記事も面白いです)
 → https://scousehouse.net/magazine/magazine259.htm )

頭が傾いたネコって、つまりずっと小首をかしげたポーズなんですよ。めちゃカ
ワイイです。ちょっとかしげすぎで小首というよりは大首って感じだけど。

● ● ●

今週の「おぼえがき:ビートルウィーク2019」でちょろっと書いているThe
Blackjacksは、2年前にEP『One After 909』でレコード・デビューをしていま
す。レノン/マッカートニーによる初期の作品ですね。ブラックジャックス版は
これがまた見事なスキッフル・ナンバーに仕上がっていて、カッコいいです。
「ジョン&ポールは当初はこんなイメージで曲を作っていたのでは…」とイメー
ジをふくらませるのも楽しいですよ。
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                         ― Kaz(21/07/2020)


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▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(13)
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「おぼえがき:ビートルウィーク2019」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo752.html ≫

<8月25日(日)>

アデルフィ・ホテル内クロンプトンズ・バーでのダウン・ビートのギグが終わっ
てすぐにマシュー・ストリートに移動。
これから日本の3バンドが連続で演奏するのだ。キャヴァーン・パブで22時ス
トロベリー・ツインズ&フレンズ、23時B.B.キャッツ、そして24時からキャ
ヴァーン・フロントでダウン・ビートである。

21時30分、キャヴァーン・パブ到着。ステージではThe Blackjacksがエルヴィ
ス・プレスリーを熱演中だった。英国ヨークのバンドで、オールドタイプのロッ
クンロールやロカビリー、スキッフルを専門にしている4人組。ベースはもちろ
んウッド・ベースで、ドラマーはブラシで叩く。シンプルでソリッドでノリノリ。
問答無用かつ強烈なグルーヴが楽しすぎる。ちなみにバンド名はジョン・レノン
が組んだ最初のバンドの名前から採られたそうな。

● ● ●

22時。「Got To Get You Into My Life」で華々しくストロベリー・ツインズ&フ
レンズのギグがスタート。お客さんは超満員。そして6人がひしめき合って立っ
ている狭いステージの上も満員状態(よく6人も入ったなあ)。
続いて必殺とも言える「The Word」と「Wait」の連続技。やはりこの2曲は
セットにするのが効果抜群である。そしてとどめに「She Said, She Said」。スト
ロベリー・ツインズ&フレンズのステージに欠かせないマイナーナンバー3連発。
このへんを聴きたくて集まるリピーターも多いんじゃなかろうか。

5~8曲目は、Do You Want To Know A Secret, Two Of Us, Something, Dear
Prudenceと、じっくり聴かせる系ナンバーが続いた。といっても黙って聴いて
るオーディエンスではなくて、「サムシング」では当然のように大合唱。曲間の
拍手・歓声も熱狂的だ。

そして9曲目はなんと「I Me Mine」。これをレパートリーにしているバンドはか
なり珍しいんじゃないかと思う。しかしじわじわと不気味に(?)盛り上がる曲
調は、ステージ終盤のスタートとしては実に効果的だ。しかも、続くのが「I've
Got A Feeling」と「One After 909」なのである。狙ったのか偶然か、これはア
ルバム『LET IT BE』収録ナンバー3連発。統一感があっていいなあ…なんて感
慨にひたっている余裕はなく、ハードでドライヴするロックンロールが、うねる
うねる。ドライヴの中心になっているのはリードギターを弾くビーバーさんだ。
弾き出すフレーズも独特だが、体全体で曲を感じ、表現する演奏スタイルがバン
ドを、オーディエンスを鼓舞し、高く高く舞い上がらせている。

● ● ●

セットの終盤、僕はステージ後ろ横の支柱につかまってビデオを撮っていたのだ
が、本編ラストの「ワン・アフター・909」がエンディングを迎えたとき、大事
なことを思い出した。アンコールの指示を出していない! あわててPAエンジ
ニアに合図する。

「ワンモー! バンドにも言って!」

大盛り上がりの客席のあちこちから「モー! モー!」と声が上がる中、「アン
コール1曲」のメッセージは無事に伝わり、ひと安心。そしてアンコールは必殺
の「Oh! Darling」。ヨーコさんとクルさんのド迫力ツイン・ヴォーカルで、見事
な大団円となった。バンドもオーディエンスも、誰もが笑顔えがおエガオ。みん
な汗だく! これぞライヴ!

ストロベリー・ツインズ&フレンズはこれで6本のギグが終了。残るは明日の2
本。夜9時のキャヴァーン・フロントと深夜0時のライヴ・ラウンジ。時間も場
所も、なんともぜいたくな最終日のセッティングである。期待してるよ!

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo752.html ≫


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