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October 13 2020, No.763
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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 ▽フロム・エディター
 ▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(18)
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▽フロム・エディター
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NLW No.763です。
「おぼえがき:ビートルウィーク2019」の第18回を書きました。今回は、ギグ
の合間に「マジカル・ビートルズ・ミュージアム」を訪れた話。
このミュージアムは2018年7月にマシュー・ストリートにオープン。ビートル
ズのオリジナル・ドラマーだったピート・ベストの弟ローグがつくった博物館で、
ビートルズの歴史の断片というか伝説的な証拠品の数々をここで目にすることが
できます。

「マジカル・ビートルズ・ミュージアム」は、「マジカル・ヒストリー・ミュー
ジアム」という別名もあって、なるほどそのとおりではあるんだけど、2つも呼
び名があるのはややこしいなあと思っていたところ、いつの間にか正式名の「マ
ジカル・ビートルズ・ミュージアム」という名前が「リヴァプール・ビートルズ・
ミュージアム」に変更になっていました。
えーとこれはつまり、正式名と旧名と別名、があるわけですね。名前がみっつっ
て…これ以上増えないことを望みます。

「おぼえがき:ビートルウィーク2019」本文では、訪問当時の名前「マジカル・
ビートルズ・ミュージアム」で統一しています。
カスバやそれにまつわる話はとってもとっても興味深くて面白くて複雑でドラマ
チックでマジカルで、本文にはチラっとだけ書いたんですが、また機会があれば
ゆっくりと紹介したいと思います。

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                         ― Kaz(13/10/2020)


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▼連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(18)
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「おぼえがき:ビートルウィーク2019」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo763.html ≫

<8月26日(月)>

15時。
次のギグまで2時間くらいあるので、えりさん&さおりちゃんと一緒にマシュー・
ストリートの「マジカル・ビートルズ・ミュージアム」へ。グレープス・パブの
となり、以前「レノンズ・バー」があったところだ。このビートルズ博物館は、
昨年・2018年にオープン。ピート&ローグ・ベストのコレクションが展示して
ある。

先日、キャヴァーンのオフィスに寄ったときに、このミュージアムの割引券を4
人分もらっておいた。ひとり2ポンドの割引になる。正規の入場料は15ポンド
だから、10%とちょっと割安になる計算だ。でも、そうはならなかった。割引
ヴァウチャーを手に持ってエントランスへの階段を上がると、そこにいたスタッ
フが、「どうぞどうぞ~」と全員フリーで通してくれたのだ。(あれ? いいのか
な?)と思いながらなんとなく入ってしまったけど、ほんとによかったのかな? 
さおりちゃんから「さすがカズさん、顔パス~!」と言われて、「いやいや、お
れあの人知らないし!」と返す。

このミュージアムはベスト家が中心になって運営しているので、ローグ・ジュニ
アやその息子コナーくんが受付にいることもあるのだが、もし彼らがいたら、え
りさんもさおりちゃんも顔なじみなのできっと盛り上がったことだろう。そうい
えば今日はこのあと5時からピート・ベストのサイン会がこの地下で行われるは
ずだ。主要スタッフはその準備で忙しいのかもしれない。

ミュージアムの中はというと、はっきり言って、ここはとんでもないお宝だらけ
である。ビートルズの歴史を彩った貴重なアイテムの宝庫である。レプリカとか
ではなくて、ホンモノのお宝である。
ミュージアムのウェブサイトには、こんなコピーが並べられている。

The largest Beatles collection in the world.
From the Casbah Cellor to the Rooftop Concert.
The real story of the band.

まさにこれらのコピーのとおりで、いささかの誇張もない。マニアックすぎるく
らいにマニアック。コアなビートルズ・ファンにはたまらないコレクションばか
り。去年入ったときには、(初心者ファンにはちょっと難しいところもあるかも
しれないナ)と思ったけれど、オープンから1年以上が経って、映像コーナーや
オブジェや体験スポットなどが新しく導入され、エンタメ度が格段にアップして
いたのはさすがである。さらに、昨年はNGだった館内の写真撮影が解禁されて
いるのには驚いた。180度の方向転換である。これはやはり、今のSNS時代、
写真つきの口コミはPRに欠かせないということなんだろう。実際、ヴィジター
自身がモデルになって撮影できるスポットも作られていた。

どんなものが展示してあるかというと、当時の写真や手紙、契約書、楽器、アン
プ、ライヴのポスターや看板、新聞や雑誌、レコード、日用品、服、メガネ、ア
クセサリー、ツアーでの記念品、などなどで、その数300点以上。ありとあらゆ
る種類のコレクションが、丁寧な説明をつけて年代順にわかりやすく並べられ、
ビートルズのストーリーに沿ってたどることができるようになっている。特に、
1959年から1962年までのアイテムが展示されている1stフロア(日本でいう2
階)のコレクションは、ほとんど奇跡的である。「よくぞ残していてくれた」と
感動してしまうものばかり。アカデミックな、ほとんどアーキオロジーと言って
もいいような空間である。

2ndフロアは1963年から1966年(日本のコーナーも!)、3rdフロアは1967年
から1970年までのアイテムが展示されていて、演出もだんだんとサイケに、
ポップになっていくのが楽しい。

300もの貴重かつ歴史的な品々。しかしこれらのコレクションは所蔵品の全部と
いうわけではなく、去年ローグ・ジュニアに聴いたところでは、この倍以上がま
だ倉庫に眠っているそうだ。なんともおそろしい。

● ● ●

ローグから初めてこのミュージアムの構想を聴いたのは、たしか2015年だった
と思う…2016年かな?

「カズ、マシュー・ストリートにビートルズ・ミュージアムを作るぞ。3フロア
くらいの建物で、うちにあるコレクションを展示するんだ」

カスバ・クラブでそんな話をしていた。
「ワオ、そりゃすごいね。え? 演奏するスペースもあるの? ならうちのバン
ドもライヴやらせてよ」などと答えながらも僕は半信半疑。そんなおっきなプロ
ジェクト、実現させるのは簡単ではないはずだ。それに、マシュー・ストリート
にそんな物件、あったけ? だいたい、ミュージアムが成り立つほどたくさんの
コレクションって、どこにあるんだ…?

物件も、コレクションも、ちゃんとあったのだ。

ローグ・ベストの母親は、モナ・ベスト。リヴァプールで最初のロックンロール・
ライヴ・ヴェニューである「カスバ・コーヒー・クラブ」をオープンした肝っ玉
母さんだ。彼女のおかげでマージービートが生まれた、という側面があったのは
否定できないし、カスバがなければ、おそらくビートルズは存在していなかっ
た…かもしれない。

ローグ・ベストの兄は、ピート・ベスト。ピートはビートルズのオリジナル・ド
ラマーであり、彼が在籍した1960年8月から1962年8月までの2年間は、ちょ
うどビートルズがリヴァプールとハンブルグでスター・バンドになった時期であ
る。ピートがいなければ、ビートルズはあのビートルズではなく、成功すること
はできなかった…かもしれない。

ローグ・ベストの父親は、公的にはジョニー・ベストだが、実際はニール・アス
ピナル。リヴァプール・インスティテュートでのポール・マッカートニーのクラ
スメイトで、卒業後はベスト家に下宿。ピート・ベスト在籍時代にビートルズの
ローディーとなり、ピート脱退後も継続。公私にわたってビートルズを陰で支え
続けた。後にビートルズが設立したアップル社の最高責任者としても辣腕をふる
い、登録商標をめぐるアップル・コンピューター社との法廷闘争に勝利したのも、
1990年代の『ビートルズ・アンソロジー』に始まるビートルズ再生プロジェク
トの成功も、ニールの功績である。ニールがいなければ、ビートルズは20世紀
で終わっていた…かもしれない。

モナが遺したコレクション、ピートが持っているコレクション、ニールから受け
継いだコレクション、そしてローグ自身が集めたコレクション。それらを展示す
るミュージアムが、「マジカル・ビートルズ・ミュージアム」なのである。さっ
きも書いたが、レプリカなんてものは一切なし。すべてがホンモノ、すべてが実
物。ナマナマしい歴史の断片なのだ。

● ● ●

えりさん、さおりちゃんと3人で、あっけにとられながら鑑賞。ひととおり観た
あとも、もういちど最初に戻ってリピート鑑賞。まったく飽きない。「アイ・ア
ム・ザ・ウォルラス」のエッグマンになれるコーナーでは、もちろんチャレンジ
した。白ジャケットを着て、ピッチピチのエッグマン帽をかぶって、ポーズ。
えりさん、さおりちゃんは僕を見て笑ってくれたけど、決して自分たちはやろう
としなかった。ノリがわるいなあ。

(つづく)

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