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November 03 2020, No.766
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2020年11月02日>
 ▽NLWアーカイヴ:#08「ケズイックのファイアー・ボム」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.766です。
今日11月3日は、日本では「文化の日」ですね。よく知られているようにこの
日は明治天皇の誕生日。昭和2年から22年までは「明治節」という祭日でした。
「文化の日」に改められたのは昭和23年からなのですが、実はこの日は「日本
国憲法」公布日にあたり、本当は「憲法記念日」になるところだったそうですが、
まあいろいろとあって憲法記念日は発布日の5月3日とされてしまいます。それ
でも「なんとか11月3日を祭日として残したい」と、当時国会議員だった作家
の山本有三先生などの尽力で「文化の日」として制定された、という経緯があり
ます。
「文化の日」になって80年以上経ったわけですが、このごろでは「明治の日」
に改めようという動きもあるようです。まあ「昭和の日」もできたことだし「明
治の日」もあっていいような気もしないではないですが、「文化の日」のほうが
やっぱりいいなあと個人的には思います。
ちなみに英語では「Culture Day」というそうで、まあそのまんまですね。同じ
11月の祭日「勤労感謝の日」は、「Labor Thanksgiving Day」というそうです。
アメリカの2つの祝日「Labor Day」と「Thanksgiving Day」をくっつけた名前
になっちゃってるのですが、それもそのはず、「勤労感謝の日」は、元々は「新
嘗祭」という祭日でした。明治6年から昭和22年まで「新嘗祭」で、昭和23年
から「勤労感謝の日」です。労働にも収穫にも感謝ということで、「Labor」+
「Thanksgiving」なんですね。なるほど……。

……いや、ちがう、ちがう。日本の祭日について書こうとしていたわけじゃな
かったんです。「あさっての11月5日はガイ・フォークス・デイだなあ」と
思って、その前フリとして「今日は文化の日ですね」と書いたら、なんとなく
続きがつながって、ついだらだらと。

で、「ガイ・フォークス・デイ」。あるいは「ガイ・フォークス・ナイト」。ある
いは「ボンファイア・ナイト」。
イギリスで毎年11月5日に行われる「花火の日」で、その由来についてはここ
では書きませんが(さっきの日本の祭日のところで疲れちゃった…)、「各家庭や
公共の場で花火を打ち上げて平和を願う日」になっています。
残念ながらイングランドはまさにその11月5日から2度目のロックダウンを実
施することになってしまい、今年は公共の場での花火は全面的に禁止。もちろん
メジャーな花火イヴェントはすべてキャンセルとなりました。プライヴェートの
庭では可能ではあるものの、友人などを招くことは禁止です。取り締まりの警察
官も大量動員されるそうで、イギリスの冬の風物詩は、ものものしさとものさび
しさのなかでとり行われることになりそうです。なんだかなあ……。

今度のロックダウンは12月2日までの4週間の予定だそうで、もう、僕はこの
ニュースを聞いてからずっと気分が沈んでいます。もちろんイングランドの人々
はもっと沈んでいることでしょう。いろんなものが制限されて、自由のないがん
じがらめの生活がまた始まるのです。感染以前にストレスで体調を悪くする人が
ますます増えるんじゃないでしょうか。なんとかみなさん、無事で乗り切ってほ
しいと願うばかりです。

2004年11月9日発行のNLW No.175の「フロム・エディター」で、ボンファイ
ア・ナイトのことを書いているのを発見しました。「NLWアーカイヴ」第8弾と
して掲載しますね。

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                         ― Kaz(03/11/2020)


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▼リヴァプール・ニュース <2020年11月02日>
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*** 11月02日(月) *******************************

【イングランド・プレミアリーグ 2020/2021】

10月31日土曜日、ウエスト・ハムをホーム・アンフィールドに迎えたリヴァ
プールは、先制を許しながらも2-1(前半:1-1)で逆転勝利を収めました。
ホームでのリーグ戦で3試合連続で先制点を奪われて逆転勝ちしたのは、2009年
11月のブラックバーン・ローバーズ以来、プレミアリーグ史上で2チーム目と
なったそうです。
リヴァプールのゴール・スコアラーは、モハメド・サラー(42分・PK)、ディオ
ゴ・ジョタ(85分)でした。ウエスト・ハムの1点は、パブロ・フォルナルス
(10分)によるものでした。

この試合までの4戦、すべて昨季7位以内のチームが相手だったにも関わらず無
敗で乗り切ってきたハマーズでしたが、リーグチャンピオンとの敵地での対戦で
ポイントを持ち帰ることはかないませんでした。
試合後のデイヴィッド・モイーズ監督のコメントです。
「アンフィールドから手ぶらで帰ることになってみんなががっかりしている。こ
れはいい兆候ではあるね」
「2点目を奪う絶好のチャンスがいくつもあった。あいうのがもっと欲しかった
ね。時たまのカウンターアタックよりもね。我々は脅威になり得ていたし、組織
的にも実にうまく行っていた。やろうと思っていたことをしっかり実行できてい
たと思う」

フィルジル・ファン・ダイク、ジョエル・マティプ、そしてファビーニョと、セ
ンターバックのプレイヤーが相次いで怪我で離脱したリヴァプールは、23歳の
ディフェンダー、ナサニエル・フィリップスをこの試合で先発起用しました。見
事に期待に応えて勝利に貢献したフィリップスが、試合後にBBCのTVインタ
ビューで、彼自身のプレミアリーグ・デビューを振り返っています。
「今になって思うとちょとストレンジな感じがあるかな。この前の移籍期間でこ
のクラブを(ローンで)離れることになるんじゃないかってところだったから。
実際オファーはたくさんあったし」
「でも結局はそうならなかったんだけど、実現しなくてよかったよ。負傷が重
なってここでチャンスをもらえることになったから」

センターバックとして出場したフィリップスは、ポジショニングを誤ることなく、
ウエスト・ハムのストライカーのセバスチャン・アレにうまく対処し、クリアの
回数(9)とインターセプトの回数(2)はリヴァプールの選手では最多を記録
しています。

BBCスポーツの選手採点では、フィリップスはディオゴ・ジョタ、シェルダン・
シャキリに次ぐポイント(7.14)を獲得。リヴァプールの元ディフェンダーで解
説者のジェイミー・キャラガーは、フィリップスを「マン・オブ・ザ・マッチ」
に選びました。
「身にあまる光栄というか。彼からの言葉ならなおさら。リヴァプールのレジェ
ンドだから」とフィリップス。
「これってずっと夢に描いていたような。僕にとっても、家族にとっても素晴ら
しすぎる」

ユルゲン・クロップ監督は試合後、フィリップスについてこうコメントしていま
す。
「彼はブリリアントなやつだ。スマートだし、インテリジェントだし――なんで
も持っている」
「まあ、私もそうだが、美しいルックスってわけじゃないけどね。というか、2
人ともブサイクだ。でもそんなこと誰が気にする? 空中戦では彼はモンスター
だ。ピッチでチャレンジする姿勢も素晴らしい。今日の彼はインクレディブル
だったね」
「この夏、12のチャンピオンシップ(2部相当)のチームが彼を欲しがった。彼
には出てもいいって言ってあったんだが、何らかの理由でそうならなかった。で、
今夜、彼はバッチリはまったわけ」

昨シーズンの大半を、ローン先のドイツ2部・シュツットガルトで過ごしたフィ
リップスは、いきなり巡ってきたチャンスをものにし、衝撃的ともいえるデ
ビューでアンフィールドでのキャリアをスタートさせました。
「ほんとうに楽しかった」とフィリップス。
「タフなバトルで、空中戦もたくさんあった。でもそういうのが僕の強みだから、
楽しんでプレイできたよ」
「この週末のためにずっと集中してきた。今までね。もしまたチャンスが巡って
くるなら、またそれに向かってしっかり準備するだけだよ」

● ● ●

11月1日日曜日、フォワードのリシャルリソンを出場停止で、プレイメーカーの
ハメス・ロドリゲスを負傷で欠いたラインナップで臨んだエヴァトンは、ニュー
カッスル・ユナイテッドに敵地で2-1(前半:0-0)で敗れています。
エヴァトンのゴール・スコアラーは、ドミニク・カルバート=ルーイン(90+1
分)でした。ニューカッスルのゴールは、2点ともカラム・ウィルソン(56分・
PK、84分)でした。

開幕4連勝と最高のスタートを切ったエヴァトンでしたが、5戦目にリヴァプー
ルと引き分けたあと、2連敗となりました。監督のカルロ・アンチェロッティに
とってリーグ戦の連敗は、レアル・マドリーを率いていた2014年9月以来、な
んと6年ぶりのことだそうです。
試合終了後のアンチェロッティ監督のコメントです。
「重要なプレイヤーを欠いていたからね」
「ああいうプレイヤーがいない状況では、戦い方を変えなくてはならない。クォ
リティが若干落ちるとするなら、より集中しなければ。2つの失点はフォーカス
の欠如によるものだ。次のゲームまでに選手たちを回復させなければ」


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▽NLWアーカイヴ:#08「ケズイックのファイアー・ボム」
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過去のNLWからピックアップしてお届けするアーカイヴ・コーナーです。
第8回は、16年前の「フロム・エディター」より。2004年11月9日発行の
NLW No.175に掲載したものです。「ケズイックのファイアー・ボム」というタイ
トルを新しくつけました。


「ケズイックのファイアー・ボム」(2004年)----------------

≪≪≪ NLW No.175 - November 09, 2004 ≫≫≫

<フロム・エディター>
11月5日の英国は、「ガイ・フォークス・デイ」でした。「ボンファイア・ナイ
ト」とも呼ばれる、「花火の日」です。

英国の花火は、一般的には、我々が想像するものとはずいぶん違うようです。
今週の「ニュース」には、ボンファイア・ナイトで失明したおじいさんの話があ
ります。なんでも、毎年およそ1000人が怪我をし、「音がうるさい」とか
「危ない」とかの苦情が、各自治体に何千件も寄せられるほどの問題にもなって
いるそうです。

僕は1度だけ、このボンファイア・ナイトに遭遇したことがあります。
7年前のことで、リヴァプールに長期滞在していた僕と妻は、湖水地方への小旅
行に出かけました。アンブルサイドに2泊した後で、ケズウィックという小さな
町を訪ねました。まったく知らなかったのですが、その日が「ガイ・フォークス
の日」だったのです。

夕食をとってB&Bに戻ると、宿の主人が「ファイアーボムは見たかね?」と訊
いてきました。
「ファイアーボム?」と僕。爆弾って何だろ、ファイアーワークスなら花火なん
だけどなあ、と思いながら、「いいや…それって、ファイアーワークスのこと?」
と訊き返すと、主人はほんのちょっと考えて言いました。
「…そう、そうだな、ファイアーワークス。今日はファイアーワークスの日なん
だよ。観に行くといいよ」

我々夫婦は、そうか花火の日か、そういえばリヴァプールにもでっかい打ち上げ
花火の広告が貼ってあったなあ、きっと全国的な花火大会の日なんだな、と合点
し、喜びました。こりゃ見に行かなくっちゃ。
「えーとおじさん、花火はどこでやってるのかな? どこに行ったら見れるの?」
「どこにって、あちこち、そこらじゅうでやってるさ。ははは」
「そこらじゅう? へえ、そりゃあすごいね。オッケー、行ってくるよ!」

我々は慌てて外に出て、美しい花火を求めて真っ暗な町を歩き回りました。でも、
どれだけ歩いても花火大会らしきものは見つかりません。
初冬の英国の田舎町の、普通の夜です。街灯は少ないし、寒いし、人通りはほと
んどありません。お祭りの日とはとても信じられないくらい静かです。

時おり、「ひゅっ」とか「ピュー」とかいう、ちょうどロケット花火みたいな打
ち上げ音がどこからともなく聞こえて来ますが、でもそれだけです。
もしかしてこれが…いや、まさか。こんなショボいものが、「花火」なわけがな
いだろう…。
どう考えても、イヴェントっぽいムードは皆無です。空は暗いままで、もちろん、
「たまやー」なんて声はどこからも聞こえて来ません。

3、40分も歩いた頃でしょうか、こりゃだめだとあきらめて帰ろうとして通り
かかった民家の塀の向こうから、楽しそうな声が聴こえて来ました。家族が庭に
集まっているようです。そしてその庭から、「ピュウ」という鋭い音とともに、
1本の光の筋が天に昇って行ったのです。

この時にやっと、我々は理解しました。おじさんが言っていたのは、やはりこれ
だったのです。「ファイアーワークス」というよりは、なるほどこれは「ファイ
アーボム」ですね。
都市部では花火大会が行われたりしますが、一般的には家庭行事で、それぞれの
庭でつつましく「ボム」を打ち上げるものなのでしょう。どうりで、「そこらじゅ
うでやってる」わけです。

ところどころで上がる「ボム」の音を聞きながら、なるほどねえ、地味だけどな
んかほのぼのしていいね、日本の風習でいうと節分みたいなものなのかな、など
と勝手なことを言い合って、妻とB&Bへ帰りました。

                          ― Kaz (09/11/2004)


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▼スカウスハウス・ニュース
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▽今週のフォト
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2019年に撮影した写真を紹介します。
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□■ 第766号 ■□

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