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December 15 2020, No.771
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2020年12月14日>
 ▽NLWアーカイヴ:#10「ウリエ語録」(2004年)
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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昨日の晩、悲しい知らせがありました。
リヴァプールFCの元監督のジェラール・ウリエさんが亡くなったのです。73歳
でした。

リヴァプールの人々に本当に愛されたフランス人監督でした。
ウリエさんの時代、レッズはそれまでの停滞から脱出して、国内でもヨーロッパ
でもトロフィーを獲得。その成績もさることながら、マイケル・オーウェンやス
ティーヴン・ジェラード、ジェイミー・キャラガーといった地元のスターを育て
る一方、ヨーロッパ各国からサミ・ヒーピア、ディトマール・ハマン、ウラジ
ミール・スミチェルといった「これぞレッズ」な若手選手を獲得して一体感のあ
るチームを作ったのは、やはりウリエさんだからこそだったと思います。フット
ボールのコーチ、マネージャーとして優れているだけでなく、誰もが好きになっ
てしまう人柄、人間性がありました。あの、ジェントルで憎めない独特の風貌も
良かったですね。義理と人情と茶目っ気と優しさがにじみ出ていました。

もちろん僕は個人的な親交があったわけではないのですが、ちょうどこのNLW
を始めたころ、フットボールの話題も多く扱っていて、ウリエさんのコメントや
インタビューもたくさん翻訳しました。ウリエさんの話はユーモアや含蓄があっ
て、訳していてほんとうに楽しかったし、リヴァプールの街や人々が大好きなん
だということが、言葉の端々から感じられて、すっかりファンになってしまいま
した。2001年に試合中に心臓発作で倒れて入院したときは、僕もリヴァプール
じゅうの人々と一緒に心配しました。NLWでもたくさん記事を載せた覚えがあ
ります。
「私は帰化したスカウサーだ」と公言していたウリエさんですから、いつかまた、
何らかの形でリヴァプールに戻って来てくれるんじゃないかと期待していたので
すが…。

今73歳ということは、リヴァプールを率いていたころのウリエさんは50歳代
だったということになるわけで、「そんなに若かったの??」と、ちょっとびっ
くりです。貫録ありすぎでしょう。あれで50代だったら、20年経った昨今はほ
とんど仙人のようになっていたんじゃないかという気がします…というか、ほん
とうに仙人になって、ずっと生きていてほしかった…。
さようなら、ウリエさん。ありがとう。

● ● ●

「NLWアーカイヴ」第10弾として、NLW No.152(2004年6月1日発行)よ
り、「ウリエ語録」を掲載します。ウリエさんがリヴァプールFC監督を辞任する
ことになった際に、過去のNLWの記事から印象的な談話をピックアップ。トリ
ビュートとしてまとめたものです。

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「今週のフォト・アルバム」は、「リヴァプールの青空」シリーズ第5弾。昨年・
2019年に撮影した写真のパート2です。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo771.html 

                         ― Kaz(15/12/2020)


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▼リヴァプール・ニュース <2020年12月14日>
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*** 12月14日(月) *******************************

【イングランド・プレミアリーグ 2020/2021】

12月12日、ホームに好調チェルシーを迎えたエヴァトンは、1-0(前半:
1-0)で勝ち、3試合ぶりに3ポイントを獲得しました。前半22分、ドミニ
ク・カルヴァート=ルーインが得たペナルティ・キックをギルフィ・シグルドソ
ンが決め、それが決勝点となりました。チェルシーにとっては、勝てば暫定首位
となるチャンスでしたが、エヴァトンのゴールキーパー、ジョーダン・ピック
フォードのファインセーヴもあり、無得点に抑えられました。
エヴァトンのホーム、グッディソン・パークには、2月以来初めてサポーターが
入場。大一番での勝利を後押ししました。カルロ・アンチェロッティ監督は試合
後、こう話しています。
「ファンのみなさんが大きな違いを作り出してくれた。完全に異なったアトモス
フィアだったね」
「わずか2,000人のファンであっても、私は非常に幸せな気分になった。できる
だけ早くスタジアムが満員になることを願っている」

かつて指揮を執ったクラブであり、昨シーズンに大敗を喫したチェルシーを相手
の勝利については、こうコメントしています。
「我々には今日のようなパフォーマンスが必要だった。その結果、苦しい時期を
乗り越えての3ポイントになった」
「我々は少しばかり、自信やアティテュードを無くしかけていた。今夜の勝利は
スピリットによるものだ。プレイのクォリティがどうこうではない。ボールは持
てなかったが、本当によく守った」

この勝利により20ポイントとなったエヴァトンは、リーグ順位を上げて7位と
しています。次節は12月16日・3位レスターとのアウェイ・マッチとなります。

● ● ●

リヴァプールは、13日・日曜日にフルアムとアウェイで戦い、1-1(前半:
1-0)で引き分けました。
開始直後からフルアムの猛攻にさらされたレッズは、25分にボビー・デコルド
バ=リードの豪快弾で先制されるものの、ゴールキーパー・アリソンがビッグ
セーヴを連発、最少失点に抑えます。そして盛り返した後半、ジョルジニオ・ワ
イナルドゥムのフリーキックが相手ディフェンダーのハンドを誘ってペナルティ・
キックを獲得。それをモハメド・サラーが決めて(79分)ドローに持ち込みまし
た。

試合終了後、フルアムのスコット・パーカー監督はこう話しています。
「少し悔しいね。選手たちもおなじ気持ちだ。それだけいいところまで行けてい
たということ」
「相手は前半と後半、まるで違っていた。前半の我々は何から何までやろうとし
ていたことができていた。コミットメント、エナジー、デザイア、そしてパッ
ション。ほんとうのクォリティを見せられたし、それがリヴァプールを苦しめた」
「後半はうまく行かなかったね。まあ大方の予想通りだろうけど。でも全体とし
ては私はとても満足している」

リヴァプールのユルゲン・クロップ監督はこうコメントしました。
「最初の30分の我々はまるで良くなかった。あの時間帯で試合が終わっていて
もおかしくなかったね。でもそのあとはましになったし、後半は良かった。もっ
と点を取れていたかもしれない」
「まあ人間のやることだから、こういうことは起こり得る」
「チャンピオンズリーグのあと昨日のリーグマッチがあったチームはタフだった
と思う。クレイジーとしか言いようがない。(1日休みの多かった)うちにとっ
ては、ちょっとだけ週末気分だったよ」
「しかしそんなのは何の助けにもならない。たくさんのゲームを同じプレイヤー
で戦わなくてはならないことに変わりはないんだから。100%、何かの圧力があ
るのは疑いがない」
「とにかく前進だ。トテナムが次のチャレンジだ」

リヴァプールの次節は16日水曜日、ポイントで並ぶ首位トテナムをホームに迎
えます。


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▽NLWアーカイヴ:#10「ウリエ語録」
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過去のNLWからピックアップしてお届けするアーカイヴ・コーナーです。
第10回は、16年前の2004年6月1日発行のNLW No.152より。ジェラール・
ウリエさんがリヴァプールFC監督を辞任することになった際に、過去のNLW
の記事から印象的な談話をピックアップ。トリビュートとしてまとめたものです。
2020年12月14日に亡くなったウリエさん。どうぞ安らかに。


「ウリエ語録」(2004年)----------------

≪≪≪ NLW No.152 - June 01, 2004 ≫≫≫

これまでNLWに掲載したジェラール・ウリエ監督のコメントやインタヴューの
中から、印象的なものをいくつか紹介します。


「自分では、帰化したリヴァパドリアンのつもりなんだ。よく、まるでマージー
サイダーだねと言われるしね。実際その通りなんだ。すっかりこの土地になじん
でしまっているからね」
 ― NLW第35号(2002年1月8日発行)


「我々の仕事は、ファンをハッピーにすることなのです。試合に勝てば、スタジ
アムの4万5000人がハッピーです。でも負ければそれでは済まないのです。
彼らの家の猫だってがっかりするかもしれない。リヴァプールを応援してくれる
ファンは特別だと思います」
 ― NLW第40号(2002年2月12日発行)


「私はいつだって世界一のオプティミストなんだよ。だから、(優勝が絶望的に
なっても)あきらめるということができないんだ」
 ― NLW第52号(2002年5月7日発行)


「30年前、博士論文を書くために初めてこの街に来た私が受けた最初の質問は、
『フランスのどちらからおいでになりました?』ではなくて、『あんたはレッド? 
それともブルー?』でしたね(レッド:リヴァプール・ファン、ブルー:エヴァ
トン・ファン)。他のことはどうでもいいみたいでしたよ。私はこの街の人々が
大好きです。ユーモアのセンスがあって、信じられないくらい心が温かくて…本
当に特別だと思います」
「私が病気で倒れた際のリアクションはまったく予想外でした。信じられないく
らいたくさんのお見舞いを受け取ったんです。レッドの人からも、ブルーの人か
らも。私にとって一生大事にしたい、かけがえのない思い出です。そういった経
験は、私自身の価値観を大きく変えることになりました。私は、私の人生の一瞬
一瞬をエンジョイしようと決めたんです」
 ― NLW第61号(2002年7月9日発行)


「私のリヴァプールとのラヴ・アフェア-は、30年前に始まりました。街並み
は随分変わってしまっているかもしれませんがね、しかしまったく変わっていな
いものもありますよ。人々の温かさや、素晴らしいユーモアのセンスだとかね」 
 ― NLW第64号(2002年7月30日発行)


「リヴァプールのユニフォームを着ること以上に大切なものなんて、神様や家族
以外にはないさ」
 ― NLW第74号(2002年10月22日発行)


「いつも言っていることですが、選手たちや裏方さんたちには心から感謝してい
ます。この国のフットボールのために私が何かの役に立っているとするならば、
それは彼らの活躍のおかげですし、また、このリヴァプール・フットボール・ク
ラブにおいて、私と彼らとの関係が素晴らしくうまく行っているおかげなのです」
 ― NLW第105号(2003年6月24日発行)


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▼スカウスハウス・ニュース
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旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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「今週のフォト・アルバム」は、「リヴァプールの青空」シリーズ第5弾。昨年・
2019年に撮影した写真のパート2です。
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□■ 第771号 ■□

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