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April 20 2021, No.785
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <4月20日>
 ▽連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(23)
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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「おぼえがき:ビートルウィーク2019」の第23回を書きました。
ようやく日本代表バンドのぜんぶのギグが終了です。トータルで23本。僕が立ち
会ったのは19本かな、20本? ですが、この連載ではたぶん、ええとこれまでど
んなことを書いたのかほとんど忘れてるから断定はできないけど、そのすべての
ギグを詳しくレポートしている…はずです。

1バンドにつき7~8本ギグがあって、当然ながら演奏するナンバーは繰り返し
になることが多く、ステージの構成も似たようなもの…というか基本的にほぼ同
じ。ということはひとつひとつ並べて比べても見分けがつかないんじゃないかと
心配になったりもするのですが、そこはやはりさすがのビートルウィーク、ちゃ
あんと1本1本にドラマやストーリーがあるんですよね(今回の原稿もまさにそ
う!)。少なくとも僕は、ひとつひとつ見分けがつくし、書いていてぜんぜん飽
きることがなかったです。読む人にとってもそうだといいんだけど…。

● ● ●

このNLWが創刊したのは、2001年の4月です。創刊準備号が2001年4月18日発行、
創刊号(第1号)が2001年4月24日発行でした。ちょうど20年前ですね。

20年。
10年のときはなんにも思わなかったのですが(たしかNLWのこの欄にそう書いた
ような記憶があります)、20年となった今は、いろいろと思うことがあります。
いろいろと思うことって、前向きなことはあんまり多くなくて、「20年なにやっ
てきたんだろー」とか、「誰も読んでないんじゃない?」とか、「20年もやった
らもういいかなー」とか、そんなことばかり。それはたぶん(というか確実に)、
現在スカウスハウスの業務のほとんどがストップしていて先行きも見通せないこ
とが影響しています。つまりはスカウスハウス自体がまさに「20年なにやってき
たんだろー」になっちゃってるわけですよね。思わず笑ってしまいます……じゃ
なかった、途方に暮れてしまいます。

まさかこんな形で20周年を迎えることになるなんて。どーしたもんかなあ。

                         ― Kaz(20/04/2021)


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▼リヴァプール・ニュース <4月20日>
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*** 4月20日(火) *******************************

【イングランド・プレミアリーグ 2020/2021】

4月16日金曜日、ホームにトテナム・ホットスパーを迎えたエヴァトンは、2-
2(前半:1-1)で引き分けました。
ゴール・スコアラーは、ハリー・ケイン(スパーズ/27分、68分)、ギルフィ・
シグルドソン(エヴァトン/31分・PK、62分)です。

エヴァトンのカルロ・アンチェロッティ監督は試合後にこう話しました。
「勝てていたね…。今シーズンのホームではベストの部類に入るゲームだった」
「チームのパフォーマンスは多くの局面でとても良かった。守備でも、攻撃でも。
非常に力強かったと思う」
「最初の10分15分はあまりボールを持てなかった。だがハメス(・ロドリゲス)
がプレイにからみ出してから我々のプレイは非常に良くなった。たくさんのチャ
ンスを作り出した」
「(失点につながる)2つのミステイクを犯してしまったのがね。しかし終わっ
たことだ。後ろではなく前を向こう。そしてこのパフォーマンスを続けよう」

エヴァトンの次節は23日金曜日、アーセナルとのアウェイ・マッチとなります。

● ● ●

4月19日月曜日、リーズとアウェイで対戦したリヴァプールは、1-1(前半:
0-1)で引き分けました。
ゴール・スコアラーは、サディオ・マネ(リヴァプール/31分)、ディエゴ・
ジョレンテ(リーズ/87分)でした。

先制したリヴァプールは、勝っていれば来季チャンピオンズリーグ出場権内とな
る4位浮上のチャンスでしたが、終盤に同点とされたため、上積みは1ポイント、
順位は6位のままです。
リヴァプールのポゼッション(ボール保持率)はわずか38.8%にとどまりました。
これは2018年11月のアーセナル戦(38.2%、スコアは同じく1-1)以来の低い
数字だそうです。

試合終了後、リヴァプールのユルゲン・クロップ監督はこう話しました。
「(ドローはフェアな結果だと思うか)そうだね、あの終盤ではね。ファースト・
ハーフは非常に良かった。かなり良かった。リーズの試合を観たことがあればわ
かってもらえるだろうが、彼らと戦うのは一筋縄では行かない。我々は非常によ
く戦ったと思う。彼らはピッチを広く使い、いろんなエリアに展開する。ダイレ
クトプレイを使ったり、裏に走り込んだり、いろんな仕掛けを使ってくる。我々
はそれをうまくコントロールして、彼らを苦しめた。ワンダフルなゴールを決め
て、さらに追加点のチャンスもあった。セカンド・ハーフではカウンター・ア
タックで点が取れそうだった。それができなかったことでオープンなゲームに
なってしまった。それで我々は1歩ずつ1歩ずつ後退し、深いところで守ること
になった。まずい展開だったがどうしようもなかった。あまりも相手の圧力が強
力で下がらざるを得なかった。彼らは立て続けにチャンスを作った。特にセット
プレイでビッグチャンスがあったね。アリ(GKアリソン)は少なくとも2つ、素
晴らしいビッグセーヴで救ってくれた。しかし今夜の我々は大柄なチームではな
かった。あれだけ多くのセットピースを与えてしまうのは非常に危険ということ
はわかっていたんだが、結局ゴールを許すことになってしまった。イエス、1-
0で追加点が取れない時間をずっと耐えるのはただただフラストレーティングだ」

「(1点しか取れなかったことについて)正直に言って、仕方がないと思う。
ハードなファイトだったから。1-0で終わっていたら喜んでいただろう。それ
には運も必要ということだ。相手よりいいプレイをして負けることもあるし、相
手より良くなくても勝つことはある。そういうものだ。今日は厳しい結果になっ
たが、それももう終わったこと」

リヴァプールの次節は24日土曜日、ニューカッスルをホーム・アンフィールドに
迎えます。


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▽連載:「おぼえがき:ビートルウィーク2019」(23)
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「おぼえがき:ビートルウィーク2019」 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo785.html ≫

<8月26日(月)>

24時。キャヴァーン・ライヴ・ラウンジ。
ストロベリー・ツインズ&フレンズと一緒に楽屋へ入る。このあと24時30分から、
この日のこのステージのラスト・ギグ。つまりストロベリー・ツインズ&フレン
ズはトリを務める。同時に彼女たちにとってのビートルウィーク・ラストギグで
あり、日本代表バンドの締めくくりでもある。3バンドで合計23本。僕にとって
もこのギグが仕事納め…はちょっと言い過ぎかな、明日のロンドンもあるし。で
もまあとりあえずギグはこれで終わりだと思うと、やっぱりフィナーレな気分。

ステージではカナダのバンドAll McCartney Liveが演奏中。実はこのバンドのフ
ロントマンはあのブロードウェイミュージカル『RAIN』やロンドンのウエスト・
エンドでロングラン公演をした『LET IT BE』のポール役で、つまりは世界トッ
プクラスのマッカートニー・パフォーマーなのだった。が、もちろん我々には今
はそんなことはどうでもよくて、楽屋で「ここまでほんとにがんばったね」と健
闘を称えあい、「最後も最高の演奏をしよう」とあらためて気合いを入れた。つ
いでにみんなで記念撮影。さあラストのラスト、ハッピー・エンドにしよう!

チャーリーのMCで定刻スタート。幕開けは「Got To Get You Into My Life」。
そして「The Word」、「Wait」とマニアックかつパワフルな3連発。すっかり定
番、ストロベリー・ツインズ&フレンズらしいオープニングである。オーディエ
ンスの入りは残念ながら満員とは行かず、5~6割くらい。3連休の最終日で明
日から平日。地元の人々はもう残ってないしツワモノぞろいの「ビートルウィー
カー」たちも、さすがに今日は早めに切り上げたようだ。昨日までは連日オール
ナイトだったしね。というわけで、今ここに集まっているのは、まさにピンポイ
ントでストロベリー・ツインズ&フレンズを目当てにやって来たファンばかり、
である。おなじみの顔がずらりと並んでいて、みんな表情がやわらかい。名残り
を惜しんでいるような空気もある。おや、B.B.キャッツのメンバーも。

● ● ●

She Said She Said, Do You Want To Know A Secret...

思えばストロベリー・ツインズ&フレンズのファースト・ギグは、金曜日のライ
ヴ・ラウンジだった。あのときはステージの進行に遅れが出ていて、予定より2
曲カットしなければならず、悔しい思いをした。でも今回はだいじょうぶ。なに
しろラスト・アクトだから後ろを気にする必要はない。2回、3回、4回…とえ
んえんアンコールを続けたっていいのだ。カモ~ン!

● ● ●

In My Life, Something, Dear Prudence...

中盤のこの3曲、この並びはほとんど反則である。思い、気持ち、心がたっぷり
こもったアンサンブルが、観るものの琴線を震わせ、涙腺を緩ませている。情緒
的で抒情的。視覚がぼやけて、別の景色が広がってくるような不思議な感覚に
なった。

● ● ●

I Me Mine, I've Got A Feeling, One After 909...

本編の締めはこの3曲。いずれも『Let It Be』からのナンバーである。「これで
ラストです」と言って演奏した「ワン・アフター・909」が終わると、嵐のよう
な拍手、歓声。ステージに立ちつくすメンバー。いつものことだがこの一番肝心
なときにMCのチャーリーの姿はない……またかよ。
仕方がないので僕がステージに出て行って、マイクを握る。オーディエンスにサ
ンキューと言ったあと、横で感極まったような表情をしているクルさんに尋ねる。

「クルさん、ドゥ・ユー・ウォン・モー・ソングズ?」

普通ならオーディエンスに訊くことだけど、最後のステージだから、まずバンド
のリーダーのクルさんに訊いてみようと思ったのだ。クルさんに「イエス」と
言ってもらってからオーディエンスに……と、そのとき、
「ワン、トゥ、スリ、フォ!!」
ビーヴァーさんがカウントを取って、曲が始まってしまった。おいおーい!

アンコールは「Helter Skelter」。予定では先に「Oh! Darling」、時間があれば
「ヘルター・スケルター」となっていたんだけど、カウントを入れて強引にス
タートさせるために順番ひっくり返したんだろう。どうも僕は邪魔だったよう
だ…すごすごとうしろに引っ込む。

● ● ●

チャーリーが来た。
「カモーン、チャーリー」
「カズ、すまん」
「このあともう1曲演るぞ。いいよな」
「も、もちろんいいよ」

ヨーコさん&クルさん渾身のヴォーカルで「ヘルター・スケルター」が終わり、
またしても嵐のような拍手、歓声。人数は多くないが、最高のオーディエンスだ。
メンバーは楽器をおろし、感極まった表情で「サンキュー、サンキュー」と手を
振っている。「やり切った感」でいっぱい。大団円。ところがどっこい。さあ行
け、チャーリー!

つかつかと進みでたチャーリーがマイクを持って叫ぶ。
「ファイナル・アクトだからもうちょっとやってもだいじょうぶだぞ。(後ろを
向いて)ストロベリー・ツインズ&フレンズ、もう1曲演るか?」
すかさずステージのうしろから「ワンモー!」と叫ぶ僕。チャーリーがこっちを
向いてうなずく。「え?」という顔でクルさんもこっちを見た。

チャーリーが前を向いて、
「オッケー、みんな、盛り上げてやってくれ。ストロベリー・ツインズ&フレン
ズ、ワンモーソーーング!」
と叫んだ。わあっと沸くオーディエンス。クルさんは僕に向かって「マジ?」。
泣き笑いな表情が可愛らしい。

チャーリーはさっさと引っ込んで、あとに残されたメンバーはオロオロと立ちつ
くす。みんな、あれで終わったと思っていたのだ。にゃはは、甘いあまいアマイ。
1曲でも多く、1分でも長く演奏してもらうために僕がいるのだ。

少しの相談があって、ラスト・ナンバーは「Ob-La-Di, Ob-La-Da」に決まった。
たしかに、「オー! ダーリン」を歌うだけのパワーはもう残っていない。気合
いも使い切ってしまっている。しかし、「シング、トゥゲザー!」とオーディエ
ンスに協力を呼び掛けてスタートした「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」(アン
ソロジー・ヴァージョン)は、肩の力の抜けたいい感じの演奏になった。実に
カーテンコールらしい、ほんわかしたアトモスフィアが会場を包む。こういう終
わり方も悪くないな、と思った。

全部が終わり、ステージの上で記念撮影。クルさん、ユミさん、ヨーコさん、エ
リさん、ユージさん、ビーヴァーさん、みんながみんな、それはもう晴れ晴れ、
キラキラな素晴らしい笑顔だった。あ、でも、ちょっと疲労の色もある…かな?

● ● ●

そのあとはキャヴァーン・フロントのラスト・アクトRocks Offを最後まで観て、
ホテルの自分の部屋に帰ったのは午前2時。今日も長いながい1日だった。

(つづく)

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