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June 22 2021, No.791
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼NLWアーカイヴ:#19「サー・ポールとスポーツ」(2008年)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.791です。
ご存知かと思いますが、イングランドで予定されていたロックダウン全面解除が
4週間後に延期されました。6月21日から7月19日に変更です。ただし、2週
間経った時点で再検討して、前倒し解除の可能性もあるとのこと(ということは
後ろ倒しも?)。

インド原産(と言われる)のデルタ株という変異株が原因だそうで、このところ
感染者が増加、それが延期の理由ということなのですが、統計を見てみると、確
かに感染者(検査での陽性判定者)は5月末から増えていて、1週間平均で1日
2,000人程度だったのが9,000人超となっています。延期を発表した14日の時点
では約7,400人なので、増加はまだまだ現在進行形、新しい波がやって来ている、
と言える、かもしれません。

でもですね、入院患者や死者はぜんぜん増えていないんですよ。死者数の7日間
平均値は4月30日に1日あたり20人を割り込み、それ以後はふたたび20人を
超えることはありません。5月下旬以降はひと桁の日も多くなり、最新の7日平
均値は11人となっています。繰り返しますが、1日当たりの死者が11人です。
1月13日から2月4日まではその100倍以上でした。つまり1,000人越え。

ということは、ですね、感染者は増えているけども重症化も死亡率も上がらない
わけですから、デルタ株って体にやさしい株なんじゃないでしょうか。しかし英
国政府はそうは考えてなくて、延長した4週間を使ってワクチンをあまねく普及
させる、という方針だそうです(現在3,000万人が2回接種完了。1回完了が
4,100万人。イギリスの総人口はおよそ6.700万人)。

昨年の3月から厳しい規制に耐えて来たパブやナイトクラブやエンタテイメント
業界は、6月21日のロックダウン解除を心待ちにし、復活の日に向けて着々と
準備を進めて来ました。それだけに落胆は大きく、経済的打撃はさらに大きく、
「壊滅的だ」「これ以上は持たない」という悲鳴が上がっています(その気持ち、
ホントよくわかります…)。

8月にリヴァプールで予定されている「インターナショナル・ビートルウィーク」
も、規模の縮小やスケジュールの見直しを行うことになりました。海外からのバ
ンドやツーリストはほぼ期待できなくなったので、ドメスティック路線で開催す
るほかないでしょう。
実は日本からも4バンドが(2020年の代表バンドがそのままスライドで)エン
トリーしていて、状況が好転すればゴーサインを、とずっとずっとずっと様子を
うかがっていたのですが、好転どころか七転八倒の暗夜行路ですね。いや、袋小
路、デッドエンド? というわけで、正式に断念です。しょんぼり。

変異株はこれからもどんどん出現します。ただ、ウィルスの方は人間と共存をし
たいと思ってくれるので、弱毒へ弱毒へと変異する。ウィルス学的にはこれが常
識ですよね(「新型コロナの場合はこれ以上弱毒化しようがないくらい弱毒」とい
う説もありますけど)。
ワクチンで防御するとか治療薬を作るとかで人間がウィルス排除に取り組めば、
ウィルスとしては生き残りをかけて強毒化に方針転換するほかなく、結果として
エンドレスなイタチごっこになってしまう。これもウィルス学的には自然な流れ
かと思います。ま、イタチごっこ程度で済めばいいんですけどね。

加えて、前号にも書きましたが、今回の新型ワクチンはそれ自体の安全性が疑わ
れています(「毒でしかない」「生物兵器」「人体実験」と断定する科学者もいま
す)。
「コロナ禍」が終わらないうちに、もっと恐ろしい「ワクチン禍」がやって来る
んじゃないか。個人的にはそれが心配です。
現在メディアや行政からは、「ワクチン非接種の人を差別しないようにしましょう
ね」というアナウンスがさかんに聞こえて来ますが、そのうちこれが逆になるん
じゃないかという気がします。差別する側とされる側が…。そうなったら怖いけ
ど、そうならなくても怖い…どうせえっちゅうねん! (←勝手に逆ギレ)

● ● ●

先週の金曜日はサー・ポール・マッカートニーの誕生日でした。
「NLWアーカイヴ」では、2008年のこの時期にリリースされたインタヴューを
紹介します。にゃんと珍しいことに、スポーツメディアによるスポーツに関する
インタヴュー。面白いですよ。
そして「今週のフォト・アルバム」では、2008年6月1日にアンフィールドで開
催されたポール・マッカートニーのコンサート『Liverpool Sound』の写真を紹介
します。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo791.html

                         ― Kaz(22/06/2021)


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▼NLWアーカイヴ:#19「サー・ポールとスポーツ」(2008年)
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過去のNLWからピックアップしてお届けするアーカイヴ・コーナーです。
第19回は、2008年6月のサー・ポール・マッカートニーのインタヴューです。
リヴァプールが「ヨーロッパ文化首都」となった年で、ポールさんはリヴァプー
ルFCの本拠地アンフィールドで6月1日にライヴ・コンサートを行いました。
そしてこの年はオリンピック・イヤー。8月8日開幕の北京オリンピック/パラ
リンピックを前に、英紙ガーディアンが発行するスポーツ誌「オブザーバー・ス
ポート・マンスリー」がポールにインタヴューしたのです。媒体が媒体だけにス
ポーツに関する質問が多くて、ポールの回答もなかなか面白いです。NLWでは
2008年7月8日発行のNLW No.349に抜粋&翻訳版を掲載しました。

「サー・ポールとスポーツ」(2008年)------------------------

≪≪≪ NLW No.349 - July 8, 2008 ≫≫≫

*** リヴァプール・ニュース 7月8日(火) *************************

【サー・ポールとスポーツ】
ブリティッシュ・パラリンピック・チーム支援キャンペーンに協力することに
なったサー・ポール・マッカートニーが、《Observer Sport Monthly》のインタ
ヴューに答えています。
これまであまり語られてこなかったスポーツとの関わりについて、興味深いコメ
ントが多く見られました。リヴァプールに関する部分を抜粋して紹介します。

Q:世界的に見てもスポーツのさかんな街で生まれ育ったわけですが、スポーツ
には元々熱心でしたか?

―― そういうわけでもないんだ。スポーツはぜんぜん駄目で見込みがなかった
から。道端でよくフットボールをやって遊んだもんだよ。でも時が経つにつれて
分かって来るんだよね。ああ僕には才能はないんだって。他の子はもっとでっか
くなるしうまくなるし。で、だんだんやらなくなっちゃった。ビートルズはみん
なそうだったよ。誰もスポーツ好きって感じじゃなかった。僕はテリー(テレビ)
でフッティー(フットボール)を観るのは好きだよ。実際に観に行くこともある。
でもすっごいファンってわけじゃないんだ。

Q:あなたがリヴァプールFCのファンかエヴァトンのファンかというのは、長
い間議論の的になっていましたね。

―― スポーツやサポーターのルールには反することなんだろうけど、リヴァ
プールとエヴァトン両方のファンなんだ。詳しく言うとだね、ウチの親父がエ
ヴァトン地区の生まれだったから、家族全員がエヴァトニアンなんだよ。正式に
はね。だからダービーマッチや、FAカップの決勝で両チームが対戦するとかの
場合は、やっぱりエヴァトンを応援することになるね。

ケニー・ダルグリッシュ(リヴァプールの名選手&監督)について、いい思い出
があるんだ。ウィングスのウェンブリー・アリーナでのコンサートの時だ。僕は
いつもプロモーターに『もしチケットが売れ残ってたら、外に出てその辺に歩い
てる人にあげてくれ。君の親戚を呼んでも構わない。とにかく満杯にするんだ』
って言ってたんだけど、その日幕が開いて見てみると、最前列、2列目、さらに
3列目もごっそり席が空いてるんだ。もう大ショックでさ、『プロモーターの野
郎、殺すぞこんにゃろ』って思いながら歌ってた。

でも、2曲終わったところで集団が入って来て、迷惑にならないよう身を低くし
て席についた。3列全部埋まったよ。それが、ケニーに率いられたリヴァプール・
チームだったんだ。みんなお揃いのグレーのスーツに白のシャツ、赤いネクタイ
でね。カッコよかった。

その時にケニーに親しみを感じて、こう心の中で言ったんだ。『よしわかった、こ
れからは両方のチームを応援するぞ』ってね。だってどっちもリヴァプールの
チームなんだし、カソリックだからとかプロテスタントだからってのは僕には重
要なことではないしね。だからまあ、法王さまにはお許しいただくことにして、
偉大なる両チームをサポートすることに決めたんだ。でもさっき言ったように、
究極の状況では僕はエヴァトニアンってことになるけどね。

Q:ビートルズの全員が特にフットボールに熱心ではなかったというのは面白い
ですね。リヴァプール出身の男としてはちょっと珍しいのでは?

―― そうだね。熱狂的なファンでも不思議じゃないよね普通は。でも僕らみんな、
そんなんじゃぜんぜんなかった。だって学校でじゃあ運動が駄目だった奴らばっ
かりだもんね。クリケットではずっと外野をやらされてたな。ボールが飛んで来
ないところでのんびり座ってられたから、それで僕はハッピーだったんだ。楽し
くはなかったけど。バンドをやりだしてからはもう年がら年中ずっとツアーでそ
んな暇なかったし。だからみんなスポーツ音痴だったけど、でもそれを自慢に
思ってたもんさ。

Q:Sgtペパーズのアルバム・カヴァーでは、ビートルズを囲む人々の中に元リ
ヴァプールのセンター・フォワード、アルバート・スタッビンスが選ばれていま
すね。

―― 架空のグループ<Sgtペパーズ>に扮して、自分たちのヒーローを後ろに並
べるというアイデアだったけど、でも半分だけだよ、真面目に考えたのは。だっ
てビートルズなんだぜ。

アルバート・スタッビンスを持って来たのはジョンだったと思うよ。たしかディ
キシー・ディーン(エヴァトンの伝説的プレイヤー)も候補になってたな。でも
僕ら、名前だけ昔に聞いたことがあった程度で、どっちもあんまり知らなかった
んだ。名前が面白いから選んだんだな。『アルバート・スタッビンス、ええやん!』
みたいに。それ以上の意味はなかったと思うよ。

Q:先日の<Liverpool Sound>コンサートでは、アンフィールドの満員のオーディ
エンスに向かって、「リヴァプールに戻って来るといつも、いろんな思い出が押
し寄せてくるんだ」と言ってましたね。

―― うん、スピーク空港…今じゃジョン・レノン空港だね。そこに着いた瞬間
から、昔の思い出がどっと押し寄せて来たよ。スピークに住んでた頃には自転車
に乗って空港によく行ってたな。あの頃はずいぶん遠いと思ってたけど、今じゃ
たった20ヤードくらいの感じだね。飛行機を見るお決まりのスポットもあった
んだよ。

そこから恒例のツアーのスタートさ。子供の頃の家を見ながらドライヴするんだ。
普通はルート的にイージーな2つの家を通ることになる。今回もそうだったけど、
子供たちと一緒だったから最高だった。まずウエスタン・アヴェニュー72番地で
車を降りて、みんなで写真を撮ったんだ。そしたら住んでる人が外に出て来てね。
『あらポールね、元気?』だって。なんか面白いよね。

その後はアラートンの家に向かった。ウエスタン・アヴェニューの家の次の次に
住んだ家だよ。ここでも写真をと思ったんだけど、ちょうど団体ツアーが来てた
から、通り過ぎることにしたんだ。降りてたらちょっとした騒ぎになってたかも
ね。で、僕が『ああ思い出すなあ。ジョンと一緒に、黒の服とぴっちりしたズボ
ンでね、ギターを背中にぶら下げてここを歩いたもんだ』なんて説明したりして
ね。時間以外には何も変わっていない同じ場所に立つと、いろんなことを思い出
すもんさ。

その後で僕らはアンフィールドに着いた。足を踏み入れた時にはこんな感じだっ
たよ。
『ワオ、ここだよな。うわあ、聖地に来ちゃったよ』 

 Paul McCartney: ‘I’m a sport wimp and proud of it'
  by Tim Lewis, The Observer - Olympics 2008, 29 Jun 2008
 
https://www.theguardian.com/sport/2008/jun/29/olympicgames2008.olympicgames
 

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国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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「今週のフォト・アルバム」では、2008年6月1日にアンフィールドで開催さ
れたポール・マッカートニーのコンサート『Liverpool Sound』の写真を紹介しま
す。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo791.html 


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