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September 14 2021, No.797
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <9月14日>
 ▽エコーのエコー:「フェリーにジェリー」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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「エコーのエコー」で取り上げたのですが、ピア・ヘッドのフェリー・ターミナ
ルにジェリー・マースデンの名前が冠されることになりそうです。

マージー・フェリーといえば「フェリー・クロス・ザ・マージー」、「フェリー・
クロス・ザ・マージー」といえばジェリー・マースデン。ジェリーが作詞作曲し
たこの「リヴァプールのご当地ソング」は、ジョージ・マーティンのプロデュー
スによりジェリー&ザ・ペースメイカーズがレコーディング(邦題:マージー河
のフェリーボート)。1964年から1965年に世界中で大ヒットを記録(全英8位、
全米6位)し、ジェリー&ザ・ペースメイカーズを主演とした同名映画(および
サウンドトラック・アルバム)も制作されました。

この名曲のおかげで(ほんっとに名曲だと思います。曲もアレンジも歌も演奏も
スバラシすぎ!)すっかりリヴァプール名物となったマージー・フェリーは、今
でももちろん運行されていて、平日朝夕の通勤通学時間帯はリヴァプールと対岸
ウィラルの単純往復便(片道約10分)が、昼間はガイドつきでゆったりと巡航
する「フェリー・クルーズ」(50分)がスケジュールされています。マージー河
の上から眺める雄大な景色は、季節や時間や天候を選ばず感動的。フェリー本体
は、昔ながらのクラシックなものと、ポップ・アートの巨匠サー・ピーター・ブ
レイクがデザインした「いかにもピーター・ブレイクなの」と、2種類のデザイ
ンがあります(ピーター・ブレイクはザ・ビートルズの『サージェント・ペパー
ズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のカヴァー・デザインを手掛けたとい
うだけでなく「リヴァプールは第二の故郷」と公言するほどのリヴァプール好
き)。どっちにあたるかは乗るときにならないとわかりませんが、どっちもいい
感じですよ。

通常、観光で訪れた人はもちろんクルーズのほうを選ぶわけですが、時間に制約
がある場合、例えばスカウスハウスでやっている「スカウスハウス・ツアー」な
んかだと、のんびり1時間もフェリーに揺られている余裕がなくて、いつも単純
往復便でサクッと済ませてしまいます。対岸まで行って、そのまま降りずに戻っ
て来て、合計20分。とってもスムーズ。景色もばっちり堪能できます。ですが
ひとつだけ難があって(ツアーのお客さんにはいつも内緒にしているんだけど)、
それは「フェリー・クロス・ザ・マージー」が聴けないこと。クルーズではいち
ばんおしまいにこの曲が流されます。昔ながらのスピーカーからジェリーのあの
特徴ある声が聴こえてくる、あの瞬間。眼前にはどーんとリヴァプールのシンボ
ル、ライヴァー・ビルディング。フェリーの接岸作業を眺めながら「ああリヴァ
プールだなあ」「ああいい曲だなあ」と心をしみじみさせる至福のひとときなん
ですよね。「これこれ、これがマージー・フェリーなんだよなあ」といつも感動
しちゃうわけですが、単純往復便ではこれがないのです。なにしろ地元の人々の
通勤通学用なので、なんの情緒もありません。岸付けも乗り降りもただ淡々と、
スピーディーに進められます。「ちょっと寂しいなあ」とか「物足りないなあ」
とか思って自分の頭の中で「フェリー・クロス・ザ・マージー」を再生させてセ
ルフで演出するのもいいけれど、ご注意を。船はすぐに出発してしまうので、ぐ
ずぐずしているともう1往復する羽目になってしまいますよ(経験あり)。

● ● ●

「今週のフォト・アルバム」では、マージー・フェリー(やフェリー・ターミ
ナル)の写真を紹介します。2015年から2019年に撮影したものです。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo797.html 

                         ― Kaz(14/09/2021)


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▼リヴァプール・ニュース <9月14日>
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*** 9月14日(火) *******************************

【イングランド・プレミアリーグ 2021/2022 第4節】

8月12日・日曜日にリーズとアウェイで対戦したリヴァプールは、0-3(前
半:0-1)で勝ちました。
リヴァプールのゴール・スコアラーは、モハメド・サラー(20分)、ファビー
ニョ(50分)、サディオ・マネ(90+2分)です。
この試合では結果以上に、58分に起きたアクシデントが大きな影を落とすこと
になりました。ドリブルで右サイドを駆け上がっていたリヴァプールのハーヴェ
イ・エリオットが、リーズのパスカル・ストライクに受けたチャージにより足首
を脱臼して病院へと搬送されました。ストライクにはレッド・カードが提示され、
退場処分が下されました。
18歳のエリオットは今季リヴァプールの期待のプレイヤーで、開幕戦に途中出
場すると次節から3戦連続先発で起用されていました。

リヴァプールのユルゲン・クロップ監督は試合後にこう話しています。
「見ていたよ。彼の足があり得ない方向に向いていた。誰だってショックを受け
る」
「想像できないくらいの痛みだろう。彼にとっても我々にとっても大きなショッ
クだ。今はそれしか言えない」
「あのあとはゲームに集中できなかった。ハーヴェイのことがずっとひっかかっ
ていた」
「今後は彼抜きで戦うことになるが、同時に復帰を待ち続けることになるだろう。
彼はトップ・プレイヤーだから」

自身も昨シーズンのゲーム中に大けがを負ったフィルジル・ファン・ダイクはこ
うコメントしました。
「あのことが起きた瞬間、モハメド・サラーがピッチサイドにシャウトした。そ
してハーヴェイのリアクション。誰もが只事でないと感じた」
「私たちに出来るのは、成り行きを見守り、彼の快復を祈ることだ。自分にも経
験があるが、チームのすべてのスタッフ、プレイヤー、そしてファンが君のうし
ろについて、君を支える。100%保証できる。私たちのクラブ、リヴァプールは、
何があろうと君とともにいる」

リーズのマルセロ・ビエルサ監督は試合後、「心から悲しく思う」と話していま
す。
「ああいうことは起きてほしくなかった。ああいうことは誰にでも、突発的に起
こりうる。その選手が若くてハイレヴェルであればなおさらね。うちの選手が意
図的にやったことでは断じてない。何があろうと彼は相手選手に怪我をさせたい
と思うような選手ではない」

エリオット本人は翌日、ストライクは自分に謝る必要はないとインスタグラムで
表明しています。
「彼の過ちなんかではぜんぜんないよ! 恐ろしいアクシデントになってレッド
カードも出されたけど、こいういうことはフットボールでは起こりうる。僕は
100%強くなって戻って来るよ。みなさんのサポートに感謝します」
「昨日はさすがにものすごいショックだったけど。でもフットボール・ワールド
のみなさんからほんとにたくさんの愛と励ましをいただくことになって、ただた
だ感激でした」
「僕や僕の家族にメッセージを送ってくださったみなさんひとりひとりに感謝で
す。ほんとうに励まされます。それから怪我のあと素早く対応して下さったエラ
ンド・ロード(リーズのホーム・スタジアム)のみなさんにも心から感謝します」
「今はもう気持ちはリカヴァリーにフォーカスしていて、1日でも早く戻れるよ
うにリハビリがんばります」

● ● ●

9月13日月曜日、バーンリーをホームに迎えたエヴァトンは、53分に先制を許
したもののその後に怒涛の反撃、16分間で3点を奪って逆転勝ちを収めました。
最終スコアは3-1(前半:0-0)です。
エヴァトンのゴール・スコアラーは、マイケル・キーン(60分)アンドロス・
タウンゼント(65分)、デマライ・グレイ(66分)です。

豪快なミドルシュートの逆転弾を放った今季新加入のタウンゼントは、試合後に
こう話しています。
「ファースト・ハーフでは接近戦に持ち込めず、リシャルリソンを孤立させるこ
とになってしまった。でも(セカンド・ハーフでは)それを修正できた」
「(負傷離脱中の)ドミニク・カルバート=ルーインは最高の切り札だから、彼
がいないのは大きな痛手だ。でもうちのチームのドレッシング・ルームには代わ
りになるプレイヤーが何人もいる」
「エヴァトンは昨シーズンも素晴らしいスタートを切ったよね。でも転げ落ちた。
今シーズンも毎試合毎試合いろんな逆境に見舞われてるけども、何とか突破口を
見つけ出して来られている。これを自信にして残りのシーズンに向かって行きた
い」

エヴァトンのラファエル・ベニテス監督の談話です。
「アンドロス(・タウンゼント)がうちにとって重要なプレイヤーになってくれ
る確信はあった。数ヶ月ほどだが、ニューカッスル時代に彼と過ごしているから
ね。彼のクォリティは特別だ。今晩みなさんが見たとおりだよ」
「同時に彼はプロフェッショナルであり、学ぶことに常に貪欲だ。今のうちは上
を目指すプレイヤーばかりの集団で、非常にうまく行っているように思う。彼も
そのうちの一人であり、これからも素晴らしい仕事をしてくれるだろう。それは
疑いない」


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▽エコーのエコー:「フェリーにジェリー」
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9月8日付「リヴァプール・エコー」に、「フェリー・クロス・ザ・マージー」
を歌ったジェリー・マースデンを記念してフェリー・ターミナルの名前に、とい
う記事が掲載されました。翻訳して紹介します。

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「マージービートのレジェンド、ジェリー・マースデンの名前がフェリー・ター
ミナルに ―― リヴァプールの人々に愛されたシンガーにふさわしいトリ
ビュート計画が始動」

 リアム・ソープ
 2021年9月8日・リヴァプール・エコー

ピア・ヘッド・フェリー・ターミナルを、マージービートのレジェンド、ジェ
リー・マースデンの名前を加えたものに改称するプランが、リヴァプール・シ
ティ・リージョン(リヴァプール、ノーズリー、ハイトン、セント・ヘレンズ、
セフトン、ウィラルで構成する合同行政機構)のメイヤー、スティーヴ・ロザ
ラムによって発表されました。

この計画によると、世界的に有名なこのターミナルの新しい名称は、今年1月に
78歳で亡くなった伝説的シンガーの功績を称えて「The Liverpool Gerry
Marsden Ferry Terminal」となる予定です。

ジェリーがフロントマンを務めたバンド、ジェリー・アンド・ザ・ペースメイ
カーズは1964年に「フェリー・クロス・ザ・マージー」をリリース。大ヒット
を記録し、後に映画も制作されました。ジェリーの名前は、これまでも、これか
らも、マージー・フェリーとともに人々の記憶に残ることでしょう。

世界的に有名なこの歌は、観光アトラクションである「マージー・フェリー・リ
ヴァー・エクスプローラー・クルーズ」において今も毎日流されています。50
年以上も続くジェリーとフェリーの結びつきはもはや歴史となっているのです。

ジェリーのレガシーはアンフィールドにも生きています。リヴァプールFCの
ファンはペースメイカーズの「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」をア
ンセムとして歌い続けています。

ジェリーはまた、1985年に名誉ある「フリーダム・オブ・ザ・フェリーズ」を
贈られています。

メイヤー・ロザラムはこう話しています。
「ジェリーはアイコニックな人物でした。彼の音楽によって私たちの地域は世界
的な知名度を獲得することができたのです。彼はリヴァプール・シティ・リー
ジョンにおける輝かしいチャンピオンであり、私たちは彼が残してくれたレガ
シーに永遠に感謝しなければなりません。彼の歌声によって、マージー・フェ
リーは多くの人々の心の中で不滅のものになったのです」
「メトロ・メイヤーとして、そしてこのリージョンに住む160万人の代表として
私は、ジェリーを追悼し、彼の貢献を記念するものを残したいと思っています。
個人的には、「ジェリー・マースデン・フェリー・ターミナル」以上にふさわし
いセレブレーションは思い浮かびません。彼の名前が、彼の音楽がそうであるよ
うに、これから何世代にわたって生き続けることになるのですから」

ジェリーのファミリーのスポークスマンはこう話しています。
「ジェリーはアメイジングな夫であり、父親であり、おじいちゃんでした。彼が
いなくなって、ファミリーは喪失感でいっぱいです」
「普通の人の何倍もの人生だったと思います。あんなに多くの琴線をふるわせた
んですから」
「ジェリーにとってマージー・フェリーは、いつも心の大切な一部でした。アソ
シエイトな間柄であることを誇りに思っていましたよ」
「地域のレガシーとして残すというこのプランは、彼とフェリーの間柄を祝い、
記念するのにうってつけだと思います。メトロ・メイヤーのスティーヴ・ロザ
ラムさん、そしてリヴァプール・シティ・リージョン・コンバインド・オーソリ
ティーからのこのエキサイティングなお申し出に、私たちは敬意を表し、喜んで
協力させていただきます」

コンバインド・オーソリティーは、これからジェリーのファミリーとの協議を進
めて行くとともに、市民からの意見も歓迎するとしています。


Pier Head Ferry Terminal to be named after Merseybeat legend Gerry
Marsden - Plan for fitting tribute to beloved Liverpool singer who died
earlier this year

 By Liam Thorp, 8 Sep 2021, Liverpool Echo

https://www.liverpoolecho.co.uk/news/liverpool-news/pier-head-ferry-terminal-named-21512061
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▼スカウスハウス・ニュース
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国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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「今週のフォト・アルバム」では、マージー・フェリー(やフェリー・ターミ
ナル)の写真を紹介します。2015年から2019年に撮影したものです。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo797.html 


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       *** 隔週火曜日発行 ***


□■ 第797号 ■□

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