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January 11 2022, No.805
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼NLWアーカイヴ:#23「キャヴァーン・クラブ50周年」(2007)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
------------------------------------------------------------------ NLW □

2022年になりました。
みなさんお元気でしょうか。
僕のほうは、いたって静かなというか、呑んで食べて寝て走って以外は何をし
たのかわからない、平和といえば平和、地味といえば地味な年末年始でした。
おみくろんって、なに?

さて、「新年最初のNLWに何を書こうかな」と今年初めてPCに電源を入れて、
書き始める前に「以前に何か面白いこと書いてないかな」とバックナンバー
をちょろっとチェックしてみたら……ありましたありました、面白い記事が! 
2007年1月のNLWで、同年1月16日に50周年を迎えたキャヴァーン・クラブ
の話題を、2回にわたって「ニュース」と「フロム・エディター」で伝えてい
ます。

ご存知のようにキャヴァーンはビートルズがデビュー前にレギュラー出演して
いたクラブで、「すべてが始まった場所」「世界一有名なクラブ」と言われる
「伝説のライヴハウス」です。残念ながらオリジナルのキャヴァーンの建物は
1973年に取り壊されてしまいましたが、1984年にレプリカのキャヴァーンが
再建され、現在ではリヴァプールの、というよりは英国有数の観光スポットと
なっています。不思議なことにオリジナル・キャヴァーンの場所は長らく謎と
されていたのですが、50周年記念セレモニーに合わせる形で、元々のエント
ランスの場所が特定&公開されたのでした。今年は2022年ですから、ちょう
ど15年前のことです(ということは今年は65周年!)。

というわけで、当時のNLWの記事を、「アーカイヴ」として再掲載しますね。
実は僕は1997年から個人的にオリジナル・キャヴァーンの場所をリサーチし
ていたのですが、2005年(50周年の前々年)、ついに「ここにゃ!」と特定し
ていたのでした(どにゃ~)。そのことにも当時の「フロム・エディター」で
触れています。あわせてご覧ください。

この「オリジナル・キャヴァーンのエントランスがあった場所」には、現在、
シラ・ブラックの銅像が置かれています。キャヴァーン60周年の2017年にお
披露目されました。シラのこともNLWで何度か書いたようなおぼえがあるので
すが、また機会があれば掘り起こしてみたいにゃあと、いま思いました。

65歳のバースデイおめでとう、キャヴァーン!

● ● ●

「今週のフォト・アルバム」では、オリジナルのキャヴァーン・クラブのエ
ントランスがあった場所の写真を紹介。「ここにありました」というディスプ
レイが設置された2007年より古いのものもあります。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo805.html 

                         -- Kaz(11/01/2022)

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▼NLWアーカイヴ:#23「キャヴァーン・クラブ50周年」(2007)
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過去のNLWからピックアップしてお届けするアーカイヴ・コーナーです。
第23回は、今からちょうど15年前、キャヴァーン・クラブが開業50周年を
迎えた2007年のNLW No.281(2007年1月16日発行)とNLW No.282(2007年
1月23日発行)より、それぞれの「フロム・エディター」と「ニュース」欄
に掲載した記事を再録します。


「キャヴァーン・クラブ50周年」(2007)-----------------------

≪≪≪ NLW No.281 - January 16, 2007 ≫≫≫

*** フロム・エディター *********************

今週の「ニュース」に、“世界で最も有名なクラブ”キャヴァーン・クラブ
の50周年の話題があります。
その記事でも伝えていますが、1973年に取り壊されたオリジナルの
キャヴァーン・クラブの場所がついに明らかになり、16日(つまり今日
ですね)に発表されるのだそうです。

現在のキャヴァーンがオープンしたのは、1984年です。
オリジナルのキャヴァーンとほぼ同じ場所に再建されたわけですが、
オリジナルのキャヴァーンの正確な場所については、長らく謎のまま
でした。
一般的には、「キャヴァーンの跡地は青空駐車場になった」とされ、多
くのガイドブックなどでは、現在のキャヴァーンの向かって右隣にある
青空駐車場の写真が掲載されています。
でもこれは明らかな間違いです。当時の写真を見ると一目瞭然です
が、もっとマシュー・ストリートの真ん中寄りにあったはずです。それに
あんなに端っこでは、10番地という住所にはならないでしょう。
そして昨年、この駐車場には大きなビルが建てられました。

ではなぜ、この間違った定説ができあがったのか?
答えは簡単です。
オリジナルのキャヴァーンが取り壊された後(正確に言うなら、建物は
取り壊されましたが、キャヴァーンは地下にあったので、取り壊された
わけではなく、ただ埋められただけでした)、その跡地は青空駐車場に
なりました。
そうです、「キャヴァーンの跡地は青空駐車場になった」のです。
地下にキャヴァーンを再現した「キャヴァーン・ウォークス」が出来る
1984年までは、この定説は事実だったのです。
しかし青空駐車場がなくなったにもかかわらず定説は生き続けました。
ややこしいことに、隣にも青空駐車場があったからです。
ビートルズ巡礼にリヴァプールを訪れて、この右隣の青空駐車場で記
念写真を撮って帰ったビートルズ・ファンはそれこそ何十万人もいるは
ずですが…。

というわけで、新しいキャヴァーンの(入り口ではなく)ステージは、オリ
ジナルのキャヴァーンとほとんど同じ場所にあります。
ただし、オリジナルよりもずっと地下に深いところにあります。
埋め立てられただけだったので、再建時にはオリジナルのレンガを掘
り起こし、それを新キャヴァーンの内装に使っています。

さて、ここで最初の疑問に戻ります。
「オリジナルのキャヴァーン・クラブの場所はどこだったのか?」
もっと詳しく言うと、
「地下のステージに続く18段の階段のエントランスは、マシュー・スト
リートのどの場所にあったのか?」
ということです。

実は僕は6~7年前から、この謎を解明しようと取り組んで来ました。
いや、取り組んで来たといってもそんなに大したことをしているわけで
はなくて、毎年リヴァプールに行く度に、昔の写真を片手にマシュー・ス
トリートをうろうろするだけなんですけどね。
しかしこれが結構難しいんです。
だって、建物自体がなくなっているうえに、石畳だった道路も全部舗装
されていて、まったく面影がないんですから。場所を特定しようにも、手
がかりがないのです。

地元の人に尋ねても、「隣の青空駐車場ではない」ということは口を揃
えて教えてくれますが、いざ正確な場所となると誰も確信が持てないよ
うでした。
ブライアン・エプスタインさんのアシスタントだったアリステア・テイラーさ
んにも訊いてみましたが、「う~ん、グレープスのほぼ真向かいだった
と思うんだがね。何しろ昔のことだからなあ…」という答えでした。まあ、
無理もないですよね。

「手がかりはないわけではない」と気がついたのは、2005年でした。
マシュー・ストリートのキャヴァーンがある方の建物は軒並み取り壊さ
れているものの、道の反対側の建物はほとんど当時のまま残っている
ことに気がついたのです。
ということは、キャヴァーンの中から外を撮った写真があれば、そこに
写ったものを手がかりに、キャヴァーンの場所を特定することができる
はずです。

…と思っていたら何というタイミングか、その夏に発行された「リヴァ
プール・エコー」のビートル・ウィーク特別号で、キャヴァーンの中から
撮ったと思われる写真が掲載されていたのです。

写真には、向かいにある建物の壁が写っていました。
早速、そのエコー特別号を片手に、マシュー・ストリートへ行ってみまし
た。
「キャヴァーン・ウォークス」の反対側、「グレープス」の並びの壁をつぶ
さに見ていくと……あった、ありました! 同じ壁、オリジナル・キャ
ヴァーンの真向かいの壁が!!
くるりと反対を向くと、そこは「キャヴァーン・ウォークス」の正面玄関左
にあるお店“CRICKET designer wear”の左端でした。そこから見る風
景は、確かに昔の写真で見る風景にぴったり合致します。

こうして長年の謎が解決して一件落着、個人的な追跡調査はひとまず
終了しました。
場所が特定できたのは2005年ですが、「ビートル・ウィーク」が終了した
後だったために、僕のウォーキング・ツアーでの初披露は、去年2006
年のツアーになりました。
「おそらくどの本にも載ってないし、どの専門家も知らないと思います
よ~」
と、お客さんに自信たっぷりに説明したものの、意外にも反応は今ひと
つ芳しくなかったです。たしか、写真を撮った人は1人もいなかったよう
に思います。
普通のビートルズ・ファンは、オリジナルのキャヴァーン・クラブの場所
がどこかってことにはあんまり興味ないのかもしれませんね。ジョン・レ
ノンの銅像の方が圧倒的に人気がありました…ちょっとがっかり。

さあ、今日発表されるオリジナルのキャヴァーンの場所は、果たして、
僕が特定したのと同じ場所になるのでしょうか?
楽しみな気持ちもありますが、間違ってたらどうしようというちょっと不
安な気持ちもあります。
とりあえず、今週のフォトページに僕が特定した場所を掲載しておきま
すね。 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo281.htm 

さてさて、どうなりますか……。

                        -- Kaz (16/01/2007)


*** リヴァプール・ニュース 2007年1月14日(日) ******************

【キャヴァーン50周年!】
1月16日火曜日、ビートルズを生み、世界を席巻した「マージービート」
のメッカとしても知られるキャヴァーン・クラブが、50周年を迎えます。
当日に記念パーティーが行われるほか、今年1年を通じて様々なサプ
ライズ・イヴェントが企画されています。
また、DVDや本、TVドキュメンタリー、そしてこの50年にクラブに出演し
た有名バンドの演奏を集めたコンピレーション・アルバムのリリースも
予定されています。

クラブのオーナーであるキャヴァーン・シティ・ツアーズのダイレクター、
ビル・へックルはこう話しています。
「5月にすごいギグを企画してるんだが、今ちょうどそれに出てくれる超
ビッグネームたちと交渉してるところなんだ。それ以上詳しいことは言
えないけどね、実現しなかったら困るから」

16日のパーティーは特別に招待されたゲストしか入場できないもので、
オープン・バーと30組以上のバンドによる演奏を13時間も楽しむことが
できます。
ビルは、「パーティーにサー・ポール・マッカートニーが出席するのでは」
という噂を否定しています。
「マッカは招待はされてるよ。でも今の彼のパーソナル・ライフで起きて
ることを考えれば、出席についてはまったくのノー・チャンスだね」
「40周年のパーティーでは、オリジナルのクォリーメン全員に――もち
ろんジョン・レノンは除いてということだけど――揃ってもらうことができ
たんだ。同じ部屋に一同に会するのは40年ぶりだったんだよ。で、何
杯か飲んだ後、彼らはステージに上がって演奏した。そしてそれから
10年、彼らはそれを続けている」

16日のパーティーの日、クラブの外のマシュー・ストリートでは、熱心な
ビートルズ・ファンの間で長年にわたってミステリーとされていたことが、
ついに解明されることになっています。
地下にあったキャヴァーン・クラブへと降りる18段の階段。その階段の
入り口があった正確な場所は、クラブが1973年に取り壊されて以来、
誰にもわからなくなっていたのです。
しかし今回、キャヴァーンのDJを務めた故ボブ・ウーラーが遺したプラ
イヴェート・コレクションの中の写真を分析することで、正確な場所をつ
きとめることができたのだそうです。
「それがどこかってことは、今披露することもできるんだが、それじゃサ
プライズじゃなくなってしまう。当日のお楽しみに残しておこうじゃない
か」とビルは言います。

マシュー・ストリート10番地は、当然ながら、最初から有名なアドレス
だったわけではありません。
卵のパッキング・ステーションであったり、ワインやスピリッツの保管所
であったり、戦争中は空襲時に避難するシェルターとしても使われまし
た。
しかし1957年の1月16日、「キャヴァーン・クラブ」としてオープンしたこ
の日に、世界的に有名なスポットとなるべく第一歩を踏み出したので
す。
オーナーは地元の医者の息子、アラン・スタイナーでした。彼は、パリ
の有名ナイトクラブ "Le Cavais Francais" のスカウス・ヴァージョンに
したいと考え、「キャヴァーン」という名前をつけました。最初の晩に演
奏したのはマージーシッピー・ジャズ・バンドで、600人しか入れないこ
の狭いクラブに、1000人以上の群集が押し寄せました。

「ジャズ・オンリー」というクラブのポリシーは、スキッフルやロックン
ロールの爆発的な流行により、間もなく形骸化して行きました。
実際、若きジョン・レノン率いるスキッフル・バンド「ザ・クォリーメン」
が初めて栄えあるキャヴァーンのステージを踏んだのは、同じ年の8月7日
のことでした。
ビートルズが初めてキャヴァーンに登場したのは、1961年2月21日。わ
ずか5ポンドのギャラでした。以後、およそ1年半の間に合計274回演
奏しています。最後となった1963年8月3日のステージのギャラは、300
ポンドでした。

ビートルズゆかりの地のガイドブック“The Complete Liverpool Beatles
Guide”の著者、ロン・ジョーンズも、記念パーティーに招待されていま
す。
彼が初めてキャヴァーンに足を踏み入れたのは19歳の時でした。以来
彼はイーヴニング・セッションの常連となりますが、シティ・カウンシル
の職員だったために、伝説のランチタイム・セッションはほとんど観る
ことができませんでした。
ロンの一番のお気に入りはレモ・フォーだったそうです。レモ・フォーの
リード・ギタリスト、コリン・マンレイはジョージ・ハリスンが憧れるギタリ
ストでした。それはコリンが、チェット・アトキンスのようにギターを演奏
することができたからでした。

ロン・ジョーンズはこう話しています。
「ビートルズだけが人気があったわけじゃないからね。レモ・フォー、
ビッグ・スリー、スウィンギン・ブルージーンズ、ジェリー・アンド・ザ・
ペースメーカーズ……どれもみんなものすごく人気があった」
「あそこがどんなところだったかってことは、今の人には想像できない
だろうね。あのコールタールと汗の混じった臭いと、たばこの煙。あの
時代はみんなが煙草を吸ってたからね。そしてあの暗さと湿っぽさ。で
もあそこにはバンドと音楽が生み出すエキサイトメントがあった。それ
がすべてだったんだよ。あの場所にいた僕らには、何かとんでもないこ
とが起きているっていう実感はなかったけどね」
「それにしても、わずかな入場料でビートルズを観ることができたんだ
からね。数インチの近さで観ることだってできた。曲と曲の間に、やあ
やあって挨拶したりね」

ビートルズとマージービートが爆発的な人気となったことで、キャヴァー
ンは世界的な注目を浴びるようになりました。
レイディオ・ルクセンブルグでは、“Sunday Night at The Cavern”という
レギュラー番組を持つほどでした。
しかし60年代半ば、オーナーのレイ・マクフォールが破産してしまいま
す。
クラブは一時閉鎖されたものの、再建に向けての運動が展開された結
果、1966年1月23日、リヴァプール出身の首相ハロルド・ウィルソンが
出席して再オープンしました。
ところが7年後の1973年、このクラブの値打ちにもビートルズにも無関
心な市の役人たちによって、キャヴァーンはに強制的に閉鎖されてし
まいます。シティ・カウンシルは、この場所に地下鉄の排気口を通すこ
とを決定したのです。そして、ブルドーザーがやってきました。
それから10年余が過ぎた1984年、キャヴァーン・クラブは、同じ場所に
新しく作られたショッピング・ビル「キャヴァーン・ウォークス」の地下に、
オリジナルのレンガを使って再建されました。

ロンは、リヴァプール市がオリジナル・キャヴァーンを消滅させてしまっ
たことに対しても、一定の理解を示しています。
「今でもみんながあれは悲劇だって言う。世界一のロックンロール・クラ
ブをつぶすとはナニゴトかってね。確かに、今の時代じゃ絶対に許され
ないだろう。明らかな愚行だ。今の感覚ではね。だけどあの時代のリ
ヴァプールってのは観光都市ではなかったんだよ。だから再建された
ことを良しとしよう。何もないよりはずっといいさ」

  It was 50 years ago today (almost)
  By Liverpool Echo, 12 January 2007

https://www.liverpoolecho.co.uk/whats-on/music/50-years-ago-today-almost-3513604


≪≪≪ NLW No.282 - January 23, 2007 ≫≫≫

*** フロム・エディター *********************

先週に引き続き、「オリジナルのキャヴァーン・クラブの場所はどこだっ
たのか?」の話を。

何の反響もなかったら寂しいなーと思っていたのですが、嬉しいことに、
先週号をリリースした数時間後、リヴァプール在住のおなじみS.H.さん
よりメールをいただきました。こんな内容です。

---------------------------------------------------
私もキャバーンの位置は気になっていましたので
マシューストリートでイベントがあるごとに
いろいろな人に質問しました。
しかし、答えは多様で1ヶ所にしぼれませんでした。
そして私なりにもっともらしい場所としまして
考えていますのが、リバプール市が認めているガイドの方が
おっしゃっていた場所です。
それは今のキャバーンより少し隣で、キャバーンクオーター
とは反対側のほうです。
私はこれが必ずしも正しいとは思っておりませんです。
人の記憶は時に全く当てになりませんので、写真から
推定していますスカウスハウスの決定したの場所のほうが
もっと有力と思っています。
しかし、これを機にスカウスハウスで議論が起こり、もっと
いろいろな情報が集まれば楽しいのではないかと思い
投稿させてもらいました。
---------------------------------------------------

というメールでした。
なるほど、オリジナル・キャヴァーンの場所を探していたのは僕だけで
はなかったのです。仲間というか同士が出来たようで嬉しいです。
早速、S.H.さんに返事を書きました。こんな内容です。

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こんなマニアックな話にすぐに反応してもらえて、とても嬉しいです。
えーと、向かいの Cavern 、確かに実在しました。
1973年に閉鎖した後、当時の Cavern のオーナーは真向かいに新しく
Cavern をオープンしたのです。
しかしその移転キャヴァーンも翌年に閉店していまいます。
その時代に作られた大きな看板は、アーサー・デューリーの Statue
の横にあったんですが(今も跡が残ってます)、閉店後もかなり長い間
そのままにされていたので、そこがオリジナル・キャヴァーンがあった
場所だと信じている人も多いようです。
移転キャヴァーンが1974年に閉店した後、そこはまず Revolution とい
うクラブになり、次に Eric's になります。そう、あの有名なライヴハウス
ですね。キャヴァーンが無くなってしまっても、新しい音楽を生み出す
パワーがリヴァプールから失われたわけではなかったということだし、
それは今の時代にも続いているんですよね。面白いです。
----------------------------------------------------------

S.H.さん、投稿ありがとうございました。
キャヴァーンのストーリーについては、そのうちにきちんとした形でまと
めてみたいと思っています。

さて、先週発表された「オリジナルのキャヴァーン・クラブの場所」です
が、僕が調べた場所に間違いなかったです。正直ほっとしました。
とはいえ、1年半も前に突き止めていたのなら、もっと早くいろんな人に
教えてあげればよかったのかもしれませんね。
でも、「これを知っているのはもしかして僕だけなのかもしれない」なん
て考えるのは、ちょっといい気分ではありました。それが終わってしまっ
て残念な気持ちも、ほんの少し今はあります。

「オリジナルのキャヴァーン・クラブの場所」には、新しくディスプレイが
作られました。ついこの間までキャヴァーンの非常出口だったところが、
すっかり新名所みたいになっています。
早速ミナコさんに走ってもらって、写真を送ってもらいました。
フォトページ(http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo282.htm)で
紹介しています。
ミナコさん、どうもありがとう!

                        -- Kaz (23/01/2007)


*** リヴァプール・ニュース 2007年1月19日(金) ******************

【キャヴァーン50歳!】
1月16日、キャヴァーン・クラブが50歳の誕生日を迎えました。
クラブの内部では、インヴィテーション・オンリーのVIPパーティーが、13
時間にわたって開催されました。
ちょうど50年前のオープン初日、最初にキャヴァーンのステージに立っ
て演奏したバンド、マージーシッピー・ジャズ・バンドが、この日も再び
トップバッターを務めました。
その他、30以上のバンドが全国から集められ、お祝いパーティーを盛
り上げました。

マシュー・ストリートでは、オリジナルのキャヴァーン・クラブのドアが
あった場所が初めて公表されました。
新しいディスプレイが設置され、ジョン・レノンの妹ジュリア・ベアードを
招いて除幕式が行われました。
ディスプレイには、1960年ごろのエントランスの大きな写真の横に、詳
しい説明書きが添えられています。

キャヴァーンのダイレクター、デイヴ・ジョーンズはこう話しています。
「オリジナルのキャヴァーンのエントランスがどこにあったかとか、それ
がどんなだったか、今のキャヴァーンとの関係やら、なんだって一目瞭
然になったよね」

同じくキャヴァーンのダイレクター、ビル・へックルはこう話しています。
「歴代のオーナーたちより倍も長くキャヴァーンを所有していることにつ
いては、たいへん光栄に思っていますよ」
「ツーリストをひっ捕まえるところじゃなくて、ここはリアルで、ライヴで、
ダーティーで、スメリーなクラブです。これまでずっとそうだったように
ね」
「地域の、全国の、あるいは全世界のタレントたちに、どんどんここに
演奏しに来てもらいたいと思ってます。マジックのような経験になるは
ずですよ」
「ビートルズには本当に感謝しています。彼らがいなかったら、キャ
ヴァーンはとっくの昔にゴミ箱に埋もれてますよ」
「リヴァプールについても、とても、とても誇りに思います。この街をば
んばんPRして行きますよ、全世界にね」

ジュリアはこう話しています。
「ジョンが生きてたら、今日ここで演奏してたかもしれないわね」
「ジョンはよく言ってたわ。俺たちはキャヴァーンが大好きだったって。
まさに理想的な場所だったって」
「2008年までにリヴァプールでいろんなイヴェントが打ち上げられるで
しょうけど、このキャヴァーンのバースデイって、ちょうどその発射台み
たいなものかしら」
「キャヴァーンって、特別なクラブなのよ。その時代その時代の精神み
たいなものをしっかりと掴んできてる。しかも立ち止まることがない。今
も精力的に新しい音楽をホストしてるものね。これだけ前へ前へと進ん
でるんだから、キャヴァーンと張り合えるようなところなんてないと思う
わ」
「私がキャヴァーンに初めて行ったのは、ティーンエイジャーの頃だっ
た。ファンタスティックだったわ。汗が玉になって壁を伝ってた。今でも
そうなんだけど」
「ビートルズが演奏してるところは見たことがないの。見たかったんだ
けど。きっとジョンも喜んでくれたと思うし。でも最初の頃はジャズを演
らないからってお客さんに文句を言われてたのよね」

 A doorway into Cavern's glorious past
  By Liverpool Echo, 17 January 2007

https://www.liverpoolecho.co.uk/whats-on/music/doorway-caverns-glorious-past-3513647


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