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June 07 2022, No.815
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼NLWアーカイヴ:#26「アンクル・チャーリーの死」(2002)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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もう10日も経ってしまいましたが、チャンピオンズリーグのファイナルは残念
な結果となりました。
4年前のファイナルで悔しい思いをさせられたレアル・マドリーが相手ですか
ら、リヴェンジの絶好のチャンスだと楽しみにTV観戦したわけですが、なんと
も寂しい結末に。

5-0で勝っていてもおかしくない、内容的には圧倒していたゲームでした。
「不細工であろうが臆病であろうが退屈であろうがとにかく勝ちゃあええん
じゃ」という勝利至上主義と、「フットボールは攻めてナンボ。リスク負って冒
険しなきゃつまんないぜ」というエンタメ主義の戦いだった、と言えるでしょ
う。
正々堂々、奇をてらわず、相手に合わせず、自分たちのスタイルでぶつかって
行ったリヴァプールの戦い方は、いつも通りとは言え、実にカッコよかったで
す。
ただ、マドリーに比べてコンディション的に不利ではあったので、疲労や負傷
を抱えたレギュラー組よりもフレッシュな控え組を大胆に起用してみたらよ
かったんでは、という気はします。南野選手、観たかったなあ。

4年前はかなり落ち込んだような覚えがありますが、今回はぜんぜんだいじょ
うぶ。結果はどうあれ、レッズはマドリーよりも強いし、マドリーより何倍も
面白いフットボールを体現している。それをはっきり証明してくれたからです。
レッズがマドリーみたいなチームでなくてよかったと、心から思います。負け
惜しみでなく。

我らがスティーヴン・ジェラードも、試合後にレッズの未来への希望を語って
います。
「もどかしいね。リヴァプールはそんなに悪くなかったと思う。確かにチャン
スでの冷静さや正確さに欠けるところはあったかもしれないが、相手のキー
パーがマン・オブ・ザ・マッチだ」
「レアルはディフェンスのマスタークラスになってたね。彼らはピッチの全体
で徹底的にディフェンスをした。90分を通してブロックし、1対1で守り、守
備的なポジションをとり続けた。それが見事にはまっていた」
「リヴァプールは必ずここから立ち直る。それは間違いない。今日の経験はそ
のための糧になる。この試合は、最高の夜になるか最低の夜になるか、二つに
ひとつ。今回は埃にまみれてしまったが、それを落として来年またここに戻っ
て来てくれるはずだよ」

● ● ●

ご存じのように英国では先週、エリザベス女王の在位70年のお祝い行事「プラ
チナ・ジュビリー」が盛大に開催されました。
ふと思いついて、20年前に行われた「ゴールデン・ジュビリー」のとき、NLW
でなにか面白いニュースを書いてるんじゃないかと調べてみたのですが、該当
するのはひとつだけで、しかもそれは「ゴールデン・ジュビリーの連休明けに
二日酔いで仕事を休んだ社員が続出、人出が足りなくなったマージレイル(リ
ヴァプールのローカル鉄道)が一部の路線を運休にした」というトホホ~なト
ピックだったので(面白いっちゃ面白いけど)、再掲載は見合わせることにしま
した。

その代わりに、同時期に掲載した、アンクル・チャーリー・レノンのお話を
「NLWアーカイヴ」で復刻します。
ジョン・レノンのおじさんのチャーリーは、20年前の2002年5月26日に亡く
なったのでした。僕はビートル・ウィークでチャーリーに会うのが毎年ほんと
うに楽しみでした。チャーリーのあの、ぐぐっと心に突き刺さってくるような
目。目力(めぢから)がすごかったです。でも視力はほとんどなかったみたい
で、紙に顔をくっつけるようにしてサイン書いてたっけ……ん? てことはあ
の目力は目が悪かったせい??
とにかくチャーリーはたくさんの人々に愛されていました。いなくなってもう
20年も経ったとは……。

というわけで「今週のフォト・アルバム」は、1枚だけですが、チャーリー・
レノンの写真を。
デジタル写真は1枚もなかったので、手近にあったリアル写真のアルバムをパ
ラパラやってみたところ、なんと、奇跡的にそこにありました! 
2001年ビートル・ウィーク、「ビートルズ・コンヴェンション」での、僕との
ツーショット。たぶんこれ、スカウスハウス・ツアーのお客さんにいただいた
ものだと思います……みやこさんか、ちえこさんのはず。おふたりともお元気
でしょうか。

 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo815.html

                        --- Kaz(07/05/2022)


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▼NLWアーカイヴ:#26「アンクル・チャーリーの死」(2002)
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過去のNLWからピックアップしてお届けするアーカイヴ・コーナーです。
第26回は、20年前のNLW No.55(2002年5月28日発行)から。
ジョン・レノンの叔父さんチャーリー・レノン死去の際に「リヴァプール・デ
イリー・ポスト」に掲載された追悼記事を翻訳したものです。


「アンクル・チャーリーの死」(2002)-----------------------------

≪≪≪ NLW No.55 - May 28, 2002 ≫≫≫

チャーリー・レノン。
伝説のビートルズ、ジョンの親戚のうちで最も年長のチャーリーが亡くなった。
昨日の早朝、83歳で。
チャーリーは、ジョンにいちばん慕われたおじさんだった。ジョンと、ジョン
の父親との間にあった積年のわだかまりを解いたのも、チャーリーだった。
チャーリーはたくさんの時間を費やして、ビートルズの巡礼のためにリヴァ
プールへやって来るファンをもてなした。ジョークやスマイルで。

チャーリーは、マジカル・ミステリー・ツアーやビートルズ・コンヴェンショ
ンといった場所での人気者だった。
1990年にチャーリーが自動車事故に遭った時には、世界中の何千人ものファン
からお見舞いのカードが届いた。その中には、マッカートニー夫妻のような、
有名な友人から寄せられたものものあった。

しかしチャーリーの陽気な表情の裏には、厳しい現実が隠されていたのも事実
だ。彼の甥には何百万ポンドもの財産があるというのに、チャーリーは毎週支
給される年金で暮らしていた。
チャーリーは、セフトン・パークにあるみすぼらしい借家に住んでいた。体調
を崩して病院に運ばれることになった、12日前までは。

チャーリーはずっとひとり暮らしだった。フラットの壁じゅうに、彼の甥や
ビートルズの写真が飾られていた。愛猫のエイグバースが死んでからは、彼は
いよいよひとりぼっちになった。

1994年のインタヴューで、ビートルズの人気に利用されているのではと訊かれ
たチャーリーは、こう答えた。
「死ぬ時に借りさえなけりゃあ、それでいいんじゃよ」

ロイヤル・リヴァプール・ホスピタルのスタッフによると、週末が始まる頃の
チャーリーは、弱ってはいたが落ち着いた状態だったという。しかし、容体は
急に悪化した。

チャーリーの隣人カレン・ウォルディースは、葬儀の日取りを考えているとこ
ろだ。
カレンは、チャーリーが愛して止まなかったファブ・フォーの音楽で、彼を送
り出したいと思っている。
もしチャーリーの遠い親戚が名乗り出て来なければ ---チャーリーはずっと独
身で、子供もいない--- 、カレンはチャーリーの灰をマージー河に撒くつもり
だ。マージーフェリーの上から。彼ならきっとそう望むはずだと、彼女は確信
している。

老人介護の仕事をしているカレンは、昨晩こう語った。
「あたしはね、ビートルズのレコードを全部かけたいと思ってるの。もしあた
しに任せてもらえるんなら、そうするわ。チャーリー自身もそうしてほしいと
思ってるはずだもの」
「病棟のナースたちはワンダフルだったわ。彼女たちは、チャーリーのことを
まるで父親のように扱ってくれたのよ」
「チャーリーは、ラヴリーで可愛らしくて、とってもフレンドリーで、しっか
りと自立したおじいさんだったわ」
「ビートルズのコンヴェンションが始まると、いつも誰かがチャーリーを連れ
に来たわ。会場でチャーリーはお客さんみんなと話すの。歳を取ったチャー
リーには、きっといい刺激になってたんでしょうね」
「チャーリーは猫が可愛くて仕方なかったの。もう溺愛してたわね。最初のエ
イグバースはずいぶん長生きしたのよ。死んで庭に埋める時は、あたしも手
伝ったのよ。墓標も立ててね」
「それからチャーリーの友人が次の猫をプレゼントしたの。名前はエイグバー
スII。チャーリーは自分の命よりも大事にしていたわ。生き甲斐だったの。病
院にお見舞いに行った時にチャーリーに話してあげたの。猫ちゃんはあなたの
椅子や窓にじっと座ってますよ、って」
「そういう生活だったのよ。チャーリーはよく猫に話しかけてたわ。まるで人
間と一緒に暮らしているみたいにね」
「早く猫の新しい飼い主を見つけなくちゃ。動物愛護教会に引き取られるん
じゃないかって、きっとチャーリーは気が気じゃないでしょうからね」

チャーリーは、ジョンの父フレディのいちばん下の弟だった。
ジョンがサリーのウェイブリッジの邸宅に住んでいる頃、チャーリーはよく招
待されて週末を過ごした。

チャーリーはシェフとして英国のあちこちを転々としていた。フレディが死に、
ジョンも死んだ後でチャーリーは、リタイアすることにした。最後の職場はブ
ライトン・ホテルだった。
62歳で故郷のリヴァプールに帰って来たチャーリーは、セフトン・パークの質
素なフラットを借りて住んだ。

後年チャーリーは、マシュー・ストリート・フェスティヴァルでおなじみの顔
になった。彼はいつも、ファブ・フォー巡礼に訪れた大勢のツーリストに囲ま
れていた。

チャーリーはよく話していた。甥の歴史的な偉業を心底誇らしく思う、と。

     (Death of Lennon's favourite uncle, Daily Post, May 27 2002)


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▽スカウスハウス・ニュース
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***  Beatleweek 2022:日本代表バンド決定! ******
2022年のインターナショナル・ビートルウィーク(8月24日~30日)に日本
代表としてThe Beaticksが出場します。バンドのプロフィールがフェスティ
ヴァルのオフィシャル・サイトに掲載されました。
Beatleweek 2022 - LINEUP
Beatleweek 2022 - The Beaticks
The Beaticks Facebook - http://www.facebook.com/The-Beaticks-2012091042178631/?ref=bookmarksYouTube
The Beaticks YouTube - http://wwwyoutube.com/channel/UC8TmvwUAJoVBsTjoinN94Ug


***  Beatleweek 2022 スカウスハウス・ツアー:参加者募集中! ******

今年8月にリヴァプールで行われる「インターナショナル・ビートルウィーク」
観賞パッケージ『スカウスハウス・ツアー2022』の参加者を募集中です。
聖地リヴァプールで開催される世界最大のビートルズ・フェスティヴァル「イ
ンターナショナル・ビートルウィーク」。Covidの影響で2020年はオンライン
開催、2021年はドメスティック開催を余儀なくされましたが、今年・2022年は
3年ぶりに通常開催です。

おなじみの「ビートルズ・コンヴェンション」やアデルフィでのオールナイト・
パーティー、フィルハーモニック・ホールでのハイ・クォリティなコンサート
やマージー河畔のヨット・クラブでのイヴェント、さらには名物となりつつあ
る「ルーフトップ・コンサート」などなど、盛りだくさんの企画が用意されて
います。
もちろんスカウス・ハウスのオプショナル企画も充実。各種ビートルズ・ツ
アーに、マージー・フェリー乗船、ウェルカム&フェアウェルパーティーなど
でリヴァプールとフェスティヴァルを満喫していただきます。

初めてのかたもリピーターも大歓迎! この夏、ぜひリヴァプールでお会いし
ましょう!
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2022.html 


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英国盤レコードの通販です。「ビートルズ」「ビートルズ(ソロ)」「ビートル
ズ関連」「ブリティッシュ・ロック」「シングル&EP」の5カテゴリー。リヴァ
プールで仕入れたアイテムばかりです。オーダーいただけるとうれしいです!
 http://scousehouse.net/shop/records2021.html 


*** スカウスハウス通販(2) ******

スカウスハウス通販「シルバー・アクセサリー」を更新しました。永らく品切
れになっていたLennon-NYペンダントが入荷しています。チェーンの太さ&長
さにいくつかのヴァリエーションがあって、お好みのタイプをお選びいただけ
ます。
現在、アクセサリー全アイテムを対象に、お手入れ用磨き布(研磨剤入り)を
プレゼント中。オーダーをいただけるとうれしいです!
 https://scousehouse.net/shop/silver.html 


*** スカウスハウス通販(3) ******

「Beatleweekグッズ」の通販です。品ぞろえはこじんまりとしていますが、
オフィシャル・プログラムやTシャツなど、これまでのビートルウィーク会場
で仕入れたアイテムばかりです。
ほとんど1点ものの限定販売。オーダーいただけるとうれしいです!
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*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは
英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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「今週のフォト・アルバム」は、チャーリー・レノンの写真を掲載します。撮
影は2001年。ビートルズ・コンヴェンションでのチャーリーです。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo815.html 


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□■ 第815号 ■□

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