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November 01 2022, No.825
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <10月30日>
 ▽「『ラヴ・ミー・ドゥ』60年 - 6つのトリヴィア」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.825です。

前回につづいて「ラヴ・ミー・ドゥ」の還暦記念です。
今回は地元紙「リヴァプール・エコー」より。題して「『ラヴ・ミー・ドゥ』60
年 - 6つのトリヴィア」。この曲にまつわるユニークなエピソードが集めてあっ
て、特に新発見というものではないんだけれども、あらためてこうやって振り
返ってみると、この「ラヴ・ミー・ドゥ」というのはやはり独特です。生まれも
育ちも、性格も人柄も、どうにもこうにも一筋縄では行きません。二筋縄や三筋
縄でも難しそう。屈託ありすぎ。屈折ありすぎ。

例えばですね、ビートルズのちょっとあとにデビューしたリヴァプールの人気バ
ンド、ジェリー&ザ・ペースメイカーズのケースを並べてみると、あまりに違い
すぎてなんだか笑ってしまいます。
ビートルズはプロデューサーのジョージ・マーティンに「ハウ・ドゥ・ユー・
ドゥ・イット」という曲をあてがわれたもののそれを拒否、紆余曲折ののちに
「ラヴ・ミー・ドゥ」でデビュー、チャート最高位は17位、となるわけですが、
ジェリー&ザ・ペースメイカーズはですね、ジェリーの話によると、ジョンが
ジェリーに、「この曲お前にやるわ」と言い、ジェリーが「おお、サンキュウ」
と答えて、ビートルズのアレンジそのままに「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イッ
ト」を録音。そのデビュー曲がいきなりヒットしてナンバーワン獲得です。ジェ
リー・マースデンの強運おそるべし、というところですが、よくよく聴いてみれ
ばたしかに「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」はジェリーだからこそ、な気が
します。この曲の能天気なエッセンスにはジェリーの底抜けの明るさが不可欠
だったんだなあ……と、聴けば聴くほど。ジェリー、声もキャラもキャピーンと
突き抜けてます。

あらら、ビートルズの話だったのに、いつの間にかジェリーの話に……。

● ● ●

今週の「ニュース」では、「キャヴァーン・ウォークスがホテルに」という記事
を紹介しています。
というわけで「今週のフォト」は、マシュー・ストリートの写真を(パート1)。
今年夏に撮影したものからパパパッと選びました。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo825.html 

● ● ●

スカウスハウス通販「英国盤レコード」を更新しました!
今夏リヴァプールで買い付けてきたアイテムは、「2022新入荷」というコーナー
で紹介しています。少数精鋭というか、貴重盤と珍盤が目立つラインナップと
なりました。リヴァプールならでは、なものもいくつかあり。
オーダーをいただけるとうれしいです。
 http://scousehouse.net/shop/records2022.html 

                        --- Kaz(01/11/2022)


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▼リヴァプール・ニュース <10月30日>
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*** 10月30日(日) *******************************

【キャヴァーン・ウォークスがホテルに】
高級ホテルに生まれ変わろうとしている「キャヴァーン・ウォークス」の内部が、
Liverpool Echoに公開された。不動産投資のジョイント・ヴェンチャーによる買
収後、初めてのことである。
クレイグ・グリーンウッドのグリーンウッド・ディヴェロップメンツ社は、JSM
カンパニー・グループと共同で、今週(10月10日の週)初めにシグネチャー・
リヴィングからキャヴァーン・ウォークスを買い取った。

34歳のクレイグは、冷蔵庫のエンジニアリング会社「エヴァークール」で事業を
スタートさせ、その後不動産投資の世界に入った。彼は「エコー」にこう語って
いる。
「ここはアイコニックなスペースだから。ただシンプルにそれだけだよ。ビート
ルズが一番最初に名声を得た「キャヴァーン・クラブ」がここにあるんだから。
この場所はビートルズが達成した栄光と永遠にリンクすることになるよね」
「ビートルズがリヴァプールにどれだけのものをもたらしてくれたかって考えれ
ばだね、自分がその歴史の一部分を所有したり、現代に引き継ぐことに貢献でき
るんだったら、これ以上ない栄誉だって思える。次のチャプターを自分の手で書
き加えるのってエキサイティングではあるけれど、ヒストリーやヘリテイジに対
するリスペクトは持ち合わせているつもりだよ」

この建物は、新しく「ザ・キャヴァーン・ウォークス・ホテル」と名付けられる
ことになる。現在はオペレーター候補者との協議を進めている段階だが、かつて
オフィス・スペースだったところにショッピング・センターが入り、その上の階
がホテルとして使われる予定となっている。
現時点では125室の営業許可が出ているが、設計によっては150室にまで拡張で
きるとクレイグは楽観している。最終的にこのホテルは7フロアーを使い、300
のベッドを置き、広いファンクション・ルームやバー、シネマ・ルームも備えら
れる。総開発費は3,500万ポンド(およそ59億5000万円)になると予想される。

ビートルズへのオマージュも計画にのぼっている。部屋ごとにテーマがあったり、
ファンクション・スイートにもテーマ・エリアをつくるなどのほか、ビートルズ
のフィルムが流されるシネマ・ルームの内装は、ジョン・レノンへのトリビュー
トとして白で統一されるようだ。
そして、ブライアン・エプスタインにちなんで、NEMSレコード・ストアをホテル
内に開設することも検討されている。ブライアンは1962年からビートルズをマ
ネージし、その関係は彼が死ぬ1967年まで続いた。
ホテルのエントランスは、裏手にあたるハリントン・ストリートに設けられる。
現在その場所にはファッション・ブティック「キャヴァーン・メンズウエア」が
営業しているが、改装後はホテル内のショッピング・センターへ移転となる。

クレイグは続ける。
「シティ・センターでマシュー・ストリートほどの歴史的な通りって、ほかにな
いだろう? いつもいつも人でいっぱいだ。特にツーリストにとってはリヴァ
プールで外せない場所になっている」
「僕らはね、人々にこの通りで宿泊するチャンスを提供しようとしているんだよ。
ビートルズが音楽で有名になる最初の一歩を踏み出したこのストリートでね。す
ごくエキサイティングなことだと思うよ。ほんとにうまく行ってほしいと願って
る」
クレイグによると、ホテルのオープンは段階的になる模様で、2023年の夏までに
は最初の客室を用意したい、とのことだ。

キャヴァーン・ウォークスの下層階はショップ・ユニットとして残されることに
なる。しかし、このショッピング・センターで有名な中央広場はホテル用に改装
され、あの螺旋階段も取り外される予定だ。

JSMは、キャヴァーン・ウォークスへの客足を取り戻すために、「インディペンデ
ントで風変わりな」テナントをターゲットにしている。JSMのマット・クレビン
は、かつてスクール・レーンにあったオルタナ系インドア・マーケット「クイッ
ギンズ」のようなところにしたいと考えていると語った。クイッギンズはスクー
ル・レーンからグランド・セントラルへ移転したのち、突如閉店してしまった。
シグネチャー・リヴィングはキャヴァーン・ウォークスを2018年に買収し、ホ
テルへの改装に取り掛かっていたが、今年の初めに計画を断念していた。

Look inside the new Cavern Walks hotel with Beatles themed rooms
- The hotel inside the old shopping centre will be spread over seven
floors, with a function room and cinema room
By Storm Newton, 15 Oct 2022, Liverpool Echo
https://www.liverpoolecho.co.uk/news/property/look-inside-new-cavern-walks-25250071


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▽「『ラヴ・ミー・ドゥ』60年 - 6つのトリヴィア」
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10月5日付「リヴァプール・エコー」紙に、「ラヴ・ミー・ドゥ」60年を記念し
て、6つのトリヴィアが紹介されました。翻訳してお伝えします。

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「『ラヴ・ミー・ドゥ』にまつわる6つの意外な事実」
 :リー・グリムズディッチ(リヴァプール・エコー)

音楽史のアイコンであるビートルズを最初に世界に紹介したシングルが、記念す
べき60年を迎えた。
ファブ・フォーのファースト・オフィシャル・シングルである「ラヴ・ミー・
ドゥ」は、1962年10月5日に英国でリリースされた。UKのミュージック・
チャートでは17位止まりのヒットではあったが、2年後にアメリカでリリース
された際には見事にチャートのトップにまで登っている。
イギリスのチャートでトップは獲れなかったとはいえ、リヴァプール出身の4人
の若者を世界へと導いたのがこの曲であることは確かだ。ジョン・レノンがブ
ルージーなハーモニカを奏でるイントロはもちろん、最初のヴァースの最初のラ
インで曲のタイトルが歌われるなど、この曲はすぐに認識されるビートルズ・ソ
ングの代表的なナンバーである。

ジョン・レノンとポール・マッカートニーは、リリースよりもずっと前、1958
年にこの曲を共作した。ジョンが17歳、ポールは16歳だった。「ラヴ・ミー・
ドゥ」は、彼らがレコーディングに値すると思えた最初の曲だった。

今や伝説となった彼らのミュージカル・パートナーシップのごく初期の作品であ
るこの曲について、マッカートニーはのちにこう語っている。
「『ラヴ・ミー・ドゥ』は完全に共作だ。レノンとマッカートニーが向かい合っ
て座る。でも、どっちも特に何かアイデアがあるわけじゃない。そういうのが大
好きだったんだよ、僕ら。やってるうちにいろいろ身について行くのがほんとに
面白かった。それがあったからソングライターになれたんだよ。あの、まだまだ
未熟だった時期に、ふたりであれやこれやと試しながらたくさん曲を書いたこと
で、僕らは最強のコンビになれたんだと思う」

それでは。
この音楽的ランドマークをお祝いするために、ここに、このファースト・シング
ルにまつわる6つのエピソードを紹介しよう。もしあなたがビートルズの熱烈な
ファンでなければ、たぶん驚いてもらえるかもしれない。

1)「ラヴ・ミー・ドゥ」はビートルズの最初のシングルになるはずではなかっ
た。

プロデューサーのジョージ・マーティンの意向通りであれば、「ラヴ・ミー・
ドゥ」はビートルズの最初のシングルになっていなかった。彼が用意していたの
は「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」(のちにジェリー・アンド・ザ・ペース
メイカーズのデビューシングルに)だったが、ビートルズはリハーサルでやる気
がなく、自分たち自身の曲で勝負したいと主張した。


2)この曲のイントロは、盗んできたハーモニカでの演奏だと言われている。

ビートルズの最初のマネージャー、アラン・ウィリアムズによれば、この曲で使
われたハーモニカは、ドイツ国境に近いオランダの街、アーネムの楽器店でレノ
ンがくすねたものだという。1960年、ビートルズが最初のハンブルグ巡業へ向か
う途中の出来事だった。
レノンはクロマティック・ハーモニカの演奏を伯父のジョージに教わった。
ジョージはミミ伯母さんの夫で、少年だったレノンにハーモニカを与えたのも彼
だった。


3)ビートルズはこの曲を3度、3人のドラマーで録音した。

レコーディングされた3ヴァージョンとも公式にリリースされている。もちろん
リンゴがプレイしたものもその中の一つであり、それとは別に彼がドラムでなく
タンバリンを演奏したものもある。
最初のレコーディングは1962年6月、当時のドラマーはピート・ベストだった。
2回目のヴァージョンはその3ヶ月後、リンゴ・スターのドラムで録音された。
しかしその後、リンゴのパフォーマンスに満足しなかったジョージ・マーティン
はセッション・ドラマーのアンディ・ホワイトに演奏させたヴァージョンを録音
した。リンゴにとっては面白くないことだったが、結局1962年のオリジナル・
リリースとして残ったのは彼のヴァージョンだった。
セッション・ドラマーのアンディ・ホワイトが演奏した3番目のヴァージョンは、
翌年発売のアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』に収録、また、1964年にアメ
リカでシングルとしてリリースされたのもこのヴァージョンだった。
この2つのヴァージョンの見分け方としては、タンバリンの音が聞こえたらそれ
はリンゴの演奏であり、アンディ・ホワイトがドラムを叩いているということに
なる。


4)キメのフレーズ「ラヴ・ミー・ドゥ」は、元々はジョン・レノンが歌ってい
た。

レノンが歌っていた歌詞ではあったが、スタジオでのレコーディングの際、ハー
モニカのパートとレノンのヴォーカルが重複することに気がついたプロデュー
サーのジョージ・マーティンはアレンジの変更を指示した。レノンが「ラヴ・
ミー・ドゥ」の「ドゥ」を歌うところでハーモニカをスタートさせなくてはなら
なかったからで、彼の役割はマッカートニーが引き継ぐことになった。


5)この曲は年間6曲のナンバー1のうちの4曲目だった。

1年間で6曲のナンバー1獲得は、米国のチャートでは歴代最高であり、ビート
ルマニアがいかにアメリカを席巻していたかを物語っている。ナンバー1到達の
順番は、「アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド」、「シー・ラヴズ・
ユー」、「キャント・バイ・ミー・ラヴ」、「ラヴ・ミー・ドゥ」、「ア・ハード・デ
イズ・ナイト」、そして「アイ・フィール・ファイン」となる。


6)50周年ではありえないミスで回収騒動に。

10年前の2012年10月、50周年を記念して、レコード・カンパニーは「ラヴ・
ミー・ドゥ」オリジナル・シングルのレプリカ盤を限定プレスでリリースした。
しかし、デビューの日である10月5日に店頭に並んだのは、アンディ・ホワイ
トがドラムを叩いたヴァージョンだった。
リンゴ・スターがドラムを叩いたヴァージョンがオリジナルであることを指摘さ
れ、メーカー側は回収を余儀なくされた。リンゴがドラムを叩いた正真正銘のオ
リジナルシングル・ヴァージョンでの50周年記念レプリカ盤は、2012年10月
22日にあらためて発売された。

Love Me Do at 60: Six surprising things you didn't know about The
Beatles' first single
- These facts about the song that introduced the Fab Four to the world
will surprise all but the most ardent Beatles fan
By Lee Grimsditch, 5 Oct 2022, Liverpool Echo
https://www.liverpoolecho.co.uk/news/nostalgia/love-60-six-surprising-things-25165105


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▼スカウスハウス・ニュース
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英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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今週の「ニュース」では、「キャヴァーン・ウォークスがホテルに」という記事
を紹介しています。
というわけで「今週のフォト」は、マシュー・ストリートの写真を(パート1)。
今年夏に撮影したものからパパパッと選びました。
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□■ 第825号 ■□

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