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May 09 2023, No.838
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼エコーのエコー:
     ジョン・レノンはスチュアート・サトクリフの葬儀に参列しなかった
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.838です。
4月25日付けの「リヴァプール・エコー」(電子版)に、ビートルズのオリジナ
ル・メンバー、スチュアート・サトクリフの記事が掲載されました。
「お、スチュの命日に合わせてのアーティクルか」と一瞬思ったけれど、ちょっ
と待てよ、スチュの命日は4月10日。半月ほど時期がずれています。でも読ん
でみると、彼の死や功績について書いてあるので、やはり追悼記事という意味合
いもありそう。でもでも、亡くなった日付について言及はなし……う~ん、やっ
ぱたまたま、かな?

その記事を翻訳して紹介しますね。「エコーのエコー」コーナーです。
訳しながら「??」と思ったところもいくつかあったんだけれど、基本的にその
まま、訂正などはせずに日本語にしています。
ファンのみなさんはご存知のとおり、ジョン・レノンはスチュの葬儀に「参列し
なかった」のではなくて、「参列できなかった」んですよね。スチュの葬儀は他
界したハンブルグではなく、地元のリヴァプールで行われました。ハンブルグの
スター・クラブと長期で演奏契約を結んでいたビートルズは彼の地を離れること
ができなかったのです(マネージャーのブライアン・エプスタインが葬儀を手
伝っています)。
でも、どうでしょう。もし物理的に行ける状態だったとして、ジョンはスチュの
葬儀に参列したでしょうか。うーん、たぶんしなかったんじゃないかな、と僕は
思います。葬儀から何週間も経ってから、雨の日の午後なんかに、ひとりでひっ
そりと、長い時間をスチュのお墓の前で過ごしている。そんなジョンの姿が目に
浮かびま……なあんて、勝手な妄想ですが。

スチュのお墓は、リヴァプールの郊外のハイトンというところにあります。
スチュの死後、1966年にはお父さんのチャールズさん、1983年にはお母さんの
ミリー(本名はマーサ)さんが同じお墓に入りました。そして2019年に妹の
ポーリーンさんも。
ビートルウィークにあわせての「スカウスハウス・ツアー」では、2018年と
2019年に「ファナティック・ビートルズ・ツアー」のコースに入れて、スチュ
のお墓参りをしました。去年・2022年は別のコースにしちゃったので、今年は
どうしよう、4年ぶりに訪ねてみようかな、と今考え中です。

そういえば、というか、「わりと最近にスチュの記事があったよなあ」と思って
チェックしてみると、ありました、ありました。
2021年8月31日発行のNLW No.796に、「エコーのエコー」として掲載していま
す。
これ、かなりマニアックで素晴らしい記事なので、興味のあるかたはぜひ再読を。

NLW No.796本文→ http://scousehouse.net/magazine/magazine796.html 
NLW No.796写真ページ(スチュゆかりのスポットを紹介)→
            http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo796.html 

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「今週のフォト・アルバム」では、スチュアート・サトクリフゆかりのスポット
を紹介。NLW No.796ではスチュのお墓のほか、郊外のゆかりの地を掲載してい
るので、今回はリヴァプールのシティ・センターで集めてみました。昨年撮影の
写真が多いけど、なかには2008年のものも。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo838.html 

                        --- Kaz(09/05/2023)


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▼エコーのエコー:
    ジョン・レノンはスチュアート・サトクリフの葬儀に参列しなかった
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4月25日付「リヴァプール・エコー」に、スチュアート・サトクリフについて
の記事が掲載されました。翻訳して紹介します。

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ジョン・レノンはスチュアート・サトクリフの葬儀に参列しなかった 

 カラム・クラムリッシュ&アアロン・カーラン
 2023年4月25日・リヴァプール・エコー

ザ・ビートルズの原型が出来上がったのは1956年で、当時はザ・クォリーメン
という名前だった。ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、そしてジョージ・
ハリスンという最強のメンバーが揃ったときだ。その後彼らは、ベースにスチュ
アート・サトクリフ、ドラムにピート・ベストを加えてザ・ビートルズとして活
動するようになる。
しかしベストは唐突に解雇される(リンゴ・スターに交代)という憂き目に遭い、
サトクリフはグループのサクセスを目にするまで生を繋ぐことができなかった。

強烈な頭痛に襲われるようになったとき、サトクリフは21歳になったばかり
だった。一度痛みが始まったら、自力でそれを抑え込むことは出来ない。アート・
クラスの授業中に、激痛に耐えられずに気を失うこともあった。

医者に診せても、原因はさっぱりわからなかった。適切な治療は受けられず、頭
痛はひどくなるばかり。そして1962年4月10日、サトクリフはまたもや昏倒し、
病院へ運ばれる救急車の中で息を引き取った。

時を経ずして、ビートルズのメンバーは悲報を知らされた。しかしジョン・レノ
ンは事実として受け止めることができなかった。親友が急死したと聞いた彼は、
ショックのあまりヒステリックに笑い出し、そのあと膝をついて号泣したという。
しばらくは放心状態で、落ち込みようはどうしようもなく、葬儀へ参列すること
さえできなかったと言われている。

その後死ぬまで、レノンがサトクリフについて何かを話すことはほとんどなかっ
た。彼が受けた傷はあまりにも深く、痛みが癒えることはなかったのだ。サトク
リフの4年前に最愛の母をひき逃げで亡くしていたことを思えば、それも無理は
ない。

バンド全体にとっても、サトクリフの死は大きな衝撃だった。彼はザ・ビートル
ズを形作る上で重要な役割を果たしていた。バンドは彼と一緒にドイツのハンブ
ルグに来て、数ヶ月にもわたる厳しいレジデンス・バンドとしての生活を共にし、
名声を得るべく努力を続けたのだ。

しかしバンドにとって2回目のレジデンス修行が終わりを迎えた1961年7月、
サトクリフはグループに別れを切り出す。生涯の友に面と向かって、ザ・ビート
ルズを抜けると伝えたのだ。彼が最初に心を捧げた「アート」が自分を呼んで
いると、そのとき彼は感じていた。バンドを辞めて、ガールフレンドのアスト
リット・キルヒヘルが学んでいるハンブルグのアート・カレッジに入学すると宣
言したのだ。

それを聞いたレノンは激怒した。最も信頼し合っていると信じていた長年の友に、
見捨てられたように感じたのだ。レノンはサトクリフに殴りかかり、サトクリフ
も応じた。殴り合いの喧嘩は、感情的にも身体的にも、双方に青痣となって残っ
た。

サトクリフについて、レノンが沈黙を破るのは珍しいことだった。しかしそんな
ときの彼は、友についてのいい思い出だけを話した。こんなふうに。
「スチュにはいつも一目置いていた。どんなことがあっても俺には真実を言って
くれたから。ほかのやつに褒められたって信じないけど、あいつに褒められたら
『ああそうなんだ』って思えるんだよ」

長い年月が経って、ほかのメンバーも、自分たちの人生やキャリアにおいて、い
かにサトクリフから影響を受けたかを振り返っている。マッカートニーは2020年、
サトクリフの80歳の誕生日に、インスタグラムのアカウントでお祝いのメッセー
ジを贈った。
「うちの初代ベース・プレイヤー、スチュアートが今日で80歳だ! 一緒に過
ごした時代のグレイトな思い出がたくさんあるよ。誕生日おめでとう、スチュ! 
ラヴ ポール」

ハリスンは、サトクリフのミュージシャンとしてのクォリティについて「ラビッ
シュ(ごみ)」とジョークで答え、こう続けている。
「彼はスゴ腕のミュージシャンってわけじゃなかったよ。実際、俺たちに言われ
てベースギターを買うまで、彼は音楽なんてやったことがなかったんだから。そ
れで、いくらか教えてもらったり、ちょっとは練習もして…まあ、大してうまく
はならなかったけどね。でもそんなことはどうでもよかったんだよな。何しろ
彼はとんでもなくカッコよかったから」


Beatles star John Lennon didn't go to Stuart Sutcliffe's funeral and
 couldn't even say his name
  -When he heard that his friend had died he "laughed hysterically"
   then dropped to his knees and weeped
 By Callum Crumlish & Aaron Curran, St Helens Reporter
  25 April 2023, Liverpool Echo

https://www.liverpoolecho.co.uk/news/liverpool-news/beatles-star-john-lennon-didnt-26777129


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▽スカウスハウス・ニュース
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***  Beatleweek 2023 スカウスハウス・ツアー:参加者募集中! ******

今年8月にリヴァプールで行われる「インターナショナル・ビートルウィーク」
観賞パッケージ『スカウスハウス・ツアー2023』の参加者を募集中です。
聖地リヴァプールで開催される世界最大のビートルズ・フェスティヴァル「イ
ンターナショナル・ビートルウィーク」。今年・2023年は、おなじみの「ビート
ルズ・コンヴェンション」やアデルフィでのオールナイト・パーティー、フィ
ルハーモニック・ホールでのハイ・クォリティなコンサートやすっかり名物と
なった「ルーフトップ・コンサート」、さらに昨年に続いてマージー河畔のヨッ
ト・クラブでもイヴェントが開催されるほか、ホープ・ストリートやヨーコ・レ
ノン・センターでの新企画も登場。輪をかけて盛りだくさんの内容になっていま
す。
もちろんスカウス・ハウスのオプショナル企画も充実。各種ビートルズ・ツ
アーに、マージー・フェリー乗船、ウェルカム&フェアウェルパーティーなど
でリヴァプールとフェスティヴァルを満喫していただきます。

初めてのかたもリピーターも大歓迎! この夏、ぜひリヴァプールでお会いし
ましょう!
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2023.html 


***  スカウスハウス通販:英国盤レコード ******

スカウスハウス通販「英国盤レコード」では、昨夏リヴァプールで買い付けてき
たアイテムを、「2022新入荷」というコーナーで紹介しています。少数精鋭とい
うか、貴重盤と珍盤が目立つラインナッ
プとなりました。リヴァプールならでは、なものもいくつかあり。
オーダーをいただけるとうれしいです。
 http://scousehouse.net/shop/records2022.html 


*** 現地ビートルズ・ツアー ******

スカウス・ハウスでは、ビートルズ・ファンの「聖地巡礼」の旅をサポートし
ています。リヴァプールでは、22年目となった「リヴァプール・ビートルズ・
ツアー」、名所観光とランチがプラスされたお得な「ビートルズツアー+ランチ
&名所観光」、「伝説のカスバクラブ・ツアー」をご用意。「現地英語ツアー
(Magical Mystery Tour, Mendips & 20 Forthlin Road Tour)」の代行予約も
承ります。
ロンドンのビートルズ名所を訪ねる「ロンドン・ビートルズ・ツアー」も大好
評。イギリス旅行の際にはぜひご利用ください。
 http://scousehouse.net/beatles/beatlestour_liverpool01.html
 http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


***  PLAY AT THE CAVERN! ******

スカウス・ハウスでは、リヴァプールのキャヴァーン・クラブでのライヴをア
レンジしています。もちろん現地コーディネートつきです。
ウェブサイトの「for ビートルズ・バンド - PLAY AT THE CAVERN!」ページを
ご覧ください。
ビートルズ・バンドのみなさん、「リヴァプールのキャヴァーン・クラブで演
奏する」という夢をぜひかなえてください!
 http://scousehouse.net/beatles/playatthecavern.html


*** スカウスハウス通販:シルバー・アクセサリー ******

スカウスハウス通販「シルバー・アクセサリー」のアイテムは、すべてスカウス
ハウス・オリジナルです。いちばんのおすすめは「Lennon-NYペンダント」が入
荷しています。ジョン・レノンがニューヨーク時代に愛用していたペンダントを
イメージしたアクセサリー。チェーンの太さ&長さはお選びいただけます。
現在、アクセサリー全アイテムを対象に、お手入れ用磨き布(研磨剤入り)を
プレゼント中。オーダーをいただけるとうれしいです!
 https://scousehouse.net/shop/silver.html 


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは
英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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「今週のフォト・アルバム」では、スチュアート・サトクリフゆかりのスポット
を紹介。NLW No.796ではスチュのお墓のほか、郊外のゆかりの地を掲載してい
るので、今回はリヴァプールのシティ・センターで集めてみました。昨年撮影の
写真が多いけど、なかには2008年のものも。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo838.html 


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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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       *** 隔週火曜日発行 ***


□■ 第838号 ■□

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