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May 14 2024, No.863
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼エコーのエコー:エリック・クラプトン コンサート・レヴュー
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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3日前の5月11日、エリック・クラプトンのコンサートがリヴァプールで開催
されました。
地元紙「リヴァプール・エコー」にレヴューが掲載されたので、翻訳を掲載しま
すね。

その本文にも書かれてますが、なんとエリックはリヴァプールFCのアンセム
『You'll Never Walk Alone』を軽めにですが演奏しました(歌はなし)、その終
わりに「For Jurgen!」と楽しげに声を張り上げています。ユルゲンというのは
もちろん、今季限りで退任するリヴァプールのユルゲン・クロップ監督のことで
すね。リヴァプールの人々へのサーヴィスの意味もあるでしょうが、鮮やかな手
腕で名門を復活させた名将への個人的な思い入れがきっとエリックにはあったん
じゃないかなあ、という気がします。ひとりのLFCファンとして嬉しいです。も
ちろん会場はとっても盛り上がって、最後のほうは当然ながら大合唱に(僕も
現場で歌いたかったにゃあ)。エヴァトン・ファンからブーイングが上がったの
もリヴァプールらしくていいですね。

もう1曲、5番目に演奏された『Badge』も、おそらくリヴァプールだからこそ
の選曲、なのかもです。クリームのヒット・ナンバーでジョージ・ハリスンとの
共作。ジョージはレコーディングにも参加しています。クールかつハードでカッ
コいい曲です。親友の生まれ故郷リヴァプールだから、という理由でこの曲を
セットに加えたとしても不自然ではないですよね。ひとつ前のニューカッスル公
演では、「バッヂ」のところは「ホワイト・ルーム」でした。これもクリームで
すね。

つくづく思うのですが、エリックのギターというのは音色も響きもフレーズも独
特ですよね。なんというか、聴いていると心でもなく頭でもなく、延髄が共鳴す
るような、不思議な感覚になります。同じ曲を何度もリピートしても、ぜんぜん
飽きない。「味がある」どころか、コクもキレも香りもツヤも温度もスリルも癒
しも......もうやめますが、これほどフィジカルに訴えかけてくるサウンドもな
かなかないように思います。ヴォーカルもいいけどね。そりゃあもちろん。

● ● ●

「今週のフォト」では、2017年5月、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホール
でのエリック・クラプトンの写真を。お客さんのアテンドで3デイズ全公演を観
に行ったのです。ロイヤル・アルバート・ホールでエリック・クラプトンです。
いやあほんと、至福の体験でした。いくつかセレクトして紹介しますね。
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo863.html

● ● ●

<<Beatleweek 2024 スカウスハウス・ツアー:参加者募集中!>>

今年8月にリヴァプールで行われる「インターナショナル・ビートルウィーク」
観賞パッケージ『スカウスハウス・ツアー2024』の参加者募集をスタートしまし
た。
おなじみのビートルズ・コンヴェンションやアデルフィでのオールナイト・パー
ティー、キャヴァーン・クラブでのライヴはもちろん、レトロな雰囲気のグラン
ド・セントラル・ホールでのハイ・クォリティなコンサートやマージー河向こう
のニュー・ブライトンでの大きなイヴェント、ファブ・フォー4人の母校でのラ
イヴ、さらにはあの伝説の「マシュー・ストリート・フェスティヴァル」プチ復
活の野外イヴェントなどなど、これでもかというくらい盛りだくさんの企画が用
意されています。
もちろんスカウス・ハウスのオプショナル企画も充実。リヴァプールとフェス
ティヴァルを満喫していただけるラインナップを考えています。
初めてのかたもリピーターも大歓迎。聖地リヴァプールで開催される世界最大の
ビートルズ・フェスティヴァルに、あなたもぜひ! この夏、ぜひリヴァプール
でお会いしましょう!
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2024.html 

                        --- Kaz(14/05/2024)


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▼エコーのエコー:エリック・クラプトン コンサート・レヴュー
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2024年5月12日付「リヴァプール・エコー」に掲載された記事を翻訳して紹介
します。
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エリック・クラプトン コンサート・レヴュー

「ユルゲンのために」とエリック・クラプトン。M&Sバンク・アリーナでファン
は合唱。

 シェリル・マリン
 2024年5月12日・リヴァプール・エコー

偉大なギター・プレイヤーのオールタイム・ランキングを見れば、どのリストに
もエリック・クラプトンの名前が載っているはずだ。おそらくトップか、それに
近い場所に。当然だと私は思う。サリー生まれのミュージシャンで、1960年代の
初期にザ・ヤードバーズのメンバーとしてキャリアをスタート。このバンドは
ジェフ・ベックとジミー・ペイジものちに在籍することになる。ジョン・メイ
オール&ザ・ブルースブレイカーズで少しの間プレイしたあとで、クラプトンは
ジンジャー・ベイカーとジャック・ブルースとともにクリームを結成する。

世界初の "スーパーグループ" クリームの活動期間はわずか3年弱。しかしこの
短い期間に発表された彼らの4枚のアルバムがロック・ミュージックの様相を
一変させることになる。ロック、ブルーズ、ジャズを融合させたクリームのサウ
ンドは、すべてのジェネレーションのミュージシャンをダイレクトに刺激し、
ロック・バンドの次の可能性への道を開いたのだ。やがてそれは音楽シーンを席
巻することになる。

いくつかの例外はあるものの、1970年以降のクラプトンは、基本的にソロとして
活動して来た。彼は2018年、「ローリング・ストーン」誌に「だんだん耳が聴こ
えなくなっているし、指もなんとか動く程度」だと語っている。しかしそれでも
なお、彼は歩みを止めようとしない。79歳という年齢をものともせず、短めなが
ら今回のUKツアーに乗り出したのだ。

昨晩のM&Sバンク・アリーナは9日間のツアーのうちの2日目で、リヴァプール
では2009年以来ほぼ15年ぶりのコンサートだった。

11,000席のシートはほぼ完売。その規模でありながら、信じられないくらいに親
密な空気でのギグになった。
楽器が所狭しと並べられたステージセットは殺風景で、上部には6つのスクリー
ンが設置されている。薄暗い照明の中エリックと彼のバンドが登場すると、ア
リーナの聴衆は拍手で迎える。ギターを持ち上げ、彼はそのまま「ブルー・ダス
ト」に取り掛かる。素晴らしい彼のギター・プレイのショウケースのようなイン
ストゥルメンタル・トラックだ。
続けて「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ」。彼の声は変わらず魅力的で。パワーの
衰えは少しも感じられない。この曲が終わると、彼は初めて観衆に向き合い、
「グッド・イーヴニング」とひと言。そして次の曲「フーチー・クーチー・マン」
へと続ける。

彼を取り囲んでいるのは、おそろしく腕の立つミュージシャンたち。ギターの
ドイル・ブラムウェル、ドラムスのソニー・エモリー、キーボードのクリス・
ステイントン、ハモンド・オルガンのティム・カーモン。そしてベースのネイザ
ン・イースト。彼は音楽史において最も多くのレコードで演奏をしたベース・プ
レイヤーのひとりだろう。マイケル・ジャクソンやドリー・パートン、スティー
ヴィー・ワンダー、ダフト・パンク。これらのスターはそのリストのほんの一部
だ。

彼らはスピリチュアルなトラック「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」を演奏。続
けて「バッヂ」、さらに「プレイヤー・フォー・ア・チャイルド」。そしてエリッ
クはエレクトリック・ギターを脇に置き、座り、アコースティックに持ち替える。
ネイザン・イーストのダブル・ベースとの共演で彼は、「カインド・ハーテッド・
ウーマン」、「バック・ホーム」そして「ノーバディ・ノウズ・ユー・ホエン・
ユーア・ダウン・アンド・アウト」をプレイする。

勇敢な男は、聴衆の半分を敵に回すリスクを恐れなかった。何の前触れもなく、
彼は「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」を弾き始める。アリーナはすっ
かり彼の術中にはまっている。彼が何を演奏しているのか、ファンが確信を得る
までに2,3小節ほどかかった。しかしそれがわかると、大きな歓声と少しのブー
イングが鳴り響く。

バッキング・シンガーのシャロン・ホワイトとケイティー・キスーンが巧みに最
後のコーラスへと聴衆を導く。このアンフィールドのアンセムのエンディングは、
「フォー・ユルゲン」。エリックの高らかな一言に、オーディエンスからは特大
のリアクションが沸き起こる。

アコースティック・セットの締めくくりは、感動的な「ティアーズ・イン・ヘヴ
ン」。再びエレクトリック・ギターに持ち替えて、アップテンポの「ゴッタ・
ゲット・ベター・イン・ア・リトル・ホワイル」、「ユー・ワー・ゼア」、そして
「クロスローズ」。

「リトル・クイーン・オブ・スペード」。アリーナのそこかしこでつま先がタッ
プされる。そして「コカイン」でギグはハイな(つまらない語呂合わせは勘弁を)
エンディングへと到達。メンバーたちは一礼をしてステージを去って行く。

彼らが不在の間、耳をつんざくような「モア」のコール、そして鳴り止まない拍
手が響き渡る。

彼らはステージに戻り、エリックがアンコール・ソングの説明をする。「ザッツ・
オールライト」。今年100歳を迎えたブルース・ギタリストのジミー・ロジャー
ズのナンバー。飾りのない、余分なものもない、ただただマスタークラスのギ
タープレイをファンに差し出すことがテーマであるこのセットの、パーフェクト
なエンディングだと言える。

2時間近くにわたるセットで、彼がオーディエンスに向けて発した言葉は、半
ダースにも満たないはずだ。しかしそんなことはまるで関係ないかのように、
ファンたちはこのロック・レジェンドに対する敬服の気持ちを表現していた。

昨晩彼は、拍手(クラップ・オン)をさせ、あるいは拍手をやめて(クラップ・
オフ)聴き入らせていた。79歳のオールド・レジェンドは、ぼろぼろにくたび
れる(クラップ・アウト)こととは無縁なのだ。


Eric Clapton says 'for Jurgen' as fans sing at M&S Bank Arena
 -The legendary guitarist is at the beginning of a short UK tour

ERIC CLAPTON AT THE M&S BANK ARENA

 By Cheryl Mullin, Content Editor
  12 MAY 2024, Liverpool Echo

https://www.liverpoolecho.co.uk/whats-on/reviews/eric-clapton-says-for-jurgen-29151958?


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▽スカウスハウス・ニュース
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       *** 隔週火曜日発行 ***


□■ 第863号 ■□

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◇編集 山本 和雄
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