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November 05 2024, No.874
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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     *** http://scousehouse.net/ ***


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼エコーのエコー:ビートルズのサイン入りLP『ヘルプ!』がオークショ
  ンに
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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「エコーのエコー」で、ビートルズのサイン入りLPレコード『HELP!』のエピ
ソードを紹介しています。
詳しくは本文を読んでいただくとして、ちょっと横道へどうぞ。こちらです。

最初のオーナーがビートルズ4人にサインをもらったのは、1965年12月5日、
リヴァプール・エンパイアでのコンサートのあと、関係者を招待してのパー
ティーの際でした。会場は由緒あるアデルフィ・ホテル。今年開業110年を迎
えたこの巨大なホテルは、「インターナショナル・ビートルウィーク」のメイ
ン会場として30年以上使われていて、僕にとっても馴染みのある、というか
思い出がたくさんあるスポットです。なので、ちょっと気になってしまいまし
た。なにが気になったのかというと、ビートルズとして最後となったホームカ
ミング・コンサートの後で催されたパーティーは、アデルフィ・ホテルのどの
部屋で開かれたのでしょう? 気になっていろいろと調べてみたのですが、
まったくわかりませんでした。写真すら見つけることができません……。

なので、推測してみることにしましょう。
アデルフィにはたくさんのバンケット/カンファレンス・ルームがありますが、
階段を使わないといけない地下や2階を除外すると、クロスビー、ダービー、
ピアース、セフトン、エンパイアの5つのスイートにしぼられます。ビートル
ズの友人知人が多数招待されたパーティーということは、それなりの広さが必
要なので、まず(比較的)狭いうえにアクセスもちょっと面倒なピアースとエ
ンパイアが脱落。

次に、セキュリティと利便性を考えます。正面玄関に最も近いのはクロスビー
だけど、ビートルズを正面玄関から出入りさせるのはホテルにとってリスクが
高すぎます。なのでクロスビーも脱落。

残ったセフトンとダービーを比べると、会場には招待客だけが入れるようにす
る必要があるので、独立した出入り口が必要。となると東の出入り口に近い
ダービー・スイートがベストということになります。かなりの広さがあるし、
部屋のすぐ外にトイレもあります。ボールルームやラウンジにつながる通路を
シャットアウトして、東の出入り口からビートルズや招待客を出入りさせれば、
完全貸切り個室のできあがり。出入り口に面した道(ブラウンロウ・ヒル)は
幅が広く、送迎車をつけるのも容易です。さらに、正面玄関と東口はいくぶん
距離があるのも好都合。

というわけで、およそ59年前にビートルズが開いたプライヴェート・パー
ティーの会場はアデルフィ・ホテルのダービー・スイートで決定です。ピース!

……と、好き勝手に想像して決定までしてしまいましたが、こういうことを考
えるのって、なかなか楽しいですよね。
来年のビートルウィークでは、実際にダービールームの中で、ビートルズの
パーティーの様子を妄想してみたいと思います。HELPのレコード持って行こう
かな。

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ビートルズの『ヘルプ!』UK盤レコード、スカウスハウス通販でも扱っていま
す…というか、2年間も売れ残っています。なかなかいいコンディションで、
おすすめです。サインは入ってないですけど、よかったらどうぞ。

レコード通販トップページ https://scousehouse.net/shop/records2023.html
商品ページ https://scousehouse.net/shop/record_beatles2022.html

あ、今年リヴァプールとハンブルグで買い付けたレコードは、近々…おそらく
今月中にアップします。

● ● ●

10年半前の2014年3月発行のNLW No.576に、アデルフィ・ホテル100周年の
記事を載せています。
 https://scousehouse.net/magazine/magazine576.html

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「今週のフォト」は、アデルフィ・ホテルのダービー・スイートの写真を掲載
します。「ビートルウィーク」でのライヴの写真ばかりになるかも??
 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo874.html

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≪Beatleweek 2025出場バンド:募集終了≫
2025年のインターナショナル・ビートルウィーク(8月20日~26日)に日本
代表として出場するビートルズ・トリビュート・バンドの募集は、終了しまし
た。現時点では追加募集の予定はありません。

                        --- Kaz(05/11/2024)


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▼エコーのエコー:ビートルズのサイン入りLP『ヘルプ!』がオークションに
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2024年10月27日付「リヴァプール・エコー」に掲載された記事を翻訳して紹
介します。
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ビートルズのサイン入りLP『ヘルプ!』がオークションに
 元々の持ち主はリヴァプールのアデルフィ・ホテルでサインをゲット

 ダグラス・ウィットブレッド&ハンナ・リース
 2024年10月27日・リヴァプール・エコー

ザ・ビートルズのサインが入ったLPレコード『ヘルプ!』がオークションに
出品された。メンバー全員がサインをしたLPレコードは非常にレアで、出回っ
ている数は100に満たないとされている。10月23日水曜日に行われたオーク
ションで、このアイテムの落札額は1万ポンド(およそ200万円)に達した。

元々の持ち主がポール・マッカートニー、ジョン・レノン、リンゴ・スター、
ジョージ・ハリスンの4人からサインをもらったのは1965年で、場所はリヴァ
プールのアデルフィ・ホテルだった。同日に行われたリヴァプール・エンパイ
アでのソールドアウト・ショウの後での出来事で、このコンサートは結果的に
ファブ・フォーにとって故郷での最後のライヴ・パフォーマンスとなった。

レコードには、サインをもらった本人による手紙が添えられている。無名の音
楽ファンによって、ただの1枚のレコードがどのようにして歴史的なメモラビ
リアに変わったのか。

「このビートルズのレコード『ヘルプ!』のカヴァーには、1965年にメンバー
4人全員が私のために書いてくれたサインがあります。その年に彼らがリヴァ
プールに戻って来た時にもらいました」
「彼らの親しい友人のパディ・デラニー(マシュー・ストリートのキャヴァー
ン・クラブの元ドアマン)は、私の友人でもあったのです。彼は私がサインを
もらえるようにと、アデルフィに連れて行ってくれました」
「ジョージにサインを頼むときにものすごく言い出しにくかったのをよく憶え
ています。彼はそのとき他のだれかと真剣に話している最中だったから。でも
彼はペンを手に取ってくれました。ビートルズにサインをもらうのは、その頃
の私にとってはドリームのひとつでした」
「ジョンとリンゴは彼らそれぞれの上の部分に、ポールとジョージは下にサイ
ンしています。すべてのサインは黒のボールペンで書かれています」

当時のビートルズのロード・マネージャー、ニール・アスピナルは、12月6日
の日記に、「ボーイズはアデルフィに泊まるよりもそれぞれの家で過ごすこと
を選んだ」と記している。コンサートの後は友人たちと旧交を温めた、とも書
いてあり、おそらくそれはアデルフィ・ホテルでのことだと思われる。

グループの専属運転手、アルフ・ビックネルもまた、日記をつけていた。12月
6日の記述はこうなっている。
「今日はおそろしく平穏だった。少し走り回って、ボーイズたちを降ろしたり
乗せたり。いく人かのナイス・ピープルに会った。明朝はマンチェスターに立
つ。何も問題ないだろう。すべてがすこぶる順調」

くだんのサイン入りレコードは、1989年に音楽愛好家ボブ・トッドが購入した。
しかし翌1990年に白血病と診断されたため、彼は親しい友人のマックス・
ニュービーにそのレコードを譲った。ボブはその次の年に亡くなった。

そのマックスもこの世から旅立って8年が経ち、このアルバムを手放す時期が
来たと考えた未亡人のアニー・ニュービーは、アンダーソン&ガーランド・
ミュージック・オークションの手に委ねる決心をした。彼女はこう話している。
「このサイン入りレコードは、マックスとボブに計り知れないほどの喜びをも
たらしてくれました。ボブがこれを購入した日のこと、今でもよく憶えてるわ。
興奮を抑えきれない様子でマックスに見せに来たのよ」

「手に入れたその足で我が家にやって来たの。で、それから何時間もふたりで
しゃべり続けたの。ビートルズのことや、自分たちの思い出だとか。1960年代
初めのキャヴァーン・クラブはどうだったとか、そんな話。夜中の2時ぐらい
までやってたわね。穴が開くほどアルバムのカヴァーを見て、ボールペンの跡
でどれくらい凹んでるかとかチェックしてた」

「長年我が家の壁に飾ってあったんだけど、私、そろそろかなって思ったのよ。
この、音楽史のスペシャルなピースを次のファンに譲るべきなんじゃないかっ
て。マックスやボブと同じくらい値打ちをわかってくれる人にね。このアルバ
ムのために、愛すべきお家を見つけてあげるのが私のするべきことだって思っ
たの」

このレコードは、最初の所有者が書いた証明書と、1989年1月にクリスティー
ズが発行した保険価額の領収書をつけてオークションにかけられ、落札された。
レコード盤は1965年プレスのもので、両面のマトリクスは「-2」。タックス・
コードは「MT」。『ヘルプ!』の初期盤である。

ビートルズの次のアルバム『ラバー・ソウル』がリリースされたのは1965年
12月3日。リヴァプールのコンサートの数日前のことだった。

流通しているビートルズのサイン入りレコード・アルバムは100枚以下と考え
られている。サイン入りの『アビー・ロード』がオークションにかけられたの
はわずか2枚のみ。グループのファイナル・アルバム『レット・イット・ビー』
にいたっては、サイン入りレコードは一度も確認されたことがない。

Beatles 'Help!' record signed by every member of the band sells at
auction
 −The original owner got the band's autographs at the Liverpool Hotel
  Adelphi

By Douglas Whitbread SWNS and Hannah Rees Social Media Editor
  27 Octover 2024, Liverpool Echo

https://www.liverpoolecho.co.uk/whats-on/food-drink-news/time-out-names-liverpool-11th-29255823


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▽スカウスハウス・ニュース
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*** Beatleweek 2025出場バンド:募集終了 ******

2025年のインターナショナル・ビートルウィーク(8月20日~26日)に日本
代表として出場するビートルズ・トリビュート・バンドの募集は、終了しまし
た。現時点では追加募集の予定はありません。


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▼今週のフォト
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□■ 第874号 ■□

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