June 03 2025, No.888
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** □■ INDEX ■□ ▽フロム・エディター ▼エコーのエコー:結婚相手を探して、代わりに見つけたトゥルー・ラヴ ▽スカウスハウス・ニュース ▼今週のフォト ------------------------------------------------------------------------ ▽フロム・エディター ---------------------------------------------------------------- NLW □ ご存じのかたは多いと思いますが、5月26日の月曜日(英国では祭日でした) に開催されたリヴァプールFCの優勝パレードで、悲しい事件が起きてしまい ました。 車両規制が敷かれていた道路に乗用車1台が入り込み、最初はゆるゆる走って いたものの、周りのLFCファンから荒っぽい攻撃を受けたためにパニックに なったのか、途中から群衆に突っ込んで行ったのです。 この暴挙により、100名以上が負傷、そのうち37名が病院に搬送されました。 重症は2名で、死者は出ていません。パレードのバスが通過したあとだったと いうこともあるのでしょうが、この程度で済んだのは不幸中の幸いだったと言 えるでしょう。 あ、先ほど「最初はゆるゆる走っていたものの、周りのLFCファンから荒っぽ い攻撃を受けたためにパニックになったのか、」と書きましたが、これはあく まで僕の主観で、BBCニュースの映像を観て感じたことです。実際はぜんぜん 違うかも。容疑者は確信犯で、最初からLFCファンを傷つけることが目的だっ た、という可能性もあります当然。裁判は8月に始まるそうです。 不幸な事件はありましたが、このLFCの優勝パレード、おそろしいほどに盛り 上がりました。写真を見ると街じゅうが真っ赤、マッカッカです。僕の友人知 人もFacebookに写真や動画をたくさんアップしてました(事件に巻き込まれ た人はいませんでした)。 なんでも150万人が集まったということで...えーと、ひゃくごじゅうまん、 と言われてもピンと来ないけど...リヴァプールの人口が最新の統計で92万 9,000人だそうです。てえことは、人口の1.6倍、な感じ? 僕の近所の神戸 市はというと、148万8,000人だそうで、ほお、そうか、神戸市に住民票を持 つ人の全員が揃って元町~三宮あたりに繰り出して来た感じかと想像すればい い...のかな? わかります? ,,,やっぱりリヴァプールで比較できるものを探してみようかな。ええと、そ うだ、アンフィールド。リヴァプールの本拠地スタジアムですね。アンフィー ルドのキャパシティは6万人だから、150万人はホームゲーム25回分ですね。 カップ戦を含めた今シーズンのホームゲームは今調べてみたら27試合だった ので、ほぼ1シーズンの動員数...って、ますますよくわからなくなってる気 もしないではないけど、まとにかく、とんでもない数の群衆によるとんでもな い熱狂ぶりでした。あの事件さえなければほんとうに完璧な、絵に描いたよう にピースでハッピーなパレード...になっていたはずでした。 今回のリーグ優勝は5季ぶりではあるんだけど、前回はCovidの規制で優勝は したもののスタジアムでは無観客、もちろんパレードはありませんでした。で、 その前はというとなんと、1990年。なので、LFCファンがリーグ優勝を喜び爆 発でお祝いするのは35年ぶりだったのです。35年かあ、そりゃまあこれだけ 待たされてたら無理もない。天井知らずのテンションにもなるわいねえ...な んて書いたそばから思い出すんだけど、リヴァプール、けっこうやってないか、 パレード? 直近では2022年、かな。FAカップとリーグカップの2冠のときですね。その 前は...チャンピオンズ・リーグ優勝の2019年。その前に優勝した2005年も。 あとは、カップ・トレブルの2001年か。僕のおぼえてるのはこれくらいだけ ど、もっとあるかも。2006年のFAカップ優勝の時にもやったんだっけ? い やあもう、リヴァプール、パレードざんまいじゃん。だってこの6年で3回目 だよ? なあんと幸せなことでしょう。でもね、同じ街の「青いほう」のチー ムにもパレードのチャンスが巡って来るといいなあとも思います。たとえば来 季、リヴァプールがリーグとチャンピオンズを獲って、エヴァトンがFAカッ プとリーグカップを獲る、なんてことになったら、赤青合同でのパレード、な んてことになったりして...うわあ、えらいこっちゃ。 おめでたい妄想はこれくらいにして、シリアスな話に戻ります。 5月31日にドイツ・ミュンヘンで行われたチャンピオンズ・リーグの決勝で パリ・サンジェルマンが悲願の優勝を果たしたわけですが(いちおう書いてお くと、優勝候補筆頭だったリヴァプールとベスト8を掛けたラウンドで対戦、 試合は引き分けだったけど、PK戦の末に勝ち上がりました。そりゃ優勝する わね)、パリの街にはその夜から大勢のファンが繰り出して一部が暴徒化、治 安部隊と衝突して500人以上の逮捕者が出た、というニュースがありました。 フランス2のニュース映像を観ると破壊・略奪に遭ったお店なんかもあって、 まるで暴動のよう。死者も出ています。パリではチャンピオンズ・リーグの準 決勝(5月7日)のときにも同じようなヴァイオレンス事件が起きていて、も ちろん暴れるのはほんの一部の人たちなんだろうけど、お祝いがどうやって暴 力行為に発展するのかが、僕にはさっぱり理解ができません。興奮したファン の暴走というよりはアナーキストとか極右とかに親和性があるようにも思える んだけど...。う~ん、思想性があったようには見えないリヴァプールの事件 とは違って、こちらはより根の深い、暗くて複雑な問題があるのかもしれませ ん。 ただ、今回のこの2つの事件に触れて「こんなんじゃいけない」「なんとしな ければ」と考え始める人はパリやリヴァプールに限らず世界中にたくさんいる はずで、そこから生まれるパワーにも期待したいです。スポーツは人生を豊か にしてくれるもので、暴力の道具とか口実にしちゃいけません。よね? ...と、この原稿を書きながら「ドジャーズvsメッツ」のTV放送をつけてい たのですが、大谷選手がまたすんごいホームランをかっ飛ばしました。スッ コーン、というか、パッカーンという感じの。 サッカーのゴールも、野球のホームランも、ある種の「奇跡」であり「エクス タシー」なんじゃないかと思うのです。ただただ純粋に喜び、感動する。それ でいいじゃないですか。ねえ? ザッツ・ザ・ミーニング・オブ・ライフ! ● ● ● 今号の「エコーのエコー」では、LFCファン歴80年(!)という女性のお話 を。ほっこりしますよ。ぜひ読んでみてください。 ● ● ● 「今週のフォト」は、昨年・2024年のビートルウィークの写真を掲載します。 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo888.html ● ● ● 毎年恒例、リヴァプールで開催されるビートルズの祭典「インターナショナル・ ビートルウィーク」。その観賞パッケージ「スカウスハウス・ツアー2025」の 参加者募集中です! http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2025.html --- Kaz(03/06/2025) ------------------------------------------------------------------------ ▼エコーのエコー:結婚相手を探して、代わりに見つけたトゥルー・ラヴ ---------------------------------------------------------------- NLW □ 2025年5月23日付「リヴァプール・エコー」に掲載された記事を翻訳して紹 介します。 ----------------------------------------------------------------- 結婚相手を探して、代わりに見つけたトゥルー・ラヴ エミリー・カルビア 2025年5月23日 1945年に初めて試合を観て以来、生涯にわたるリヴァプール・ファンになっ 女性がいる。「ペギー」と呼ばれる94歳のマーガレット・ピカヴァント。彼女 は14歳の時に初めてアンフィールドに観戦に訪れ、以来80年のあいだひとつ の試合も見逃していないという。しかし彼女の初観戦の動機はなんと、「男を 見つけるため」だったそうだ。 エヴァトン生まれのペギーはかつて、今は故人である夫のトミーと試合観戦を 楽しんだ。スタジアムでの特別な思い出は数えきれない。彼女のクラブに対す る愛情は、そもそもは生涯のパートナーに出会いたいという願望がきっかけ だった。しかし、フットボールに恋に落ちるのにそう時間はかからなかった。 彼女はLFCのシーズンチケット・ホルダーだが、それが最初に売り出された 1967年から手放したことはない。彼女に話を聞いた。 「ほんとうのことを言うとね、エヴァトンのグラウンドに行くつもりだったの よ。でもエヴァトンはアウェイで試合だった。だから仕方なくリヴァプールの グラウンドに行ったのよね」 「あたしは結婚相手を探してたのよ。フットボールの試合に行けばいっぱい男 がいるでしょう? その頃のあたしはね、180センチくらい身長があって、髪 もボサボサでね、ひどいおてんば娘だったのよ。道で男とすれ違っても誰も 振り向いたりしないような」 「その頃は試合を観に行く女子はそんなに多くなかったわね。ゴール裏には 9人くらいなもんよ。ある女性は魔法瓶に紅茶を入れてね、カップとソーサー と一緒に持ってきてくれてたわ。そうなのよ、私たち、ゴール裏でカップに入 れたお茶を飲んでたのよね」 ペギーには孫が12人、曾孫が21人いる。アンフィールドでのいちばんの思い 出はと問われた彼女は、チーフ・エグゼクティヴのピーター・ロビンソンに役 員室に招かれてリヴァプールとの契約書にサインしたことだと答えた。 「あの頃はね、アンフィールドでパーティを開くことができたのよ。パー ティーのついでに役員室に入ってトロフィーを見たり持ち上げたりしたものよ。 だからあたしは息子に一緒においでって言って役員室に連れて行ったのよ。鍵 を持ってる人だって知ってたし」 「あたしがドアをノックしたらピーター・ロビンソンが出てきて、ああ今パー ティーで来てるかたですねって、中に入れてくれたの。それから彼はあたしを 座らせて、じゃあリヴァプールの契約書にサインしてくださいって言うのよ。 そのテーブルにはケニー・ダルグリッシュ(訳注:当時の中心選手で、後に監 督)とシド・リークス(訳注:チェアマン)もいたの」 「彼らはウィスキーを注いでくれたのよね。あたしがふるえてるもんだから。 だって、トロフィー見ようと思って来ただけなんだもん!」 1945年以来、ペギーはレッズがメジャー・トロフィーを掲げるのを47度も見 てきた。そのうちの20回はリーグ・タイトルで、FAカップが8回、チャンピ オンズ・リーグを含むヨーロピアン・カップが6回、UEFAカップが3回。他に も、FIFAクラブ・ワールド・カップが1つ、UEFAスーパー・カップが4つ、 FAコミュニティ・シールドが16つある。 今年のプレミアリーグ優勝についてどう思うかと訊かれたペギーはこう答えた。 「とんでもなくファンタスティックだわ。いつもリーグで優勝することを期待 してるのよ」 ペギーはさらに、彼女の「夢」も教えてくれた。 「あたしにとって選手たちはアイドルなのよ。あの子たちみんなが乗るあの (パレードの)バスにあたしも一緒に乗せてくれないかしら」 I only went the match to find a fella but instead found my true love Peggy Pickavant has been a season ticket-holder since they were first issued in 1967 By Emily Carubia 23 May 2025, Liverpool Echo https://www.liverpoolecho.co.uk/news/liverpool-news/only-went-match-find-fella-31705271 ------------------------------------------------------------------------ ▽スカウスハウス・ニュース ---------------------------------------------------------------- NLW □ *** Beatleweek 2025 スカウスハウス・ツアー:参加者募集中! ****** 今年8月にリヴァプールで行われるインターナショナル・ビートルウィーク観 賞パッケージスカウスハウス・ツアー2025の参加者募集をスタートしました。 おなじみのビートルズ・コンヴェンションやアデルフィでのオールナイト・ パーティー、キャヴァーン・クラブでのライヴはもちろん、ホープ・ストリー ト・フェスティヴァルや豪華なフィルハーモニック・ホールでのハイ・クォ リティなコンサートやマージー河向こうのポート・サンライトでの大きなイ ヴェント、さらにはあの伝説の「マシュー・ストリート・フェスティヴァル」 プチ復活の野外イヴェントなどなど、これでもかというくらい盛りだくさんの 企画が用意されています。 もちろんスカウス・ハウスのオプショナル企画も充実。リヴァプールとフェス ティヴァルを満喫していただけるラインナップと自負しています。 初めてのかたもリピーターも大歓迎。聖地リヴァプールで開催される世界最大 のビートルズ・フェスティヴァルに、あなたもぜひ! この夏、ぜひリヴァ プールでお会いしましょう! http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2025.html *** スカウスハウス通販:英国盤レコード ****** スカウスハウス通販「英国盤レコード」です! 昨年夏にリヴァプールで買い付けてきたアイテムが中心です。オーダーをいた だけるとうれしいです! <通販トップページ> https://scousehouse.net/shop/records2024.html <通販商品ページ> The Beatles (LP) https://scousehouse.net/shop/record_single2024.html Singles & EPs https://scousehouse.net/shop/record_beatles2024.html <オーダー・フォーム> https://scousehouse.net/shop/orderform_ukrecords2024.html *** 現地ビートルズ・ツアー ****** スカウス・ハウスでは、ビートルズ・ファンの「聖地巡礼」の旅をサポート しています。リヴァプールでは、22年目となった「リヴァプール・ビートル ズ・ツアー」、名所観光とランチがプラスされたお得な「ビートルズツアー+ ランチ&名所観光」、「伝説のカスバクラブ・ツアー」をご用意。「現地英語ツ アー(Magical Mystery Tour, Mendips & 20 Forthlin Road Tour)」の代行予 約も承ります。 ロンドンのビートルズ名所を訪ねる「ロンドン・ビートルズ・ツアー」も大好 評。イギリス旅行の際にはぜひご利用ください。 http://scousehouse.net/beatles/beatlestour_liverpool01.html http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm *** PLAY AT THE CAVERN! ****** スカウス・ハウスでは、リヴァプールのキャヴァーン・クラブでのライヴをア レンジしています。もちろん現地コーディネートつきです。 ウェブサイトの「for ビートルズ・バンド - PLAY AT THE CAVERN!」ページを ご覧ください。 ビートルズ・バンドのみなさん、「リヴァプールのキャヴァーン・クラブで演 奏する」という夢をぜひかなえてください! http://scousehouse.net/beatles/playatthecavern.html *** スカウスハウス通販:シルバー・アクセサリー ****** スカウスハウス通販「シルバー・アクセサリー」のアイテムは、すべてスカウ スハウス・オリジナルです。いちばんのおすすめは「Lennon-NYペンダント」 が入荷しています。ジョン・レノンがニューヨーク時代に愛用していたペンダ ントをイメージしたアクセサリー。チェーンの太さ&長さはお選びいただけま す。オーダーをいただけるとうれしいです! https://scousehouse.net/shop/silver.html *** 原稿募集中 ****** NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。 旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは 英国に関するものなら何でも歓迎です。 お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。 ------------------------------------------------------------------------ ▼今週のフォト ---------------------------------------------------------------- NLW □ 「今週のフォト」は、昨年・2024年のビートルウィークの写真を掲載します。 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo888.html ■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *** 隔週火曜日発行 *** □■ 第888号 ■□ ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス) ◇編集 山本 和雄 ◆Eメール info@scousehouse.net ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/ ◆Facebook http://www.facebook.com/scousehouse.net ◇お問い合わせフォーム http://scousehouse.net/liverpool/form.html ご意見・ご感想・ご質問など、お気軽にお聞かせください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメールマガジンは、以下の配信サーヴィスを利用して発行しています。 配信の解除やメールアドレスの変更は、それぞれのウェブサイトからどうぞ。 ◆まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000065878.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2025 Scouse House |