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October 06 2026, No.920
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** □■ INDEX ■□ ▽フロム・エディター ▼エコーのエコー:「となりのリッチー兄さん」の思い出 ▽スカウスハウス・ニュース ▼今週のフォト ------------------------------------------------------------------------ ▽フロム・エディター ---------------------------------------------------------------- NLW □ NLW No.920です。 今号の「エコーのエコー」では、リンゴ・スターの家の隣に住んでいた女性の インタビュー記事を紹介します。これはなかなかのスクープだと思いますよ。 詳しくは読んでいただくとして、僕が「おおっ」と思ったのが、彼女・キャ シーさんはエディ・クレイトンの妹さんだということ。 エディはリンゴが職人見習いとして働いていた家具工場(H. Hunt & Son Ltd.) の先輩で、ギタリストでした。本名はエドワード・マイルズ。スキッフル・ ブームが英国を席巻するなか、義父のハリーにドラムセットをプレゼントされ たリッチー少年(リンゴ)は、職場で結成された「エディ・クレイトン・ス キッフル・グループ」にドラマーとして加入。ミュージシャン人生の第一歩を 踏み出すのです。昼休みの時間を使ってバンドは練習を重ね、終業後はアドミ ラル・グローヴのリンゴの家でリハーサルを続けることもあったそうですよ。 Hハント&サン社の住所を調べると、85-93 Windsor Streetとなっていて、地 図で確認したところ、なんとリンゴやエディの家からは600mくらいという近 さ。歩いて10分かかんないですよね。おそらくリンゴは毎日、スネアドラム を片手に抱えて出勤してたんじゃないかな。ギターを背負ったエディと一緒に、 ふたりであれこれしゃべりながら。リッチーは16歳で、エディはたぶん18歳。 その姿を想像すると、なんだかほのぼのします。彼らのバンドは、結成後半年 も経たない1957年の春に早くも初ステージを経験します。 もしエディがいなければ、リンゴのミュージシャン人生はどう転んでいたので しょう。 エディと同じくらい、いやもっと重要な存在だったのが、義父のハリーです。 何しろ無職だった義理の息子のために働き口を探してきたのもハリー、中古の ドラムセットのお金を工面したのもハリー、それを遠路はるばる自宅まで運ん だのもハリーでした。そもそもリンゴに音楽の楽しさを教えたものハリー、と 言えるかもしれません。彼はなかなかのシンガーでエンターテイナーだったそ うです。ディングル限定の、でしょうけど。 ディングルという地区は、今回の記事にもあるように、ほとんどのビートルズ 関連本ではあまり...というかぜんぜん好意的な描かれ方はされていません。 治安の悪いスラム地区、みたいに決めつけられているんだけど、これには僕も 「おいちょっと待てや」といつも思ってました。大きな声で意義を申し立てた い。ディングルは僕の大好きなエリアなのです。 大好きなマーガレットさんが亡くなり、エンプレス・パブがパブでなくなって しまってからは、ビートルズツアーでお客さんを案内するだけで、プライ ヴェートで訪れることはなくなってしまったけれど、ええと、90年代の後半か ら2010年くらいまでかな、ディングルにはちょくちょく遊びに行っていまし た...と言ってもまあ20回かそこらくらいのもんですが、嫌な思いをしたこと は一度もないです。それどころか、地元の人たちのあたたかさや優しさに感動 したことや、楽しい時間を過ごした思い出はたくさんあります。 ただ、この10年くらいかな、大規模な住宅再開発があって住民の立ち退きや 入れ替わりがあったせいでしょう、ディングルの雰囲気もずいぶん変わってし まったような印象です。ここ最近はツアーでちょろっと立ち寄るだけ(しかも 休日の午前中)なので、ほんとうのところはどうかわかりませんが...。 のどかで平和でカラフルだったマドリン・ストリート(リンゴの生家がある通 り)は再整備の結果、すっかり殺風景になってしまいました(新しくてきれい ではあるけれど)。 ここは公民館か集会所か、といった風情のあったエンプレス・パブは、もはや パブではなく、にゃんとバーバーになってしまいました(でもビールは飲め る…)。理髪椅子にお客さんが座っているのは見たことないです。 4歳からリンゴが暮らしたアドミラル・グローヴは、以前は子供の声でにぎや かだったけど、このごろは静かです。みんなおっきくなっちゃったかな。 ディングルで出会った人たち。マーガレット、ジム&アイリーン、ミック、ブ ライアン、リンダ...もう亡くなってしまった人もいるし、たぶん生きてない だろう人もいます。でも、彼ら、彼女らの顔や声や表情は、今でも僕の心の中 で生きています。これからも。 ● ● ● <Beatleweek 2027出場バンド:募集中です> スカウス・ハウスでは、2027年のインターナショナル・ビートルウィーク(8 月25日~31日)に、日本代表として出場するビートルズ・トリビュート・バ ンドを募集しています。出場を希望されるバンドは、info@scousehouse.net ま でご連絡ください。メール件名は「IBW27バンドエントリー:(バンド名)」と し、本文には、バンド名と簡単なプロフィール、代表者のお名前・住所・電話 番号・PCメールアドレスをご記入ください。折り返し、募集要項をメール添 付送信いたします(募集要項の内容をご検討のうえ、あらためてお申込みくだ さい)。 エントリー申し込み締め切りは、10月20日(火)です。お問い合わせはお早 めに! ● ● ● 「今週のフォト」は、ディングルにある、リンゴ・スターゆかりのスポットの 写真を紹介します。2024年以降の撮影分から選びました…が、2枚、2017年 撮影の写真が入っています。リンゴの隣家、アドミラル・グローヴ11番地が (かろうじて)写ったものと、アドミラル・グローヴのストリート写真です。 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo920.html --- Kaz(06/10/2026) ------------------------------------------------------------------------ ▼エコーのエコー:「となりのリッチー兄さん」の思い出 ---------------------------------------------------------------- NLW □ 2026年9月29日付「リヴァプール・エコー」に掲載された記事を 翻訳して紹介します。 ----------------------------------------------------------------- 「となりのリッチー兄さん」の思い出 レベッカ・マグラス 2026年9月29日 かつてリンゴ・スターの家の隣に住んでいたキャシー・マイルズが、ビートル ズの4人と顔を合わせた時のことを話してくれた。彼女の家はトクステスのア ドミラル・グローヴ11番地で、リンゴが母のエルシー・スターキー、義父の ハリー・グレイヴスと暮らしていたのは隣のドアである10番地だった。 2つの家族は親密で、キャシーの母ナンシー・マイルズとエルシーはしょっ ちゅうお互いの家でお茶を飲んでいた。ところが、リンゴの音楽キャリアが軌 道に乗り始めると、取り巻く状況は一変。静かなストリートは世界中から押し かけるファンやフォトグラファーで溢れるようになった。 現在72歳でウエールズのクイーンズフェリーに住むキャシーは、リンゴのお 隣さんとして暮らしていた日々のことを鮮明に憶えている。彼が、自分のバン ド仲間のためにエッグ・アンド・チップスを作っていたことも。 「あるとき、裏庭の塀越しに彼が叫んだの。『卵をいくつか貸してもらえません か?』って。だから母に言われて私が持って行ったの」 「彼らはちょうどスターになる直前だったのよね。それから半年もしないうち にお母さんは引っ越さなきゃならなくなったの。もうそれ以上は無理ってこと になって。住み慣れたコミュニティを離れるのが、とっても悲しそうだった」 「お母さんのために、彼はウールトンに家を買ってあげたの。私は母と一緒に バスに乗って訪ねたことがあるわ。テーブルの上に瓶詰めのステリミルク(殺 菌済みの牛乳)が置いてあって、それを見たうちの母がね、『ああエルシー、 ピッチャーに入ったフレッシュミルクを飲めないなんて、あんたこんなとこに 住んじゃいけないわ』なんて言ってたわ」 キャシーがリンゴの家に入ると、ほかの3人のビートルたちもそこにいた。 「卵を持って行ったときのこと、はっきり思い出せるわよ。その頃はもうみん な、彼らは有名になるんだって思ってたから」 「家の中に入ったら、アームチェアにポールが座ってて、ジョンは立ったまま 暖炉にもたれかかってた。ジョージはソファに座ってたわね」 「そしたらリンゴがポールにスープが入ったカップを持って来て。私はポール の膝の上に座ったのよね。そしたら彼、自分の皿からチップ・サーニー(パン にポテトフライを挟んだもの)をひとつ取って私にくれたの」 キャシーにとってそれは、お隣りのリッチーお兄さんと暮らす上でできた思い 出のひとつに過ぎない。 アドミラル・グローヴで産まれた彼女は、12歳までそこで暮らした。彼女には ジョイスとマーガレットという2人の姉と、兄のエディがいた。彼は働いてい る家具工場の同僚を誘ってスキッフル・バンドを組んだ。そのひとりが隣に住 むリンゴだった。エディはエディ・クレイトンと名乗り、バンド名をエディ・ クレイトン・スキッフル・バンドとした。 キャシーは、両方の家からはいつも音楽が聴こえたことを憶えている。彼女の 母とエルシーが、よく78回転のレコード盤を交換していたことも。 「私にとってエルシーはエルシーおばちゃん。とってもラブリーな人だった。 家の中はいつも完璧にきれいだったわ。エルシーのところも私のところも、家 族みんな音楽が大好き。あの時代のあの通りでステレオを持ってる家はほとん どなかったけど、私たちの家にはあった。もちろん彼ら(ビートルズ)のレ コードはぜんぶ揃えてたわよ。お隣さんだもの」 しかし、ビートルマニア現象が起きると、アドミラル・グローヴの住民の日常 生活は根底から変わってしまう。 通りにはいつも世界中から集まったフォトグラファーたちがいて、有名なドラ マーをカメラに収めようと待ち構えていた。 「彼らのデビュー・シングルが出てほんとにすぐだったわ、もうとんでもない ことになって。学校に行こうと家のドアを開けるでしょ、そしたらそこにはド イツやらアメリカやらいろんなところから来たフォトグラファーがいて、動く ものならなんでもって感じで写真を撮るの」 「ほんとクレイジーだった。私はそのフォトグラファーたちをかき分けて、道 の終わりで振り切って、学校に向かうの」 「ある時はね、私が通りで遊んでたら、ドイツのフィルムクルーが来て、ド キュメンタリーを作るとか言って、一緒に通りを歩かされたこともあったわ。 なんだか不思議だなあって思ったのを憶えてる。現実じゃないみたいな」 「でもね、私にとって彼(リンゴ)は、お兄ちゃんのお友達だったのよ。お姉 ちゃんはアメリカ空軍の人と結婚したんだけど、お兄ちゃんやお兄ちゃんの友 達のために安いタバコとかいろいろもらってあげてた。そんな間柄だったのよ」 キャシーはまた、エルシーと母親に連れられて、リヴァプール・エンパイアで 行われたビートルズのコンサートに行ったことも憶えている。 「とにかくずっと耳を塞いでたのを憶えてるわ。キーキー声と叫び声しか聴こ えないんだもん。あと、エルシーおばちゃんが『あれはうちの子なのよ!』っ て言ってたわね」 「それとは別の日だけど、エンパイアから戻って来たリンゴがね、うちのドア をバンバン叩いたこともあったのよ。夜の11時くらいだったかな。私は階段 を半分降りて、何事かしらって見てたの」 「ファンの集団から逃げてタクシーに飛び乗ったんだって。でも家に帰ってき たらお母さんもお義父さんもパブに出かけてていなくて、鍵も持ってなかった のね。だからうちに上がってもらったのよ。エルシーおばちゃんたちが帰って 来るまでね。それでね、その時の彼の顔が、電灯に照らされて明るいオレンジ 色だったことをよく憶えてる。ステージのメイキャップのせいよ。おしろいを 落とす暇もなかったのね」 ほんの1メートルほど先からビートルズ人気が沸騰するさまを見届けた生き証 人として、キャシーは、バイオグラフィーで描かれるリンゴの少年時代の様子 は、実態とはかけ離れていると主張する。 「リンゴのバイオグラフィーにはほとんど目を通してるけど、トクステス地区 の描写にはがっかりさせられっぱなし。アメリカのある本ではリンゴはブロン クス並みに荒れた場所で生まれ育った、なんて書いてあるんだから。腹が立つ なんてもんじゃないわよ」 折りしもリヴァプールでは新しいビートルズの伝記映画の撮影が進められてい るところだ。映画製作側が、リンゴの少年時代を正しく認識していることを、 キャシーは願っている。 「まったく、侮辱するにも程があるわよ。あの時代ってテラスハウス(長屋の ような集合住宅)に住むのはごく普通だったのよ。裏庭にトイレがあるのもね。 そもそもあのお宅のトイレはとってもきれいで、ポッシュ(上品)な感じだっ た。壁は真っ白にペイントされてたし、電気だってついてたのよ」 「子供だった時分、ここはなんて安全なんだろうって思ってた。怖い思いなん てしたことなんてないわ。夜だって外で遊んでたし。『もう寝る時間ですよ』っ て母が叫ぶまで、通りの端から端まで走り回って遊んでた。夏には6ペンスも らってプリンセス・パークに行くの。それでオレンジジュースとかジャムサ ニー(パンにジャムを挟んだもの)とか買って、一日じゅう遊んだわ。喧嘩の ひとつだって見た憶えはないわよ」 「だからね、いろんな本に書かれてることに、ほんとにうんざりしてるの私は。 特にアメリカの本にね。リンゴが生まれ育った環境を貶めるようなことばっか り。ほんとに侮辱してる。あそこはね、みんながお互いのことを知ってるの。 そういうコミュニティなの。通りに住む大人はみんな、自分のおじさんかおば さんなんだって思って育つのよ」 「ラブリーな人でいっぱいだったんだから。ブロンクスみたいなところだなん て、冗談じゃないわよほんとに」 Ringo Starr's neighbour reveals what life was really like as Beatlemania hit Toxteth --- For Cathy, before he was Ringo Starr, the global popstar was simply known as "Ritchie from next door" By Rebecca McGrath, 29 September 2026, Liverpool Echo https://www.liverpoolecho.co.uk/news/liverpool-news/ringo-starrs-neighbour-reveals-what-34690838 ------------------------------------------------------------------------ ▽スカウスハウス・ニュース ---------------------------------------------------------------- NLW □ *** Beatleweek 2027出場バンド:募集中です ****** スカウス・ハウスでは、2027年のインターナショナル・ビートルウィーク(8 月25日~31日)に、日本代表として出場するビートルズ・トリビュート・バ ンドを募集しています。出場を希望されるバンドは、info@scousehouse.net までご連絡ください。メール件名は「IBW27バンドエントリー:(バンド名)」 とし、本文には、バンド名と簡単なプロフィール、代表者のお名前・住所・電 話番号・PCメールアドレスをご記入ください。折り返し、募集要項をメール添 付送信いたします(募集要項の内容をご検討のうえ、あらためてお申込みくだ さい)。 エントリー申し込み締め切りは、10月20日(火)です。お問い合わせはお早 めに! 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