October 02 2007, No.314
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第103号 / 「今週の告知:“Liverpool European Capital of  
                        Culture 2008”プログラム 」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish103_photo.html ≫

こんにちは。
今回は題目からいきなり今週の告知です。
木曜日にTate Liverpoolにて、2008年の“European Capital of Culture”
公式イベントのプレス発表がありました。
昨年11月のゴールド・フィッシュだより69号で一部お伝えしましたが、あ
のときはSt Georges Hallでの派手なプレゼンテーションの割に、言葉
通り「お味見程度」の情報しか得られなかったのですが、2008年まで
100日をきった今、Liverpool 08の企画運営を行う団体Liverpool  
Culture Companyから、具体化したプランが明かされました。

この日のプレス発表では、数週間前に小さく再編成されたCulture  
Companyの副チェアマン/クリエイティブ・ディレクション担当に就任した
ばかりのPhil Redmondが司会を務めました。
まずは、Sir Paul McCartneyとRingo Starrのビデオ・コメント。
(こちらのBBCウェブサイトからご覧になれます。
http://www.bbc.co.uk/liverpool/content/articles/2007/09/27/capital_culture_08_feature.shtml ) 

その後リヴァプール市City CouncilのリーダーWarren Bradley、続いて
Culture Company CEOのJason Harborow 挨拶、そしてCulture  
Companyのアーティスティック・チームを代表するFiona GasperとClaire  
McColganが公式プログラムを発表しました。肝心なその内容は、こち
らからご覧になれます。
http://www.liverpool08.com/Events/2008EventsProgramme/index.asp

。。。が、おそらく非常に分かりにくいPDFフォーマットなので、350以上
ある公式イベントからかいつまんで、ハイライトを以下にお伝えします。

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【1月】
 ☆2008 オープニング・ウィークエンド☆

 <11日(金)>
 08イベントの公式オープニング・セレモニーとして、St George's Hall 
 前の広場にて "People's Opening"。オープン・エア・ショーが行われ
 ます(無料)。St George's Hall、Lime Street駅の屋上に、Ringo  
 Starrをはじめとするスペシャルゲストが登場します。

 <12日(土)>
 新Liverpool Echo Arenaにて、"Liverpool The Musical" コンサート。
 Ringo Starr、Dave Stewart(元ユーリズミックス)、Vasily Petrenko 
 (指揮者)、Royal Liverpool Philharmonic Orchestra、No Fakin DJ's 
 (ヒップホップ)、Echo and the Bunnymen, Pete Wylie, Ian Broudie,  
 Shack, The Christiansなどが出演します。
 工事現場をイメージしたユニークなステージ・セッティングで、音楽、
 映像、ライブパフォーマンスに加え、異例のコラボレーションなども繰
 り広げられる模様です。
 このイベントは現在Liverpool 08サイトにてチケット発売受付中(※)。

 <13日(日)>
 市内各地の会場、屋外でさまざまなイベントが企画されています。

 ☆the Bluecoat リ・オープニング☆
 リヴァプール最古の建築物でありイギリス最古のアート・センターとい
 われる<ブルーコート・アーツ・センター>は、2004年末からの大掛か
 りな改装工事を経て、"the Bluecoat"という名で生まれ変わります
 (the の頭文字は小文字だそうです!)。
 ブルーコートに縁のある作家、国内外の新鋭アーティストによる、
 "Now/Then"展がオープニングを飾ります。
 the Bluecoat ホームページ: http://www.thebluecoat.org.uk

【2月】
 ☆Ken Dodd &Laughter Makers☆
 2月22&23日、St George's Hall の小コンサートルームにて、リヴァ
 プールが誇るコメディ王、Ken Dodd のショーが行われます。

 ☆European Senior Boxing Championships☆
 2月21日〜3月1日、Liverpool Echo Arenaにて、ヨーロッパ各地から
 トップレベルのアマチュア・ボクサーが集結し、戦います。

【3月】
 ☆Vladimir Ashkenazy and The European Union Youth Orchestra☆
 3月30日、Philharmonic Hallにて、マエストロVladimir Ashkenazy率い
 るヨーロッパでもっとも才能ある若い音楽家が集まるユース・オーケ
 ストラによるコンサート。
 このイベントは現在Liverpool 08サイトにてチケット発売受付中(※)。

【4月】
 ☆Grand National☆
 4月3日〜5日、Aintree競馬場で毎年恒例のGrand Nationalが開催
 されます。すでにチケット発売中。
 Aintree競馬場ホームページ: http://www.aintree.co.uk  

 ☆An Audience With Shankly☆
 4月24日、West Derby RoadのLiverpool Olympiaにて、フットボール・
 レジェンドBill Shanklyをテーマに、時代、街、人々をも映し出すイン
 ターアクティブ・マルチメディア・ドキュメンタリー・シアターが上演され
 ます。

【5月】
 ☆Ecce Cor Meum☆
 5月1日、Paul McCartney作曲のクラッシック音楽 "Ecce Cor Meum" 
 の北イングランドにおけるプレミア・コンサートがリヴァプール大聖堂
 で行われます。
 演奏はRoyal Liverpool Philharmonic Orchestra & Choirで、Paul  
 McCartney本人も参加するとか。

 ☆Tate Liverpool☆
 5月3&4日は、Tate Liverpool設立20周年記念を迎える記念イベン
 トが開催されます。
 5月30日〜8月31日は、イギリス初グスタフ・クリムトの大型展が開催
 されます。
 Tate Liverpool ホームページ: http://www.tate.org.uk/liverpool/

【6月】
 ☆The Liverpool Sound☆
 6月1日 今回の2008年プログラムの超ハイライトとなっている、リ
 ヴァプールFCのアンフィールド・スタジアムで行われるライブ・イベン
 ト。メインアクトにPaul McCartney、その他国内外のリヴァプールに
 縁のあるミュージシャンが出演します。この模様はテレビ放映もされ
 るとか。
 このイベントは現在Liverpool 08サイトにてチケット発売受付中(※)。

 ☆Go Superlambbanana☆
 6月から9月初旬まで、街中に地元アーティスト、セレブリティ、コミュ
 ニティーグループなどによってデコレーションされた100頭のSuper  
 Lamb Bananaが出現します。

【7月】
 ☆Chinese Dub☆
 7月5日(土)、Mountford Hallにて、元Public Image LtdのJah Wobble 
 とリヴァプール・チャイナタウンで活動するPagoda Chinese Youth  
 Orchestraが、中×欧のハイブリッドな音楽を展開。

 ☆The Beat Goes On☆
 7月12日〜11月1日、World Museum Liverpool にて、キャヴァーンか
 らクリーム、Billy FuryからZutonsまで、過去40年間のリヴァプールの
 音楽の歴史をテーマにした展示が行われます。

 ☆John Lennon Songbook with the RLPO☆
 7月18日、Philharmonic Hallにて、Royal Liverpool Philharmonic  
 Orchestra、指揮John Wilson、ゲストボーカリストを迎え、John  
 Lennonの楽曲が演奏されます。

【8月】
 ☆World Firefighters Games☆
 8月26日〜9月3日、Liverpool Echo Arenaに世界の消防士が集ま
 り、様々なスポーツ種目を競います。
 公式ホームページ: http://www.wfg08.com/

 ☆Mathew Street Festival☆
 8月22日〜25日。恒例のフリー・ミュージック・フェスティヴァル。2008 
 年こそはストリートに戻ってきてほしいですね。

【9月】
 ☆Street Theatre at Hope Street Festival☆
 9月8日〜14日。Hope Streetにて1週間に渡って行われるパフォー
 マンスで、最終日にはなにやらサプライズが待っているそうです。。。

 ☆Will you find it?☆
 9月26日〜28日。昨年ロンドンで巨大なSultan's Elephantが現れて
 街中を驚かせた仕掛け人、Artichokeが来年のリヴァプールで何かを
 企んでいるようです。。。
  http://www.artichoke.uk.com

 ☆Liverpool Biennial International☆
 9月から11月までの10週間、2年に一度のコンテンポラリー・アートの
 祭典、バイエニアルがパワーアップして帰ってきます。

【10月】
 ☆Le Corbusier☆
 10月2日〜1月17日、メトロポリタン大聖堂The Crypt(クリプト)にて、
 日本でも有名な建築家、ル・コルビジェ展が開かれます。11月にはシ
 ンポジウムも行われます。

 ☆Halloween Lantern Parade☆
 10月31日、Sefton Parkにてハロウィーン・ランタン・パレードが行わ
 れます。
 Liverpool Lantern Companyサイト: http://www.liverpoollanterncompany.co.uk

 ☆Eric's - The Musical☆
 日程未定。Liverpool Everyman Theatreにて。70年代後半にパンク・
 ニューウェイブを巻き起こした伝説のクラブ、Eric'sをテーマにした
 ミュージカルです。

 ☆BBC Electric Proms☆
 日程・会場未定。通常はBBCがロンドンにて開催するミュージック・
 フェスティヴァルが、2008年はリヴァプールにやってきます。
  http://www.bbc.co.uk/electricproms/

【11月】
 ☆Made in Liverpool☆
 日程未定。Liverpool Biennial 主催、公募で寄せられたリヴァプール
 の若手およびアマチュア映画作家の作品のコンテスト。優秀作品は、
 FACT、BBC Big Screen(Clayton Square)、その他コミュニティー施
 設で上映されます。

 ☆Shipping Lines Literary Festival☆
 11月8&9日。リヴァプール大学School of English主催、Melvyn  
 Bragg、Roger McGough、Phillip Pullmanなど著名な文学者や詩人を
 迎えてディスカッション、朗読会、ディベートなどで構成される文学
 フェスティヴァル。

【12月】
 ☆The Rightful Owners of Song☆
 日程、会場未定。パブ・シンガー、カラオケ・ホストから、リヴァプール
 における特定の音楽ジャンルに根ざしたさまざまなプロ、セミプロの
 ミュージシャンを一同に集め、Royal Philharmonic Orchestraの演奏
 に合わせて一晩限りのコンサートを開催するという、全くもって予想
 不能なイベント。
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音楽、アート、建築、文学、シアター、ヘリテージ、スポーツ、コミュニ
ティー、野外イベントなどなど、訪れる人々すべてに何かしら接点のあ
りそうな、まさに、Something for everyoneなプログラムとなっています。
これらのメインストリームのイベントに加えて、周辺イベントが独自に企
画し2008年に乱入するのもリヴァプールならではの面白いところで、そ
ちらも楽しみです。

この日のプレス発表の最後は、リヴァプール出身バンドFarmの
"All Together Now"が流れ、ポジティブなムードで締めくくられました。

ここ数ヶ月、本当にいろいろありました。
今年のMathew Street Festivalの急遽中止の発表のあとに結果的に
縮小して決行することになった一件で、市とCulture Companyのトップ
の不仲説や内部のコミュニケーションの欠落が浮き彫りにされたり、
助成金も精力もすでに使い果たしてすべてが縮小傾向に見えたり、市
民から市民による市民のためのイベントづくりになってないと非難ごう
ごうだったり、呆れた役員や職員が辞退したり、とどめで2週間ほど前
にBBCでリヴァプールのEuropean Capital of Cultureについて特集した
テレビ番組では、こうしたドタバタ劇ばかりに焦点が当てられてリヴァプ
ールが全国放送で赤っ恥をかいたとか。

市民も08をオーガナイズする側も明らかに意気消沈で、市のお偉いさ
んがどんなに強がったスピーチをしても焼け石に水のような雰囲気が
ありましたが、今回のプレス発表をきっかけに、潮の流れがいい方向
に変わっていくんじゃないか、という希望が生まれてきた気がします。

特に司会のPhil Redmondの起用は大当たりだったと思います。いたっ
てカジュアルで、茶目っ気たっぷりにこれまであったトラブルまでもネタ
にして笑いとばし、「いろいろあってこそのリヴァプール」といわんとば
かりの開き直りと逆境に強いスカウス・メンタリティーを見せつけ、どこ
かふっきれて清清しく、妙な説得力がありました。

Phil Redmondは、リヴァプールに生まれ、テレビ制作会社Mersey
Televisionを設立し、Brookside、Grange Hill、Hollyoaksなどのテレビドラ
マを立ち上げたプロデューサーで、脚本家や地元紙のコラムニストとし
ても知られています。リヴァプールの2008を動かす役員のなかで唯一、
リヴァプールを拠点に地元を舞台にした文化事業に従事しています。

リヴァプールをキレイに格好よく見せて世界クラスの文化都市を目指
すのも結構ですが、それと同時にリヴァプールの持ち味を十二分に引
き出して、世界中に広めていってくれることを期待したいと思います。

リヴァプール08公式ウェブサイト: http://www.liverpool08.com

(※)印のついたチケット発売受付中のイベントについては、バロット制
(抽選)で、当選してはじめてチケットが購入できるシステムだそうです。
バロット申し込みは公式08サイトの以下のページから。締め切りは10
月7日ですのでお早めに。
http://www.liverpool08.com/Events/RegisterforTickets/index.asp

♪ ♪ ♪

先週お伝えした、新潮社の「旅」マガジン11月号が私の手元に届き、
何度も読み返しました。
著者リリー・フランキーさんにとってのリヴァプールは心の旅だったん
だなあと感じます。私自身同行してたのに忘れかけていた出来事や、
日常のなかで気に留めなくなった風景が鮮やかに綴られていて、私に
とってもいい思い出になります。

掲載誌が届いた翌日、Ye CrackeのスタッフZaidiaさんに見せたら、と
ても喜んでました。ページを左から右へと逆にめくりながら! 
日本の雑誌は右から左なんだよ、と教えてあげたら、「あら、アラビック
と同じなのね!」と右から左へページを逆戻りしていて微笑ましかった
です。
リリーさんと同じ座席で「旅」マガジンを読むZaidiaさんの写真撮りまし
た。
連載はまだまだ続くそうですので来月号も楽しみですね。
新潮社「旅」: http://www.shinchosha.co.jp/tabi/top_fl.html

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish103_photo.html ≫


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