January 29 2008, No.329
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** ―――――――――――――――――――――――――――――― ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 ―――――――――――――――――――――――――─ NLW □ 「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン 〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜 ― 第116号 / ホロコースト、カルチャー大臣&No.1プロジェクト ― ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish116_photo.html ≫ こんにちは。 <European Capital of Culture>のオープニング以降、紹介しきれない ほどの行事や展覧会があり、気がついたらもうすぐ2月。2008年効果 を身にしみて感じます。 まずは今週の話題から。 1月27日は国際ホロコースト記念日。今年はリヴァプール市がイギリ スでのホストを務め、1月初頭からリヴァプール各地で追悼展が開催 されています。記念日当日にはPhilharmonic Hallで記念式典が行わ れました。テーマは、<Imagine, Remember, Reflect, React>です。 リヴァプール大聖堂では "Anne Frank + You" 展が開催され、アンネ・ フランク一家の遺品やアンネの日記の複製の展示や、現在のイギリス に当てはめた人種差別の問題にも触れています。 この展覧会は2月8日まで。 リヴァプール大聖堂: http://www.liverpoolcathedral.org.uk/content/MusicAndEvents/WhatsOn.aspx タウンホールでは、"RESPECTacles" 展が行われました。 上の階に上がると、<NEVER AGAIN>と強いメッセージで締めくくられた 記念プレートが。 メインは、ボールルームに、全国から寄せられた11万個の眼鏡で飾ら れたオブジェ。部屋に足を踏み入れると、表面的な美しさを感じるだけ でなく、感情を揺さぶる何か圧倒するものがありました。 ガラスキャビネットには、Paul Clarkリヴァプール市長夫妻、Tony Blair 前首相夫妻、オノ・ヨーコ、Ringo Starr、映画『ハリーポッター』の主役 Daniel Radcliffe、俳優・コメディアン・作家・テレビ司会をこなす Stephen Fryの眼鏡もありました。 Stephen Fryは彼の母の叔母といとこをアウシュヴィッツで失っていた、 というドキュメンタリーを数ヶ月前に見たことがあったので、再びグッと きました。二度とこのような悲劇が繰り返されないよう願います。 残念ながらこの展示は26日で終了してしまいましたが、詳細は以下の ホームページから。 http://www.liverpool.gov.uk/holocaust08/exhibition/index.asp ♪ ♪ ♪ 土曜日。 1月24日付けでイギリス内閣、文化メディア・スポーツ相に任命された ばかりのAndy Burnhamがリヴァプールを訪問しました。 場所は、ピア・ヘッド近くに2010年に完成予定のMuseum of Liverpool 建設現場で、Culture CompanyのPhil RedmondとNational Museum LiverpoolのダイレクターDavid Flemingのガイドで見学するところに私ら も同行。もちろん全員ヘルメット、黄色いジャケット、安全靴着用です。 前回の大臣もそうでしたが、若い! というか自分と同じ年で国の政策 を動かす中心を担っているのか! とショックでしたが、人柄は非常に 親しみやすく、にこやかで、好青年です。 リヴァプールに生まれ、マンチェスターとの間に位置するニュートン・ ル・ウィローで育ち、ウィガン近くのレイ地区代表の国会議員です。 今でも親戚がリヴァプールに住んでいて、その昔、おじいさまがドック・ エリアにあった砂糖工場<Tate & Lyle>のトラックの運転手として長年 働いていたそうです。 就任わずか2日で、最初の公務にリヴァプールを訪れてくれたのは嬉 しいことですね。 「ホームタウンが<European Capital of Culture>となったこの年に、 現 役職に就任して、この場にやってきたという偶然を大変喜ばしく思うと ともに、リヴァプールの発展に可能な限り貢献していきたい」 とのことでした。 このあと、リヴァプールFCの試合に招待されていて、アンフィールドへ 向かったようなのですが、実はエヴァトン・ファンだそうです。 Museum of Liverpoolの現場を訪れ、いよいよ建物の骨格が明らかに なってくるのを見ながら、徐々に実感が湧いてきました。まだ先ですが、 完成が楽しみです。 Museum of Liverpool: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/about/capitalprojects/mol/ ♪ ♪ ♪ 先週お伝えしきれなかった、1月19日にEcho Arenaで行われたライブ コンサート "The Number One Project Live" 。 過去50年間に56曲、世界で最も多くのナンバーヒットを輩出したリヴァ プールは、ギネス記録にも載っている<World Capital of Pops>です。 ソールドアウトではなかったものの、会場はほぼ満席。私の座った席 は、フロアレベルの最後列でしたので、遠目でゆる〜く鑑賞しました。 参加パフォーマーが増えたため、予定より30分繰り上げて7時半にス タート。間に休憩を挟んで前半19曲、後半19曲。 若いところでは、リヴァプール発のガールズ・グループAtomic Kitten。 27日にダウンロードオンリーでリリースされるチャリティー・シングル <Anyone Who Had A Heart>(オリジナルはCilla Black)を披露するほ か、彼女らのNo.1ヒット<Whole Again>など2曲、そしてソロでNatasha Hamilton がCilla Blackの<You're My World>をカバー、Liz MacClarnon がJohn Lennonの<Imagine>を歌いました。 その他、テレビドラマ《Brookside》出演、その後《Xファクター》で火が付 いたRay Quinn、《Hollyoaks》キャストEton Road が、生まれるまえに ヒットした曲を歌います。 渋いところでは、Billy FurryのバックバンドFurry's Tornadosが<Half Way to Paradise>、ギタリストPaul Kappaがブルージーなギタープレイ とともに<Lady Madonna>をカバー。 懐かしいところでは、China Crisisが<Starry Eyed>など2曲、Icicle WorksのIan McNabbが<Woman>をカバー。 前半の締めくくりに登場したThe Scaffoldが<Lily The Pink>を歌い始め ると、この日最初のスタンディングオベーション。 続いて、Lightning Seedsの<Three Lions>のThe Scaffold版ヴァージョ ン<Three Shirts On A Line>を発表して盛り上がりました(音源は Number One Projectマイスペースで聞けます!)。 メンバーのRoger McGoughの姿は見られず残念でしたが、最高に楽し いステージでした! 後半に盛り上がったのは、Dr & The Medics。 実は彼らは公式には「リヴァプールのNo.1」としては認められていませ んが、バンドは<Spirit in The Sky>でナンバー1を獲得、リーダーで ボーカルのDoctorがリヴァプール生まれなので、57曲目のナンバー1 ヒットに加えられるようキャンペーン中です。 Frankie Goes To Hollywoodの<Two Tribes>を猛烈にカバーして会場 が沸き、次の<Spirit in The Sky>では踊りだす観客も出てきました。 元Eton RoadのAnthony Hannahがカバーした、Frankie Goes To Hollywoodの代表的なヒット曲<Relax>は、ちょっとナイーヴすぎて勢い に欠けていてがっかり。これもDr & The Medicsに任せておけばカッコ よかったんだろうなと思いました。 もう一曲のヒット<The Power of Love>は、Frankie Goes To Hollywood のメンバーNasherのギターでブルースシンガーConnie Lushが力強く 歌い上げました。 意外なアレンジでよかったのは、女性シンガーThea Gilmoreがカバー した、Dead Or Aliveの<You Spin Me Around>。 原曲はハイエナジーなダンスミュージックだったのですが、アコース ティックでメロディーがいい感じに活かされていました。 3週連続でアリーナに出演のThe Farmは、The Searchersの<Needles and Pins> をカバー。 そしてラストには長老Gerry Marsdenが登場。一番元気なパフォーマン スだったかもしれません。 <Ferry Cross The Mersey>、<How Do You Do It>、<You'll Never Walk Alone>の3曲。 <You'll Never 〜>では出演者全員が集合しました。観客の中にはエヴ ァトンのスカーフを広げながら歌う人も。 すべてのショーが終了したのが11時。リヴァプールのミュージシャンに よるリヴァプール発のナンバー1ヒット=庶民に愛され、みんなが一緒 に歌える曲のオンパレードで、これこそ「人々のイベント」だと思いまし た。 ♪ ♪ ♪ 【今週の告知】 Number One Project は、このライブのみならず、シングルとアルバム の発売も予定しています。 このプロジェクトの収益金はすべて、マージーサイドの6つのチャリ ティー団体に寄付されます。 また、これらの曲は、Parr Street Studiosでレコーディングされました。 ●1月27日(シングル発売) Atomic Kitten <Anyone Who Had A Heart> ※ダウンロードのみでのリリース。 ●2月7日(アルバム) 《Liverpool- The Number Ones Album》リリース 詳しくは、こちらから。 Number One Project: http://www.thenumberoneproject.org マイスペース: http://www.myspace.com/thenumberoneproject それではまた来週! ミナコ・ジャクソン♪ ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish116_photo.html ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2008 Scouse House |