April 01 2008, No.338
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第123号 / 季節の変わり目の音楽イベント ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish123_photo.html ≫

こんにちは。
先週はイースターホリデーでお休みをいただき、久々にゆっくりしまし
た。
そして、この週末には時計が夏時間に変わり、季節の変わり目を感じ
るようになりました。しかし、日本の友達や親戚から桜が満開と聞くた
びにウズウズして花見願望が高まり、ネットで桜の花の造花までオー
ダーしてしまったほどです!
来年こそは花見の時期に帰って日本の春を満喫したいと思ってます。

さて、今週のリヴァプールですが、まだ学校のイースター休暇が続いて
いることもあり、お休み中の子供をターゲットにしたイベントやワーク
ショップが多かったようですが、そんな中で、今週行われた大人向け音
楽イベントを2つほどお伝えします。

♪ ♪ ♪

雨のシトシトふる土曜日の晩に、出かけようか出かけまいか散々迷っ
た末、Parr Street Studiosへ行ってきました。
上の階のバー<3345>ではよくアコースティックのライブやDJがあったり
しますが、この日はスタジオ2でのライブイベント。このスタジオの3人
のオーナーの1人で、Steve McFarlane(ボーカル)、Mike Neary(ピア
ノ/ギター)のコンビが出演しました。

Steve McFarlaneは、ジャズ、ブルース、スウィング、ポップ、ロックなど
レパートリーが広い実力派シンガーです。厚みのある、いい声してま
す。
ビートルズ、エルトン・ジョン、バカラック、ジミー・ウェッブなどのスタン
ダードナンバーに加え、最近亡くなったSteveの友人であり、サックス
奏者だった故Steve Cutmoreに捧げたオリジナルの楽曲も披露しまし
た。
Steve McFarlane: http://www.ccuk.com/Steve/index.htm

ゴールドフィッシュ81号でこのスタジオをご紹介したときには、その静
寂さがとても印象的だったのですが、この晩は暖色系の照明と複数の
丸テーブルが設置され、グラスを傾けながら音楽を楽しむ大人のライ
ブ会場といった雰囲気満点。寒くて不快な天気を忘れさせてくれる、こ
じんまりと心地よい晩でした。今後、定期的に音楽イベントを企画して
いくそうです。

 < Parr Street Studios >
  住所:33-45 Parr Street, Parr Street Studios, Liverpool L1 4JN
  電話:01517071050 (平日9:00〜17:00)
ホームページ: http://www.parrstreet.co.uk/

ライブの後は、友人の紹介で、バンドThe Coralのメンバーと、上の
バー<3345>で一杯飲みました!

♪ ♪ ♪

日曜日の午後、European Union Youth Orchestra(EUユース管弦楽団
=略してEUYO)が欧州文化首都リヴァプールのPhilharmonic Hallにて
2008年春のツアーのフィナーレを飾りました!

今年に入って以来リヴァプールは、今まで以上に文化的に盛り上がっ
ているのは確かなのですが、土着のスカウス・パワーやキャラクターが
濃すぎるからか、ついつい「ヨーロピアン・キャピタル」であるというポイ
ントを、地元の多くの人が忘れがちだった気がします。
「できれば何かヨーロピアンなイベントも見てみたいかも…」と思ってい
た矢先、このEUYOのコンサートに招待されたので観に行ってきました。

EUYOとは、EU加盟国の14歳から24歳までの若い才能あるオーケスト
ラ奏者の中から毎年オーディションを通じて厳選されたメンバーで構成
されています。
プロのオーケストラミュージック・ダイレクターを務める指揮者Vladimir
Ashkenazyが指揮をとりましたが、冒頭でオーケストラのチューニング
も済んでしばらくしても現れず、間があいて会場もガヤガヤしてきたと
ころでようやく登場。拍手で迎えられると、開口一番 "Sorry about
that" とボソッと一言告げて会場からどっと笑いが沸くというお茶目な
スタートでした。

バックグラウンドには、EU加盟国27カ国+EUの旗が。曲目は、前半に
グリーグのペール・ギュント第一組曲、シベリウスのバイオリン協奏曲、
後半にシュトラウスの家庭交響曲が演奏されました。
バイオリン協奏曲ではゲスト・ソリストにドイツ人と日本人ハーフのバイ
オリニストArabella Steinbacherを迎え、堂々とかつエレガントなパ
フォーマンスがフィーチャーされました。

私はクラッシックにはそれほど詳しくないので、他のオーケストラとの
比較はできませんが、ユースならではの新鮮さとダイナミズムと、ユー
スとあなどれないオーケストラ界のエリートの卵の貫禄が感じられまし
た。
奏者がプレイを心から楽しんでいる表情や、指揮者との強い信頼関係
を感じる場面があって素晴らしかったです。

EUユース管弦楽団: http://www.euyo.org.uk
Royal Liverpool Philharmonic: http://www.liverpoolphil.com

♪ ♪ ♪

今週は、写真が少なかったので、ひとつ面白スポットをご紹介します。
シティーセンターのショッピングモールMetquarterの地上階には、体重
計が!
この体重計には目方を表す数字の代わりに、「一生の間に人が消費
するシャンプーの量」、「2004年に消費されたビール一人当たりの量」
とか「人が10年間のあいだに食べるリンゴの重さ」、「世界で最も重い
スイカ」、「ボーイング747機が一時間に排出する二酸化炭素の乗客1
人当たりの量」などなど。
日常、新聞などで統計の数字をみても今ひとつピンとこないことがある
と思いますが、こうやって体重計に乗ると、「なるほど〜」と実感できま
すよ。

これは、今年の秋の《Liverpool Biennial》に先駆けて、スウェーデンの
アーティスト集団<A-APE>による "Visible Virals" シリーズのひとつ。
建物の外壁や塀に忽然と姿を現したグラフィティが街のあちこちに見
られますが、それも彼らのシワザです。
Liverpool Biennial: http://www.biennial.com/content/Programme/InternationalPlus1.aspx

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
その1;Grand National
4月3日〜5日は毎年恒例の《The Grand National》がAintree
Racecourseにて開催。
http://www.aintree.co.uk/pages/grand-national/

その2;『大人のロック!』春号
3月1日に発売された『大人のロック!』春号に、今年1月の08のオー
プニングのために渡英された淡路和子さん執筆のリヴァプール・レ
ポートが掲載されています。必読です!
ホームページ:http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/rock/

それではまた来週。

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish123_photo.html ≫


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