June 17 2008, No.346
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第131号 / Liverpool Sound & Garston Embassy ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish131_photo.html ≫

こんにちは。
久々の「ゴールドフィッシュだより」になりますね。
ここ数週間のリヴァプールでは、2008年のハイライトともいえるイベント
や出来事が数々ありました。

5月22日は、エリザベス女王がEchoアリーナ&BTコンベンション・セン
ターと、新しいショッピングセンター<Liverpool One>の正式オープニン
グのためにリヴァプール入りしました。
2007年12月に続いて半年の間に2度の訪問というのは、地方都市とし
ては珍しいとのこと。
この日の早朝、ハードマン・ストリートでやけに入念な道路掃除がなさ
れているなと思ったら、女王様が午後にフィルハーモニック・ホールで
クラッシックのコンサートをお楽しみになって帰られたそうです。

2月29日に一般にオープンした<Liverpool One>は、初日だけで20万
人もの人々が詰め掛けたといわれています。
私もそのうちの一人だったのですが、完成したショッピング・ストリート
を歩きながら、一瞬「ここはリヴァプール?!」と疑ってしまうような変
貌ぶりに驚きでした。
これまでは5時半で閉まる店の多かったリヴァプールですが、ここは8
時まで営業です。

今回は第一段階のソフトオープニングで、John LewisやDebenhamsな
どのデパートをはじめ、ハイストリート系のファッション・ショップやLFC
Super Storeなど、40店が開店しました。
グランド・オープンは9月30日、さらに多くのショップ、レストラン&カ
フェ、映画館、ホテルがオープンし、そして市内のオアシス的な存在
だったChavasse Park(公園)も間もなく戻ってきます。
Liverpool One: http://www.liverpool-one.com

この間ほかにもいろいろありました。
Tate Liverpoolではグスタフ・クリムト展が始まり、記録的な入場客数と
なる盛況です。
Liverpool Daily Post & Echo本社ビルでは、ジョン・レノンの15点の原
画を含むコンプリート・コレクション展が開かれました。オリジナルは紙
の微妙なよれや筆圧などまでが見れてはっとさせられます。
また、ストリート・イベント "Street Ahead" 、ミュージック・フェスティバ
ル "Liverpool Sound City" なども開催されて目白押しでした。

6月1日には、<Liverpool 08>の目玉イベント、言わずと知れたポール・
マッカートニーがメインを務める<Liverpool Sound>コンサートが開催さ
れました。

1時間45分に及ぶフルセットを表情豊かにユーモアもたっぷりにパワ
フルにこなし、BGVもセンスがよく、ラストには花火まで打ち上がる華
やかなステージでした。
ポールの生まれたウォルトン・ホスピタルから程近いアンフィールド・ス
タジアムは、ポールがコンサートのはじめに言ったとおり、ビートルズ・
ファンにとってはまさにセンター・オブ・ユニヴァースだったかもしれませ
ん。

サポーティング・アクトの一番手はザ・ズートンズ。このイベントに、比
較的新しいリヴァプール出身の中堅バンドが選ばれたのは素晴らしい
ことです。
相当緊張している様子でしたが、ソリッドでロックなステージを披露。
"You Will You Won't" などは本当に格好いいですね。
余談になりますが、ライブを見ながら「あれ、もうデイヴ・グロールが出
てきちゃったの?」と思ったら、それはデイヴ・グロール似のズートンズ
の新ギタリストでした。
考えてることはみんな一緒で、やっぱりホームページにもツーショット
が載っていて笑えました。
http://www.thezutons.com/gallery.php?galleryID=56

6月2日に新譜 "You Can Do Anything" が発売されたばかりですの
で、こちらも要チェックです。
The Zutons: http://www.thezutons.com/

2番手はカイザー・チーフス。いきなりハイテンションでボーカルのリッ
キー・ウィルソンはステージからダイブする勢いで、観客もすっかり縦
乗りで、いいスタートでした。
大きなハコやフェスティバルなどで慣れてるだけあってか、ノンストップ
で観客をのせていきます。
クライマックスの "I Predict A Riot" や "Oh My God" あたりでは、私
も跳べるものなら跳びたかったですが、まわりが座ってたので、おとな
しく着席してました。
加えて、メキシカンウェーブがスタジアムの観客席をぐるりと回り、
一往復させて盛り上がります。観客のモチベーションをぐっと上げ、メ
インアクトへと引継ぎました。今度はメインとしてのライブを観てみたい
です。Echoアリーナあたりで?!
Kaiser Chiefs: http://www.kaiserchiefs.co.uk

続いてヘッドライナーのサー・ポールが出てくるかと思いきや、コメディ
アンのピーター・ケイが登場! プレゼンターを努め、ポールをステー
ジに迎えました。

<ヒッピー・ヒッピー・シェイク>のロックンロール・ナンバーでエネルギッ
シュなスタート。
その後の楽曲ではベースからギター、マンドリン、ウクレレ、ピアノとい
ともナチュラルにこなす姿を見て、そしてビートルズ、ウィングス、ソロ
の曲のメロディーをこうやって改めて聴き返し、天性のミュージシャン
であることを純粋に確信しました。

「リヴァプールに戻ってくる度に、あらゆる思い出がどっと甦る」と言っ
ていましたが、今は逝ってしまった愛しい人々へのトリビュートともとれ
る選曲が垣間見られた気がします。
ジョージからもらったというウクレレで奏でた<サムシング>、リンダのた
めに歌った<マイ・ラブ>。そして、かつてはジョンがボーカルをとってい
た<ア・デイ・イン・ザ・ライフ>をポールが歌ったのはサプライズでした。
その後、巨大なピースマークの映像とともに<ギヴ・ピース・ア・チャン
ス>につながり、観客の歌声がアンフィールドのスタジアムじゅうに響き
わたったときはゾクゾクしました。

アンコールのときに歌った<レディ・マドンナ>はお母さんメアリーへ捧
げたものだったのでしょうか?
真意は分かりませんが、とにかくホームタウンでのパフォーマンスに特
別な思いと愛情をもって取り組んでいたのは間違いないと思いました。
また、日本語でちょこっとお茶目に挨拶をしたり、ポールの育ったス
ピークやガーストンから来た人に拍手を! などと観客に呼びかけた
り、細やかなサービス精神旺盛でした。

フー・ファイターズのフロントマン、デイヴ・グロールは見ものでした。
<バンド・オン・ザ・ラン>でギターで参加し、長髪をかき乱したプレイの
後、<バック・イン・ザ・USSR>、アンコールのラストナンバー<アイ・ソー・
ハー・スタンディング・ゼア>ではもう一人のドラマーとツイン・ドラムで
バシバシガンガン叩いていて、思わず見入ってしまいました。
すっかり忘れてましたが、ニルヴァーナ時代はドラマーだったんですよ
ね。この人選は本当にポイント高かったと思います。

ライブほとんどの曲で観客も一体となって大合唱となったこのライブ・
パフォーマンスが終わると、スタジアムの上に花火が打ち上げられ、
観客からはどこからともなく<ユール・ネバー・ウォーク・アローン>なん
かも聞こえてきました。
2008年のリヴァプールでしか観られない特別な夜を体験できて、最高
に素晴らしかったです!

Liverpool Sound:
http://www.liverpool08.com/music/LiverpoolSound/index.asp

♪ ♪ ♪

最後に、南リヴァプールに位置するガーストンが、5月31日に独立宣
言! 『アーティスティック・リパブリック・オブ・ガーストン』が樹立しまし
た。きっとサー・ポールも誇りに思っていることでしょう!?
廃墟となっていたエドワード朝時代に建てられた学校が『ガーストン大
使館』として生まれ変わり、国旗、パスポートまでできて、大統領もいい
味を出してます。
これは、ロタンダ、エッジヒルに続くリヴァプール・バイエニアルのコミュ
ニティー・プロジェクト『パヴィリオン』第3弾。
シュールでスペクタキュラーなオープニングとなりました。

この様子はLiverpool Storiesのサイトから映像が見られます。ガースト
ンよ永遠なれ!
http://liverpoolstories.blogspot.com/2008/06/garston-embassy.html

Liverpool Biennial:
http://www.biennial.com/content/LiverpoolBiennial2008/Pavilions1/Overview.aspx?intro=true

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish131_photo.html ≫


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