September 16 2008, No.356
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第138号 / BIG THINGS HAPPEN HERE in リヴァプール! ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish138_photo.html ≫

ご無沙汰しています。
夏らしさからは程遠いまでも去年より温暖だった8月が終わると、あた
かも晩秋のような寒さがやってきました。
それでもここ数週間は、ひっきりなしに様々なイベントが目白押しで、
シティーセンターは異なる表情をみせています。

8月の連休には毎年恒例のマシュー・ストリート・フェスティバルとワー
ルド・ファイヤーファイター・ゲーム、9月に入ると《La Machine》 、《Go
Superlambananas!》のクライマックスである大オークション(£550000も
の収益を上げたそうです! オークション前の最後のお披露目がセン
ト・ジョージズ・ホール前の広場でありました。写真をご覧下さい)、この
週末はブリティッシュ・ツアー・サイクリングのレースと大忙しのリヴァ
プールです。


今週はまずは、どんよりとした空と雨と寒さを吹き飛ばすようなイベント
から。リヴァプールの市内に巨大なクモが出現!

これは、リヴァプールの2008年ヨーロピアン・キャピタル・オブ・カル
チャーを記念する公式イベントとして行われた《La Machine》。
ロンドンを拠点に活動するArtichoke Productionによるプロデュース、
フランスのクリエイターLa Machine社が制作を担当しました。
Artichoke は2006年にロンドンでこれまた大きな象の《Sultan's
Elephant》を展開させた仕掛け人のプロデュース集団でもあります。

今回のこのクモですが、名前は「ラ・プリンセス」。重さ37トン、高さ50
フィート、時速3キロで動きます。
水、火、スモーク、風、雪を噴き出し、音や光を発したりといったエフェ
クトも搭載したロボット。300以上の大小の大型クレーンやフォークリフ
トが総動員でロボットを練り歩かせるだけでなく、20人ものミニ・オーケ
ストラによる音楽の生演奏、そして全体がストーリー仕立てといった野
外シアター的な演出です。

あらすじは、どこからともなく突如ライム・ストリート駅脇のコンコースタ
ワーの壁に巨大なクモが出現。科学者たちはエコー・アリーナに研究
基地を設けてこのナゾの生き物が何者であるかを追及します。
「このクモが何百個も増殖したら街は大変なことになる!」と、科学者
たちはサーチライトでクモの行方を追い、クモにスポットライトが当たり
ます。
眠ったままのクモはアリーナまで移動され、研究基地で科学者による
実験の後、クモは目を覚まし、歩き出します。
雪がふるとクモは眠りにつき、雪が溶けると再び動き出し、途中、水浴
びをしたりという場面も。

翌日、クモはシティセンターに現れます。キューナード・ビルディングか
らタウンホール前を通り、ダービー・スクエアまで音楽とスモークととも
に歩きます。雪が降って一眠りしたあと、クモはチャーチ・ストリートか
らアデルフィ・ホテルをかすめてライム・ストリート前のコンコース・タ
ワーへと戻っていきます。
最後は、追いかける科学者たちから逃げるようにトンネルを伝って逃
げていきます。。。

まる3日間かけてのイベントで、全てを鑑賞することはできませんでし
たが、まるでゴジラの実写版かなにかをストリートで特撮なしで繰り広
げたような、SF映画の中に迷い込んだような凄い体験でした。
来年には横浜にも上陸するそうです。

La Machine: http://www.lamachine.co.uk

♪ ♪ ♪

この他のイベントや展覧会です。
リヴァプール大学に新しくオープンしたてのVictoria Museum and
Galleryにて、5人目のビートルズとしても知られる、スチュアート・サトク
リフの回顧展が開催中です。
これは、スチュアート・サトクリフ・エステート所蔵のコレクションです。8
月28日のプライベート・ビューには、スチュアートの妹のポーリーンも出
席しました。
21歳という若さでこの世を去ったスチュアートですが、様々な手法でし
かも驚くほど成熟した作品を数多く残しています。やっぱり生で見ると
迫力が違います。
この展覧会は2009年1月31日まで開催。

Victoria Gallery & Museum (University of Liverpool)
住所:Brownlow Hill, Liverpool L69 3DR
開館:火曜日〜日曜日 10.00 - 17.00 入場無料
ホームページ:http://www.liv.ac.uk/vgm/
Stuart Sutcliffe Estate: http://www.stuartsutcliffeart.com/

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
今年も、リヴァプール・バイエニアルが9月20日からスタートします。
今年のテーマは、《MADE UP》。日本からは、バイエニアルのメインの
コミッションには、オノ・ヨーコ、草間弥生、アトリエBow-Wow、そして
Jump Ship Ratでは、開発好明、タムラ・サトル、中村政人の各氏が参
加予定です。
インディペンデンツ部門でも150もの展覧会が街中でひしめきます!
Liverpool Biennial: http://www.biennial.com/
Independents Liverpool Biennial: http://www.independentsbiennial.org/

私個人的には、今回はJump Ship Ratのプロジェクトとインディペンデ
ンツのホームページに携わっていて、忙しさもピークに達していますが、
スリリングでエキサイティングです。また追ってレポートします。

今週は、バイエニアルの先行展示作品として姿を現した、ディラー・ス
コフィディオ+レンフロによる、"Arbores Laetae"(ジョイフル・ツリー)
の写真を送ります。
場所は、大聖堂からケインズ醸造所への坂を下る途中の交差点の角
で、3本の木が回る回る! ワルツが似合いそうでメローな作品です!

おまけ:
パン製造会社のHovisが、創業122年を迎えた記念に制作した長編の
テレビCMが放映されています。122年の歴史を122秒に収められてい
ます。
撮影はリヴァプール各地で行われ、地元の800人ものエキストラを巻き
込んでの大プロダクションだったそうです。ホープ・ストリート近くの
フォークナー・ストリートでのシーンは私も通りかかりに見ました。
このCMはHovisのホームページからご覧になれます。
http://www.hovisbakery.co.uk/our-ads/

それではまた来週? ひょっとしたら再来週??

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish138_photo.html ≫


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