December 02 2008, No.367
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第145号 / エッジー・シティー→NICEノルディック→スタジオ2 ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish145_photo.html ≫

こんにちは。
ここ数日ぐっと気温も下がり、リヴァプールにも本格的な冬がやってき
ました。
その代わりといってはなんですが、街中はクリスマスショッピングに勤し
む人々とイルミネーションで賑やかで、逆に寒々しさを感じなくなってき
た気もします。
今週はランダムな話題を3つ、お届けします。

♪ ♪ ♪

リヴァプールFCがマルセイユとの試合をしていた同じ晩、FACTにて久
しぶりに映画を見に行きました。
ヨーロッパ6ヶ国の港まちをつなぐ《Cities on the Edge》プロジェクトの
一環であるドキュメンタリー映画《Postcards From The Edge》です。

この映画では、イギリスはリヴァプール、フランスのマルセイユ、トルコ
のイスタンブールに焦点が当てられて、それぞれのまちの人々が語る
その土地の特性を美しいシネマトグラフィーで綴っています。
今後、他の都市の撮影も計画されているとのことです。

特に、リヴァプールとマルセイユの共通点の多さが非常に興味深かっ
たです。
ともに首都であるロンドンやパリのメインストリームに巻かれることを
嫌い、リヴァプールの人々が自分たちを英国人ではなくスカウサーだと
称するように、マルセイユの人々も自らをフランス人ではなく、むしろマ
ルセイユ人であると複数の人々が明言しています。
2013年には欧州文化首都に選ばれたマルセイユ、是非訪問してみた
いです。

港まちの特徴は、海と深いかかわりがあります。たとえ海とは逆側から
太陽が照っていても、人は振り返って太陽を見るのではなく、海を臨む
ものだ、とイスタンブールの登場人物が言っていたように、港まちの
人々は、内陸を見つめるのではなく、世界に目を向けます。
また、各国からの船が停泊し、外国人の出入りの多い港まちでは、来
るもの拒まず、よそ者や新しいものに対して寛容で、それがそこに住
む人々の独特な気質や価値観を生み出しているんですね。
日本では、どの都市が「エッジーな港まち」になるのでしょうか?

Cities on The Edge: http://www.liverpool08.com/exploring/COTE/index.asp

この映画を制作したTabacula Filmsでは、1シーズンで60ものゴールを
決めた、歴史的フットボール・ヒーロー、エヴァトンFCのディクシー・
ディーンのドキュメンタリー映画《Dixie, The People's Legend》を制作中
です(トレーラー: http://uk.youtube.com/watch?v=hMYsD5KtJAg )。
Tabacula Films: http://www.tabacula.com/

♪ ♪ ♪

続いては、北欧のアート、デザイン、音楽などを紹介する《NICE08》。
昨年は《ICE07》という名前でアイスランド文化をテーマにしたフェスティ
バルが行われましたが、今年はノルディックのNを足して《NICE08》。
アイスランドにデンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンが加
わりました。

順風満帆に行くと思われたこのフェスティバルを襲った、まさかの金融
危機の影響。
メインのスポンサーであったアイスランド銀行が当初約束していた6万
ポンドの助成金が一気に泡となって消えてしまったのが今年の10月で
す。
多くの数のイベントをキャンセルして、ダウンサイジングを余儀なくされ
ましたが、それでもフェスティヴァルは敢行されました。

フェスティバルそのものは終了してしまいましたが、ブルーコートにて展
覧会とシークレットオークションが12月6日まで続いています。
デンマーク人アーティストが編んだセーターやブランケット。やわらかく
て温かそうですが、素材はスチールウール! 残念ながら本人が編ん
でいる現場は見られませんでしたが、なんと編み棒には電流が流れて
いて、編みながら音が発せられるというものだったそうです!

その他ロンドン在住のデンマーク人デザイナー、ニナ・トルストルプの
家具、アイスランド出身ヘンドリカ・ヴォーゲの息をのむような美しい
ジュエリー、スウェーデンの<MADE BY:>によるボウルのインスタレー
ションなど、シンプルで洗練されたフォルムのなかに、遊び心や暖かさ
のあるアートやデザインの数々が展示されています。

また、フェスティバルの資金難救済のためのサイレント・オークションも
開催中です。
NICE08: http://www.nice08.org/

 < The Bluecoat >
  住所:School Lane, Liverpool L1 3BX
  電話:0151-709-5297
  ホームページ: http://www.thebluecoat.org.uk
  展覧会、カフェEspresso at the Bluecoat:10.00am〜6.00pm(毎日)

♪ ♪ ♪

Parr Street Studiosの<Studio 2>がオープンしました!
ダイアナ・ロスやコールド・プレイ、スパイス・ガールズなどがレコーディ
ングをした第2スタジオが、午前中はブレックファスト・バー、午後以降
はラウンジバー、夜はときどき30歳以上対象(?)大人のライブ・ハウ
スに変身しました。
コントロール・ルームだった部分にバー・カウンターとブレックファスト用
のテーブルが、スタジオ部分にはラウンジーなソファ、小部屋のひとつ
はファンキーな黒とオレンジのファット・ボーイのビーン・バッグが敷き
詰められ、もうひとつの小部屋にはシックなテーブルと椅子が配置され
ています。

朝ごはんメニューは、オーガニックや地元でとれる食材を使ったフル・
イングリッシュ・ブレックファスト<Studio Brekkie>(£7)、ベジタリアン、
ヴィーガンのブレックファスト(£6)などヘビーなものから、サンドイッ
チ、トースティー(£2.50〜)などの軽食も用意されています。
私と旦那は、ヴィーガン・ブレックファストを頂きました! 満腹。満足。

 < Studio 2 at Parr Street Studios >
  住所:33-45 Parr Street, Liverpool L1 4JN
  電話:0151-707-1050
  ホームページ: http://www.parrstreet.co.uk/STUDIO2/Home.htm

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
12月12日から、FACTにて《DING>>DONG》展がスタートします。
ビープ音、ドンドン、カンカン、電子ノイズの奏でる音の展覧会。
OMDのアンディー・マクラスキー、ニューオーダーなどのファクトリー・レ
コードのデザインで有名なピーター・サヴィル、デジタル映像作家のハ
ンビ・ハラランボスのコラボレーション。
どんなものになるのか全く想像できませんが、とにかく面白そうです!
FACT: http://www.fact.co.uk/whatson/detail/?infoID=1311102971193561501

それではまた来週。

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish145_photo.html ≫


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