July 07 2009, No.387
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 ――――――――――――――――――――――――――――――――― NLW □ 「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン 〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜 ― 第159号 / The Lakes - iSSHO taiko drummers - AMERICANA ― ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish159_photo.html ≫ こんにちは。 今年は、イギリス気象庁が「バーベキュー・サマー」を予報していましたが、ま さにそれに相応しい日が続いた2週間でした。 一週目は最高な青空と汗ばむほどの日差しに恵まれる中、湖水地方に行ってきま した。 私にとっては初めての湖水地方だったのですが、「雨が多い」とか、「天候の変動 が激しい」という定説を覆すような気候で、旅をすっかり満喫することができま した。 湖のほとりのボウネス近くに宿をとり、初日は近辺を散歩しました。 正直なところ、鉄道駅付近やボウネスは商業化された観光地で、少々がっかりし ましたが、少し離れると湖畔の美しい眺めや自然が楽しめます。 2日目はボートに乗って対岸のフェリーハウスへ、そしてそこからバスでビアト リクス・ポターの住んでいたヒルトップへ。 ピーターラビットなど一連の著書の挿絵そのままのコテージの佇まいやガーデン が見られます。 ヒルトップから小さなビレッジのホークスヘッド行きのバスを乗り損ねてしまい ましたが、歩いて正解でした。 途中、木々や羊や湖を歩くペースで眺めるとやっぱり違います。また、牛が湖を 渡って大移動する風景を目にしたときは感動しました。 ホークスヘッドからバスに乗って彫刻の森、グライズデイル・フォーレストに向 かい、自然の中に隠れた動物や楽器などの彫刻を見つけながら歩き、楽しい森林 浴となりました。 私たちは一時間のお手軽コースで、20個の彫刻が見られますが、森全体には80 個あるそうなので、次回はフルコースを歩いてみたいです。 3日目にはオープントップ・バスに乗って、ワーズワースの眠る教会とジン ジャーブレッドで有名なグラスミアへ。 野原や背景に連なる山々がどこまでも広がるオープンな眺めが気に入りました。 お茶がてら入ったレストランJumble Roomを見つけたのは大当たり。絵画やオブ ジェがいい感じに飾られていて、なにより妙に落ち着く空間でしたので、せっか くだったので、お昼もそこで食べてきました。 その後、ウィンダミア湖北端のウォーターヘッドでアヒルをみながらまったりし て、アンブルサイドへ。 アンブルサイドには、橋に架かるように建てられた、「ブリッジハウス」があり ます。 この家の下には、川が流れていて不思議な風景でした。 この日の晩は、アンブルサイドのZeffirellisというレストランで、ピムズ(イ ギリスの夏ならではのドリンク)を飲み、ピザとデザート「Eternal Summer Pudding(永遠の夏プディング)」を食して締めくくりました。 4日目。帰りの電車に乗る前に、ボウネス近くの見晴らしの良い丘、ポストノッ トへ。 道があるようには見えないような細い小道を上がっていくと、湖が見下ろすこと ができます。 ホテル、レストランやショップで溢れかえったボウネスですが、ナショナル・ト ラスト(環境保全団体)がこうした自然や美しい景観を保護していて、本当にあ りがたいことです。 文豪やアーティスト、詩人などがこぞって多大なインスピレーションを受けた風 景が、今後もそのまま受け継がれていってほしいと思いました。 交通: 様々なルートがありますが、乗り換えが少なくて楽なのが、リヴァプール・ラ イムストリート駅からプレストンで乗り換え、ウィンダミア下車の鉄道で、所 要時間2時間強。マンチェスター空港駅からウィンダミアまで直通も出ていま す。 National Rail Enquiries(鉄道の詳細): http://www.nationalrail.co.uk/ 湖水地方日本語サイト: http://www.kosuichihou.com ♪ ♪ ♪ 7月1日(水)の夕べ、セント・ルークス・チャーチ(爆弾の落ちた教会)へ、 グラスゴー出身のiSSHO taiko drummersのライブ・パフォーマンスを観にいきま した。 草が青々と生えた、また違った表情のセント・ルークスで、くつろいだ夕暮れど きを過ごしました。 和太鼓ときいていたので、和風な衣装で肉体派なドラミングを披露するのかと思 いきや、フルートやギター、ヒーター(?)に和太鼓のビートを絡めた繊細なポ スト・ロックを思わせるサウンド。 ドラムはすべて手作りだそうです。 また、バンド名の "iSSHO" の由来は、「いっしょ」か「いっしょー」か? と リーダーのShane Connollyに訊いてみたところ、「'Together'の意味だよ。 でも'life long'っていうのもいいね」 と笑いました。 iSSHO taiko drummers: http://www.myspace.com/isshodrummers ♪ ♪ 7月4日(土)は、アメリカ独立記念日。 そもそも1776年にアメリカがイギリスに対して独立宣言を公布した日ですから、 追い出された側のイギリス人がお祭り騒ぎをするのはどうなんだろう? という 細かいことはそっちのけで、この日はリヴァプールでも「アメリカン」をテーマ にしたマーケットや音楽イベントが開催されました。 中でも良かったイベントは、Static Galleryにて、シンガーCandie Payneが オーガナイズした《AMERICANA》。 赤と青のアイシングのかかったカップケーキやホットドックや、ジュレップ(ミ ント、バーボン、砂糖、水をミックスしたアメリカ南部のドリンク)が用意され、 カウンターでは、CandieとZutonsのサックス奏者のAbiが自ら接客していてお 客さんも大喜び。 この日は、Zutonsのメンバー、Danny Roberts (of the 16 tonnes)、The Loose Moose String Band、The Nashville Liverpool Underground Medicine Showの 3アクトがアコースティックセットを演奏。 私はラストのThe Nashville Liverpool Underground Medicine Showを目当てに 観にいきました。 The Nashville Liverpool Underground Medicine Showについて。 元The La'sメンバーのMike Badgerが、今年米国テキサス州オースティンで行 われたSXSW (South By South West) に出演した際に、ナッシュビル出身のシン ガーソング・ライターEmily GraceとMatthewと出会って意気投合、Mike Badger の英国ツアーに彼らも参加することになりました。バンドの息もピッタリです。 サウンドは、カントリー&ウェスタン。リヴァプールには珍しく、やや湿気を帯 びた夏の日に似合っていました。そして、幸せな気分にさせてくれる音楽でした。 The Nashville Liverpool Underground Medicine Showは、7月17日(金)に Zutons, Coralの前身バンドともいえるTramp Attackとともに再びStaticにて ライブを行います。こちらも楽しみです。 The Nashville Liverpool Underground Medicine Show: http://www.myspace.com/nashvilleliverpool Mike Badgerですが、日本の音楽雑誌「クッキーシーン」の最新号に、「特集: ザ・ラーズ」として、彼のロング・インタビューが掲載されています。 リヴァプールの音楽シーンから、The La'sのいきさつまで語っています。 必読です! クッキーシーン: http://www.bls-act.co.jp/magazine/show/2037 ♪ ♪ ♪ 今週のYe Crackeです。 パブ内の奥の部屋が、ちょっとしたギャラリー・コーナーとなったことはお伝え していませんでしたね。地元のアーティストの作品が飾られています。 今後も定期的に作品が入れ替わる予定です。この夏は、屋外が最高です。確実に Ye Cracke率が上昇しています。 ビア・ガーデンには、真っ赤な薔薇が壁いっぱいに咲き乱れています。いい季節 です。 それではまた再来週! ミナコ・ジャクソン♪ ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish159_photo.html ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2009 Scouse House |