September 15 2009, No.392
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第163号 / International Beatle Week & Mathew Street Festival ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish163_photo.html ≫

こんにちは。
9月に入り、暖かな秋晴れの日々が続いているリヴァプールです。
しかし、この8月はひどかったですね。後発の予想どおり、雨が多く肌寒い一ヶ
月でした。

そんな悪天候にも負けない勢いで、今年も世界最大のビートルズ・フェスティ
ヴァル&コンヴェンションである《International Beatle Week》とヨーロッパ
最大の無料ミュージック・フェスティヴァルである《Mathew Street Festival》
が、8月最終週の3連休の週末に開催されました。

今年は、レコード会社EMIがフェスティヴァルを強力バックアップ。
Mathew Street Festivalのパンフレットやステージのバックドロップにも宣伝が
打たれていました。

2009年9月9日に<The Beatles Remasters>(全アルバムのデジタル・リマスタ
ー盤)およびゲームソフト<The Beatles Rock Band>
( http://www.thebeatlesrockband.com/ )の販売を控え、大プロモーションを
展開するのに、世界中からビートルマニアやトリビュート・バンドが集まるこの
イベントはタイミング的にも打ってつけのチャンスだったようです。

International Beatle Weekのメイン会場であるAdelphi Hotelでは、8月30日、
定期的に新しいリマスター盤の試聴会が行われ、私達も行ってみました。
曲によっては、過去のバージョンの音のバランスに慣れているからか、違和感を
感じるものも一部ありましたが、全体的に靄が消えて、はっとさせられるくらい
際立ったヴィヴィッドな音質です。
忠実な耳コピをする方には、新たな音の発見があるかもしれません。アナログと
このリマスター盤の両方揃えられれば理想ですね。

試聴を終えて、その足でMathew Street Festivalのステージをいくつか回りま
した。
まずはWilliamson Squareに設置された、80'sモノのトリビュート・バンドを
フィーチャーしたステージ。
大勢の観客で賑わい、ビーチボールがポンポン飛んでいる中、Madonnaのコピー
バンド<Vogue>が演奏していました。
見る角度によっては、結構見た目もよく似ています。歌も本格的です。ホンモノ
に近づくために、きっとこのシンガーも相当鍛えているんだろうな、と感心して
しまいました。

次は、博物館の隣に設置されたTunnel Stage。
ここは、ロック系のトリビュート・バンドのステージで、私達が行ったときには、
Guns N' Rosesのコピー<Guns 2 Roses>がプレイしていました。
圧倒するほどの観客の数で、とてもステージに近づける状況ではなかったので、
遠目で楽しみました。Axl RoseやSlash役も、よく雰囲気がでています。
まもなく大粒の雨が降り出しましたが、多くの人々はその場に残り、パフォーマ
ンスを楽しんでいました。

その後、The Cavern Clubへ。
お目当ては、International Beatle Weekで今年リヴァプール・ライブ・デ
ビューを果たした、日本のオール・ガールズ・バンド<The BlueMargarets)。
ライブの前に、リヴァプール公演用に作られたポスターのリンクを友人や知り合
いに見せると、「これは面白そう、見に行きたい!」と話題性と前評判も上々。

足を怪我して歩けない状況だった知り合いの某ロック・フォトグラファーは、
「撮りに行けるものなら行きたい〜!」
と言いながら泣く泣く断念。非常に残念。

前日にBlue Angelでの演奏を見た友人たちは、
「ファンタスティックだったよー。彼女達がステージに上がると、他のバンドの
ときとは比にならないくらいの凄い歓声で、観客はすっかり彼女たちの虜だった
よ!」
とエキサイトしていました。
(ちなみにこの友人達は、メンバー個々の名前まで覚えてました!)

会場は満員で高密度、温度と湿度でむわっと高い中、なんとか擦り抜けてステー
ジ前にたどり着きました。
私のとなりには、アスプレイズのバッジをつけた地元のオジサンとそのお友達が
陣取っていて、
「ブルーマーガレッツはね、すでに数回見てるんだよ。ちなみにアスプレイズは
ね、去年からチェックしてるよ」
と自慢げに語っていましたが、どうやら他にもリピーターが結構いたみたいです。

ビシッときまったスーツ姿の4人がステージに上がると、割れるような歓声が湧
きました。
何がすごいって、元気いっぱいでキュートなルックスに負けない、しっかりとし
た演奏力。観客も大喜びで、大合唱していました。
フルセットが終わった後も圧倒的なリクエストで、アンコールを3曲披露。

彼女達がリヴァプールで、着々とファンベースを固めているのが分かります。
日本出身/ニュージェネレーション/ガールズ/しかもファブなBlueMargarets
が、Beatle Weekに爽やかな旋風を巻き起こしたことは間違いありません!

The BlueMargarets: http://www.bluemargarets.co.uk

♪ ♪ ♪

8月31日、Hard Days Night Hotelへ。
The Beatlesの名盤『リヴォルヴァー』のアルバム・ジャケットを手掛けたアー
ティスト、そして腕利きのベーシスト(John LennonのソロやPlastic Ono Band
にも参加)としても知られるKlaus Voormannの新作の除幕式が行われました。
アーティスト紹介は《Merseybeat》紙の創始者であるBill Harryが。
そして、写真家であり故Stuart Sutcliffeの恋人でもあったAstrid Kirchherr
も出席していました。

作品の名前は、<The Liverpool Rascals>(=リヴァプールのいたずら小僧た
ち?)。
名前の通り、メインのファブフォーのナチュラルな表情の傍らに、ふざけたメン
バーの面々が描かれています。これも、メンバーを良く知るKlausならではだと
思います。
また、中央には、古い写真やメモが見えますが、一瞬コラージュかと思いきや、
これらもすべて手描きです。ぺろっと貼られたセロテープまでリアルに見えま
す!

この作品は、ホテルのラウンジの壁に設置されています。ラウンジも、まったり
とお茶をしたり一杯飲みたいときにはおススメのスポットです。

Hard Days Night Hotel: http://www.harddaysnighthotel.com/

♪ ♪ ♪

その後、急ぎ足でDerby Squareへ。
Mathew Street Festivalの野外ステージのひとつ、Derby Square Beatles Stage。
現在はヴィクトリア女王の銅像が建っているこの広場ですが、1230年代から
1700年代までLiverpool Castleという名のお城があった場所です。
その昔、ジョン王によって小さな村だったリヴァプールに自由都市のステータス
が与えられ、交易拠点およびアイルランドやウェールズへの侵略をにらんだ軍事
拠点として建てられたこのお城は、マージー川を見下ろす小高い丘の上に位置し
ていたといいます。今は、丘は切り崩されて平地になっています。

そんな歴史のある場所に設置されたBeatles Stageの上から、大勢の観客を前に
演奏するというのは、どんな気分なんでしょうか。
そこに日本を代表するビートルズ・トリビュート・バンド<The Aspreys>が登場
しました。

ここでも観客の間を掻き分けて、ステージ前へと向かっていく途中、Aspreysの
Tシャツを着たフォロワーも見られました。
さすが、International Beatle Week、2度目の出演。

ビッグステージで、物凄い数のオーディエンスを前にして、堂々と貫禄のあるパ
フォーマンスを披露。
観客も一体となって盛り上がっていました。アンコールでは、異例の「ドーモ、
ドーモ、ドーモ、ドーモ!」コールが湧き、メンバーはステージ中央に集まって
「緊急ミーティング」(笑)。
最後まで素晴らしいステージでした。

緻密でソリッドな演奏の合間のMCが、とても人間味あふれていて、チャーミン
グで、リヴァプールの観客にとってThe Aspreysは、すっかり「メイト」になっ
たことと思います。

The Aspreys: http://music.geocities.jp/theaspreys/

「ゲイシャ・ビートルズ」&「サムライ・ビートルズ」の強力なコンビネーショ
ン。またのリヴァプールでのパフォーマンスを心から楽しみにしています!

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
Hope Street FEAST 2009
9月20日(日)午前11時から午後5時まで。Hope Streetは今年も、フード・
ドリンク・音楽・パフォーマンス・マーケットストールでいっぱいのストリー
ト・パーティーとなります。
また、Philharmonic Hallでは、オープン・デーが開催され、さまざまなコン
サートが無料で観られます。目玉は、若く才能溢れるロシア人指揮者、Vasily
Petrenkoの率いるRoyal Liverpool Philharmonic Orchestraのコンサート。
詳細はこちらから。
http://hopestreet.co.uk/2009/09/hope-street-feast-2009-full-details/

それではまた再来週。

ミナコ・ジャクソン♪

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